[過去ログ] 魔法少女まどか☆マギカ〜After Ten Years of History〜【あれから10年】 (942レス)
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743 川´_ゝ`){エタるかと思った… ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/09(日) 21:21:13.48 ID:4R5YX9b40(1/3)
こんばんは、お久しぶりです>>1です。コメ&閲覧有難うございます。
物凄い勢いでお待たせしております。申し訳ありません。
速報が復活するちょい前からインフルになってしまい、連絡が遅れてしまいました。
色々なご意見があるようですが、マイペースに進めていこうと思いますので、どうか宜しくお願いします。
次回の更新ですが、今度の土日には更新できると思います。
更に1週間ほど待たせてしまいますが、宜しくお願いします。
長文失礼致しました。それでは、次回の更新で。ノシ
744 川´_ゝ`){エタるかと思った… ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/09(日) 21:22:09.01 ID:4R5YX9b40(2/3)
こんばんは、お久しぶりです>>1です。コメ&閲覧有難うございます。
物凄い勢いでお待たせしております。申し訳ありません。
速報が復活するちょい前からインフルになってしまい、連絡が遅れてしまいました。
色々なご意見があるようですが、マイペースに進めていこうと思いますので、どうか宜しくお願いします。
次回の更新ですが、今度の土日には更新できると思います。
更に1週間ほど待たせてしまいますが、宜しくお願いします。
長文失礼致しました。それでは、次回の更新で。ノシ
745 川´_ゝ`){oh… ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/09(日) 21:23:18.30 ID:4R5YX9b40(3/3)
↑2重投稿申し訳ないです
746 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 03:43:43.93 ID:wgivX51n0(1)
まってるよー。
747 川´_ゝ`){安定の大遅刻 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:32:25.76 ID:SdXcmXy20(1/63)
夜遅くにこんばんわ>>1です。いつも閲覧有難うございます。
お待たせしました。続きを投稿します。
少し長いので、2回に分けて投稿したいと思います。
748 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:35:29.20 ID:SdXcmXy20(2/63)
【ゆま】
「え?え?なんでたっくんがこんな所にいるの!?」
本来ならばこの場にいる筈のない少年に、驚きを隠せずにいるゆま。
それもそうだろう、彼女達が居る場所は瘴気内の最深部だ。
彼が…たった1人で来られるような場所ではない。
【QB】
「僕が連れて来たんだよ」
【ゆま】
「あ、キュゥべえ!?」
しかし、ゆまのその問いに応えるようにキュゥべえが目の前に現れる。
自分が彼を連れて来たんだと、下手に隠すようなこともせず…彼女達に伝えた。
【ほむら】
「…」
一方でほむらは、彼等が現れてから…険しい表情のままとなっている。
現れたキュゥべえを睨み付けるように、鋭い視線を浴びせていた。
【織莉子】
「よかった、無事だったのね...」
【ゆま】
「お、織莉子も...」
キュゥべえの後を追い掛けるように、織莉子も彼女達の下へと到着する。
彼女達の無事な姿を見て、ひとまずは安心しているようだった。
ゆまはというと、織莉子まで来た事でますます混乱してしまう。
魔法少女を引退してからというものの、彼女は瘴気内に侵入する事を控えていた。
織莉子も…また、この場所にいる筈のない者だったのだ。
【ほむら】
「…何をしているのよ、あなた」
【織莉子】
「そ、それは…」
珍獣に向けていた鋭い視線を、今度は織莉子へと移すほむら。
その視線は、貴方が付いていながらこの様は何…とでも言っているかのようであった。
勿論、織莉子も彼を止めようとしたのだが…一部始終を見ていないほむらに、その事を伝えるのは困難だ。
織莉子は彼女の鋭い視線を、気まずそうに受け流すことしか出来なかった。
749 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:36:59.24 ID:SdXcmXy20(3/63)
【ゆま】
「ま、まぁまぁ今は良いじゃん」
険悪なムードになる2人の間に入るように、ゆまが慌てて声を発する。
そう、確かに今は内輪の事で争ってる場合ではない。
彼女達だって、それくらいは分っていた。
【ゆま】
「そ…そんな事より」
【織莉子】
「...ええ」
【ほむら】
「…」
彼女達の視線は、一斉に1つの方向に集中する。
その先に、いるのは―――
【タツヤ】
「ハァ…ハァ…」
彼女達を戸惑わせる最大の要因である…1人の少年が立っていた。
少年は息を整えるように、手を膝に乗せ肩で息をしている。
その手には…誰も見たことのないような武器が握られている。
一見すると、弓のようにも見えるが…それは、2つの独立した剣を重ね合わせたような代物だ。
しかし、その武器は間違いなく魔法少女達が使っている武器と同系統のものであった。
【タツヤ】
「...よし」
少年は1つ大きく息を吐き、気合を入れるように声を発する。
その視線は強い決意に満ちており、彼女達以上に力強さを感じる。
少しずつではあるが…覚醒しようとしていた。
鹿目タツヤの中に眠る、“その力”が―――
750 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:38:08.03 ID:SdXcmXy20(4/63)
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
時は、少しだけ遡る―――
【タツヤ】
「ハァ…ハァ…」
【QB】
「タツヤっ‼あそこだ‼‼」
【タツヤ】
「!!!」
タツヤ達は瘴気内を駆け抜け、ほむら達のいる最深部に到達しようとしていた。
キュゥべえがその視線の先に彼女達を見つけると、タツヤはその場に立ち止まり様子を伺う。
その右手には、先程見つけた黒い宝石がしっかりと握られていた。
【織莉子】
「やっぱり、苦戦してるみたいね...」
織莉子の言う通り、ほむら達は深化魔獣相手に苦戦を強いられていた。
相手に持久戦に持ち込まれ、どうすることも出来ずにいたのだ。
【深化魔獣】
「リリリリィィィィィィィィイイイイイイィィィ‼‼‼‼」
【織莉子】
「あ、危ない‼‼」
深化魔獣はそのまま彼女達に襲い掛かる。
その姿を見て、ほむら達は戦闘態勢を取るも…何処となく不安を隠し切れずにいた。
このままでは彼女達が危ない。
そう思う織莉子だが、自分にはどうすることも出来ず、ただ声を上げることしか出来なかった。
【タツヤ】
「くっ」
しかし、次の瞬間…
【タツヤ】
「くそぉぉおおお‼‼‼」
傍にいたタツヤに、再び変化が起こる―――
751 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:40:08.96 ID:SdXcmXy20(5/63)
【織莉子】
「!?」
【タツヤ】
「うぉぉぉぉおおおおお‼‼」
身体に再びオーラを纏わせ、その瞳は純血に染まる。
更に、先程見つけた黒い宝石が光を発し始め…
タツヤが使用していた双刃剣に…その姿を変えた。
【タツヤ】
「―――スターライトアロー―――」
バシュッ‼
タツヤはすかさず双刃を弓に変化させ、身体に纏ったオーラを急激に増幅させる。
そして、そのオーラを一点に集中し…1本の矢を作り出した。
作り出した1本の矢を、タツヤが深化魔獣に向けて放つと…星のように輝くオーラと共に、その矢は深化魔獣へと迫る。
【深化魔獣】
「リィィィィィィィィィ‼‼‼‼」ズガガガガガガガガ
タツヤの放った矢がヒットすると、深化魔獣は何とか受け止めるものの…
攻撃の勢いを殺す事が出来ず、引きずられるように後ろに大きく後退していった。
そして、深化魔獣はそのまま氷山に衝突し、再びその身体を瓦礫の下へと沈める。
【織莉子】
「…っ」
傍で見ていた織莉子は、彼の力に…もはや言葉すら発する事が出来ない。
【織莉子】
「(やっぱり、この子…)」
ただ、その力にある種の期待と…不安を抱いて、彼女は傍でタツヤを見守ることしか出来なかった...
