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魔法少女まどか☆マギカ〜After Ten Years of History〜【あれから10年】 (942レス)
魔法少女まどか☆マギカ〜After Ten Years of History〜【あれから10年】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/
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843: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga] 2014/05/23(金) 14:25:12.54 ID:oUTyPh9F0 ほむカス死ね http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/843
844: 川´_ゝ`){やっと来れた ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/08(日) 02:09:52.05 ID:pK5l54ul0 よる遅くにこんばんわ>>1です。いつも閲覧有難うございます。 お待たせしました。ようやく5話の終わりまで書ききる事が出来ました。 今月中と言ったな、あれは(ry 長らくお待たせして申し訳ありませんでした。 さて、次回ですが…明日(今日)8日の21時頃に投稿する予定です。 一応5話完結&第1章完結予定です。 それでは、次回の更新で。お休みなさい ノシ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/844
845: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] 2014/06/08(日) 11:24:53.02 ID:AEyaZ9CDO 期待 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/845
846: 川´_ゝ`){日付変わっとるやん… ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:03:22.32 ID:fDDfIeo+0 夜遅くにこんばんわ>>1です。 大分遅れてしまいました。申し訳ありません。 それでは続きを投稿します。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/846
847: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:08:22.79 ID:fDDfIeo+0 【ほむら】 「う…あ…」 タツヤが雄叫びを上げる中、ゆまの魔法によって身体を再生したほむらが声を上げる。 しかし、その声は苦痛を訴えるような擦れたものであった。 タツヤの生命力吸収はほむらにも作用し、彼女の回復し掛けた魔力を奪い取る。 彼女の表情が歪む事は、当然のことだった。 【ゆま】 「ほむらお姉ちゃん‼‼」 【ゆま】 「不味いよ、こんな状態で魔力を奪われたら...‼‼」 【織莉子】 「っ‼」 ゆまの治癒魔法と、グリーフシードによる魔力回復によって辛うじて命を繋ぎとめている彼女にとって、 今の状況は…まさに地獄だった。 このまま力を奪われ続ければ、その先に待っているものは…『死』だけ。 この場に居る全員の脳裏に、そんな最悪の展開が過った。 【ゆま】 「ねえ、たっくん…もう止めて‼」 【ゆま】 「このままじゃ、本当にほむらお姉ちゃん死んじゃうよ‼‼」 ゆまは自分の残り少ない魔力を彼女に送りながら、タツヤに必死に呼びかける。 彼がこれ以上力を使い続ければ、魔獣を倒す前に自らの力でほむらを殺すことになる。 それだけは、なんとしても避けてほしかった。 【タツヤ】 「がぁぁぁぁああああああああああああああ‼‼‼」バァァァ しかし、その声がタツヤの耳に届くことはない。 少年はその場全体を震わせるように、雄叫びを上げる。 吸収したエネルギーを自らを覆うオーラへと変え、今にも力を爆発させそうな雰囲気であった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/847
