[過去ログ] 【必勝不敗】能代工業 十八冠目【V58】 (442レス)
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157: 2012/11/25(日) 00:01:46.79 ID:??? AA×

158: 2012/11/25(日) 00:02:18.13 ID:??? AA×

159: 2012/11/25(日) 00:02:50.81 ID:??? AA×

160: 2012/11/25(日) 00:03:21.25 ID:??? AAS
しかし、あるときブーンと出会った。
大学生の友達が紹介してくれた人の中に、その人物はいた。

彼は真面目な人で、普通なら自分と関わらない人だ、とつーは思ったらしい。
友達の友達として、偶然が重なって知ることになった彼。
でも一度目は何事も無く過ぎてしまった。

それから、今度は客引きをしているところでブーンに会った。
ブーンは心底驚いたらしく、つーの手を引いて話をしようとした。
つーはそれを払いのけて仕事に戻った。

しかしブーンはことあるごとにつーに接触して、説得しようとしてきた。
こんな仕事はするべきじゃない、君はもっとやるべきことがあるはずだ、と。
つーは何度もブーンを追い返した。しかしブーンもしつこかった。
そんな日々が続いた。

ある日、つーは自分の店が危険なことに手を出していることに気付いた。
つーは逃げようとしたが、店はなかなか手放してくれない。
困り果てた彼女はブーンに相談してしまった。

すると、どういうわけか、ブーンは店側に直接赴いた。
そして頼み込んだ。つーをもう止めさせてほしい、もう彼女は嫌がっている。
もちろん店がそんなことを聞くわけがない。
ブーンは思いっきり殴られ続けた。
161: 2012/11/25(日) 00:03:59.90 ID:??? AA×

162: 2012/11/25(日) 00:04:45.19 ID:??? AA×

163: 2012/11/25(日) 00:05:24.16 ID:??? AAS
午後6時、一階、会食場――

会食場に入る前に警備員のチェックがあった。
モララーとドクオは危険なものを持ち込んでないことを調べられる。

(,,゚Д゚)「会食の際には左胸のポケットにこの紫色のハンカチを挟んでください」

('A`)「あの……僕スーツじゃないからポケットないんですけど」

(,,゚Д゚)「それじゃ別のポケットに入れてください」

('A`)「破けているんですが」

(,,゚Д゚)「…………」

('A`)「…………すいません」

(;・∀・)「と、とりあえず私が預かっておきますね! 」

警備員からハンカチを受け取ると、モララーはドクオを連れてさっさと入場する。

('A`)「すいません」

(;・∀・)「あやまんじゃねーっての」

会場は広かったが、今回使うテーブルは一つだけ。
入口から見て横長のものであり、奥に二つ、手前に二つの席がある。
席と席の間は五メートルほど離れていた。
さらに他人と向かい合うのではなく、席を線で結ぶとジグザグの形が出来上がるように配置されていた。

入口から見て、左奥にドクオ、左手前にモララー、右奥にしぃ、右手前にモナーが座る。
ドクオとしぃからは入口が見えて、モララーとモナーからは壁にあるレリーフが見えた。
藤の花のようである。すると、ハンカチの紫色はきっと藤色なのだろう。

( ´∀`)「みなさん、本日はよくお越しいただいたモナ」

たった二人の客人だが、モナーは丁寧に挨拶を述べる。
お金を使うときは使うが、細かい配慮もする几帳面な性格が窺えた。

(*゚ー゚)「私の家なんだけどな〜」

しぃの呟き声も、モナーには届いていないようだった。

( ´∀`)「それでは会食を始めるモナ」

モナーは振り向いて合図を出す。
警備員によって入口が開かれ、給仕が料理を運んできた。
164: 2012/11/25(日) 00:06:05.11 ID:??? AA×

165: 2012/11/25(日) 10:48:33.25 ID:??? AA×

166: 2012/11/25(日) 10:49:19.11 ID:??? AA×

167: 2012/11/25(日) 10:49:56.39 ID:??? AA×

168: 2012/11/25(日) 10:50:34.41 ID:??? AAS
たった一発で、身体の奥深くまで震わせる音。
入口の方閃光が迸り、何かが崩れ落ちる音がする。
テーブルか椅子が破壊されたのだろうが、真っ暗なために目に映ることはない。

