何も無いロレンシア (83レス)
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59: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:22 ID:zJUkddjZ0(59/82) AAS
フィアンマは蛇を処理するにあたって、槍を直撃させずかすめる方法をとっていた。なぜなら床や壁をつたう蛇に直撃させれば、瞬刺殺の尋常ではない威力の余波が建物を傷め、自分にとって優位な戦場を失ってしまう可能性があったからだ。
だがそれを抜きにしても、“深緑”のア―ソン“血まみれの暴虐”フィアンマ、そして“何も無い”ロレンシアという規格外同士の戦いは、開始から一分に満たない間に建物へかつてない衝撃を与えていた。そして今、戦いの余波ではなくフィアンマとロレンシアが建物の破壊を目的として、そのあらん限りの力を床に放つ。
二人のいた周囲の床は、フィアンマが瞬刺殺を放つための踏み込みで特にダメージを受けていた場所でもあった。前後左右のみならず、天井からも含めて百を超える蛇がその身をくねらせ迫る中、軋む異音と共に二人は落下する。蛇たちも一点の穴に流れる水のように二人へ続くが、先ほどまでとは違い囲んでいるわけではなく、同じ方向から固まった状態での襲撃など二人にとって脅威ではなかった。
その身を宙に躍らせながらロレンシアは腰から剣を抜き放つ。足場が無く力を乗せられないなかで、剣と技の鋭さで蛇たちを次々と捌く。
同じく宙に舞いながらフィアンマは、上半身の捻りと腕力のみで皆殺朱を振るい蛇たちを貫き、あるいは殴[ピーーー]る。その余波は遠慮なく天井と壁に襲いかかる。
省10
60: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:23 ID:zJUkddjZ0(60/82) AAS
フィアンマとア―ソンの武名や悪評は、残酷さや血生臭さ、そして嫌悪と恐怖無しには語れないものだった。
対してロレンシアのそれは二人のそれとは趣が異なり、不可解な不穏さを感じずにはいられないものであった。
トロイメライ城消失事件の主犯にして、嘆きの谷を血染めの滝に変えし者、三度にわたる幻影の騎士の殺害。調べれば調べるほど謎が増える事件に関わっていることが一度や二度ではないのだ。
納得する一方で、ア―ソンはロレンシアよりフィアンマの方をより脅威であると見た。
ロレンシアは確かに強い。だがその力と剣では、自分に致命傷を与えるために何十と立て続けに斬りつけなければならない。一方でフィアンマの瞬刺殺は直撃をもらおうものなら体の半分は消し飛びかねなかった。
省11
61: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:24 ID:zJUkddjZ0(61/82) AAS
「ひっ……」
逃げようにも恐怖で体が固まってしまって動けずにいた住民の一人が、再開する戦いの前兆として膨れ上がる殺気と狂気に引きつった声をあげてしまう。
そして、その声にア―ソンが反応してしまった。
「アア……ソウイエバ……腹ガ減ッタ」
瓦礫の上を、あるいは下を、水中で泳ぐ魚のような軌道で素早く蛇たちが住民に群がる。
省18
62: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:24 ID:zJUkddjZ0(62/82) AAS
「ハイヤアアアアアァツッ!!」
雄たけびと共にフィアンマが駆ける。身長一九〇超、体重一〇〇超の男が三〇キロ近いプレートメイルを身に着けて爆走するその姿は、純粋な脅威に他ならない。
ロレンシアは槍を手放しつつ後ろへと飛び下がるが、目を疑う追撃が待っていた。
飛び膝だ。
フィアンマの強靱な脚腰はその重量を地から飛び放つことを可能にし、突進した勢いのまま砲弾の如き威力をもってロレンシアに襲来する。
省15
63: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:25 ID:zJUkddjZ0(63/82) AAS
「……クキ、キカカカカッ」
最初は呆気にとられていたア―ソンだが、やがて例の甲高いのにくぐもった耳障りな嗤いを立てる。
「サ、流石“何モ無イ”ロレンシア……ッ! ダガ、終ワリダ! 私ノ蛇ハ……優シサモ甘サモ無イ! ホンノ少シノ毒デモ、十分ダ! オマエハ即死ジャナイダケ……ダ!!」
