[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/06(日)21:13 ID:Tx2K4C3AO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
タイトルそういう意味だったのか
946: タイムリミット 2013/10/08(火)18:53 ID:f/KEkE1AO携(1) AAS
彼女が歩くと、俺も歩く
彼女が止まると、俺も止まる
彼女が歩き出す・・・が、俺は止まったまま

「何してるのよ、紫鏡」

彼女・・・俺の契約者は訝しげに俺を振り返る
俺は「紫鏡」20歳まで俺の名を覚えている者は、20歳の誕生日に死ぬ呪い

なんだってそんな俺と契約する奴がいるかって?
契約者・・・宮野シオリは複雑な家庭に育ち、そこでまあ色々あったらしく、二言目には

「オトナは汚い。あたしは汚いオトナになりたくないから、その前に死ぬ」
省16
947: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/10(木)00:16 ID:35Ch0SGzo(1/8) AAS
乙です
切羽詰まった状態から紫鏡さんがうまい回避方法を発見する事に希望を託すしかないですな!
幼児退行とか(手段? 知らぬ!
948: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:14 ID:35Ch0SGzo(2/8) AAS
 姦姦蛇螺という怪談がある。
 あるところに、呪術師の一族があり、一族の中でも特に強力な力を持っていた呪術師の女性がいた。
彼女は、あまりに強すぎる力をもつがゆえに、親族にもねたまれていた。
そんな呪術師は、ある時、山の神を討伐してくれという依頼を受けた。
 依頼をしてきた村の住人は、呪術師の親族の手引きもあって、討伐に来た呪術師の女性の手足を切断して、弱った女性の身を山の神に捧げた。
 その捧げものを以って神を鎮めようとしたのだ。
 呪術師は山の神に食われながらも逆に山の神を乗っ取り、六臂に蛇の下半身を持つ異形、姦姦蛇螺として、自らを裏切った一族も、騙した村の住人たちも祟り殺した。
 これが姦姦蛇螺の怪談。
 修実の姿はまさに、村も親族も祟り殺した姦姦蛇螺そのものだった。
949: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:15 ID:35Ch0SGzo(3/8) AAS
   @

 何故修実はこうも、都市伝説になりきっていないような怪談に語られる化け物と似た姿になったのか。
その疑問に対して、久信は二つの理由があるのでは、という見解を持っている。
 まず一つ目は、一族の中で異常ともいえるほどの力を持ち、それが元となって組織や町の人々に殺されかけ、
その過程で両手足を失ったという、修実が辿った人生が、かの怪談で語られる呪術師のそれと似ていたこと。
 もう1つが、かごめかごめの童謡には、1人の子どもを何人もの子供で囲んで歌を口ずさみながら回り、
真ん中で目をつぶる子供が最後に自分の真後ろにいる人物の正体を当てる。という遊びがあり、この遊び自体に語られている都市伝説に曰く、
この遊びは真ん中の子供に神霊を降ろす呪術であるというものだ。
 修実は、かごめかごめが作り出す結界の中、その場にいる全てのモノに取り囲まれて悪意を向けられ、襲われた。
省12
950: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:17 ID:35Ch0SGzo(4/8) AAS
 ならば、郭に今こうして対峙する修実は、郭が偶然にも作り上げた呪術の被害者たちの恨みそのものでもある。
 恨みの対象である郭は、修実から逃げる算段をつけようとするように、視線をあちらこちらにさ迷わせている。
 対する修実は郭を見据えたまま、目線を動かす気配がない。
 無慈悲ともいえる表情を浮かべる修実の姿は、久信も間近でまじまじと見るのは初めてだった。
 以前この姿になった吉井を見たのは、姉が居た町へ彼女の安否を確認に居た時だった。
 封印を破壊したばかりで意識も朧だった彼女。
久信はこの状態の姉を、姉と認識するところから始まって、修実が落ち着いて意思の疎通ができるようになり、
怨念によって膨れ上がった彼女の力を抑えこむために修実の中に根付いた新たな力を極力封印し、
蠱毒の影響で生成された手足も全て封じてダルマ状態になってもらうまでの間、一連の綱渡りのような事態がせわしなく続いたせいで、じっくりと彼女の姿を眺める余裕はなかった。
 月光の下、改めて見る修実の姿は、美しかった。
省22
951: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:18 ID:35Ch0SGzo(5/8) AAS
 締め上げを徐々に強めながらそう口にする修実から本気の殺意を感じ取って、床に置いておかれた久信は慌てて止めに入った。
「待った修実姉! そいつからは証言を引き出さなくちゃいけないから、そこまでだ」
「多少痛めつけるくらいならばかまわないでしょう。証言ができるように、こうして喉だって潰さずに残してあるのよ?」
「修実姉!」
 修実の蛇身を殴ると、修実はそれで初めて久信の存在に気が付いたように目を瞠った。
「――ぁ」
 背をビクッと震わせ、瘴気を徐々に収めていく。
 全てを収めた後、修実は久信に目を合わせて、眉尻を下げた。
「ごめんなさい」
「いいんだよ」
省8
952: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:19 ID:35Ch0SGzo(6/8) AAS
   @