(*;゚ー゚)「きゃぁあああああああ!! 」
(;´∀`)「なんだモナ!? 」
(;・∀・)「銃声!? 」
(;'A`)「もぐぉ!!? 」

四人それぞれが声を出して、入口の方を向こうとする。

だが、モララーは見えないながらも目を動かす。
そして紫色の光の塊がいくつか動いているのが見えて――

( ・∀・)「伏せろ! 」

モララーが叫ぶと同時に、別の破裂音がする。
ガラスの割れる音。
それに乗じて再びしぃの甲高い叫び声。

(;´∀`)「どこモナ! 誰が狙われてるモナ!?」

見えてはいないが、3人とも伏せはしたようだ。
モララーはある推測から、そのことを確信していた。
確認し終えると、すぐに入口を向く。

やはり何も見えない。
暗闇と静寂の中、目を凝らす。
そして、見つけた。

紫の光だ――

その光は場所をあまり変えず、ふらふらと揺れ動いている。
モララーの予想では、その光の主は困っているはずだ。
何故なら聞こえるはずのない音が聞こえてきたのだから。

( ・∀・)「横が空いてるよ」

言うと共に、モララーは光を殴り飛ばした。
金属質の重いものが地面に落下する音がする。

それは入口の扉の間から突き出されていたようだ。
廊下も真っ暗だから、見えないことには変わりない。
扉の向こう側から舌打ちが聞こえる。

ほぼ同時に、モララーが扉の隙間に手を入れ、相手の服を掴む。
これはかなり運が良かった。相手の動揺が伝わってくる。
モララーは渾身の力で、相手の襟元をしっかり握って頭突きをかます。
169: 2012/11/25(日) 10:51:06.66 ID:??? AA×

170: 2012/11/25(日) 10:51:42.51 ID:??? AA×

171: 2012/11/25(日) 10:52:36.18 ID:??? AA×

172: 2012/11/25(日) 10:53:08.54 ID:??? AA×

173: 2012/11/25(日) 11:14:00.63 ID:??? AA×

174: 2012/11/25(日) 11:14:29.93 ID:??? AA×

175: 2012/11/25(日) 11:15:08.90 ID:??? AA×

176: 2012/11/25(日) 11:15:40.47 ID:??? AAS
モララーは閉じた扉を見つめていた。
先程まで、そこには冴えない青年が立っていた。
もしかしたらその青白い顔は、だれかに命令されていたがためのものであったのかもしれない。
ふと、そんなことが脳裏に浮かんだ。

サイレンの音が聞こえてくる。
警察がやってくる。

そして、自分がすることは分かっていた。
ブーンの息子に関係がありそうな人物が一人だけいる。
彼女に会いに行くことだ。

〜〜第三話へ続く〜〜
177: 2012/11/25(日) 11:17:25.13 ID:??? AA×

178: 2012/11/25(日) 11:18:15.15 ID:??? AA×

179: 2012/11/25(日) 11:18:55.18 ID:??? AA×

180: 2012/11/25(日) 11:19:31.43 ID:??? AAS
シュールは話をする。

その人と出会ったのは中学一年生のとき。
B市内の三つの小学校を卒業した生徒たちがその中学校で混じり合ったために、初めて出会う人も多かった。
シュールとその人もまた、別々の小学校からその中学校に上り、出会ったのである。

しかしシュールも初めからその人と仲が良かったわけではない。
それどころか、無口なシュールは女子の間でも浮いた存在で、あまり好意的に接してもらうことがなかった。
彼女がクラスの中で、学年の中で孤立すれば孤立するほど、彼女に対するいじめが頻繁に行われた。

シュールは最初のうち我慢していた。
小学校のときの知り合いと話をすることでなんとか孤立を免れていた。
けれど、その子どもたちもだんだんとシュールを避けるようになった。

気がつけば学校のほとんどの女子が彼女を避ける風潮になっていた。
友達はいない。話してくれる人もいない。

シュールは学校に行きたくなくなった。
親に反抗をして、学校に行くことを拒んだ。そういう自我が目覚めていた。
自分を傷つけ、縛り付けるルールを呪っていながら、自らを暗い部屋の中に閉じ込めた。

他人との接触をゼロにしたシュールの心の中では、いつでも学校でのいじめのことが浮かんでいた。
何度も何度も、いくつものいじめの記憶が蘇ってきた。
まだ人が話してくれたときを懐かしんで涙を流し、今の生活を見て再び涙する。
いつしか生きることが嫌になった。

彼女の家はB市の大型マンションの一室だった。
マンションの15階。
そして彼女の部屋には窓があった。顔を出して見下ろせば遥か下に駐車場が見える。
人も車も、玩具のように見えた。

ある日唐突に、飛び降りようと思った。
もう生きてはいられないと心の中で結論を下し、ゆっくり窓に歩み寄った。
星が綺麗な10月の夜だった。

部屋のドアが激しく叩かれる音がする。
誰だろうかとシュールは思い、誰でも良いとシュールは思った。
どうせ自分はもうすぐ逝くのだから、気にすることはないと決めた。

しかし音は煩く響き渡り、やがて何かが崩れる激しい音が聞こえた。
既に窓に手を掛けていたシュールも、思わず振り返った。

そこにその人がいた。シュールはそのとき彼の顔も知らなかったのだが
ドアを破壊してここに入ってきたのだろう。
ふっとドアの方に目をやると、何人かの大人が見えた。
そして大きな棒を持っている人がいて、その男がドアを破壊したのだと直感した。