そう、タツヤの力の秘密に気付いた彼女には…そうする事しか…出来なかったのだ―――
752 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:41:40.00 ID:SdXcmXy20(6/63)
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
【織莉子】
「…」
【ゆま】
「織莉子?」
険しい表情でタツヤを見つめる織莉子を、不思議そうに伺うゆま。
【織莉子】
「!?え、えぇ...」
それに気づいた織莉子は、慌てて表情を崩し作り笑いを浮かべる。
しかし、その表情はお世辞にも笑っているようには見えず…ひたすらに顔が引きつっている。
何かあったのだ、と自分から告白しているようなものだった。
【ゆま】
「どうしたの?らしくないよ?」
何時もはこんな直ぐに表情に出るような彼女ではない。
常に冷静沈着で、表情を崩さないのが彼女のスタイルだ。
【織莉子】
「...えぇ」
【ゆま】
「?」
こんなに動揺して戸惑う彼女を、ゆまは見た事がなかった。
【ほむら】
「…」
【タツヤ】
「あ、暁美さん…」
そんなやり取りを繰り返す2人を尻目に、ほむらはタツヤに視線を向けその目を鋭くさせる。
一方で、タツヤは彼女の行動に多少ビクつきながらも…その視線を一身に受け止め、彼女に対峙した。
753 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:43:29.98 ID:SdXcmXy20(7/63)
【ほむら】
「...何しに来たの」
【タツヤ】
「…」
【ほむら】
「此処がどんな場所なのか、まだ理解出来てないの」
ほむらは冷たい口調で、タツヤを問い詰める。
何をしにきたのか…此処が何処か分っているのか、そもそもどうして来たのか...
容赦のない言葉で、少年を責める。
【タツヤ】
「…俺は」
しかし、タツヤはそんな彼女に怯むことなく、言葉を返そうとする。
ほむらを見る少年の視線は、どこまでも強く…どこまでも真っ直ぐだった。
魔獣達に怯えたあの頃の表情は、もう何処にもない。
【ほむら】
「…」ギリッ
【ほむら】
「...あなたはっ」
しかし、タツヤのその視線が彼女を余計に苛立たせる。
ほむらはギュッと握った拳を震わせ、思わず声を荒らげた。
鬱陶しいとか…そんな事を思ったわけではない。
ただ、怯えたままの方が彼女にとって都合が良かったのだ。
怯えたまま余計な事に首を突っ込まず、自分達に関わらないようにしていてくれた方が…
その方が、少年を守りやすいと思ったから―――
【ほむら】
「何処までっ」
ほむらは自分をどれだけ困らせたら気が済むのかと、タツヤに捲し立てる。
滅多な事では表情を表に出さないほむらだが、
少年への苛立ちと…そんな事に苛立っている自分に対しての情けなさが、彼女を動かしていたのかもしれない。
しかし―――
754 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:44:50.38 ID:SdXcmXy20(8/63)
【タツヤ】
「すいませんでしたっ‼‼」
タツヤの次の行動によって、彼女のその苛立ちは消え去ることになる。
755 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:46:18.08 ID:SdXcmXy20(9/63)
【ほむら】
「…って、え?」
少年はその場で突然深く頭を下げ、ほむらに謝罪の言葉を述べる。
その様子を見て、ほむらは驚き…その場で唖然としてしまう。
ほむらには、彼の行動の真意が全く分からなかった。
【ゆま】
「た、たっくん…?」
【織莉子】
「…」
そして、それはゆまや織莉子も同じであった。
突然どうしたのだろうかと、不思議そうに彼の事を見つめている。
【タツヤ】
「俺は…」
【タツヤ】
「あの時、逃げ出した事をずっと謝りたかったんだ」
【タツヤ】
「どうしても…」
彼女達が戸惑う中で、タツヤは深刻そうな表情を浮かべ…徐に話し始める。
あの時―――それは、前回の深化魔獣との戦いでの出来事。
彼が謝りたかった事とは、あの時のほむらから…そして、魔法少女の真実から…逃げ出してしまった時の事―――
タツヤは…どうしても謝りたかったのだ、ほむらに…そして、全ての魔法少女に…
それは、自分の為―――そして何より…彼女達の為に―――
【ほむら】
「…」
ほむらは、少年の言葉を聞いて…再び、その表情を引き締める。
しかし、そこに先程の苛立ちはなく…その表情は、何処か思い詰めたようなものであった。
756 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:48:36.01 ID:SdXcmXy20(10/63)
【タツヤ】
「それと…」
【タツヤ】
「俺は、もう逃げない」
【タツヤ】
「魔獣や魔法少女の真実から、もう目を背けない」
【タツヤ】
「ずっと…この道を歩きたい」
【タツヤ】
「暁美さん達と一緒に…」
タツヤは自らの想いを打ち明けていくように、言葉へと変えていく。
それは、少年の選んだ…1つの答―――
彼女達…魔法少女達と共に生きていきたいという、少年の意思であった。
【タツヤ】
「それを伝えたかったんだ」
【タツヤ】
「ずっと…」
タツヤはそれだけを伝えたくて、この場所…瘴気の最深部までやってきた。
【ゆま】
「...それをわざわざ言うために」
【ゆま】
「こんな、所まで…」
ゆまは、タツヤに驚くことしか出来なかった。
いくら自分達に伝えたい事があったからといって、こんな所まで来るなんてリスクが高過ぎる。
そんな事は魔獣退治が終わってからでもいいのではないか…と、織莉子と同様にゆまは思った。
【タツヤ】
「まあ…」
【タツヤ】
「こうでもしないと、前に進めないと思ったから...」
しかし、少し気不味そうにしてタツヤは応える。
今伝えるからこそ、意味があるのだと―――
確かに、伝えるだけなら…何時でも出来るかもしれない。
だが…戦いが終わるまで待っていたら、自分はまた逃げてしまうかもしれない。
今度逃げてしまえば、もう自分は彼女達の前には立てない気がする。
そう思ったからこそ、少年は…今此処に立っている。
父の助言を得て自らの本当の想いに気付き、道中…友人の力を借りて、ここまで辿り着いた。
支えられて…此処まで来たからこそ、その想いはより強固となって…タツヤを此処まで突き動かしていた。
757 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:50:41.66 ID:SdXcmXy20(11/63)
【織莉子】
「貴方...」
織莉子は、少年の想いを知り…ただ一言だけ言葉を漏らす。
彼女は、感じ取ったのかもしれない。
タツヤにはあって、自分にはなかった意志の強さを...
魔法少女の世界から逃げ出した…自分にはない...
【ほむら】
「何を、言ってるの」
一方で、ほむらは少年の言葉を聞いて、なお…その態度を変えようとはしない。
【ほむら】
「...足手まといよ」
タツヤを一蹴するように、ほむらは冷たく吐き捨てる。
しかし、彼女の言葉には…先程よりも少しだけ迷いがあるように見える。
声を発するその口は…わずかに震え、少年に対する返事も先程より遅くなっている。
多少なりとも、彼女も影響され始めたのかもしれない。
少年の何処までも真っ直ぐな、その心に...
【QB】
「...ほむら、彼は」
しかし、その変化は微々たるもので他人には分らない。
ほむらの態度を見かねたのか、キュゥべえが彼女の下に近付き…声を掛ける。
普段は人のフォローなど滅多な事ではしないこの珍獣が、このような行動を取るのも珍しい。
【タツヤ】
「キュゥべえ、悪い」
【タツヤ】
「少し、黙っててくれ」
だが、タツヤはそんなキュゥべえの言葉を…片手で制す。
別にキュゥべえの事を邪見にしているわけではない。
ただ…少年の視線は、相変わらずほむらの事を真っ直ぐ見つめていた。
自分の事は自分で伝える、そんな彼自身の意思を示しているかのように...