 昌夫が、かれが使役する犬と共に結界を取り払われたクラブ跡の内部に侵入した時、捕獲目標であた郭正吾は、大量の蛇に縛り上げられて気を失っていた。
 目立った外傷は見受けられないことから、毒か何かで無効化したのだろう。
 精根尽き果てたように床に座り込んでいる友人と、それに寄り添うようにして心配そうな顔をしている、多少外見が変化した友人の姉に、労いの言葉をかけた。
「おつかれさん。結界がいきなり出てきた時はどうなるかと思ったが、どうやら決着はついたみたいだな」
「おかげさまでね。幽霊船のほうはどうなった?」
「あっちはとっくに占領されてるよ」
 相応の装備を整えていた幽霊船も、動物による奇襲に脆くも破れてしまったようで、
現在は昌夫が読んできた警察の人間が、幽霊船内で無力化されている乗船員たちを運び出している最中だ。
省20
953: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:20 ID:35Ch0SGzo(7/8) AAS
 ダルマのようだった時とのギャップが純粋に衝撃だ。
今の状態の方が、ダルマの時よりも、より人間らしい恰好と言えなくもない辺りもまた、出来の悪いジョークのようでもある。
「なあ、なんでずっとその姿で行動しなかったんだ? 修実さんも自分の意思で動ける分、そっちの方が何かと便利じゃないか?」
 確かに高圧的な姿をしているので。この姿の修実が敵意を持っているのを見たら化け物の来襲に見えなくもないだろう。
普段から今の姿をオープンにするわけにもいかないだろうが、修実は、昌夫が知る限り、壊滅した町からここまで、一度も今の姿をとったことはない。
 今の姿をとるためには、何かの条件が必要なのか、あるいは、ただ単に目立ちすぎるのを避けようとしたのだろうか。
 修実の姦姦蛇螺状態がどのような経過を経て存在しているのかをしらない昌夫の純粋な疑問の言葉を切るように、久信が早口に言った。
「それよりも、早いところこの男をしかるべきところに連れて行って洗いざらい吐いてもらおう……。それまで安心はできない」
「おっと、そうだな。とは言ってもこいつが捕まればもうお前たちは隠れる必要もなくなるからな。
これで少しは楽な生活が送れるようになるだろう。完全に容疑が晴れるまでは俺が直接身柄を預かるように計らっておく」
省28
954: コドクノオリ 2013/10/10(木)23:22 ID:35Ch0SGzo(8/8) AAS
中ボス戦が終了したところで、そろそろ本当のボスが真価を発揮しましたね?!
そんな感じで