848: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:10:37.38 ID:fDDfIeo+0 ttps://www.youtube.com/watch?v=KJDaWFyf-NE 【織莉子】 「(...駄目)」 【織莉子】 「(完全に、怒りで我を忘れてる…)」 今のタツヤは、タツヤであってタツヤではない。 そんな彼に、自分達の声は届かない。 【織莉子】 「(キュゥべえの言う通り、今の彼は…)」 【織莉子】 「(悪魔、だわ)」 織莉子は悟る。 今の彼は、自分達の知る人間・鹿目タツヤではない。 まさに―――『魔』なるものであると… 【ほむら】 「あ…あ…」 【ゆま】 「ほむらお姉ちゃんっ」 心配するゆまを他所にエネルギーを吸収され続けるほむらは、再び苦しみの声を上げる。 更には、瞳孔の開いた状態で、身体を痙攣させ始める。 その姿は、まるで…何かに呪われているかのようだった。 【ほむら】 「あ…ああ…」 そんな彼女に合わせるように、彼女自身のソウルジェムも…今まで以上に濁っていく。 最早、元の色が分らなくなるほどに宝石の輝きは失われていた。 限界が近い…誰もがそう思った。 【ゆま】 「...え?」 だが――― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/848
849: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:12:13.18 ID:fDDfIeo+0 【ゆま】 「なんで...?」 【ゆま】 「ほむらお姉ちゃんのソウルジェムが…?」 その時、彼女のソウルジェムに―――変化が起こる 【織莉子】 「!?」 【ゆま】 「輝いている...?」 そう――― タツヤの力によって限界近くまで濁っていたほむらのソウルジェムが、再び輝きを取り戻し始めたのだ。 【織莉子】 「嘘…」 【ゆま】 「でも…これって…」 【ゆま】 「普通じゃ、ない…よね…?」 しかし、その輝きはゆまの言う通り…普通ではなかった。 それは…グリーフシードによって穢れを取った綺麗な輝きではなく――― 何処かどす黒い…まるで、濁ったまま輝いているような…そんな輝きだ。 その輝きはある意味、穢れによって濁ることよりも悍ましい輝きに見えた。 【織莉子】 「一体…」 【織莉子】 「何が起きようとしてるの...」 魔獣達の異常なまでの強化… タツヤの異常なまでの変化… そして、ほむらのソウルジェムの異常な輝き… 自分の考えを遥かに上回る周りの変化に、織莉子は再び不安に襲われる。 これまでは予知能力を使えば、その先にあるものを見透かす事が出来た。 しかし、今回に至っては…どういう訳か予知能力が使えない。 何が起こるか分からない。 しかし、大きな何かが起きようとしているのは確か… そんな状況の中で、織莉子が不安に思う事は…ある意味、仕方のないことであった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/849
850: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:16:40.34 ID:fDDfIeo+0 【タツヤ】 「コロス‼‼」ドン 【タツヤ】 「があっ‼」ガン そして、尚もタツヤと深化魔獣の戦いは続く。 【深化魔獣】 「...リィイ」 いや、それは最早戦いではなく…タツヤが一方的に魔獣を痛め付けているに過ぎなかった。 今の深化魔獣は戦う力を既に無くしており、ただただタツヤの攻撃を受けている状態であった。 結晶で作られた体はボロボロになり、体の結晶が少しずつ崩れ落ち始めてしまっていた。 【タツヤ】 「あぁぁあああ‼‼」ザン しかし、それでもタツヤは攻撃の手を緩めようとはしない。 それどころか…彼は深化魔獣を吹き飛ばし距離を開けると、再び例の黒い宝石を取り出す。 宝石は一瞬黒い薔薇に変化し…その全ての花びらが散った後、武器である双刃剣に変化した。 【タツヤ】 「―――龍炎刃―――」ヴン 【深化魔獣】 「リィィィィイ‼‼」 タツヤはその双刃剣の両端の刃に炎を纏わせ、そのまま深化魔獣に向けて剣を投げつける。 炎を纏った双刃剣は回転しながら深化魔獣に近づき、魔獣の周りを円を描くように何周もすると、ブーメランのようにしてタツヤの下に戻ってくる。 深化魔獣の周辺には、剣を覆っていた炎だけが残り…その炎は龍の形となって、魔獣を締め上げるようにして迫る。 炎で作られた龍に締め上げられた深化魔獣は苦しむよう悲鳴を上げた。 【タツヤ】 「―――フレイム・ロケット―――」 【深化魔獣】 「ギィィィィイイイ‼‼‼」 続けてタツヤは、双刃を弓に変え…自らのオーラで炎の矢を作り出す。 弓で炎の矢を打ち出すと、その矢はミサイルのようなスピードで炎の龍によって身動きの取れない魔獣を撃ち抜く。 炎に囲まれた深化魔獣の身体は、いたるところに火が付きドロドロと溶け出していく。 その度に、魔獣は断末魔のような雄叫びを上げた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/850