758 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:51:39.25 ID:SdXcmXy20(12/63)
【QB】
「う、うん」
キュゥべえは彼の言葉を聞いて、大人しく引き下がる。
この珍獣なりに、少年の意思をくみ取ったのかもしれない。
【ほむら】
「…」
【タツヤ】
「足手まといにしかならないのは…分ってます」
タツヤはほむらの目をじっと見つめ、再び口を開く。
【タツヤ】
「でも、だからこそ俺は」
【タツヤ】
「そんな弱い人の為に戦ってくれてる人達の事を…」
【タツヤ】
「ないがしろになんか出来ない」
そして、自らの想いを再び言葉に変え始める。
自分達は…弱い生き物なのかもしれない。
だが、その事を盾にして…戦いから目を背けるような事はしたくない。
守られて当然なんて、思いたくない。
少年は、そう主張する。
【QB】
「タツヤ、君は…」
キュゥべえはその言葉を聞き、心底不思議そうに少年の顔を伺う。
どうして、この少年は…此処まで自分達に関わろうとするのだろうか。
最初は、その力の秘密が知りたくて…少年をこの世界へと連れて来た。
でも、今となっては珍獣の方が彼に導かれている気さえしてしまう。
それは、この珍獣でも感じたことのない感覚だった。
759 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:54:07.88 ID:SdXcmXy20(13/63)
【タツヤ】
「こんなに必死に戦ってるのに、誰にも分ってもらえないなんて」
【タツヤ】
「そんなの、寂しいじゃんか」
少年は、更に続ける。
どうして自分達を守ってくれる人達が、人知れず戦わなければいけないのか。
確かに、魔法少女の戦いは他の人達には気付かれにくい。
だが、だからといって彼女達が孤独になっていいわけがない。
【タツヤ】
「だからさ、魔法少女達の事を知ってる人間が…1人くらい居てもいいと思うんだ」
だからこそ…自分が彼女達の戦いを理解したいと思った。
理解して…支えたいと...
あの日、自分に出来る事を見つけたいと思った...
だが、自分の予想を遥かに超えるこの世界の様に、思わず逃げ出してしまった。
しかし…それでも少年はこの場所に戻り、そして…必死に考えて答を導き出した。
それが、今の言葉だった―――
【タツヤ】
「それに…」スッ
【ほむら】
「...え?」
【ほむら】
「それって…」
タツヤは徐に先程の黒い宝石を取り出す。
ほむらはその宝石を見ると、何故か顔を青ざめさせ…驚きの表情を見せる。
その宝石は初めてみる筈なのに、何処かで見た事があるような…そんな感じがした。
何故かは分らないけど、嫌な予感がする事は確かだった。
760 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:54:42.08 ID:SdXcmXy20(14/63)
【深化魔獣】
「リリィィィイイイイイ‼‼」
そして、その嫌な予感は別の形で現れることになる―――
瓦礫に埋もれていた筈の深化魔獣が、再び姿を現したのだ。
761 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:56:07.13 ID:SdXcmXy20(15/63)
【ゆま】
「!!」
【ゆま】
「まさかっもう!?」
深化魔獣にいち早く気付いたゆまは、直ぐにハンマーを取り出し戦闘態勢を取る。
しかし、彼女の行動は一足遅く…魔獣はあっという間にタツヤ達の目の前まで移動し、彼等に襲い掛かろうとする。
ダメージを受けた深化魔獣の姿は、先程の美しい風貌の欠けらも残っていない。
タツヤ達に襲い掛かるその様子はまさに、人々を襲う…醜い化物のそれであった。
【タツヤ】
「...っ‼」
しかし、タツヤはそんな魔獣に怯む事無くその視線を相手に向ける。
そして、手に持っている黒い宝石を再び輝かせた。
【タツヤ】
「今、人が話してるだろうが‼‼」
【深化魔獣】
「リィィイイ‼‼‼」
タツヤは黒い宝石を双刃剣に変え、深化魔獣に対峙する。
魔獣はタツヤに襲い掛かろうと、彼に向けて飛びかかってくる。
【タツヤ】
「邪魔だ‼‼」
【深化魔獣】
「リィィギィィィイイイイイイイ」
タツヤは双刃剣にオーラを集中させ…自分に迫る深化魔獣に対して、衝撃波を剣先から飛ばす。
刃の形をした衝撃波は深化魔獣を斬りつけ、化物を後方へと吹き飛ばす。
そして、化物は再び瓦礫の中まで吹き飛ばされ、そのまま動かなくなってしまう。
【ほむら】
「!!!」
【ゆま】
「…強」
タツヤの力に、ほむらは言葉を失い…ゆまは言葉を漏らす。
先程と、そして今の攻防を見ただけで彼女達は確信する。
彼の力は―――既に自分達の力を超えてしまっている…と―――
762 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:57:46.65 ID:SdXcmXy20(16/63)
【タツヤ】
「...まぁ」
【タツヤ】
「自分の身くらいは、守れるつもりです」
そして、タツヤはその双刃剣をギュッと握りしめ力強くそう宣言する。
この力が…タツヤに、自信のようなものを付けさせたのかもしれない。
彼女達と共に魔獣と戦えるという、確かな自信を――――
【ゆま】
「たっくん…?」
ゆまは…思わずタツヤに声を掛ける。
始めてあった時、彼は確かに自分達と似たような力を使っていた。
だが、それでもあそこまでの力は無かった筈である。
タツヤは…いつの間にあのような力を身に付けたのか...