>>945
タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです
955
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/13(日)19:38 ID:8z6a3LAAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
真のボスって何!?修実ちゃんはなんか知ってそうだけど

>>545
>タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです 俺が思ってたのは「孤独の檻」だったけどそれもあり?
956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/14(月)23:14 ID:5rYxM7zno(1/6) AAS
>>955
>>タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです 俺が思ってたのは「孤独の檻」だったけどそれもあり?
ありです! むしろサブタイでいつか使います!
957: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:15 ID:5rYxM7zno(2/6) AAS
 どこかで誰かが泣く声が聞こえた。
 その声は、ただただ、何度もごめんねと謝り続けている。
 久信は、その声を知っていた。その声の主がいつだって独りで泣いていたこともだ。
その人が他人に自分が開いている姿を見せることがなくても、彼女はずっと泣いていたということを、久信は知っていた。
 ……泣かないで。
 そう思うことも、もう何度もしていた。
ただそう思うだけでは無意味で、言葉にすればするほど、
彼女は完璧な微笑を身に付けてしまって久信にもやがてその真偽を見抜くのが難しくなってしまったから、いつしかそれを口にすることをやめていた。
 ただ、泣かないでと、泣かせたくないと、泣かせなくても済むようにしたいと、そう思うことはずっとずっとやめることはなかった。
 そして、それを実現するために努力を重ねてきた。
省13
958: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:16 ID:5rYxM7zno(3/6) AAS
「おや、目が覚めたかね。肋骨数本にヒビが入っているのに五時間で起床とは、若いのう」
昌夫に気付いて、声をかけてきたのは、白衣を着た初老の男だ。こちらとは面識がない。
 久信は自分の体が特に拘束されていないことを確認してから、昌夫に問いかけた。
「ここはどこだ?」
「ここは医務室。お前は郭をひっとらえた後でいきなりぶっ倒れたからな。
勝手で悪いが、ここに連れてこさせてもらった。今はもう深夜だな」
「ずいぶんと体温が下がっておったが、君の体に今のところは肋骨のヒビ以外の後遺症らしきものは見られない。
元々毒に耐性がある都市伝説とでも契約しておるのかな?」
 医者が昌夫の言葉を引き継ぐ形で現状の久信の体の状態を説明する。
さしあたって、今のところは体に危険はないようだ。この体の疲れも危険なものではないらしい。
省27
959: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:17 ID:5rYxM7zno(4/6) AAS
「は?」
 返された質問に怪訝な顔をしながら久信は正直に答えた。
「いや、いまいち分からない。さっき、そっちの医者は俺が毒にやられた。みたいなことを言ってたけど、俺はいつの間に郭に毒を盛られたのか覚えがないんだ」
 怪しいとしたら、彼が持っていたあの手斧だ。刃に毒を塗ってあったのではないかと考えるが、その斧の攻撃は全て修実が盾になって受けていたため、これが原因で毒を盛られたということはありえない。
 だとしたら、次に怪しいものは、
「そうだな。心当たりといえば、毒をあの結界の中に撒かれていたのかもしれないなってことくらいか」
 郭が展開していたかごめかごめの結界の中に充満していたあの甘ったるい、香のようなもの。あの香の中に紛れて、あるいはあの香自体が毒だったのかもしれない。
 能力の行使のし過ぎで体力が尽きてしまったために、毒が一気に体に回ってしまったのではないか。実際、体力を削られすぎたせいで現在も体が引きずるように重い。
「どう? 正解?」
 訊ねると、昌夫は「いいや」と首を横に振った。
省32
960: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:18 ID:5rYxM7zno(5/6) AAS
 極限状態で解放された蠱毒の力を制御しきることは修実にはできず、蠱毒から溢れた瘴気は近くにいた生き物に襲い掛かった。
当然、それは最も近くで修実の戦闘を見ていた久信をも蝕んだ。
 そして久信は倒れたのだ。
 ……なるほどな。
 自分がなぜあそこで倒れる結果になったのかはこれではっきりとわかった。
驚きはしたが、今の修実の状況を鑑みればそのようなことが起こっても不思議はない。
それに、その蠱毒の力によって久信は今こうして生きていられるし、目を覚ました久信は特に後遺症のようなものもない。
 ……早く会って、俺は元気だと言ってやらなくちゃな。修実姉はきっと心配してる。
 早く姉に元気な姿を見せて気にすることはないと言いたい。
「なあ、昌夫、いい加減教えろ。修実姉はどこに居る?」
省17
961: コドクノオリ 2013/10/14(月)23:19 ID:5rYxM7zno(6/6) AAS
さて、ここからラスボスはお姉ちゃんな展開です
962: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)22:58 ID:Wy4ZVU48o(1/5) AAS
 修実を諦めろと言わんばかりの昌夫の言葉を受けて、久信は押し黙った。
 制御することができない程の大きな力を不安定なままで自分の中に収めている修実の傍にいるのは、誰であろうと危険。
 たしかに、蠱毒を制御できない修実は、毒を再現なく吐き出す危険な存在だ。
また、気を抜くと瘴気が漏れ出すというのも、程度によるが、久信が目覚めるまでの時間すら待っていなかったことを考えると
、一時たりとも気を抜くことができない――つまり、睡眠も急速すらもとれなくない程切迫しているということだろう。
 そうなれば、そう遠くない未来。遅くとも数日後には、修実は蠱毒の制御どころか自分の生命の維持すらも難しくなる。
 そして、修実が衰弱すれば、蠱毒は修実を飲む込みにかかる。
 蠱毒に飲み込まれて瘴気ををまき散らすだけの化け物になれば、
修実は――修実であっただけのモノになったそれは、討伐対象として滅されるしかなく、蠱毒に乗っ取られずに修実が修実であることを貫くには、自分で自分を決着するしかない。
 結局のところ、修実には生き残る道はない。そして、選べる数少ない道の中からならば、修実は迷わず自決する道を選ぶ。
省21
963: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)22:59 ID:Wy4ZVU48o(2/5) AAS
   @