851: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:18:24.85 ID:fDDfIeo+0 【織莉子】 「...強い」 ただ一言、織莉子が言葉を漏らす。 その圧倒的な力の前に、自分達は遠くから眺めることしか出来ない。 自分達の力を遥かに凌駕する少年の力… 本当であれば心強い筈なのに、何処か嫌な感じを拭いきれない。 織莉子は、その力に『恐怖』のような物を感じていた。 【QB】 「そう、だね...」 彼女達に反応するように、キュゥべえが頷く。 しかし、その発せられた言葉は何処か弱々しいものだった...。 今のキュゥべえは、どんな事に対しても冷静で決して動じることのない普段の姿とは…似ても似つかない状態であった。 この珍獣ですら…タツヤの力を完全に推し量ることは出来なかった。 完全に…誤算だった、と珍獣は悔いる。 【QB】 「(一見すると、怒りで暴走しているように見えるけど…)」 【QB】 「(戦い方事態は、実に冷静だ)」 それでも、キュゥべえは彼の戦い方を目に焼き付け、必死に分析しようとする。 今のタツヤは、怒りに任せてただがむしゃらに戦っているわけではない。 トリッキーな動きで相手を惑わすタイプのこの深化魔獣に対し、拘束技を使いその動きを封じ込める。 続けて、相手に隙を与えないように連続攻撃を叩き込む。 戦い方としては、実に理に叶ったものであった。 そして、何より――― 『氷』という物質に強い『炎』を使って、相手を追い詰めていく。 そんな事は、怒りで我を忘れているような者には決して出来ないであろう。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/851
852: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:19:09.92 ID:fDDfIeo+0 【QB】 「(まるで...)」 そう、少年は…あくまで冷静だった――― 【タツヤ】 「っ‼‼」ザン 【深化魔獣】 「ギィ」 【QB】 「(あの魔獣を…苦めながら戦っているみたいだ)」 あくまでも、冷静に考えて戦っていたのだ。 あの魔獣が…どのようにしたら… 苦しんで死んでいくのかということを――― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/852
853: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:20:30.45 ID:fDDfIeo+0 ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・― 「ああああああああああああ」 「熱い熱い熱い熱い熱い‼‼」 何処までも濃い瘴気の中――― 意識は飲み込まれ…何時しか、深化魔獣の中に僅かに残る少女の意識が顔を出す。 タツヤの攻撃によって、全身に火傷を負った少女はその激痛に耐えられず泣き叫ぶ。 「助けて...‼」 「1人は嫌...‼‼」 少女は絶望の淵に身を堕としながらも、必死に助けを懇願する。 自分を1人にしないで欲しい、孤独にしないで欲しい。 誰かに傍にいてほしい… 少女は、生前の頃から変わらず抱いていた願いを…何度も何度も訴え続けた。 【タツヤ】 「…」 しかし、その願いを打ち砕くかのように…少年は武器を持って少女に近づいていく。 「ひっ」 「ご、ごめんなさい」 「こんな…こんな事をするつもりじゃなかったの」 少女は少年の姿を見るなり怯えだし、身体を強張らせる。 だが、それでも彼女は体を震わせながら少年の足元に近づき、両膝を地面に付ける。 そして、彼の足を掴む勢いで…必死に許しを請うた。 「私はただ、みんなと一緒に居たかっただけなの」 「1人は…1人は、嫌なのよ…」 自分は、孤独を受け入れたくなかった。 だから、みんなに構って欲しくてただただ必死になっていただけ… まさか…こんな事になるとは思っていなかった。 そう…少女は弁明する。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/853