彼女には、全く分らなかった。
【タツヤ】
「なんで?とか、聞かないでくださいよ」
【タツヤ】
「正直、自分でもよく分かってないんですから」
しかし、ゆまの考えを見透かしたかのように…タツヤが応える。
確かに…タツヤの力は彼自身でも理解出来ていない。
力が覚醒した瞬間の事を、彼はなんとなく覚えてはいるものの…
ほぼ無意識の内の出来事だった為、肝心の部分についてはあやふやなままであった。
【ゆま】
「う、うん...」
ゆまは、何処か腑に落ちない部分があるものの…その場で小さく頷く。
タツヤの事が気にならない訳ではないが、
本人が分らないと言っている以上、これ以上の詮索は無理だと彼女は判断した。
【織莉子】
「…」
一方で、織莉子はタツヤ達を見て…不安そうな表情を浮かべる。
少年が力を付け、自分達と行動を共にする事は悪い事ではないと思う。
むしろ、それはある意味…彼女の望んでいた事だ。
だが―――それでも、心配な事がないわけじゃない。
763 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 00:59:14.91 ID:SdXcmXy20(17/63)
【QB】
「…」
【ゆま】
「でも、言うほど簡単じゃないよ…それ」
少しして、ゆまが再び静かに口を開く。
【ゆま】
「辛いことばかりなんだよ…この世界って」
【タツヤ】
「…」
この世界に留まる事…それは、戦いの世界に身を置くということ。
そして、彼女達は知っている。
戦いは常に危険と隣り合わせであり、辛い事の方が圧倒的に多いということを―――
それは、ある意味当然のことだった。
【織莉子】
「そう…」
【織莉子】
「戦いは、いつも死と隣り合わせ」
その事は勿論、織莉子も理解している。
だからこそ、少年の事を陰で認めながらも…彼の言う事に、心から賛同は出来なかった。
最も…賛同できない理由は、他にもあるのだが―――
【織莉子】
「簡単に死ぬのよ、魔法少女って」
【織莉子】
「知らなかった方が良かったと思う時が…必ず来るわ」
織莉子の言うように、魔法少女も死ぬ時は…死ぬ。
今まで…多くの仲間を失ってきた彼女達だからこそ、言える言葉だ。
自分達と共に来ても…良い事なんてない。
それでもいいのか、と織莉子はタツヤに問う。
危険な場所に足を踏み込む、その“覚悟”はあるのかと―――
764 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:00:34.50 ID:SdXcmXy20(18/63)
【タツヤ】
「確かに、そうかも知れない」
織莉子の言葉を聞いて、タツヤは沈黙する
そして、少しすると…静かに口を開く。
【タツヤ】
「でも、知っちゃったんだ」
【タツヤ】
「だから、知らなかった事になんか…やっぱり出来ないよ」
この世界の事を、少年は知ってしまった。
魔獣のこと、魔法少女のこと、襲われている人達のこと―――
色んな事を知ってしまったからこそ、それを見て見ぬふりなんて出来ない。
鹿目タツヤとは、そういう人間だった。
【QB】
「タツヤ」
そんな彼の事を不思議そうに見上げながら、キュゥべえは呟く。
【タツヤ】
「なんだよ」
【QB】
「...いや」
しかし、タツヤの顔を見ると、キュゥべえは再び顔を背け…口を閉じる。
そのまま珍獣は背中を向け、少年の下を去っていく。
【QB】
「全く、君の考えは理解に苦しむよ」
【QB】
「関わる必要のない事に、此処まで頭を突っ込むんだからね」
【タツヤ】
「うるせー」
そして、彼に向けてそんな憎まれ口を叩く。
だがその一方で、珍獣は…何処か納得したようなものを感じていた。
時に人間の“感情”は、自分達の予想を遥かに超えていくものである。
そのことを、キュゥべえ…インキュベーターはよく知っているのだから―――
765 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:01:37.83 ID:SdXcmXy20(19/63)
【織莉子】
「(...そう)」
【織莉子】
「(...彼の言ってる事は、確かに人の常識では考えられない)」
織莉子は少年達のやりとりを見ながら、静かに思う。
少年の言っていることは、一見すると自分勝手で滅茶苦茶な事なのかもしれない。
だが―――
【織莉子】
「(...でも、だからこそ)」
【織莉子】
「(彼はあの子達にとって…必要な存在になる)」
【織莉子】
「(そんな、気がする…)」
そんな無鉄砲な彼だからこそ、織莉子は普通の人とは違う魅力を感じた。
だからこそ、今の彼女達の手助けになるかもしれないと思った。
織莉子は、自分の力では見ることの出来ない少年の未来に、1つの希望を見出そうとしていた。
【ほむら】
「…」
【織莉子】
「(問題は…)」
ただ、その為には乗り越えねばならない問題が…1つあった。
それは―――
766 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:02:38.32 ID:SdXcmXy20(20/63)
【ほむら】
「...ふざけないで」
【タツヤ】
「…っ」
『孤独』を受け入れてしまった―――閉ざされたままの―――
【ほむら】
「あなたは何処まで私の邪魔をすれば気が済むの?」
【ほむら】
「前にも言ったでしょ。あなた達人間と、私達は違う生き物なのよ」
【ほむら】
「そんな事、出来るはずないわ」
彼女の“心”の問題―――
767 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:04:10.78 ID:SdXcmXy20(21/63)
【ほむら】
「それに、私はそんな腑抜けたものはいらない」
【ほむら】
「私は…1人で戦える」
ほむらはタツヤの言葉を否定するように、言葉を続ける。
自分に彼が言うようなものは必要ないと、冷たく言い放った。
あくまでも自分は、1人で戦い続けるのだと...
これまでもそうだったのだから…そして、これからも―――
【ほむら】
「だから、あなたのその自己満足な考え方は…」
【ほむら】
「いい…迷惑なのよ」
【タツヤ】
「…」
ほむらは、彼を突き放すように何処までも冷たい言葉を浴びせる。
だが、彼女自身もその言葉に傷つき、震えるその手を必死に隠していた。
【ゆま】
「ほむらお姉ちゃん、いくらなんでもそんな言い方っ」
その事に気付く筈もないゆまは、ほむらに食って掛かる。
流石に言い過ぎだと、彼の事も少しは考えたらどうか…そう珍しく語尾を強くした。
彼女も彼女なりに、タツヤの事を思っての行動だったのだろう。
【タツヤ】
「ゆまさん」
【ゆま】
「え?」
【タツヤ】
「別に、良いんです」
しかし、タツヤはそんなゆまの肩に手を置き、彼女を呼び止める。
戸惑う彼女に対し、首を横に振り…それ以上はいいと伝える。
あれほど冷たい言葉を浴びせられたにも関わらず、少年は冷静だった。
768 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:05:27.48 ID:SdXcmXy20(22/63)
【タツヤ】
「暁美さん」
そして、タツヤは再度ほむらに視線を移し…彼女に声を掛ける。
【ほむら】
「…」
【タツヤ】
「俺、何となく分っちゃったんです」
【タツヤ】
「暁美さんは…本当はそんな事を言う人じゃないって」
【ほむら】
「っ‼」
顔を強張らせるほむらに対して、タツヤは微笑みながら応える。
ほむらは、その言葉を受けて…思わず声にならないものを上げてしまう。
彼女を見る少年の視線は、彼女の心の内を見透かすかのような…どこまでも優しい視線だった。
【タツヤ】
「だって、暁美さんがそういう事を言う時は…いつも」
【タツヤ】
「俺が危険な目に合いそうになってる時だから」
【ほむら】
「…」
タツヤは言葉を続ける。
ほむらが自分に厳しい事を言う時は、いつでも自分を守ってくれる時だと...
少年は、薄々気づいていたのかもしれない。
ほむらの声が密かに震え…彼女自身の言葉によって、傷付いていることに―――
【タツヤ】
「それに、1人で良いなんてのも…きっと嘘だ」
少年は―――更に言葉を重ねる
それは、閉ざされた扉の前に立ち…彼女に語り掛けているかのようだった。
769 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:07:07.65 ID:SdXcmXy20(23/63)
【タツヤ】
「暁美さんの部屋に飾ってある写真…」
彼女と初めてちゃんと話をして、部屋に招いてもらった時…
彼女の机には、1枚の写真があった。
そこに写るのはほむら自身と、2人の少女―――
【タツヤ】
「あの人達って、暁美さんと同じ魔法少女ですよね」
【タツヤ】
「あの教会に、お墓が立ててあった」
そして、その2人は…彼女と同じ魔法少女の力を持つ存在。
【ほむら】
「...そうよ」
今はもう…この世界には存在しない、ほむらの数少ない友人達。
その事は、一連の出来事で…タツヤも既に知っている。
【タツヤ】
「俺、知ってますよ」
【タツヤ】
「暁美さんがあの人達の事を話す時は…」
【タツヤ】
「凄く優しくて、寂しそうな顔をしてるって」
彼女の部屋で話した時もそうだった。
普段、ほむらは滅多に表情を顔に出さないが、彼女達の話をする時だけは違う。
彼女達の事を語るその表情は、時に優しく…時に切ない。
その事だけでも、彼女達に特別な感情を抱いていることは明白であった。
【タツヤ】
「そんな人が、自分は1人で良いなんて本心で言う筈がない」
タツヤは言う。
そんな仲間想いな彼女が、仲間が不要などという筈がない…と。
むしろ、ゆまや自分など…他人を誰よりも気に掛けているのは、他の誰でもない彼女自身であると―――
770 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:08:23.09 ID:SdXcmXy20(24/63)
【タツヤ】
「暁美さんは俺が危険な目に合わないように」
【タツヤ】
「わざとキツイ事を言って、遠ざけてくれてたんですよね」
【タツヤ】
「いつでも、俺達の事を守ってくれてたんですよね」
ほむらの今までの行動は、全てタツヤの事を考えてのものだ。
自ら汚れ役を買ってまで…ほむらは、タツヤの事を守ろうとしていたのだ。
ただただ、少年の無事だけを願って…彼女は行動していた。
その事に、タツヤは気付いてしまったのだ。
【ほむら】
「…」
ほむら自身も感謝されたくてやっていたわけではない。
むしろ、そんなものは必要ないとさえ…彼女は思っていた。
自分を嫌ってくれていた方が、自分から離れていてくれた方が、少年の身に危険が及ぶことがないのだから...