 しばらくの間黙り込んで何事かを考えていた久信は、やおらベッドを降りると、医務室の扉に向かって歩き出した。
 ベッドから降りて自分の足で立ってみてようやく気付いたが、体が驚く程に重い。
瘴気自体はユニコーンの角の粉末で抜けてはいても、体の疲労が抜けているわけではないようだ。
 ふらつく体を引きずっていく久信の肩を、昌夫が掴んで止めた。
「まだ安静にしていたまえ。体中が瘴気に蝕まれていたのだぞ」
「そうだ! それに、お前、そんな体で何をしに行くつもりだ?」
 諭す医者と怒鳴る昌夫を押しのけ、久信は医務室の扉に手をかけた。
 扉を開けると、廊下に一匹の蛇がいた。
省29
964: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)23:01 ID:Wy4ZVU48o(3/5) AAS
 吹っ切れたようにそう言う。長い付き合いでもある。久信が言うようなことにはもう気付いていたのだろう。
「でもな、そんな気持ちだけで修実を追いかけても結局毒に殺されるだけだぞ? そうだろ? 爺さん」
 話を振られた医者が頷く。
「あの瘴気は呪詛と毒気の集合じゃ。
あの都市伝説自身がそれを制御しきれていないということは、近づくだけであの娘は自分の周りの全てを祟ることになる。
 封印されていた荒御魂を解放するからこうなる。触らぬ神に祟り無しというのに」
 医者は昌夫から深い事情までは知らされていないのか。修実をどこかで鎮められたいた蛇神か何かと勘違いしたような一言を付け加えた。
 昌夫が医者を手で止めて久信をうかがう。
 久信は特に気にした様子もなく、口元を緩めた。
「うん、確かに、修実姉は俺の女神だ」
省20
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