854: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:22:14.56 ID:fDDfIeo+0 「だから…‼‼」 【タツヤ】 「黙れ」ザクッ 「っ‼‼」 しかし、そんな少女に…タツヤは無情にも剣を突き立てる。 彼女の言葉に一切動じることなく、何の躊躇もなく彼女の片足を刺した。 「あああああああああああああっ‼‼」 「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い‼‼‼」 自分の身体に突然襲ってきた激痛に顔を歪め、少女が悲鳴を上げる。 タツヤが少女から剣を抜くと、足からは真っ赤な血がしたたり落ち…その影響で双刃が鮮血に染まる。 肉は割け…骨は砕かれ、その足は見るに堪えられない状態になってしまった。 そんな中で少女は片足を引きずり、タツヤから距離を取る。 その表情は、完全に怯えきっており…この少年によって恐怖を植え付けられていた。 【タツヤ】 「お前は殺す」 【タツヤ】 「謝っても殺す」 【タツヤ】 「どうあがいても殺す」 「ひっ」 タツヤは表情を一切崩すことなく、少女に殺意に満ちた言葉を浴びせる。 その表情は、どこまでも冷たく…人間のものとは思えない。 相手に恐怖と絶望を与える、ただただその行為だけを繰り返す存在。 それ以外の感情を…一切持たない存在。 今のタツヤは、まさに――――『悪魔』であった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/854
855: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:23:01.37 ID:fDDfIeo+0 【タツヤ】 「だが、只ではコロサナイ」 【タツヤ】 「お前は―――」 タツヤは、少女にゆっくりと近づき…再び剣を突き立てる。 そして、言い放った―――― お前は、殺す。 自ら『絶望』を受け入れてしまった方が、楽だったと思える程の… 『希望』という救済のない…『絶望』に満ちた痛みの中で――― http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/855
856: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:26:14.74 ID:fDDfIeo+0 ―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・― そして、戦いは続き… 【QB】 「…」 その戦いの光景は…誰の目から見ても、無残で残酷なものとなっていた。 そう…あのインキュベーターですら、言葉を失ってしまう程に――― 【織莉子】 「...惨い」 ただ一言、織莉子のその言葉がこの場の無残さを物語っている。 織莉子は額に汗をかき、顔は真っ青になっている。 戦いの世界で慣らした彼女達でさえ、目を背けたくなる程の光景がその場には広がっていた。 【タツヤ】 「…」 【深化魔獣】 「ギ…ギ…」 深化魔獣はタツヤの攻撃によって、四肢を失ってしまっていた。 更に、その身体のあちこちが砕け落ち…ひび割れてしまっている。 顔の半分も砕け落ちており、最早まともに声を発することも出来なかった。 タツヤは、そんな状態の深化魔獣の首を掴み、片手だけで化物を持ち上げる。 そして、そのまま勢いよく化物を空中へ放り投げた。 【タツヤ】 「...終わりだ」 【タツヤ】 「―――双円乱舞―――」 タツヤは双刃を双剣に変化させ、一瞬で魔獣との距離を詰める。 そのままタツヤは空中で円を描くように、双剣で数度魔獣に斬りかかった。 そして…地上に着地すると、黒と桃色の入り混じった巨大な魔法陣を自分を中心にして展開させる。 続けてタツヤは、双剣を弓に変化させると…その巨大な魔法陣から魔力を吸収し、その力を1本の矢に集中させた。 矢が黒と桃色の2種類のオーラに包まれると、少年は弓を構える。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/856
857: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:27:23.90 ID:fDDfIeo+0 【タツヤ】 「...死ね」バシュッ その一言と同時に、タツヤはオーラを纏った矢で深化魔獣を射抜く。 矢は深化魔獣を一瞬で貫通し、そのまま上空のオーロラすら打ち消してしまった。 更に、放たれた矢は上空の瘴気をも吹き飛ばし…瘴気内の空間と元の世界を繋ぐ。 上空の空には綺麗な星空が浮かび、戦いとは無縁の光景が広がった。 【深化魔獣】 「ガ…ァァ…アア…」 深化魔獣は貫通された箇所から徐々に崩れ落ちていき…やがて、その身体は砂埃のように消し飛んでしまう。 その場には、深化魔獣の魔力のみが残り…宿主を失った魂のように、辺りを彷徨っていた。 