【タツヤ】
「有難うございます、暁美さん」
それでも、少年は彼女に感謝の言葉を述べる。
さも当然のことであるかのように…タツヤは深々と頭を下げた。
最早、何も不思議ではない。
それが、鹿目タツヤという人間であり、彼自身の本当の気持ちなのだから―――
【タツヤ】
「でも、このままじゃ駄目なんだ」
しかし、この少年は今の現状を良しとはしなかった。
首を大きく横に振り、彼女達と…自分自身に訴えかけるように、タツヤは言い放つ。
【タツヤ】
「守られてるだけじゃ、駄目」
【タツヤ】
「頼りっぱなしじゃ、駄目なんだ」
ただ、一方的に守られているだけでは駄目
何時までも、彼女達に任せきりな…弱い自分ではいけないと。
771 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:09:22.65 ID:SdXcmXy20(25/63)
【タツヤ】
「俺も、貴方達を守れるようになりたい」
その言葉は、まるで…自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
タツヤは、己に誓ったのだ。
彼女達を守れるような存在になりたい…と。
いや、“なりたい”のではない――――
彼女達を守れるくらい強く“なる”のだと…そう、彼は決めたのだ。
それが、少年の…鹿目タツヤの「願い」だった―――
【タツヤ】
「だから」
だが―――
772 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:10:00.63 ID:SdXcmXy20(26/63)
【タツヤ】
「俺も、貴方達を守れるようになりたい」
その言葉は、まるで…自分に言い聞かせているようにも聞こえる。
タツヤは、己に誓ったのだ。
彼女達を守れるような存在になりたい…と。
いや、“なりたい”のではない――――
彼女達を守れるくらい強く“なる”のだと…そう、彼は決めたのだ。
それが、少年の…鹿目タツヤの「願い」だった―――
【タツヤ】
「だから」
だが―――
773 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:10:51.96 ID:SdXcmXy20(27/63)
【ほむら】
「だから…何」
【タツヤ】
「え?」
その少年の「願い」を、彼女が―――
【ほむら】
「どうして…どうして、あなたは…」
受け入れる事は、無かった。
【ほむら】
「あなた“達”は…」
【タツヤ】
「…達?」
いや、正確には…受け入れることが出来なかったのだ。
なぜなら、その「願い」は―――
774 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:12:43.48 ID:SdXcmXy20(28/63)
【ほむら】
「どうしてっ‼‼」ドンッ
【タツヤ】
「!!!」
その願いは…彼女にとって、『昔』を…
『彼女』を思い出させるものだったから―――
自らを犠牲にして、自分達を守ってくれた…最高の友人の事を―――
【ほむら】
「どうして…そんなに…」
【ほむら】
「優しすぎて…強すぎるの…」
タツヤに対して、声を一層荒げるほむら。
しかし、その言葉から怒りは見られず…むしろ、むしろ悲痛な想いが込められている。
彼女の表情は苦悩に歪み、その瞳は…何故か潤んでいるようにも見えた。
【タツヤ】
「あ、暁美さん?」
彼女の突然の変化に、タツヤは驚き慌てる。
一体どうしたのだろうと、ほむらの様子を伺うことしか出来なかった。
775 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:13:57.59 ID:SdXcmXy20(29/63)
https://www.youtube.com/watch?v=yvuPEKl8JL8
【ほむら】
「普通の生活を送ろうと思えば送れる筈なのに」
【ほむら】
「目を背けたって、逃げ出したって、誰も咎めたりしないのに」
【ほむら】
「なんで、私なんかの為に…そんな命を投げ出すような事するのよ...」
先程とは違い…ほむらは、タツヤに訴えかけるように言葉を続ける。
何故、他人の為に自ら危険に飛び込もうとするのか、
どうして、自分なんかの為に…自らの命を危険にさらす真似が出来るのか...
【ほむら】
「私に、そんな価値ないのに…」
自分に、そこまでする価値はない…そう語るほむら。
その言葉は、タツヤに向けられた言葉である。
しかし、その一方で少年とは違う…しかし、よく似たある人物に向けられたものでもあった。
776 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:16:39.55 ID:SdXcmXy20(30/63)
【タツヤ】
「暁美さん...」
ほむらの言葉に、表情を変え…深刻な面持ちとなるタツヤ。
【ほむら】
「あなたには、あなたが居なくなったら悲しむ人が居るのよ」
【ほむら】
「どうして、その人達の事をもっと考えてあげないの」
【ほむら】
「そんなあなたが…こんな場所にいちゃいけないのよ」
【ほむら】
「私なんかと、一緒にいちゃ…」
ほむらは、更に続ける。
自分と少年の違い…それは、帰りを待ってくれている人がいるということ。
タツヤには、自身を心配してくれる家族や友人がいる。
しかし、ほむらには一緒に戦ってくれる仲間(ゆま達)は居ても...
帰りを待ってくれるような…真の友人は、もういない。
そして家族は、魔法の力を持ち使命を全うすると決めた時に捨てた。
もう、彼女の周りに…自分を想ってくれる人はいないのだ。
そんな孤独を受け入れ1人でいることを選んだ自分と、一緒に居てはいけない。
自分と同じ苦しみを味わってはいけないと…ほむらは強く、強く訴えた。
それが―――少年を守ることにも繋がると、彼女は思ったから...
【タツヤ】
「…」
【ほむら】
「あなた達は…強すぎるから」
【ほむら】
「平気で、誰かの為に命を投げ出す事が出来る」
鹿目タツヤという少年は、強い。
普通の人よりも何倍も…下手をすれば、どの魔法少女よりも...
それは、力そのものを言っているのではない。
芯の強さ、つまり心の強さを指している。
でも、だからこそと…ほむらは言う。
少年はその強さを持っているからこそ、どんなに辛い選択でも選べてしまう。
かつて、“彼女”がそうであったように―――
777 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:18:13.16 ID:SdXcmXy20(31/63)
【ほむら】
「でも、もう嫌なのよ」
ほむらは…突然、苦しむように胸を押さえ、その場で跪く。
まるで、その言葉を口に出したくなかったとでも言うように...
