[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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958: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:16 ID:5rYxM7zno(3/6) AAS
「おや、目が覚めたかね。肋骨数本にヒビが入っているのに五時間で起床とは、若いのう」
昌夫に気付いて、声をかけてきたのは、白衣を着た初老の男だ。こちらとは面識がない。
 久信は自分の体が特に拘束されていないことを確認してから、昌夫に問いかけた。
「ここはどこだ?」
「ここは医務室。お前は郭をひっとらえた後でいきなりぶっ倒れたからな。
勝手で悪いが、ここに連れてこさせてもらった。今はもう深夜だな」
「ずいぶんと体温が下がっておったが、君の体に今のところは肋骨のヒビ以外の後遺症らしきものは見られない。
元々毒に耐性がある都市伝説とでも契約しておるのかな?」
 医者が昌夫の言葉を引き継ぐ形で現状の久信の体の状態を説明する。
さしあたって、今のところは体に危険はないようだ。この体の疲れも危険なものではないらしい。
「こいつは爬虫類系だからな。体温が下がったくらいじゃ死なねえよ」
「なるほど、とはいえ、体力のほうがずいぶん下がっておるし、数日はゆっくりしておくことじゃな」
 医者の発言からすると、どうやらこの疲れは体力を使い果たしてしまったためらしい。
 と、そこまで考えて、久信は一つの疑問を感じた。
 ……毒?
 医者は元々毒性がある都市伝説と契約しているのかと言った。
ということは久信は毒に冒されていたということであるが、肋骨についてはともかく、何かの毒を郭に盛られたという記憶がない。
 だとしたら、俺はいつ毒を盛られたんだ……?
 頭の中で疑問を転がしながら、久信は、こうして自分たちの事情をよく知らない第三者が居ても自由を拘束されていないところを見ると、
自分たちに対する討伐手配が取り下げられたということでいいのだろうと考える。
 ならば、と確認をとるつもりで問う。
「昌夫、討伐命令はどうなった?」
「おう、郭をとっ捕まえて組織≠ノ送り付けてやったからな。事情はもう報告してあるから、お前たちは討伐対象から監視処分に格下げだ」
 昌夫は笑い、
「ちなみに、監視役は俺な。そうなるようにあの場にいた密輸組織を一網打尽にした功績とか、代々続く憑き物筋の家系の権力ってのを利用してやった」
「ああ、なるほど」
 町一つを滅ぼした者に対する処分としてはやけに甘い決定だと思ったら、そういう裏があったようだ。
 また盛大に動いてもらったわけだ。
 その事も込みで、今回の件に対するお礼をしなければなるまい。もとより昌夫の仕事を手伝うつもりではあったので、監視役が昌夫というのは好都合だ。
 ああ、これで、ひとまずなんとかなった。
 自分たちの処遇が決まったことで、久信はようやく人心地ついた。
「何とかなったね、修実姉――」
 言いかけて、自分が今いる医務室の中に修実の姿がないことに気付く。
「昌夫、修実姉はどこに行ったんだ?」
「修実さんはな……」
 昌夫は質問に対して少し考える素振りを見せ、やがて伺うように質問を返してきた。
「なあ久信。お前、自分がなんで倒れたかってこと、分かるか?」
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