【タツヤ】 「…」バァァア しかし、その魔力もまた…タツヤによって吸収される。 空中を彷徨っていた魔力は、少年の身体へと流れ込んでいき…その場から消滅してしまった。 そして、主である深化魔獣がいなくなったことで…瘴気は晴れ、元の世界へと戻り始める。 【ゆま】 「終わった...?」 【織莉子】 「...ええ」 瘴気が完全に晴れ、彼女達は町の外れにある広場に立っていた。 ゆま達は周りを見渡し、敵がいなくなったことを確認する。 ようやく戦いが終わった事を確信すると、強張らせていた表情を少しだけ緩め安堵する。 一先ず、戦いは終わったのだ…と。 【ほむら】 「あ…」 しかし――― 【ゆま】 「ほむらお姉ちゃんっ」 問題が、完全に解決した訳ではない。 まだ、ほむらの事が残っていたのだ。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/857
858: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:28:42.02 ID:fDDfIeo+0 【ほむら】 「う…ああ…」 ほむらは、魔獣との戦いが終わると…再び苦しむように声を上げ始める。 身体はゆまの努力が功を奏したのか、完全に修復されていた。 しかし、ほむらは目を覚ますどころか、ますます状態を悪化させていく。 痺れているかのように身体は震え、苦しそうに言葉にならないような声を上げ続けた。 不気味に輝いていたソウルジェムは、その輝きを失い…再び黒く濁っていく。 そして、それに反応するように、ほむらの体の周りも黒いオーラに包まれていた。 【織莉子】 「ゆまっグリーフシードは!?」 【ゆま】 「駄目、さっきので全部使い切っちゃったよ」 ソウルジェムの魔力を回復するには、グリーフシードを使うしかない。 しかし、ほむらを回復するために使ってしまったせいか、ゆまの手元に予備のグリーフシードは残ってなかった。 【織莉子】 「くっ…」 【ゆま】 「そうだ、さっきの深化魔獣のグリーフシードを使えば…」 ゆまは言う。 深化レベルの魔獣を倒したのならば、それ相応のグリーフシードを残している筈… それを使えば助かる、と しかし――― 【織莉子】 「それは…多分、無理よ」 【ゆま】 「え…?」 織莉子は、ゆまの提案に対して首を横に振る。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/858
859: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:29:51.50 ID:fDDfIeo+0 【織莉子】 「周りを見てみなさい」 そう言って、織莉子は深化魔獣が倒された場所を指さす。 そして、ゆまにその周辺を探るよう指示する。 織莉子の表情は、既に…諦めているようにも見えた。 【ゆま】 「…?」 ゆまは織莉子の話がいまいち理解出来ないまま、彼女の言う通り深化魔獣の居た周辺を探る。 【ゆま】 「っ!!」 しかし、ゆまは織莉子の言っていたことを直ぐに理解することになる。 【ゆま】 「...嘘」 【ゆま】 「グリーフシードが…ない」 そう、深化魔獣を倒したにも関わらず…その場には、グリーフシードが落ちてはいなかった。 どんなに探しても…たったの1つも、見つけることが出来なかったのだ。 【ゆま】 「な、なんで…」 ゆまは目の前の光景に驚きを隠せなかった。 深化魔獣は他の魔獣よりも遥かに強い。しかしその反面、倒した時の報酬も大きい筈だ。 確かに、魔獣を倒してもグリーフシードを得られない時は稀にある。 しかし、深化レベルの魔獣を倒して…1つもグリーフシードが手に入らないという事は今まで1度も無かった。 【織莉子】 「...あの子が戦ったからよ」 織莉子はそんなゆまに近づき、静かに口を開く。 そして…一言、グリーフシードが手に入らない理由を述べた。 それは、あの子…鹿目タツヤが戦って深化魔獣を倒してしまったからだ…と――― 【ゆま】 「あの子って…たっくん?」 ゆまは戸惑いながらもタツヤに目を向ける。 タツヤは…彼女達の視線には気付いておらず、ただただ空を眺めているだけであった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/859