更に、彼女は声を震わせ…絞り出すように言葉を紡いだ。
【ほむら】
「知ってる人が…親しくなった人が、目の前で居なくなるのは」
【ほむら】
「あの悲しみには…もう耐えられない」
それは、ずっと胸の奥底に終ってきた―――
自分の、本当の気持ち―――
【ほむら】
「あんな思いするくらいなら…」
【ほむら】
「私は、一人で良い」ポロ ポロ
ほむらは自分でも気付かない内に、自らの想いを吐露してしまっていた。
その瞳に溜めた雫を、一粒一粒…地面に落としながら―――
彼女の表情には、最早怒りは微塵もなく…ただただ切なさが残っているだけだった。
【ゆま】
「ほむらお姉ちゃん...」
傍で見ていたゆまも、彼女の変化には驚いていた。
ゆま自身もこのような表情のほむらは、見たことがなかった。
ほむらが抱き続けていた想いを知り、彼女も例えようのない痛みを胸に抱いていた
778 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:20:36.76 ID:SdXcmXy20(32/63)
【深化魔獣】
「リリィィィイイイイイイ‼‼」
しかし、そんな時だった。
崖に埋もれていた深化魔獣が、再び彼女達の目の前に現れる。
深化魔獣は、ほむら達に襲い掛かろうと彼女達の方角へと飛び立つ。
だが…ほむらやタツヤは、魔獣の存在には気付いておらず…完全に無防備な状態だった。
話に夢中になった2人に、深化魔獣が迫っていく。
【ゆま】
「しつこいってば‼‼」
だが、深化魔獣の目の前にゆまが立ちはだかった。
【ゆま】
「邪魔はさせないよ‼‼」ブオン
【ゆま】
「はぁぁぁああああああああ‼‼」
ゆまはハンマーを巨大化させると、更に自らの魔力を武器に注ぎ込む。
そして、力を注ぎ込まれたハンマーは、巨大な槍へと変わった。
その槍は…かつて、ある少女が使っていたものと…よく似ている代物だった。
【ゆま】
「―――マギカ・ブレーデ―――」
ゆまは、槍へと変化した自らの武器を思いっきり横へと薙ぎ払う。
すると、深化魔獣の目の前にはこれまで以上に大きく鋭い衝撃波が出現し、魔獣を襲った。
【深化魔獣】
「リィィイイイイイイイイイイイイイイイイ‼‼」
【ゆま】
「...くっ」
深化魔獣は、ゆまの攻撃によって足止めをくらい…その場で身動きがとれなくなる。
しかし、同時に攻撃をしたゆまも地面に膝を付いてしまう。
戦闘で魔力を消耗した彼女には、深化魔獣を足止めするだけで精一杯だったのだ。
779 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:21:59.89 ID:SdXcmXy20(33/63)
【ほむら】
「だからっ」
ゆまが深化魔獣の相手をしている間―――ほむらは、尚も言葉を続ける
【ほむら】
「もう、お願いだから…私の事はほっといて…」
もはや、表情を…本音を隠すこともせず、ほむらは続ける。
自分の事はどうなっても構わない…だから、タツヤだけは無事でいて欲しい。
それが、今の彼女の唯一の願いだった。
親しい人を失う事の悲しみを、誰よりも知っている彼女の言葉だからこそ―――
その想いは、どんなものよりも深く
そして、どんなものよりも寂しいものだった―――
780 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:24:37.79 ID:SdXcmXy20(34/63)
【タツヤ】
「暁美さん」
だが―――
『ほむらちゃん』
【ほむら】
「え?」
そんな深く、寂しく…そして、冷たくて暖かい想いは―――
【タツヤ】
「一人ぼっちになったら」
『一人ぼっちになったら』
【タツヤ】
「駄目だよ」
『駄目だよ』
一つの希望(ひかり)によって、包み込まれる。
かつて、誰よりも…彼女に優しかった少女の面影を載せて...
781 川´_ゝ`){最近ミス多い ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 01:28:51.00 ID:SdXcmXy20(35/63)
ひとまずここまでです。お疲れ様でした。
途中またしても二重投稿してしまいました。申し訳ない。
続きは明日(今日)の夜に投稿しに来ます。
それでは、お休みなさい。ノシ
782 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 05:09:33.68 ID:AVcsllYz0(1)
おやすみおつ
783 川´_ゝ`){仕事が早く終わったので ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:43:56.22 ID:SdXcmXy20(36/63)
こんばんわ>>1です。いつも閲覧有難うございます。
それでは、続きを投稿します。
784 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:48:18.11 ID:SdXcmXy20(37/63)
【ほむら】
「!?」
ほむらは自分の身に起きた事に直ぐには気付けずにいた。
タツヤが、自分のことを…そっと抱きしめているということを―――
そして、そんな中で聞こえてきた懐かしい声…
その声は…ずっと聴きたかった最愛の友人の声だった。
だが、タツヤの…彼女の声で聞こえたその台詞は、何処かで聞いたことがあるような…不思議な感覚に囚われるものだった。
まるで、自分ではない自分が…かつて、そこにはいたような―――
【タツヤ】
「今、やっと分かった」
タツヤは、ほむらを自分の両手で優しく包み込むと、そのまま話しかける。
【タツヤ】
「あなたは…そうやって、ずっと悲しみと戦ってきたんですね」
【タツヤ】
「俺達を、守るために」
タツヤは彼女の言葉を聞き、ほむらの胸の内に何となく気付く。
ほむらは、きっと仲間を失うことを恐れ…ずっと1人で戦ってきたのだろう。
その悲しみを恐れながらも、たった1人で…自分達人間を守るために戦い続けてきたのだと。
それが、どれほど辛い事なのか…タツヤには分らない。
だが、それでも―――
【タツヤ】
「でも、だからって貴方が孤独になっていいわけがない」
このままで、いいわけが無い…と少年は思う。
ほむらをこのまま1人で戦わせてしまえば、彼女は本当に大事な物を失ってしまうかもしれない。
そんな気がしたから...
785 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:50:02.55 ID:SdXcmXy20(38/63)
【タツヤ】
「俺は、貴方に命を救ってもらった」
【タツヤ】
「だから、今度は俺の番だ」
少年は、ほむらに対して…新たな決意を固める―――
【タツヤ】
「貴方を、1人になんてしない」
【タツヤ】
「俺が、貴方の心を守る」
彼女に、もう悲しい想いをさせないように―――
彼女が、孤独を受け入れなくてもいいように―――
彼女の“心”が、これ以上壊れてしまわないように―――
自分は彼女に何回も守ってもらった。
だから、ほむらに守ってもらった分だけ、彼女の心を守りたい。
タツヤは、そう…切に願った。
【ほむら】
「...っ」
【ほむら】
「心なんて…今の私には…」
貴方の心を守る。
タツヤのその言葉を聞いたほむらは、俯きながら絞り出すように声を出す。
“心”…その言葉を、彼女は久しぶりに聞いた気がする。
彼女自身、その言葉を久しく忘れてしまっていたから...
なぜなら…彼女にとって、その“心”という言葉は、既に意味のない言葉であったから―――
【ほむら】
「私は、もう人じゃないのよ...」
自分は、魔法少女だから―――と
人間ではないから、自分に心はないのだと…そう擦れた声で呟くほむら。
786 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:51:20.17 ID:SdXcmXy20(39/63)
【タツヤ】
「違うよ」
だが、彼女のその言葉を少年は否定する。
【タツヤ】
「暁美さんは…」
【タツヤ】
「ほむらさんは、人間だよ」
ほむらに優しく語り掛けるように、少年は続ける。
背中をさすり…彼女の乱れてしまった綺麗な黒髪を、少しずつ整えながら...
タツヤは、小さな子供に言い聞かせるように言葉を紡いでいく―――
暁美ほむらは、魔法少女である前に1人の“人間”である、と―――
【タツヤ】
「だって、自分以外の誰かの為に」
黒髪を綺麗に下ろすと…タツヤは、ほむらの正面を向く。
彼女の瞳の奥底を見つめるように視線を合わせた。
そして、徐に片手を彼女の頬に近付け―――
【タツヤ】
「こんなに、暖かい涙が出せるんだから」
彼女の頬を伝う雫を、ゆっくりと拭う。
それは、彼女自身が忘れてしまった…もう一つの、人としての証―――
『涙』だった―――
【ほむら】
「うっ...」
ほむらは、その時になって…ようやく自分が涙を流していることに気付く。
もう、長らく使っていなかった『涙』という言葉―――
それは、人としての自分を捨てたのだという…1つのケジメでもあった。
人として感情を、自らの『心』と共に、胸の奥底に閉じ込めてしまっていたのだ。
だが―――
787 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:53:20.08 ID:SdXcmXy20(40/63)
『ねぇ...』
【ほむら】
「(!?)」
ほむらは、タツヤとはまた違う声を…その胸の奥底で聞く。
その声もまた…聞き覚えのある懐かしい声であった―――
『もう、いいんじゃないかな?』
『素直に…あの頃の自分に戻っても…』
それは、かつて『人』だった頃の自分―――
身体が弱く、いつも誰かの守ってもらってばかりだった自分の姿が…そこにはあった。
【ほむら】
「(私は…)」
ほむらは、自らの胸の奥で…もう1人の自分、人としての『心』を持った自分と対面する。
もう一人の自分は真っ直ぐに自分の事を見つめてくる。
弱き者として、自分の中に閉じ込めていた筈だったのに...