その男は今にして思えば内藤ホライゾンだったとシュールは言う。
内藤を見たのはそのときが初めてだったらしい。
181: 2012/11/25(日) 12:02:37.81 ID:??? AAS
その人が自分に近づいてくるのがわかって、シュールは思わず叫んだ、「来ないで」と――
しかしその人はなおも前進してくる。まるで言葉が聞こえなかったかのように。
そこでシュールは片足を窓の外に出した。

冷たい風が足を撫でる。
その人がようやく動きを止めた。

その人の顔は青ざめていたという。
後に元々青白いとわかったが、そのときの彼は明らかに怯えていた。
ここまで来たのはいいが、何をしたらいいのかわからない、そんな表情であったそうだ。

その人がやっとのことで、「どうして死のうとするんだ」と質問してきた。
必死で考えだしたにしてはあまりにも月並みで、無意味な質問だったので、シュールは鼻で笑った。
そして今まで受けて来たいじめの苦しみを語り出した。

思い出の隅から隅まで探し出して、思い出せる限りの苦しみを吐露する。
その全てを吐きだして、シュールは言う。
「これ以上の苦しみを味わうのはもう耐えられない、だから死ぬ」と言い放った。

その人も、扉の奥の大人たちも黙っていた。
少しでも動けばシュールは部屋の中にある足で床を蹴り、落ちてしまうかもしれないから。

暫くして、その人が息を吐く。
集中しているようであり、真っすぐシュールを見て、言った。
「それじゃ、俺が死んでないのはおかしい」と。

その人はまず自分が母子家庭であったことから話を初めて、中学校や小学校どころか幼稚園時代から受けていたいじめについて語り出した。
肉体的な苦痛が伴う残虐的な恥辱の数々がその人の口から伝えられてくる。
不自然なほど無感情に語られるそれらの事柄は、逆にその人の凄惨な人生を物語っていた。

年齢が増すにつれて、いじめもエスカレートする。肉体的にも精神的にも。
その人はそれをただ母親に申し訳ないからという理由でのみ耐えていた。
我慢して、学校に通い、平気な顔をしていじめを受けていた。

シュールはその人を哀れに思った。
そして自分があまりにもわがままであることに気がついた。
周りが要求していることを撥ね退けて、無理やりにでも我を通し、都合が悪くなったら逃げに徹する自分を愚かに思った。

いつの間にかシュールはその人に抱えられて部屋の中央に引っ張られていた。
足はもう外に出ていない。もう窓から落ちる心配もない。
そのとき、もうシュールには落ちる気力も無くなっていた。

こうしてシュールはその人と知り合った。
再び学校に通うようになって、その人が同じ学校であることを知った。
二人は一緒に通うようになり、一緒に話すようになり、一緒に帰るようになった。

シュールにとって初めての友達であった。
182: 2012/11/25(日) 12:03:12.58 ID:??? AA×

183: 2012/11/25(日) 12:03:52.15 ID:??? AA×

184: 2012/11/25(日) 12:04:25.01 ID:??? AA×

185: 2012/11/25(日) 12:04:55.96 ID:??? AA×

186: 2012/11/25(日) 12:05:27.10 ID:??? AA×

187: 2012/11/25(日) 12:05:59.30 ID:??? AA×

188: 2012/11/25(日) 12:07:07.34 ID:??? AA×

189: 2012/11/25(日) 16:42:00.77 ID:??? AA×

190: 2012/11/25(日) 16:42:37.02 ID:??? AA×

ID:EDx2gOlY0
191: 2012/11/25(日) 16:43:14.38 ID:??? AA×

192: 2012/11/25(日) 16:43:45.13 ID:??? AA×

193: 2012/11/25(日) 16:44:16.71 ID:??? AA×

194: 2012/11/25(日) 16:45:10.18 ID:??? AAS
8月14日(土)、10時 B市総合病院――

昨晩、某アパートの一室から火の手が上がった。
火災があったアパートの住人は全員、生きてはいたものの怪我を負っていた。
幸い軽傷で済んだ大家は、火災当時の状況を語るためにB市警察署に赴いている。

ショボンは火災現場にあまりにも近くにいたため、呼吸器を痛めたらしい。
しかしそれは消防隊員が診てもらうように促したもので、ショボンはたいしたことないと思っていた。
昨晩、現場にいた重軽傷者を運ぶために駆け付けた救急車にショボンも乗って、簡単な治療は既に受けていた。

