[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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954: コドクノオリ 2013/10/10(木)23:22 ID:35Ch0SGzo(8/8) AAS
中ボス戦が終了したところで、そろそろ本当のボスが真価を発揮しましたね?!
そんな感じで

>>945
タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです
955
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/13(日)19:38 ID:8z6a3LAAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
真のボスって何!?修実ちゃんはなんか知ってそうだけど

>>545
>タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです 俺が思ってたのは「孤独の檻」だったけどそれもあり?
956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/14(月)23:14 ID:5rYxM7zno(1/6) AAS
>>955
>>タイトルにはいくつか意味がありますのでそちらも考えていただければ幸いです 俺が思ってたのは「孤独の檻」だったけどそれもあり?
ありです! むしろサブタイでいつか使います!
957: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:15 ID:5rYxM7zno(2/6) AAS
 どこかで誰かが泣く声が聞こえた。
 その声は、ただただ、何度もごめんねと謝り続けている。
 久信は、その声を知っていた。その声の主がいつだって独りで泣いていたこともだ。
その人が他人に自分が開いている姿を見せることがなくても、彼女はずっと泣いていたということを、久信は知っていた。
 ……泣かないで。
 そう思うことも、もう何度もしていた。
ただそう思うだけでは無意味で、言葉にすればするほど、
彼女は完璧な微笑を身に付けてしまって久信にもやがてその真偽を見抜くのが難しくなってしまったから、いつしかそれを口にすることをやめていた。
 ただ、泣かないでと、泣かせたくないと、泣かせなくても済むようにしたいと、そう思うことはずっとずっとやめることはなかった。
 そして、それを実現するために努力を重ねてきた。
省13
958: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:16 ID:5rYxM7zno(3/6) AAS
「おや、目が覚めたかね。肋骨数本にヒビが入っているのに五時間で起床とは、若いのう」
昌夫に気付いて、声をかけてきたのは、白衣を着た初老の男だ。こちらとは面識がない。
 久信は自分の体が特に拘束されていないことを確認してから、昌夫に問いかけた。
「ここはどこだ?」
「ここは医務室。お前は郭をひっとらえた後でいきなりぶっ倒れたからな。
勝手で悪いが、ここに連れてこさせてもらった。今はもう深夜だな」
「ずいぶんと体温が下がっておったが、君の体に今のところは肋骨のヒビ以外の後遺症らしきものは見られない。
元々毒に耐性がある都市伝説とでも契約しておるのかな?」
 医者が昌夫の言葉を引き継ぐ形で現状の久信の体の状態を説明する。
さしあたって、今のところは体に危険はないようだ。この体の疲れも危険なものではないらしい。
省27
959: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:17 ID:5rYxM7zno(4/6) AAS
「は?」
 返された質問に怪訝な顔をしながら久信は正直に答えた。
「いや、いまいち分からない。さっき、そっちの医者は俺が毒にやられた。みたいなことを言ってたけど、俺はいつの間に郭に毒を盛られたのか覚えがないんだ」
 怪しいとしたら、彼が持っていたあの手斧だ。刃に毒を塗ってあったのではないかと考えるが、その斧の攻撃は全て修実が盾になって受けていたため、これが原因で毒を盛られたということはありえない。
 だとしたら、次に怪しいものは、
「そうだな。心当たりといえば、毒をあの結界の中に撒かれていたのかもしれないなってことくらいか」
 郭が展開していたかごめかごめの結界の中に充満していたあの甘ったるい、香のようなもの。あの香の中に紛れて、あるいはあの香自体が毒だったのかもしれない。
 能力の行使のし過ぎで体力が尽きてしまったために、毒が一気に体に回ってしまったのではないか。実際、体力を削られすぎたせいで現在も体が引きずるように重い。
「どう? 正解?」
 訊ねると、昌夫は「いいや」と首を横に振った。
省32
960: コドクノオリ「寝起きの真実」 2013/10/14(月)23:18 ID:5rYxM7zno(5/6) AAS
 極限状態で解放された蠱毒の力を制御しきることは修実にはできず、蠱毒から溢れた瘴気は近くにいた生き物に襲い掛かった。
当然、それは最も近くで修実の戦闘を見ていた久信をも蝕んだ。
 そして久信は倒れたのだ。
 ……なるほどな。
 自分がなぜあそこで倒れる結果になったのかはこれではっきりとわかった。
驚きはしたが、今の修実の状況を鑑みればそのようなことが起こっても不思議はない。
それに、その蠱毒の力によって久信は今こうして生きていられるし、目を覚ました久信は特に後遺症のようなものもない。
 ……早く会って、俺は元気だと言ってやらなくちゃな。修実姉はきっと心配してる。
 早く姉に元気な姿を見せて気にすることはないと言いたい。
「なあ、昌夫、いい加減教えろ。修実姉はどこに居る?」
省17
961: コドクノオリ 2013/10/14(月)23:19 ID:5rYxM7zno(6/6) AAS
さて、ここからラスボスはお姉ちゃんな展開です
962: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)22:58 ID:Wy4ZVU48o(1/5) AAS
 修実を諦めろと言わんばかりの昌夫の言葉を受けて、久信は押し黙った。
 制御することができない程の大きな力を不安定なままで自分の中に収めている修実の傍にいるのは、誰であろうと危険。
 たしかに、蠱毒を制御できない修実は、毒を再現なく吐き出す危険な存在だ。
また、気を抜くと瘴気が漏れ出すというのも、程度によるが、久信が目覚めるまでの時間すら待っていなかったことを考えると
、一時たりとも気を抜くことができない――つまり、睡眠も急速すらもとれなくない程切迫しているということだろう。
 そうなれば、そう遠くない未来。遅くとも数日後には、修実は蠱毒の制御どころか自分の生命の維持すらも難しくなる。
 そして、修実が衰弱すれば、蠱毒は修実を飲む込みにかかる。
 蠱毒に飲み込まれて瘴気ををまき散らすだけの化け物になれば、
修実は――修実であっただけのモノになったそれは、討伐対象として滅されるしかなく、蠱毒に乗っ取られずに修実が修実であることを貫くには、自分で自分を決着するしかない。
 結局のところ、修実には生き残る道はない。そして、選べる数少ない道の中からならば、修実は迷わず自決する道を選ぶ。
省21
963: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)22:59 ID:Wy4ZVU48o(2/5) AAS
   @