何故か今となっては、自らの方が弱々しく思えた。
『ずっと…我慢してたんだもんね』
『あなたも…』
『私も…』
もう1人のほむらは、彼女に近付き…そっと手を握る。
そして、タツヤ同様ほむらに優しく語り掛けた。
ずっと、ほむらは人としての感情を押し殺して戦い続けてきた。
悲しくても…寂しくても…全ては友人が救った世界を守るために...
正解の見えない迷路に、迷い込んでしまった事を自覚しつつも―――
【ほむら】
「…」
『大丈夫、あの子ならきっと受け入れてくれるよ』
下に俯くほむらに、もう1人の彼女は更に続ける。
あの少年になら、本当の自分をさらけ出してもいいのでは…と。
本当は、どの魔法少女よりも弱くて…どの魔法少女よりも泣き虫で…どの魔法少女よりも寂しがりやで…
どの魔法少女よりも…『人間』であった自分を―――
788 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:54:51.20 ID:SdXcmXy20(41/63)
【ほむら】
「うっ、ひっく…」
【ほむら】
「う…うぁあ…」
ほむらは、その言葉をきっかけに耐えきれなかったかのように…声を漏らす。
大粒の涙を地面に落とし、そのまま地面に膝を付いた。
『そしたら…』
『私も…』
泣き崩れるほむらを、もう1人の彼女はそっと抱きしめる。
そして、耳元で聞こえるか聞こえないかの声を上げ…
その姿を、光の結晶へと変えた―――
結晶はそのままほむらに同化していくように、彼女の中へと入り込んでいく。
『人』としての彼女が、彼女の中へと溶け込んでいく。
それは、彼女が…
【ほむら】
「あああああ…うぁあああああ……」
暁美ほむらが―――人としての自分を、取り戻した瞬間であった。
固く閉ざされていた扉が、ゆっくりと開いたような気がした。
開けたのは、1人の少年の『心』の温もり―――
その暖かさによって、少しずつ氷が解けていくように...
彼女の中で止まってしまっていた『時間』が、動き始めたような気がした―――
【タツヤ】
「...ほむらさん」
自分の胸元で泣き崩れるほむらを、タツヤはそっと抱きしめる。
背中に手を置き、その綺麗な黒髪を優しく撫でた。
789 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:56:11.28 ID:SdXcmXy20(42/63)
【タツヤ】
「今日までずっと1人で、頑張ってきたんだもんな」
そして、そっと呟くように…彼女に語り掛ける―――
【タツヤ】
「だから…」
【タツヤ】
「今は、泣いて良いんだよ」
今まで悲しみを我慢して、必死に戦ってきた彼女を少年が包み込む。
その姿は、さながら…戦士を癒す神様のようであった
【ほむら】
「うっ…ひっく…」
【タツヤ】
「大丈夫」
【タツヤ】
「もう、貴方は1人じゃない」
これからは、自分が傍に居る。
それにゆま達だって…彼女を支えてくれている。
だから、孤独を受け入れなくて良いんだよ…と、タツヤは続けた。
【ほむら】
「あああ…あああぁ…」
ほむらは少年の胸の中で、まるで子供のように泣き続ける。
今まで我慢していたものが、プツンと切れてしまったかのように―――
790 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:57:51.35 ID:SdXcmXy20(43/63)
『暁美さん紅茶のおかわり、いる?』
『こら、これでも私は先輩なのよ』
『暁美さんの技名、徹夜で考えてきたのっ』
そして、彼女の脳裏に浮かぶ光景は―――
『ったく、しょうがねーなー』
『ほら、食うかい?』
『後で飯奢ってよ、それでチャラにするからさ』
かつての友人達との、切なくて…暖かい思い出―――
『転校生』
『悔いが残らないように、ね』
それらは、ほむらの胸をキュッと締め付け…凍り付いた心を温めてくれる。
次から次へと流れてくる涙の中には、彼女達への想いが詰まっていた。
【ほむら】
「…みん、な」
そして―――
791 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 21:58:41.15 ID:SdXcmXy20(44/63)
『ほむらちゃん』
【ほむら】
「…ぁ」
【ほむら】
「まどかぁ...」
ほむらの中で…1つの想いが再熱する。
それは―――彼女達と共に、一番会いたかった“彼女”の下へと…
導かれたかったという、気持ち―――
タツヤ達の事をないがしろにしているわけではない。
しかし…自分だけが、取り残されてしまったという現実に、彼女の心は…涙を流さずにはいられなかった。
792 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:00:15.37 ID:SdXcmXy20(45/63)
【織莉子】
「暁美さん」
少しだけ離れた場所で見ていた織莉子が、そっと呟く。
【織莉子】
「(ずっと…我慢してたのね)」
【織莉子】
「(いえ、我慢していたというよりむしろ...)」
【織莉子】
「(忘れていたのかもしれない)」
【織莉子】
「(誰かに、すがりつくということを...)」
いつの間にか、ほむらは人としての在り方を忘れてしまっていたのだろう…と。
そんな中で、誰にも頼らずにたった1人で戦ってきた彼女が、初めて見せた自らの弱さ。
それは、お世辞にも綺麗とは言えない。
しかし…それでも、目の前の少年にすがりつき人目を気にせず泣きじゃくる彼女の姿は…
どこまでも、“人間”のようであった―――
【ゆま】
「ほむらお姉ちゃん...」
彼女の見せた一面は、周りにいる全ての者に驚きと…笑顔を与える。
誰もが、知っていたのだ。彼女が、無理をしていることを…
ゆまもまた、彼女の変化を見て微笑みを浮かべる。
彼女が、人の心を取り戻してくれて本当に、良かった…と―――
ゆま達の間には、不思議と安らぎの時間が流れ始めていた。
「リ…ィ…」
だが、その時だった―――
793 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:02:20.43 ID:SdXcmXy20(46/63)
【ゆま】
「!?」
【深化魔獣】
「リィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ‼‼‼」
ゆまがほんの一瞬だけ見せた隙を、逃さないとでも言うように...
深化魔獣が彼女の攻撃から抜け出してきたのだ。
【ゆま】
「しまっ」
【ゆま】
「タっくん危ないっ‼‼」
深化魔獣は、タツヤ達の頭上に巨大な氷塊を作り出す。
危険を察知したゆまが、タツヤ達に伝えようと大声を上げる。
もはや、彼女に深化魔獣を止めるほどの魔力は残ってはいなかった。
【タツヤ】
「え?」
【深化魔獣】
「リリリリリリリィィイイイイイイイイイイ‼‼」
しかし、タツヤが気付いた頃には…
既に、深化魔獣によって氷塊が振り下ろされてしまっていた。
巨大な氷塊はそのままタツヤ達に迫ってくる。
【タツヤ】
「なっ!?」
【タツヤ】
「くそっ間に合えっ」
魔獣の攻撃に気付いたタツヤは、すかさず先程の黒い宝石を双刃剣に変える。
そして、迫ってくる氷塊に対応しようとした。
しかし、彼の行動は少しだけ遅く…氷塊は今にもタツヤ達に衝突しようとしている。
このままでは、タツヤとほむらは共に氷塊の下敷きにされてしまう...