860: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:30:40.30 ID:fDDfIeo+0 【織莉子】 「…」 その光景を眺めながら…織莉子は、唇を噛みしめる。 このままでは…ほむらを助ける為に、力を使った筈のタツヤが…ほむらを追い詰めることになってしまう。 そんな悲惨な結果にするわけにはいかない。 しかし、今の自分達では…どうすることも出来ない。 その事実が、織莉子には歯がゆくて仕方がなかった。 【タツヤ】 「…」 【タツヤ】 「ほむら、さん…」 【織莉子】 「!!!」 だが、そんな彼女に反応するように…タツヤが声を発する。 いつの間にか髪の毛は元に戻り、彼を纏うオーラもなくなっている。 先程彼女達が恐怖を覚えた鹿目タツヤは、今そこにはいなかった。 【ゆま】 「たっくん...?」 【タツヤ】 「…」 だが、それでも…タツヤの様子が可笑しいことに変わりは無かった。 タツヤは酷く疲れている様子で、今にも倒れてしまいそうである。 恐らく、先の戦いで自分の限界を超える程の力を使ってしまったのだろう。 しかし、それでも彼は足を引きずるようにして…少しずつある方向に向かっていく。 【ほむら】 「…」 その先には、彼が守ろうとして…彼が傷つけてしまった…1人の魔法少女が居た。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/860
861: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:34:46.12 ID:fDDfIeo+0 【タツヤ】 「...助け、なきゃ」 タツヤは息も絶え絶えとした状態で、ぶつぶつと同じ言葉を繰り返す。 助けなきゃ…守らなきゃ…と――― そう言い続けて…彼は疲労した体を無理やり動かしながら…ゆっくりと彼女に近付いていく。 【ほむら】 「…」 【タツヤ】 「ほむら、さん…」 そして、タツヤはほむらの傍まで近付くと…静かに腰を下ろす。 先程まで苦しんでいたほむらは、既に虫の息となっていた。 近くにはキュゥべえやゆま達もいたが、ほむらの事で必死になっていたタツヤが彼女達に気付くことは無かった。 【タツヤ】 「…」 しかし…次の瞬間、タツヤは何かを呟きながら再び自らにオーラを纏わせる。 先程とは違い、黒いオーラではなく…桃色の綺麗なオーラだ。 そのオーラと共に、タツヤは自らの周りに小さな魔法陣を展開させる。 魔法陣からは…ほむら達を包み込むような光が発せられた。 【ゆま】 「何…これ…」 【ゆま】 「凄く…暖かい…」 ゆまの言うように…その光は凄く暖かかった。 優しく…包み込み癒してくれるような…そんな印象を受ける。 その光は、ただ浴びているだけでも力が湧いてくるようであった。 【タツヤ】 「全ての…理に…示すは」 【タツヤ】 「天上に…捧げる…祈り…」 そして、タツヤはポツリと何かを呟くと…その光はますます輝きを増していく。 周りのほむらやゆま達をも巻き込み、その光はそのまま全てを包み込むように広がっていった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/861
862: 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月) 00:36:09.09 ID:fDDfIeo+0 【織莉子】 「...え?」 そして、光に包まれた織莉子達は…自分達にある変化が起き始めたことに気付く――― 【QB】 「そんな…馬鹿な…」 キュゥべえもまた、その変化に驚くことになる。 その現象は、この珍獣にとって…あり得ないことであり、そして本来あってはならないことだった。 何故ならそれは、魔法少女の常識を根本から覆すようなものだったから… 【QB】 「ソウルジェムが、浄化されていくなんて…」 そう…彼女達が見たものとは――― ほむらのソウルジェムが、浄化に必要なグリーフシード無しで…その輝きを取り戻していく様だった。 【ゆま】 「あ…」 【ゆま】 「私達のソウルジェムも…」 そして、その現象はゆま達にも起きる。 タツヤの発動した魔法陣から発せられた光に包まれ、彼女達のソウルジェムもまた浄化されていく。 更に、ほむらを助ける為…回復を後回しにしていたゆま達の怪我すらも、綺麗に消えていった。 彼女達が浴びた光は、まるで――― 全てを浄化する、神様による癒しの光のようであった。 【タツヤ】 「...うっ」 【ゆま】 「タっくん‼‼」 彼女達のソウルジェムを浄化し終えると、タツヤは魔法陣が消えると同時に…その場で倒れてしまう。 驚いたゆまは、直ぐに彼に駆け寄った。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1353601211/862
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