その宣告はブラフなのか、事実なのか。
たとえブラフだと判断しても、ア―ソンの隣にいる男の死にざまを見れば動揺せざるを得ない。
省15
64: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:25 ID:zJUkddjZ0(64/82) AAS
馬鹿げた行いに目を剥く。毒の中に身をさらしての奇襲など、完全に想定外だった。既にその体は毒に侵されていたが、あくまでそれは少量。助かる可能性はわずかだがあった。その可能性を奇襲の機会を見つけるや否や投げ捨てるなど、人間の発想ではない。
フィアンマは槍で近づいてくる蛇を処理しながら、投てきはガントレットで弾く算段していた。完全に意表を突かれたフィアンマには、毒の霧を隠れ蓑に接近したロレンシアへの打つ手が無かった。何をしでかすかわからない相手だと、わかっていたにも関わらず。
ロレンシアは猫科の獣のようにその身を宙に躍らせながら、ナイフをフィアンマの喉元へと奔らせる。ナイフは兜とプレートメイルの隙間をかいくぐり、下に着けていたクロスアーマーを貫いた。
「カヒュ……ッ」
フィアンマの止めていた呼気が漏れるとともに、口元から血がこぼれる。この戦いが始まって受けた初のダメージは、頸動脈を切られるという致命的なものだった。
省10
65: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:26 ID:zJUkddjZ0(65/82) AAS
身をひねりながら着地したロレンシアは、血を振りまきながらア―ソンへと駆ける。その左腕の傷口が変色し始めていることを筆頭に、どこをどう見ても限界間近だった。ここを乗り切れば、驚異的な再生能力を持つア―ソンの勝ちとなる。
逃げるという選択肢が一瞬ア―ソンの頭をよぎった。ここを耐え切れさえすれば勝てるのだから、無様でも両腕を盾に身を丸め、攻撃に耐えながらフィアンマに吹き飛ばされた蛇たちを呼び寄せる。蛇たちがロレンシアに群がり攻撃の手が緩んだところで、槍を引きずりながらでも逃げればいい。
だが逃げるという選択肢を選ぶには、あまりにロレンシアはボロボロだった。手に持つのはナイフだけだった。たとえ胸に大穴が開いている状態でも、今のロレンシアが自分を殺し切れるとは思えなかった。村の中で嫌われ続けてプライドなどたいして持っていなかったが、自分より不利な相手から逃げ出す経験は一度も無かった。ほんの少し残っていたプライドが逃げるという選択肢を除外する。それよりも、最後のチャンスにかけるロレンシアを真っ向から捩じりふせ、貪ってみたかった。
ア―ソンは自分へと駆け寄るロレンシアに対して、迎え入れるように両腕を広げた。その太い腕は見る見るうちにその形状を変え、濡れた毒牙を輝かせるいくつもの蛇たちへと変容する。蛇が群れなす門などものともせず、ロレンシアはア―ソンの懐にもぐりつつ大きく腕を振りかぶった。
ア―ソンは勝利を確信した。どれだけ渾身の力を込めようが、ナイフ程度では自分に致命傷を与えられないから。
省13
66: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:27 ID:zJUkddjZ0(66/82) AAS
「こんなところにこんな姿で隠れ潜む。そんなに母が恋しかったか。そんなに安全で暖かな母の中で好き勝手したかったのか。そんな幼稚な考えだから、村八分にあっただろうに」
ロレンシアの指摘は的を得ていたのだろう。ア―ソンは耳にするだけで呪われそうなおぞましき奇声を街中に響き渡らせる。だが至近距離でその絶叫を受けているロレンシアは、気にも留めなかった。
「オマエの正体がわかった理由か? それは勝手にわかってしまうことなんだ。これまでもそうだった。オマエたち魔に心を呑まれてしまったモノたちの正体と弱点は、少し戦えば自然とわかってしまうんだ」
おぞましき存在であるア―ソンを、ロレンシアは顔の間近に持ってきてその眼をのぞき込む。
「オマエは俺に聞いたな。何故剣に手を伸ばしていないのかと」
省21
67: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:28 ID:zJUkddjZ0(67/82) AAS
※ ※ ※
雨が降る中で、街の衛兵はその顔を大きくしかめていた。
その原因は雨に体を濡らしながら仕事をしなければならないから――ではない。