健全だったジョルジュは昨晩消灯時間ぎりぎりまでショボンのそばにいた。
ショボンも少し話しづらいという程度だったので、いくらか応対はしていた。
調査はまだ続けよう、そう二人は約束し、ジョルジュは帰って行った。

一晩の入院で済んだことは、幸運なことなのかもしれない。
もちろん体調の面でも運の良いことではあったのだが、それ以上の利点も見つけていた。

一つは仕事を公に休むことができるということ。
見舞いに来るという同僚からの連絡があったが、「明日にはもう帰るから」といってショボンは全て断っておいた。
これでまた一日、例の『趣味』に没頭できるというわけだ。

もう一つはシュールやツンの様子を確認できるということ。
まだはっきりとした連絡は受けていないが、死者はでていなかったはずだ。
どちらも生きている。軽傷ならなおいいのだが、果たして思い通りに行くものだろうか。

退院の手続きを終えて、一度ショボンは外に出てみる。
昨日の大雨が嘘のような、すかっとした晴れ空だった。
蝉の声が耳を突いてくる。何気ない木々のどこかに彼らは潜んで、その翅を必死に擦らせているのだろう。

院内に戻り、ショボンは入院患者の部屋について係員に聞いてみる。
良く見たらさっきショボンの手続きをしたばかりの女性であり、いくらか不思議そうな顔をしていた。

火災被害者は全員この病院に搬送されていた。
もしシュールやツンが入院しているならば、ここで必ず会えるはずだ。

面会できるのは軽傷者だけということらしい。
ショボンは、面会可能な人物のリストの中にシュールとツンがいるかどうか確かめるように言う。
奥の部屋に入った係員の女性は、数分後に戻ってきて、シュールの面会についてはOKとする。

つまりツンは重傷なのだ。
若干落胆したショボンだが、とにかくシュールの部屋に向かうことにした。

シュールの病室は、彼女の他に五人の病人が収容されている六人部屋だ。
それぞれの部屋はカーテンを引くことで任意に空間を遮断することができた。

シュールは扉に近いベットだったのですぐに見つけることができた。
ショボンは彼女と目があって、頭を下げる。
彼女もまたショボンのことがわかったらしく、それに応えてくれた。

(´・ω・`)「なんとも大変なことになってしまったようだ。
     君もこれから大変だろう」
195: 2012/11/25(日) 16:45:45.05 ID:??? AA×

196: 2012/11/25(日) 16:47:04.24 ID:??? AA×

197: 2012/11/25(日) 17:02:47.80 ID:??? AA×

198: 2012/11/25(日) 17:03:32.05 ID:??? AAS
解放されたとき、時計の針は11時を過ぎていた。

(;´・ω・`)「恥ずかしがるのはガラじゃないって言ってたじゃないか。
       まったくもって、年下というのは怖いね」

ぶつぶつとぼやきながら、ショボンは病院を後にする。

たとえこの病院に『あの人』が来ていたとしても、もう残ってはいないだろう。
わざわざシュールに「誰にも言うな」などと伝えたほどだ。
ショボンとは限らないが、誰かに捕まって事情を話すことが嫌だったに違いない。

さて、これからどうしよう――ショボンは気持ちを切り替えることにした。
今シュールのところに行っても騒がれるだけだ。
ツンともやはり面会は出来ないだろう。

すると、もうこの病院に用はない。
ならば移動しよう。どこへ? 一応考えはある。
内藤ホライゾンの育った場所、かつてのG村であり、現在のD市だ。

しかし、その前に気になることがあった。

モララーのことである。

思いがけず、今回もあの男が関わっていると判明した。
それにおそらくは奴の失われた記憶が関わってくる。
このことを踏まえると、どうしても気になることが一つあった。

ショボンは行く先を決めた。
まもなく南天に上ろうとしている太陽の下に出て、B駅へ向かっていく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
199: 2012/11/25(日) 17:04:08.61 ID:??? AAS
8月14日(土)、1時 東京――

モララーは都会というものが好きではなかった。
山の中で育ったことを考えると、自然が少ない都会を嫌うのは当然のことなのかもしれない。
しかしモララーの抱く嫌悪感は、単純に「緑が少ないから」というエコロジカルな理由で生じるものではなかった。

表向きの清潔感、整理整頓された秩序の裏に潜む、暗くてドロドロとした不定形の負のイメージ――ここまで修飾してようやく伝えたいことの片鱗が見えてくる。
ただの暗いもの、残酷で非情なものは山の中にだってある。生命の危機や死の感覚はむしろ都会より強く感じられた。
無論、モララーが嫌うのはそこではない。問題は『裏に潜む』ということだ。

山の中にある負のイメージはむき出しのものである。ちょっと道を逸れれば野生の動物の肉片や骨くらいすぐに見つかる。
しかし都会のそれは隠れている。そして人前では誰もが何事も起きていないふりをしている。
暗い事件をひた隠しにし、そこから人と人との間に疑惑と猜疑心が生まれ、さらに新たな負が生まれてくる。

