[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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131: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:28 ID:n2E8HxpX0(1/8) AAS
【僕は小説が書けない 第八話「猫股亭奇譚/肆」】

「いいいいいいいいいいやああああああああああなあああああああああああのおおおおおおおおおおおおおおお!
 っもううううなんでええええええいきなりいいいいいいいいいいきられるのおおおおお!」

 女は飽きもせずに泣きわめきながらも再生を続けている。

「やかましい!」

 ジルりんはそれに劣らぬ速度で切断と解体を繰り返しているが明らかに疲れが見えている。
 彼女の戦闘スタイル的に長期戦は向いてないのだろう。
 しかもあの再生には僕の血肉が使われている。
 僕の身体に刺さった牙さえ抜ければまた形勢は変わるのだが……少し試してみたが僕自身の手では抜けないらしい。
 刺さり方は浅いのに妙だ。
省13
132: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:29 ID:n2E8HxpX0(2/8) AAS
    ※    ※    ※   

 今朝からの重金属酸性雨に濡れる町並みを見て青年はため息をつく。
 ここはネオサイタマにあるマルノウチスゴイタカイビルのチャミセであり、青年は今此処でサイレントヒルから直輸入されたマッティーをシバイていた。
 彼は窓の外を忙しく行き交うサラリマンを見て苦々しく笑う。
 いくらカチグミだとしてもあんな情けない人々が自分の将来の姿だと思いたくなかった。

「ヒキ=クン! 待たせてゴメンネ!」

 青年、ネオサイタマハイスクールに通うヒキ=コモゴモはガールフレンドのジル=キャニと待ち合わせをしていた。
 彼の恋人であるジルは快活な少女で、どちらかと言えば斜に構えがちなヒキとは様々な面で対照的だった。
 だが周囲の予想を裏切り彼らの仲は上手く行っており、付き合い始めてから今日で丁度一年となるのだ。

「イマキタバカリさ」
省34
133: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:29 ID:n2E8HxpX0(3/8) AAS
「まあ良いわ。これで起こす手間が省けた」

 やはりローブを脱いでいると美人だ。
 魂を腐らせる美貌。
 凍りつくような瞳。
 緋色の唇。
 好みじゃねえけど美人だ。

「貴方に聞きたいことが有るの」

「( ´Д`)なにか?」

 耳元を何かが高速で駆け抜ける。
 いつの間にか女の手には革の鞭が握られていた。
省31
134: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:30 ID:n2E8HxpX0(4/8) AAS
「……それはつまり、僕とそこで縛られている彼女は見逃してくれると」

 ジルりんじゃあこの女を殺しきれるか分からない。

「ええ、まあ我慢してあげる
 そこの女の子は私好みだからこのまま少し弱らせてから楽しみたいところだったんだけど
 貴方が正直に洗いざらい話してくれるならここから返してあげても良いわ」

「僕達はほんとうに偶然来ただけですよ?」 

「正直は美徳だと思うわよ?」
省24
135: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:31 ID:n2E8HxpX0(5/8) AAS
「悲喜!」

「ああ!」

 二人の声が重なる。
 考えていることは多分同じだ。

「「お試し期間は終了だ!」」

 瞬時に契約成立、僕の心の力が一気に彼女へと流れこむ。
 それと同時に彼女の力の一部が僕のモノへと変化する。
 脳内に浮かび上がるいくつかの情報。
省39
136: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:31 ID:n2E8HxpX0(6/8) AAS
 こうなって初めて攻撃を仕掛けられたことを理解した。
 でもそれだけじゃない。
 肩口から火を注がれたような激痛が走る。
 耐え切れずに僕はその場に倒れてしまう。
 左腕がグチャグチャになってしまっている。
 その左腕で持っていたジュラルミンケースもこれでパァだ。
 終わった。
 こうなってしまって何ができる。
 これから始まるのは一方的な蹂躙だ。
 たとえ帰ってこれても日常はもう二度と帰ってこない。
省33
137: 僕は小説が書けない第八話「猫股亭奇譚/肆」 [saga] 2013/03/06(水)23:33 ID:n2E8HxpX0(7/8) AAS
「う……そ?」

 長くて美しい足が、黒いパンツを遠慮無く見せびらかしながら女を蹴り飛ばす。
 見覚えのあるその姿を見て、僕は身体の何処にこんな力があったのかと思う程の声を上げる。

「ジルりん!」

「ただいま」

 ▽契約回路再度開通、データが公開されました
 ▽???によるブーストで契約回路が活性化しています
省25
138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga] 2013/03/06(水)23:38 ID:n2E8HxpX0(8/8) AAS
というわけで第八話
前回のあらすじを忘れてたので今
・謎の館に怯える悲喜、呑気なジルりん!
・現れた怪しげな女に斬りかかるジルりん!→ゲーム中盤でラスボスと思しきものに当てずっぽうで斬りかかっちゃいけません
・しかし切りかかった相手は吸血鬼で悲喜は一瞬でやられてしまう→謎の女吸血鬼が若干柱の男っぽい

だいたいこんなんです
ジルりんの霧は身体能力強化に回したエネルギーの余剰を排気ガスとして出しているのが霧になっているイメージ
太陽光でエネルギーは分解しちゃいます
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