雨で現場の痕跡が洗い流されるから――でもない。
ひとえに現場の惨状が、衛兵の経験と想像を大きく超えた規模だからだ。
省18
68: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:28 ID:zJUkddjZ0(68/82) AAS
深い知性と憂いがたゆたう藍色の瞳。その髪もまた黒に近い藍色で緩いウェーブがかかっており、落ち着きとともに悲しみを感じさせる妖しい色香がある。外套をつけていてはっきりとはわからないが、その髪は肩より下まであるようだ。
一八〇を超える背丈は均整がとれていて、その足運びも隙が無いというより、美しいという印象を抱かせる。腰に差した剣が男が戦いを嗜んでいることを示すが、この男が血と泥にまみれて戦っている姿が衛兵にはどうにも想像できなかった。どこかの貴族様だろうか。年齢は二十代後半のように見える。
「三人……か」
「え……あ!?」
衛兵がつい物思いにふけっていると、青年は辺りを見回しながら呟く。その呟きは独り言なのか、衛兵に尋ねたものなのか判断がつきかねたが、どちらにしろこの場から離れてもらわなければいけない。相手が貴族だとすればなおさらだ。
省14
69: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:29 ID:zJUkddjZ0(69/82) AAS
疑問は代わりに青年が口にしてくれた。まるでそこで何か起きたかを読み取るように、彼はそっと腰ほどの高さがある宿の残がいを指でなぞる。
「力、速さ、そして技。どれをとっても大したものはない。それなのに、この二人を相手に真っ向から戦い、そして――勝利? そう、勝利した」
自分の考えをまとめながら言葉にするその姿は、まるで詩人が歌を唄うように見えた。
「そう、勝利だと言っていい。彼はきっと、目的を達した。ならばそれは勝利だろう。例え――」
青年はそっと、細く暗い道へと目を向ける。ここからその先へと、雨で洗い流されてしまったが尋常でない血が流れていたことを察する。
省17
70: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:29 ID:zJUkddjZ0(70/82) AAS
※ ※ ※
冷たい水が頬をうつ。左目はつぶれ右目はかすみ、何が起きているか視界で捉えることはできない。耳朶を打つ振動と独特の匂いが、雨が本降りになったことを教えてくれた。
雨に遮られてもなお鼻をつく、すえた匂い。ここは路地裏。この街の路地裏は今日踏み入ったばかりだが、どの街であっても似たようなものだ。ゴミの掃きだめで、物の腐った匂いが充満する。そこでしか生きられない者と、そんな場所を利用しようとするクズのたまり場。耳と鼻がなんとか機能さえすれば路地裏で何年も過ごした経験から、何があるのかある程度はわかる。
応急処置をしなければならないが、それは人目がつかないところで行わなければならなかった。俺に恨みのある奴など吐いて捨てるほどいる。そんな奴らの中には、俺の首に賞金をかける者もいた。十億にはとても及ばないが、一生遊んで暮らせる金のために俺を狙う奴はいくらでもいるのだから。
毒はどうしようもない以上、しなければならないことは止血だ。魔に心を呑まれたモノであるア―ソンの毒を解毒する薬など、この世には存在しない。しかし毒の本体であるア―ソンを殺したからには、あとは体内の毒に抗う体力がありさえすればいい。誰に説明されるわけでもなく、アレと直接対峙してわかること。つまり必要なのは体力を失わないことだ。
省16
71: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:30 ID:zJUkddjZ0(71/82) AAS
本当は覚えているはずがない光景だった。俺は当時まだ乳飲み子だったはず。その時の記憶が残っているはずがない。だからこれは、この時から数年ほどして少しは物を考えられるようになった頃に、知っていた情報を組み合わせた妄想の産物を、本当にあった出来事だと思い込んでいただけ。そのことに気づけるようになるのは、さらにもう数年ほどしてからだったが。
死がかつてないほど近づいているせいか、妄想を本当だと信じていた頃よりも鮮明に偽りの記憶が想起される。
ああ、父であった人。そして母であった人。なぜ私を産み落とした。必要で無かったのなら、なぜ――
「なぜ……」
なぜ……?