たまらなく嫌だった。

育った山を離れて、すぐに探偵として働き始めた。
そしたらいろんなことが見えてきた。人間の嫌な部分をたくさん見てくることになった。
嫌な思い出ができることだってもちろんあった。

そしてその中の一つ一つが、自分を今でも突き動かしていることを、モララーは感じていた。
大嫌いな感覚が、自分を動かしている。なんだか矛盾しているようで、正しいことなのだ。

とにかく都会は嫌、それなのに今、モララーはこの国で一番の大都会に来ていた。

昨日の夜のことである。
A市にあるしぃの家、モナーが貸していた家で起きた発砲事件が全ての引き金だった。

一緒にその場にいたドクオという青年は、昨日の晩にどこからか連絡を受け取っていなくなってしまった。
夜中に来た警察への応対は全てモララーが済ませておいた。
ドクオがその場にいないことは警察も疑問を抱いた様子であったが、事件は明らかに警備員のギコによるものだったのでドクオへの追及はなかった。

モララーはほっとしながら、またドクオに会ったときは何を言ってやろうかとも考えた。
きっといくつか言うことを聞かせることができそうだ。

それから、モララーはモナーにつーの居場所を聞いた。

『ブーンの息子』というフレーズが頭に残っていたからだ。
それはギコが、自分に暗殺の依頼をした人物として揚げた男の名前だった。

ブーンという名前を初めて聞いたのは、ドクオが内藤ホライゾンの調査を依頼してきた時だ。
ドクオは内藤ホライゾンのことをブーンと呼び、慌てて言い直した。
それから、ドクオは自分にとっての呼び方はブーンであるといい、自分が内藤ホライゾンと親しかったことを話してくれた。

ブーンとは内藤ホライゾンのこと。
つまりギコに依頼した人物とは『内藤ホライゾンの息子』ということになる。
実際にそのような人物がいるかどうかは知らない。何らかの比喩かもしれない。

ただ、モララーは依頼人であるドクオの意思を尊重し、内藤のことをブーンと呼ぶことに決めていた。
勘でしかないが、そうした方がいい予感がしたのだ。

とりあえずの調査方針として、モララーはブーンと関わりがあったという、つーを訪ねることにしたのである。
200: 2012/11/25(日) 17:04:42.80 ID:??? AA×

201: 2012/11/25(日) 17:05:20.64 ID:??? AA×

202: 2012/11/25(日) 17:05:53.95 ID:??? AA×

203: 2012/11/25(日) 17:06:29.99 ID:??? AA×

204: 2012/11/25(日) 17:07:10.80 ID:??? AAS
外に出ると、温かい南風が頬を擦っていくのをモララーは感じた。
湿り気のある空気に一際圧迫感を感じる。ビルの中の冷房が強かったせいでもあるのだろうが。

長岡商事――ビルに掲げられている看板をモララーは何ともなしに見上げていた。
それは長岡グループ会長、長岡モナー氏の有する一会社の名前であり、社長の名前は長岡つーという。
今しがたモララーが会話してきた人物である。

長岡ジョルジュという男――それが、先のつーとの会話で挙げられた名前である。
血は繋がっていないものの、ブーンとつーによって息子同然に育てられた人物。

『ブーンの息子』というフレーズははっきりと憶えていた。
ギコを雇い、事件を起こさせた人物だ。

会ってみる価値はあるだろうとモララーは思っていた。

そして、収穫はそれだけではない。
つーはもう一つ、ヒントを与えてくれた。恐らくは無意識に。

『あいつはあたしらを置いてどっかに逃げてしまった』

( ・∀・)「逃げる、か……」

それがただの比喩だとは、モララーにはとても思えなかった。
ブーンは何者かに追われていたのか。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
205: 2012/11/25(日) 17:52:59.67 ID:swoXXM7+(1/2)調 AAS
男は懐から巾着袋を取りだし、中から白い塊を手に取った。
よく見ると、それが魚を模した飴細工だとわかった。

 肩口から腰を、斜めに分断された子供の屍体の口を開けようとし始める。
だが硬直した顎のせいで、僅かにしか口が開かない。

 男は片手で飴細工をすりつぶし、小さく開いた口にさらさらと破片を流し込んだ。
彼の視線は少女ではなく、何処か遠くをさまよっていた。

 気味の悪い男だと思った。

 庫裡を出ると、まだ回っていない道場がないか町をうろつくことにした。
路銀はいつも心許なく、かといって口入れをもらうのも嫌なので、道場破りはし続けていた。
206: 2012/11/25(日) 18:21:56.97 ID:??? AAS
8月13日(土)、午後3時、C市――

