ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 (711レス)
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(1): ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/14(水)00:28 ID:ZglLaJqo0(1/4) AAS
L「今さらながらプリンセス・プリンシパルのssだ…注意事項があるので任務開始前に読んでおけ」

7「…注意事項はこれです」

…注意事項…

主要な登場人物は百合・レズのみ(ユリ・アイズ・オンリー)

投下遅い
省4
692: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/11(木)01:28 ID:vpROMSsr0(1) AAS
マティルダ「……私、せっかく「ファーム」に入れたんだから、一流のエージェントを目指したいと思っているんです///」あどけない子供っぽさを感じさせるような笑みを浮かべて、頬を赤く染めた……

パープル「まぁ、立派な心がけね♪」

マティルダ「ありがとうございます……でも、そう思って頑張ってはいるんですけどなかなか結果に結びつかなくって」

パープル「そうなの?」

マティルダ「はい。例えばミス・アンジェのように顔色ひとつ変えずに課題をこなそうと思ってもうっかりミスをしてしまうし……」
省35
693: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/24(水)02:11 ID:zZwpKeq00(1) AAS
ブラウン「どんなエージェントでもそれぞれ「使いどころ」というのがあるものよ」

スカーレット「使いどころ、ですか」

ブラウン「ええ……確かにマティルダは「良い子」というだけで、いまのところ訓練生としてこれといった取り柄があるわけではないわ」

ブラック「そこなのだ、ミセス・ブラウン……私だって彼女が無事に訓練を終えて、いつかひとかどのエージェントとして活躍してもらいたいという気持ちはある……だが、この世界ではただの「良い子」にはロクな任務が与えられない事くらいご存じのはずだ。それだったらいっそ早めにあきらめさせて、もっと有意義な方面で活動してもらった方が良いのではないか?」

ホワイト「同感だね。私の同期にもひとり、世間で言う「いい人」に該当するような者がいたが、退屈で実りのないひどい任務ばかり与えられて、みんなに「彼はいいやつなんだが……」と言われ続け、いつしか現場から退けられてしまったよ……ミス・マティルダにはああなって欲しくはないね」
省36
694: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/01(水)01:11 ID:Zsm+3rLz0(1) AAS
ドロシー「それでだ……おかしなことにマティルダのやつ、訓練では相変わらずドジばかりだし覚えも悪かったんだが、何だかんだで最初の頃に比べるとずっとできるようになってきてな。むしろ訓練当初にすいすいと課題をこなしていた何人かは付いていけなくなって、結局途中でいなくなっちまったなぁ……」

ベアトリス「へぇ、そういうものなんですね?」

ドロシー「不思議なことにな」そういって肩をすくめた……

………

ホワイト「なかなかいいぞ、ではもう一本やってみようか。ミス・マロウ、相手をしてあげてくれるかな?」
省37
695: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/25(土)01:10 ID:J9lrQpcw0(1) AAS
…週末の夜…

アンジェ「……おおよその情報が集まったわね、そろそろ誰を「推薦」するか決めましょう」

ドロシー「そうだな。プリンセスとベアトリスが目星を付けたやつの中から、私とお前さんでそれぞれ選んで評価を突き合わせてみるとしよう」

…寮の生徒たちが就寝前の自由時間を勉学やおしゃべりに過ごしている間、アンジェとドロシーは部室にやって来て話し合っている……スカウト候補の生徒にはそれぞれ動物の名前をあてがい、特徴をそれらしい文言に置き換えることで「博物クラブ」の標本コレクションに添える解説文に見せかけてある…

アンジェ「ええ……それじゃあ一人目はこの生徒」
省37
696: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/04(火)01:11 ID:c3x55s1d0(1) AAS
〜Case・プリンセス×アンジェ×ドロシー「The cocktail of death(死のカクテル)」〜

…ロンドン市内・とあるパブ…

L「ご苦労、待っていたぞ」

ドロシー「どうも……じきじきにお目見えとは光栄だな」

L「なにしろ懸案の課題が片付いた訳だからな……どうだ?」レミーマルタンのボトルを指し示す……
省38
697: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/13(木)01:28 ID:6K0VhKh+0(1) AAS
アンジェ「……暗殺、ね」