省17
72: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:30 ID:zJUkddjZ0(72/82) AAS
口にしながら自分でも助からないことに気づいたのか。言葉から力が抜けていくが、それでも彼女は手当を止めようとはしなかった。そして俺ももう止めようとはしなかった。きっと何を言っても彼女は止まらないだろう。なら、残された時間で伝えなければならないことは別にある。
そう、残された時間。俺はもう死ぬ。結局何のために生まれてきたわからぬまま、誰に愛されることもないままに、見るも無残な姿で死ぬ。
せめてもの救いは、ひょっとしたらという儚い可能性ではあったが、俺にとって何か大切な存在かもしれないマリアと出会えたこと。そしてこの想いが錯覚であったと気づく前に[ピーーー]ることか。
「聞け……」
「な、なんですか?」
省16
73: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:31 ID:zJUkddjZ0(73/82) AAS
「俺は……オマエが不思議な力があるから……それを利用しようとして、それに……邪魔だったから、アイツ等を始末した……だけ!」
血と熱を失い、毒がまわりきったこの体。これがつむげる最期の言葉だと、静かに確信する。一文字一文字口から出こぼれるたびに、水にゆっくりとつかっていくかのような冷たい奇妙な感覚。
「オマエを助けるのは……俺が死んだのに、俺ができなかったオマエの利用を……他の奴らにされるのが、気に食わないから――」
あと少しで言い終わる時だった。冷たいこの体を、暖かくて柔らかな感触が包み込む。路地裏のすえた匂いを吹き飛ばす、甘く優しい香り。柔らかな絹のような感触が、頬をそっと撫で上げる。
抱きしめられたことに気づくのに、しばし時間がかかった。
省15
74: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:32 ID:zJUkddjZ0(74/82) AAS
「……?」
何があったのか。目はもう使い物にならないのに、反射的に目を凝らそうとする。すると少しずつ色を認識できるようになってきた。
「これは……いったい」
目と鼻の先に、翡翠の瞳を涙で赤くはらしながら、驚いた顔で俺を見ているマリア・アッシュベリーの姿があった。
雨は止み、地に沈む寸前の燃えるような夕焼けが辺りを包み込む。どんよりとした闇が炎に浄化されたかのような景色の中で、ひときわ輝いているのがこの身であることに気が付く。
省9
75: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:33 ID:zJUkddjZ0(75/82) AAS
何百何千という魔に心を呑まれたモノが跋扈し、その中から異界侵食を行うモノたちが次々と現れた。
侵食された場所は人が住める場所ではなく、日に日に人類の生存圏が削られていった。だがそれはしょせん、悪夢の始まりにすぎなかった。
異界侵食は基本的に、魔に心を呑まれたモノが住処と定めた地域で発生する。侵食を終えたら広がらないのが基本なのだ。
だがある時、異界の中でそこの主以外の魔に心を呑まれたモノが死ぬことがあった。果たしてそいつの魔は取り込まれたのか、それとも溶け合ったのか。いずれにしてもそれを契機に、その異界内はより特異な存在となり、侵食を外へと広げるようになった。
世に魔に心を呑まれたモノは何百何千もいれば、当然同じ事例が他にも起こり始めた。そうやって侵食を広げていくなかでさらに魔に心を呑まれたモノを取り込み、より邪悪で凶悪となり、侵食の勢いも増していく。
省25
76: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:34 ID:zJUkddjZ0(76/82) AAS
※ ※ ※
「アハハハハハヒャヒャヒャヒャヒャハヒハヒャヒャヒャヒャッヒャッ!!!」
千年ぶりの奇跡の到来を、喉を掻きむしりながら歓喜の嬌声をあげながらもだえるものがいた。
彼はロレンシアの逃げ込んだ廃墟を遠くからじっと見守り続け、誰よりもいち早く奇跡の到来を目の当たりにした。
彼――シモン・マクナイトの目論見通りに。
省12
77: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:34 ID:zJUkddjZ0(77/82) AAS
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聖女と何も無い男。
その出会いは、運命を捻じ曲げる
聖女の傍らにあるのは勇者であらず。
省5
78: ◆SbXzuGhlwpak 2019/06/01(土)03:36 ID:zJUkddjZ0(78/82) AAS
ここまで読んでいただきありがとうございました。
普段はデレステ、たまにシンフォギアのSSを書いています。
ここまでの話が全体の六分の一ほどで、書きだめた話の全てです。
本当は半分ぐらいできてから少しずつ投稿しようと考えていたのですが、一次創作は初めてなのでちゃんと書けているのか不安になり、感想が欲しくて投稿しました。
特に戦闘シーンを書くのは初めてなので、何が起きているのかわかるかどうか教えていただけたら嬉しいです。
ちなみに私は中学の頃にオーフェン、高校の頃にベルセルク、大学の頃に型月にはまっていたので、バトル物の主人公たるもの心身ともにズタボロにされてから立ち上がってなんぼと思っています。
この作品の主人公であるロレンシアは心の在り方が特殊で今回は精神面は大丈夫でしたが、次回はメンタルをズタズタのボロボロにしてみせます。
多分次に投稿するのは一年ぐらい先になると思うので、HTML化の依頼をだします
ここまでがPart1ということで
最後に簡単なプロフィールを貼って終わります
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