ドクオは河原で一人佇んでいた。
この川はD市の水源から県北部の県境を迂回している川であり、ドクオがいる岸の向こう岸は他県である。
流れが荒く、渡るのには不向きなために、もしあちらの県に行きたければ鉄橋を越えなければならない。

そしてその鉄橋の下で、なるべく斜陽を避けて日陰の部分で、ドクオはじっと川を眺めていた。
鴨が何匹か泳いでいる。数年前には下流の方でアザラシが見つかったらしいが
ドクオが見つめる場所は起伏が激しいので魚類であろうとも進みにくいのであろう。

鮭のことについて――急にドクオの頭の中に浮かんだ命題だ。
鮭の川上りの話を小学生の時に聞いた。
ぼんやりと思い出してみた。

あの魚は産卵の時期になると、一斉に川を遡上してくる。
たとえその道がどんなに荒れていようと、汚かろうと、罠が仕掛けられていようと。
鮭は構うことなく川の上流を目指していく。産卵場所を探し、子孫を残すというそれだけの理由で。

ようやく適当な場所を見つけることができた鮭は、卵を産み、そして果てる。
もはや命を残す必要はない。子孫繁栄という目的は達成することができたのだ。
鮭はただそのためだけに、その時まで生きていたのだ。

昔、ドクオはそれをとても悲しいことだと思った。死というのはそれほどまでに彼にとって恐ろしいものだった。
だけど今、彼はそうは思わない。
目的がある。鮭として生きて、鮭として死んでいくその生涯をドクオは、遥か遠くにある理想のように感じていた。

ドクオは産まれたときから父親がいなかった。
母親に聞いてみる気にはなれなかった。母はその質問を極端に避けている、そんな気がしたのだ。
そしてその結果彼に訪れたのは、どうしても埋まることのない心の穴だった。

普通の人が当然有しているものがないということ、それは抗いようも無い喪失感をもたらしていた。
そしてその感覚が、普通の人から自分を遠ざけているのだとドクオは感じていた。
どうしても人と上手く接することができない。理由のない劣等感、同じ場所に立っていないという思い込み。
そこには、母を悲しませたくないという気持ちも作用していた。

経験がなければ力はつかない。
コミュニケーションの不足は、他者との会話、接触を避けることに繋がった。
いつしかドクオは孤立するようになった。中学生を前にして、独りとはどういうものかを悟っていた。

そして誰とも触れ合わないうちに、自分という存在が不安定になっていった。
本来ならば他者との関わりの中で確立していく自分の立場を得ることができなかった。
無目的。

つまり自分は鮭にも劣るのか、そんなふうに考えることもあった。

だけど、そのたびにそこに誤りがあることにもすぐに気付いた。

たった一人、心を開いている人物がいたということを。

それがブーンさんである。
207: 2012/11/25(日) 18:22:50.00 ID:??? AAS
ブーンさんはドクオが小学生に上がる直前に、ドクオの近所のアパートに引っ越してきた。
初めて見たのは、少し遠くの街のデパートにランドセルを買いに行った日の帰りのことである。
母は車を持っていなかったので、二人は歩いてそのデパートから帰って来ていた。

ブーンさんはアパートの前でぼーっとしていて、ドクオと母の方に目をやるとあからさまに驚いた。
ドクオは不審者じゃないかと思って母の腕を強く握りしめたことを覚えている。
その母親の腕はやけに震えていたことも、未だに覚えていた。

その日、ドクオの母親がこっそり出かけた。ドクオを寝かしつけた後である。
もっともドクオは寝付けなくて、その母の行動に気付いていたのだが。
ドクオはトイレに行くために起きようとした時、母が帰ってきたことがわかった。
話しかけようとする前に、母が泣く音を聞いた。

母はブーンさんの家に赴いたのだ、子ども心ながらにそう感じた。
きっと、この二人の間には何かがあった。それが母の涙に現れている。
その声にならない嗚咽を聞いて、ドクオは何もできないまま、隠れて自室へと戻っていった。

それから母がよくブーンさんの家に連れて行ってくれた、
初日だけ、ブーンさんは警戒していた様子だったが、その日母と外出して、帰って来たときにはもう蟠りが無くなったようであった。
ドクオは学校では孤独を感じながら、度々ブーンさんと会えることを楽しみにしていた。

ブーンさんはいつも笑顔で、明るくて、遊び相手になってくれた。
呼び方はそもそもブーンだったし、ドクオは内藤ホライゾンという名前すら知らなかったんだけれども。
ドクオは一緒にいるときにとても気持ちが晴れやかになった。苦しいことは全て忘れられた。
ブーンさんはドクオにとってかけがえのない存在になっていった。