 しばらくの間黙り込んで何事かを考えていた久信は、やおらベッドを降りると、医務室の扉に向かって歩き出した。
 ベッドから降りて自分の足で立ってみてようやく気付いたが、体が驚く程に重い。
瘴気自体はユニコーンの角の粉末で抜けてはいても、体の疲労が抜けているわけではないようだ。
 ふらつく体を引きずっていく久信の肩を、昌夫が掴んで止めた。
「まだ安静にしていたまえ。体中が瘴気に蝕まれていたのだぞ」
「そうだ! それに、お前、そんな体で何をしに行くつもりだ?」
 諭す医者と怒鳴る昌夫を押しのけ、久信は医務室の扉に手をかけた。
 扉を開けると、廊下に一匹の蛇がいた。
省29
964: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)23:01 ID:Wy4ZVU48o(3/5) AAS
 吹っ切れたようにそう言う。長い付き合いでもある。久信が言うようなことにはもう気付いていたのだろう。
「でもな、そんな気持ちだけで修実を追いかけても結局毒に殺されるだけだぞ? そうだろ? 爺さん」
 話を振られた医者が頷く。
「あの瘴気は呪詛と毒気の集合じゃ。
あの都市伝説自身がそれを制御しきれていないということは、近づくだけであの娘は自分の周りの全てを祟ることになる。
 封印されていた荒御魂を解放するからこうなる。触らぬ神に祟り無しというのに」
 医者は昌夫から深い事情までは知らされていないのか。修実をどこかで鎮められたいた蛇神か何かと勘違いしたような一言を付け加えた。
 昌夫が医者を手で止めて久信をうかがう。
 久信は特に気にした様子もなく、口元を緩めた。
「うん、確かに、修実姉は俺の女神だ」
省20
965: コドクノオリ「コドクノオリ」 2013/10/15(火)23:03 ID:Wy4ZVU48o(4/5) AAS
 ……結局、こういう結果になっちゃった。
 結界に閉じ込められた後、郭が張った結界を破壊して弟に再び会えた時、あの時は奇跡的に蠱毒を抑えこむことができた。
あの時、今度こそ、最愛の弟と一緒に暮らすことができるようになるのだと期待した。
しかし、期待は裏切られた。久信は修実が解放してしまった瘴気に中てられてしまって、一時は生命が危うかった。
彼が命をとりとめたのは本当によかったと、そう思う。あの場で助けてくれた昌夫には、また一つ借りができてしまった。
 ……もし何かの形で恩を返すことができれば、そうしたいのだけど。
 今生において自分が恩を返すことはできないだろうことが、修実にとっては弟のこと以外での数少ない心残りだ。
 ……あの封印から出られた時、この姿になることは二度とないって思ったんだけどな……。
 あのクラブ跡に展開された結界の中、久信が殺されるかもしれないと思った時、修実はどうしても……そう、
周りにどれほどの被害が出ることになろうとも、久信が居なくなってしまうのは嫌だと、そう思い、力を解放してしまった。
省41
966: コドクノオリ 2013/10/15(火)23:11 ID:Wy4ZVU48o(5/5) AAS
連日投下失礼します
三日休みがなかった分今休みなんだなぁ