ドロシー「ああ、おまけに手段も下手人も分からないときた」

アンジェ「だとしたら、暗殺された人物から地道に共通項を探していくしか方法はないわね」

ドロシー「そうだな」

アンジェ「まずはそれぞれのカバー(偽装)ね。どんな人物として壁のこちら側に潜り込んでいたのか」
省36
698: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/21(金)02:03 ID:5+XpPk3K0(1) AAS
…下町の食堂…

労働者の女性「定食を一つとビールを半パイント」

食堂の給仕「はいよ!」

女性「ふぅ……」

…ロンドンの水蒸気と煤煙に夕陽も薄汚れて見える日暮れ時、勤めを終えた労働者たちが一斉に入ってきて騒がしい下町の安食堂……くすんだダークチェリー色のドレスとチョッキ、頭には薄汚れて灰色がかった白のハーフボンネットという「いかにも」な労働者の女性が座り、ぞんざいな態度で置かれた食事に手をつける…
省37
699: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/28(金)00:46 ID:mGr6PveU0(1) AAS
…同じ頃・会員制社交クラブ…

うら若い女性「あらぁ、久しぶりねぇ♪ずいぶんとご無沙汰だったじゃない?」

アンジェ「ええ、ここしばらく機会がなくて……」

女性「そう、だったらその分を取り返さないとね?」

…そう言うとニコッとえくぼを浮かべてアンジェの手を取る女性……すべすべした白絹の長手袋越しに肌の暖かさが伝わって来ると同時に恋人つなぎで指を絡められ、同時に空いている方の手に手際よくシャンパンのグラスを握らせてくる…
省37
700: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 07/03(水)01:35 ID:LUTOnYd50(1) AAS
………



ドロシー「ほーん……それじゃあ会場には一見さんもいたってわけか」

アンジェ「そのようね」

ドロシー「なるほど。あとはそいつらのリストがあれば完璧なんだがな」
省38
701: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 07/11(木)01:19 ID:FtE+bVvO0(1) AAS
………

…とある洗濯屋…

洗濯屋のおばさん「いらっしゃい」

7「すみません、こちらをお願いしたいのだけれど……ワインをこぼして二か所もシミを作ってしまったの、どうにか綺麗にならないかしら?」

おばさん「ワインのシミねぇ……赤ですか、白ですか」首元や目尻にできたシワも目立つ腰の曲がった洗濯屋のおばさんが、チェーンで吊るしている小さなレンズの眼鏡をかけ直した……
省38
702: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 07/14(日)00:59 ID:BmVIdV7/0(1) AAS
…数日後…

ドロシー「……で、どうだった?」

7「残念ながらかんばしくないわね」

ドロシー「おやおや、昼飯をすっぽかしてまで駆けつけて来たっていうのにがっかりだな」肩をすくめるときゅうりのサンドウィッチにかぶりついた……

7「期待に添えなくて悪かったわ。こちらとしても出来うる限りの情報網を使って調べてみたけれど、「帽子の女」に関するこれといった手がかりはなし」
省38
703: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 07/24(水)01:11 ID:DMOzLQlS0(1) AAS
ドロシー「私たちがパーティに参加するとしたら紹介状がいる……一介の女学生なんて身分じゃあほいさか参加させてはくれないしな」

アンジェ「……つまり」

ドロシー「プリンセスにご協力願う必要があるっていうわけだ」

アンジェ「なるほど……」

ドロシー「別にどうしてもってほどじゃない、必要なら紹介状の二枚や三枚くらいはどうにか手に入れてみせるさ……とはいえ」
省38
704: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 07/27(土)02:22 ID:fHGD+2MO0(1) AAS
…翌日…

アンジェ「……おはよう」

ドロシー「ああ、おはよう」

アンジェ「ドロシー、紅茶をもらえる?」白いハイネックにパフスリーヴのロングワンピースで、胸元にはライトグレイのリボンをあしらっている……

ドロシー「そのくらい自分で注げよな……ミルクと砂糖は?」
省38
705: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 08/07(水)00:30 ID:JIZCi/DQ0(1) AAS
…コントロール…