中学生になってからもそれは相変わらずであり、むしろ一緒に街を歩いたりもするようになった。
一緒に市の街を散策して、いろいろなものを見つけて、笑い合った。

ブーンさんの笑顔はドクオの意識に鮮明に残っていた。

そのブーンさんが、あるマンションに目を付けたのは、2004年10月のことだった。

「あの子……」そうブーンさんが呟いたので、ドクオも意識を向けた。
マンションの入り口に一人の少女が見えた。
同じクラスだったので、ドクオはその名前を知っていた。シュールであった。

ドクオはブーンさんに、シュールがいじめられっ子であり、クラスでも浮いていること、不登校気味であることを説明した。
ブーンさんはしばらく考えたあと、言葉を発した。
「あの子、もうすぐ死ぬかもしれないお」

それから気がついたらドクオはシュールの部屋にいた。
ブーンさんに言われるがまま、主体性の欠片もなしに行動していた結果である。
きっと自分の顔は恐怖で歪んでいたに違いないとドクオは今でも思っている。

その日からシュールとも仲良くなった。
もう孤独は感じなくなった。感情表現は苦手だが、内心では心が晴れ晴れしていた。

シュールとはよくブーンさんの話をした。というかそれしか話題が無かったのだ。
ブーンさんと一緒に街を散策したこと、一緒に遊んだこと。
小さい頃から今まで、自分がどれほどブーンさんに感謝しているか、彼は必死にシュールに伝えた。

自分はブーンさんの為に生きたいと思っていた。
それだけが自分の目的だ――不安定な思春期の精神状態で、ドクオはそう信じることで平静を保っていた。

だけど、ブーンさんの表情が変わり始めていた。
笑顔がだんだんと失われていった。
208: 2012/11/25(日) 18:23:21.60 ID:??? AAS
ブーンさんに元気が無くなっていったのをドクオは薄々感じていた。
依然として笑顔ではいるが、心から笑っているわけではないとわかった。
長いことその笑顔に支えられていたから、なおさら。

でも質問することはできなかった。そんな勇気は持ち合わせていなかった。
だから遠まわしに聞いた。
どうしていつも笑顔でいるのか、と。

ブーンさんが一層笑顔になったのをよく覚えていた。
心で全く笑っていなかったのをよく覚えていた。

「嘘なんだお。
笑顔なんて嘘なんだお。
 人間が、他の人間と何の争いもすることなく過ごすための手段にすぎないんだお」
 
「僕はもうずっと後悔しているんだお。
 嘘を続けて、これまで生きてきてしまったことに――」
 
「僕はずっと昔とても大変なことをしてしまったんだお。
 そのことでずっと嘘をついているんだお。誰に対しても。
 君のお母さん、ツンに対しても、真実を話したことは無いんだお」
 
「僕は必ずなんらかの形で償いをしなければならないんだお。
 罪に対して罰を受けるのは当たり前のことなんだお。
 これまでずっと、笑顔で乗り切っていけると考えていた自分がバカだったんだお」

ドクオはその言葉を思い出すと、今でも寒気がした。
あれはドクオの知っているブーンさんじゃなかった。
でも、もしブーンさんの言っている言葉が本当だとしたら、その恐ろしい言葉を発したブーンさんこそが真実なのだ。

それから数日後、ブーンさんはニダー一家を惨殺した。
ドクオは確信していた。殺したのはあの恐ろしいブーンさんである、と。
だからどうしてあのブーンさんが殺人を犯したのか、とても気になっていた。

ずっと偽りの笑顔を続けていたブーンさんが、どうしてあの事件を引き起こしたのか。
ひょっとしたらニダーは何らかの秘密を握っていたのではないか。
ブーンさんの知られたくない過去を――

斜陽が顔に当たったので、ドクオはハッとする。
かなり時間が経っていたようだ。
もう空が紅い。晴れ渡ったいい空だ。

背後で足音が聞こえたので、ドクオは振り返る。
誰が来たのかは大方察しがついた。

('A`)「遅かったな」

挨拶も何もなしにドクオは言う。
つっけどんな言い方だが、特に問題はない。
 _
( ゚∀゚)「お前が早すぎんだよ」
209: 2012/11/25(日) 22:45:55.70 ID:??? AA×

210: 2012/11/25(日) 22:46:25.57 ID:??? AA×

211: 2012/11/25(日) 22:46:58.83 ID:??? AA×

212: 2012/11/25(日) 22:47:50.77 ID:??? AAS
様々な光景が交錯していった。

母親であるツンが泣いている姿、シュールが自分の話をじっと聞いている姿。

初めて出会ったときのジョルジュ、悲しい思いを裏に秘めたブーン。

そして、昨日一緒に行動していたモララー。

殺さなくてはならない。
そういう指令だ。
これは指令なのだ。

病院のベッドで再開したシュール。

重傷を負っているのでツンとは面会できないと伝えて来た看護師。

そして、昨日の晩のモララー。

『無茶するなよ』

その言葉が、心の奥に傷をつけていた。
自分の身を案じてくれている人を殺さなくてはならない。
まるで何かが狂ってしまったように、ドクオは感じていた。
213: 2012/11/25(日) 22:48:22.31 ID:??? AA×