私が自分の乙女回路をぶん回してキャラを考えるとなぜかヤンデレか依存体質に近くなる
 ゆゆしき事態だ
 こう、女性が強くて一切ぶれないような女性強権的な作品を読んで均衡をとらねば。
 ヤプーとか
967: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/16(水)22:13 ID:aIhrwHfAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
もげろとは言わん、幸せになれ
968: 金は天下の回りもの◆12zUSOBYLQ 2013/10/17(木)19:19 ID:TRbTS6TAO携(1) AAS
「まったく、近頃の若いもんときたら・・・」
 御年80を越える老婆、金子金子(かねこ かねこ)は不機嫌だった。
 「金子」というさして珍しくもない名字の男に嫁いだばかりに珍名になってしまい、昔はずいぶん親を恨んだものだったが、この歳になるともう気になどならない。
 黙って郵便局の自動ドアをくぐり、ATMで現金振り込みの手続きをする。
 孫が無免許運転で妊婦をはねてしまった。運悪くヤクザの情婦で、多額の治療費と慰謝料と示談金を要求された。払わなければ警察に通報すると脅されている。
 電話の向こうの声が力なく語る。金子は、
「うるさいよ」
 と一言言い捨て、電話を切るとこの郵便局にやってきた。
 金なら、ある。
 一昨年死んだ夫は事業に成功し、巨億とは呼べずとも、十分すぎるほどの遺産を遺してくれた。
省21
969
(1): ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2013/10/18(金)00:06 ID:kcKtveUWo(1) AAS
婆ちゃんwww
こういうの好きだわ
970
(1): VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/19(土)13:52 ID:Z9v+Ibn9o(1/6) AAS
乙です
金がどうなるか分かってても振り込むばあちゃんにちょっと切なさを感じました
971: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:53 ID:Z9v+Ibn9o(2/6) AAS
 北区にある山の麓に辿り着いた修実は隠形を解いた。
 周りに人が居る気配は一切ない。
 ……あとは、この山の中に入れば、全て終わる。
 思わず、といった調子で溜息を吐いた修実は、不意に背後を振り返った。
「これは……」
 修実を振り返らせた原因は、彼女めがけて急速に近づいてくる気配だった。
 早い。
 ほぼ一直線に突き進んで来るらしいその気配は、どうやら建造物の屋根を足場として跳ね飛んできているらしい。
 未だ遠くにある気配。その気配に修実が気付ことができたのは、その気配を彼女自身が知っていたからだ。
 育てられた組織と、そのお膝元の町くらいしか世間を知らず、その狭い世間の中で築き上げた人間関係も全て壊してしまった修実だが、
省23
972: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:54 ID:Z9v+Ibn9o(3/6) AAS
  @

 久信を置いてきた昌夫は、これまでよりも更に早い速度で修実との距離を詰めた。
 背に人がいたのではなかなか出すことができない、手を地面に付けて体を前に倒した獣の走法だ。
 一駆けごとに雨が盛大に跳ね、地面が確かな手ごたえを返してくる。
 一歩が百メートルを駆ける力を生み出す現在の昌夫の姿は、犬の頭部に獣の腕と脚とを持つ、まさに人狼のような代物だった。
 彼の憑き物筋としての能力。本人が犬懸りと呼んでいる状態だ。
「おい! 俺を置いて、もうお前帰っていいんだぞ!」
 遠く背後から、大声が聞こえてくる。
「病み上がりのお前じゃどうせ逃げられるだろうが!」
省30
973: コドクノオリ「かたわらのきみ」 2013/10/19(土)13:55 ID:Z9v+Ibn9o(4/6) AAS
 それに、
「修実さんも、本心では弟離れなんてする気ないくせに」
「そんなことないわよ。私は久くんのためなら、久くんから一生離れているって決めてるもの」
「それ、弟離れできてないことをカミングアウトしてるみたいなもんだろ」
「……そうね」
 困ったような笑みを浮かべて、修実はでも、と続ける。
「だからこそ、私は私の中の想いにかけてこの道を譲ることはできないわ。昌夫くん。行かせてちょうだい」
「無論、却下だ」
 昌夫は姿勢を倒して修実に向けて踏み込み、修実からの応撃がくるより早く、
一番手近にあった修実の体。その長大な蛇身を抱え上げる。
省28
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