7「書類が出来上がりました」

L「うむ、そこに置いておいてくれ」

7「はい」

L「……しかし、今回はまるで雪で隠れた薄氷の上を飛び跳ねている気分だ」
省37
706: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 08/15(木)01:44 ID:/WdoIJ+Y0(1) AAS
…パーティ当日…

ドロシー「ベアトリス、後ろを留めてくれ」

ベアトリス「はい」

アンジェ「ベアトリス、ドロシーの方が終わったらこちらも手伝ってもらえるかしら」

ベアトリス「もちろんです」
省37
707: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 08/24(土)00:49 ID:xkSyfmCk0(1) AAS
ドロシー「さてさて、帽子の女はどこかな……」

…ちょっとくだけたパーティ向けにチャーミングな表情を浮かべ、かろやかに会場を巡るドロシー……会場はにぎやかで普通の会話程度なら他人に聞かれることもなく、屋敷のあちこちにある小部屋では商売や浮気の相談など、ちょっとした秘密の会話に興じるべく忍んでいる人間が何人かいた…

ドロシー「……うーん、こうも多いと探すのが大変だ。こうなったらカウンターのそばだな」

…パーティのために雇われた数人のバーテンダーが、きちんとした格好でシェーカーを振り、あるいはマドラーで飲み物をステアすると、喉の渇いた客たちが次々とグラスを受け取っていく……いずれ帽子の女も飲み物を取りに来るだろうと、ドロシーは話しかけてくる相手とたわいない会話を続けながらバーカウンターのそばで待ち受けることにした…

バーテンダー「お嬢様、お飲み物は何になさいますか?」空になったシャンパン・グラスを受け取ると丁寧にたずねる……
省36
708: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 09/10(火)01:04 ID:LfItGAu40(1) AAS
ドロシー「……しかし「帽子の女」はどこだ?」

…カクテルグラスを片手に談笑する紳士淑女たちに社交的な笑顔を振りまき、あたりさわりのない言葉を交わしつつも、油断なく会場を巡るドロシー……アンジェも同様に会場を歩き、お互いの死角をカバーしつつまんべんなく探って回る…

ドロシー「くそ、ここで見つけられないと面倒なことになるぞ……」ぬるくなりはじめたジョン・コリンズをちびちび飲みながら、いかにも楽しんでいるような面持ちで会場を探し回る……

ドロシー「……ん?」

…パーティ会場で誰と親しげにするでもなく、かといって手持ち無沙汰というほどでもなさそうな様子でグラスを持っている一人の女性……地味なミディアムグレイのドレスに目元が隠れるような婦人帽で、帽子の下からのぞく薄い唇からはときおり笑みも浮かんでいる…
省37
709: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 09/14(土)02:45 ID:sLeI+l6g0(1) AAS
…化粧室…

帽子の女「さあ、着きましたわ」

ドロシー「助かります……それじゃあそろそろお芝居はおしまいにしようじゃないか」パーティ会場向けに取り繕っていた態度をかなぐり捨てると、帽子の女を化粧室の壁に押しつけるドロシー……

アンジェ「……この女ね」するりと化粧室に入ってくると、邪魔がこないよう入口を見張りつつドロシーの手伝いができる位置についた……

ドロシー「間違いない。これから持ち物をあらためるところだ」
省37
710: sage 09/14(土)12:09 ID:aCVvYB6JO携(1) AAS
多分毒薬だもんな
間違って媚薬とかにならないですかね…
711: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 09/22(日)02:27 ID:it7MRNqR0(1) AAS
帽子の女「ぐ……っ!」

帽子の女「う……くっ……」身をよじり振りほどこうともがいたが、アンジェの細い……しかし強靱な腕は蛇のように絡みついて首を締め上げ「帽子の女」はとうとうぐったりと崩れ落ちた……

アンジェ「……はぁ」

ドロシー「やれやれ、どうにかなったな……」

アンジェ「どこが「どうにかなった」よ……どうして腕で毒針を受けとめるような真似をしたのよ、この馬鹿」
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