214: 2012/11/25(日) 22:48:55.05 ID:??? AAS
8月14日
この日、ドクオは拳銃を握り締めながら、犯行現場となるであろう場所へと向かっていた。

同じ日、この事件に関わる別の人間はまた違う方法でD市へ向かうことになる。
彼らは日中それぞれの意志で行動していた。

ブーンの過去の過ち。
それが生み出すものとは、なんなのか。
そしてどのような結果をもたらすのか。

まだ誰にもわからない。

〜〜第五話へ続く〜〜
215: 2012/11/25(日) 22:49:59.71 ID:??? AAS
8月14日(土)、午後2時頃――

旧G村は現在D市の内部にあり、山脈の中腹に位置する村落であった。
現在はG地区と呼ばれているその村落とD市街地との間にはロープウェイが繋がれており、そこを使う人は大勢いる。
もちろん道路も繋がってはいるが、いつも薄暗い山の森の中を通ることを好まない人も多く、交通量は多くない。

しかしショボンはそのどちらも使わず、山の裾で車を降りて川沿いを歩くことでG村へと向かっていた。
いや、正確には市街地とG村の間にある民家を訪ねようとしていたのだ。
山の中でひっそりと佇んでいるその建物、ほとんど自給自足の生活を営んでいる一家が暮らしていた。

そしてそこは、モララーの暮らしていた場所でもあった。

川沿いに大掛かりな装置を発見して、ショボンは立ち止まる。
川で泳いでいる魚を捕獲するために用いるものに違いない。
この時期に獲れる魚のことはよくわからないが、それでも一つ気付くことがある。
この近くに人間がいるということだ。

ショボンはその装置の傍で待っていた。
太陽の光が川面に反射されて映るキラキラとした輝き。岩にぶつかって上がる水しぶき。
川の音が聞こえてくる。歩いている途中には気にもしなかった音だが、耳を澄ましていると疲れが取れていくようだ。

自分が疲れていることを今更思い出していた。
昨日は一日調査をして、その晩には事故に巻き込まれたのだ。
そして一応入院だってした。たった半日の入院だが、間違ってはいない。

火事――そういえばあれは何だったのだろうか、ショボンはふと考える。
何故起きた事故なのかは聞いていなかった。むしろまだ特定するには早すぎる。
今頃は消防隊員がアパートの燃えた残骸を調べて、その出火元を考えているところだろう。

あの火事で失われたものと言えば、それはアパートだ。ツンとシュールの住む場所。
それもまた大きな損失だが、他にもある。
ツンさんが証言できなくなったということだ。

二階に住んでいるツンが重傷で、一階に住んでいるシュールは軽傷だった。
ここから導かれる一番簡単な推測は、出火元が二階だったというものである。
しかもなるべくツンさんに近いところで起きたのだろう。あの火災の直後に大雨が降りだしたため、火は予想以上に速く消えたから。

ひょっとしたらツンの部屋で起きたのかもしれない、そう考えてショボンに別の思考が展開する。
それは違和感ではなく、あえて言うなら奇妙な整合感である。
些かタイミングが良すぎるのではないか。

ツンが嘘をついているとわかり、もう一度問い詰めれば大丈夫だと思っていた矢先にあの事故である。
亡くなったわけではないが、証言を得ることが引き延ばされてしまった。自分もそう軽々と行動できるわけではないのに。

もしあの事故が事件だとしたら、それこそが犯人の狙いということになる。
しかしそこに至るためには一つ、重要事項が必要であることもショボンは同時に気付いていた。

考えることに疲れたので、ショボンは空を見上げた。
快晴はこの地域にも広まっている。吹き抜ける山からの風が心地よい。
216: 2012/11/25(日) 22:50:50.01 ID:??? AA×

217: 2012/11/25(日) 23:07:03.62 ID:??? AA×

218: 2012/11/25(日) 23:07:34.82 ID:??? AA×

219: 2012/11/25(日) 23:08:06.28 ID:??? AA×

220: 2012/11/25(日) 23:08:45.48 ID:??? AA×

221: 2012/11/25(日) 23:09:23.56 ID:??? AA×

222: 2012/11/25(日) 23:09:56.36 ID:??? AA×

223: 2012/11/25(日) 23:10:26.39 ID:??? AA×

224: 2012/11/25(日) 23:10:59.76 ID:??? AA×

225: 2012/11/25(日) 23:29:21.99 ID:swoXXM7+(2/2)調 AA×

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