[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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952: コドクノオリ「姦姦蛇螺」 2013/10/10(木)23:19 ID:35Ch0SGzo(6/8) AAS
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 昌夫が、かれが使役する犬と共に結界を取り払われたクラブ跡の内部に侵入した時、捕獲目標であた郭正吾は、大量の蛇に縛り上げられて気を失っていた。
 目立った外傷は見受けられないことから、毒か何かで無効化したのだろう。
 精根尽き果てたように床に座り込んでいる友人と、それに寄り添うようにして心配そうな顔をしている、多少外見が変化した友人の姉に、労いの言葉をかけた。
「おつかれさん。結界がいきなり出てきた時はどうなるかと思ったが、どうやら決着はついたみたいだな」
「おかげさまでね。幽霊船のほうはどうなった?」
「あっちはとっくに占領されてるよ」
 相応の装備を整えていた幽霊船も、動物による奇襲に脆くも破れてしまったようで、
現在は昌夫が読んできた警察の人間が、幽霊船内で無力化されている乗船員たちを運び出している最中だ。
「しばらくはあの船にかかりきりだろうな」
 昌夫は警察に対して、この建物の中に今回の最重要捕縛対象が要る事については伝えていない。
協力を要請した他の部署所属の人間に手柄が渡るのを避ける、というのが世知辛い理由の一つ。
もう1つの理由としては、昌夫も、友人姉弟を窮地に立たせた郭正吾という人物を一度直接見て起きたかったというのがある。
そして、これは今この場に踏み入って思い浮かんだ理由だが、修実の今の姿を大勢の人間に見せずに済んでよかった、というものがある。
 いったい何の都市伝説の力で失った手足を補填したのかは昌夫には分からないが、何も知らない状態で見るには蛇身六臂の異形という姿は多少刺激の強い外見をしているのだ。
 修実をこんな姿に変えた原因が、目の前で転がっている男だという。
「これが、郭正吾か」
「そう、修実姉を媒介にして、偶然だろうけど蠱毒を作り出した原因だ」
「んでもって、例の組織がやらかしていた人身売買やら密輸やらの元締めなんだな?」
「ああ……」
 久信は、やけに疲れた調子で応じた。
 戦闘を行っていたのなら、体もそれなりに疲労もしているだろう。
動作を見る限りでは、昌夫の目にはどうも久信はいくっつか骨を折っているようだ。
後で久信は医務室に放り込んでおこうと考えながら、昌夫は修実を改めて見る。
 異形の姿は、確かに初見でこそ思わず身構えてしまいそうな威圧感のあるものだが、
相手が意思の疎通が可能なほぼ人間のような存在であるということを念頭に置いて、落ち着いた目で見てみれば、
「きれいなもんじゃないか。修実さん」
「そんなことないわ」
 恥じ入るように修実は六本の腕で自分の体を抱いた。
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