794 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:04:11.34 ID:SdXcmXy20(47/63)
【ほむら】
「...っ‼‼」キッ
そう、誰もが思った瞬間だった―――
【タツヤ】
「...え?」フワ
突然、タツヤの身体が宙を舞う。
そして…彼だけが、その場から離れるように吹き飛ばされていった。
まるで、タツヤに氷塊が当たらないよう…誰かが彼を移動させたかのように…
そう、それは―――
【タツヤ】
「ほむらさんっ」
【ほむら】
「…」
ほむらが、残っている魔力を振り絞り…彼に使った魔法だった。
今の彼女に、2人を移動させる程の魔力は残っていない。
だから…ほむらはタツヤだけを、その場から移動させたのだ。
【ほむら】
「(ありがとう)」
【ほむら】
「(ごめんね)」
あくまでも、“彼を守る”という…自らの誓いを果たすために―――
ドスン
795 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:06:20.79 ID:SdXcmXy20(48/63)
【ゆま】
「ほむらお姉ちゃん‼‼」
巨大な氷塊は、そのままほむらへとぶつかり…彼女を押し潰す。
深化魔獣が弱っているせいか、氷塊はほむらを押し潰した瞬間粉々に砕け散ってしまった。
しかし、それでも…ほむらの身体は見るに無残な姿へと成り果ててしまった。
【織莉子】
「ゆま‼‼」
【ゆま】
「っ‼‼」
織莉子は、急いでゆまに治療するよう指示する。
ゆまもすぐさまほむらのの傍へと駆け寄り、魔法陣を展開させ彼女に治癒魔法をかける。
【タツヤ】
「あ…あ…」
一方で、タツヤは放心状態となり、その場に膝から崩れ落ちてしまっている。
双刃剣は元の宝石に戻り、何をするでもなく…ただただその場で下を向く事しか出来なかった。
【深化魔獣】
「リリィィイイイ...」
そして、彼女達がほむらの治療に急ぐ中、深化魔獣は再び彼女達の前に立ちはだかる。
落ち着きを取り戻したのか、最初の頃に見せたような優雅な立ち振る舞いを見せる。
ボロボロだった身体は癒え、全快の状態で戦闘態勢を取った。
【織莉子】
「まだ、あんな力が...」
織莉子は、深化魔獣の底力にただただ驚くことしか出来なかった。
いや、驚くところはそれだけじゃない。
目の前の深化魔獣の力は、自分が予知で見たものよりも…一回りも二回りも上だった。
今まで彼女の未来予知に、此処まで大きな誤差が生じることはなかった。
この世界に…何かが起ころうとしている。
自分達が進む筈だった未来には起こりえなかった…何かが…
織莉子は、そんな得体のしれない不安を感じていた。
796 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:08:15.89 ID:SdXcmXy20(49/63)
【ゆま】
「織莉子、悪いけどほむらお姉ちゃんのソウルジェムの浄化頼める」
【ゆま】
「私、手が離せないからさ...」
織莉子がそんな不安に襲われていると、ゆまが彼女に声を掛ける。
身体は治癒魔法で回復出来ても、ソウルジェムの回復は出来ない。
しかし、ゆまはほむらの回復に全力を注いでいるため、そこまでは手が回らなかった。
【織莉子】
「!?」
【織莉子】
「貴方、自分のソウルジェムだって...」
だが、織莉子が予備のグリーフシードを準備してゆまに近付くと、彼女の異変に気付く。
ほむらのソウルジェムの回復を促す彼女のソウルジェムもまた…黒く濁ってしまっていたのだ。
このままゆまが治癒魔法を使い続ければ、先にゆまの方が限界を迎えてしまうかもしれない。
織莉子は、ゆまにその事を伝えようとする。
【ゆま】
「今はほむらお姉ちゃんの方が先決だよ‼‼」
しかし、ゆまは彼女の言葉を遮り…再びほむらを助けることを指示する。
限界が近い事は、自分が一番よく分かっている。
だがそれでも、今はほむらを助ける事が優先だと…ゆまは険しい形相で言い切った。
せっかく、ほむらに救いの手が伸びようとしているのに…こんなところで彼女を死なすわけにはいかない。
そう言うゆまもまた、自分の命に代えてでも彼女を守ろうとしていたのだ。
【織莉子】
「え、えぇ...」
そんな彼女の気迫に押される形で、織莉子はゆまの決意を汲み取る。
そして、ほむらのソウルジェムの周りに予備のグリーフシードを置き、彼女の魔力の回復を始めた。
797 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:09:28.17 ID:SdXcmXy20(50/63)
【深化魔獣】
「リリィィィィ‼‼‼」
しかし、そうはせさせないと言わんばかりに、深化魔獣が彼女達に襲い掛かろうとする。
再び巨大な氷塊を彼女達の頭上に作り出し、それを使って彼女達を押し潰そうとしていた。
【QB】
「2人共来るよ‼‼」
その事にいち早く気付いたキュゥべえが、彼女達に攻撃を回避するよう促す。
【織莉子】
「くっ」
しかし、ほむらの治療に専念する彼女達は身動きが取れない。
織莉子だけなら動けないことはないが…ゆま達を置いて、彼女だけ逃げるなど出来る筈がなかった。
かといって、彼女達をいっぺんに運べるほど今の織莉子に魔力はない。
まさに、八方塞がり…という感じであった。
【ゆま】
「もう、少しは空気読んでよ...」
先程の戦いで魔獣の体力をかなり削った筈なのに、それでもまだ若干の余力を残している。
一方のゆま達は…ほぼ限界に近い。
このままでは、全員纏めて他の魔法少女と同様に氷漬けにされてしまう。
そんな最悪の展開が、彼女達の頭を過った。
798 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:10:19.94 ID:SdXcmXy20(51/63)
【タツヤ】
「…」
しかし、そんな時―――
【QB】
「タ…タツヤ?」
その少年に、再び変化が訪れる―――
799 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:12:52.46 ID:SdXcmXy20(52/63)
https://www.youtube.com/watch?v=Ayk83te8ni4
≪なんで、こうなった≫
ドクン…
≪また、守れなかった≫
ドクン…ドクン…
―――まだ、終わりじゃないよ―――
≪俺のせいで、こんな...≫
ドクン…ドクン…ドクン…
―――そう思うなら、償いをしないとね―――
≪償い...≫
ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…
―――誰がほむらちゃんをあんな目に合わせたのかな―――
≪誰の、しわざ≫
ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…
―――ほら、前をちゃんと見て―――
―――いるよ、目の前に―――
800 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:14:35.14 ID:SdXcmXy20(53/63)
【深化魔獣】
「リリィ...」
≪アイツが、ほむらさんを≫
…ピキ
≪絶対に、………い≫
…ピキ…ピキピキ…
―――やるべきことは決まったみたいだね―――
―――…ィヒヒッ、じゃあ…―――
【タツヤ】
「…ス」
801 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:16:28.81 ID:SdXcmXy20(54/63)
――― コ ロ シ チ ャ エ ―――
バキンッ‼‼
802 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:18:11.54 ID:SdXcmXy20(55/63)
https://www.youtube.com/watch?v=5lrSLF4eOHg
【タツヤ】
「コ ロ ス」ダッ
【QB】
「タツヤッ!?」
ただ一言、それだけ叫んだタツヤは…インキュベーターの静止を振り切り、深化魔獣の下へと突撃する。
そんなタツヤの姿は、再び魔力に覆われたものへと変貌していた。
自身を纏うオーラの影響なのか、髪の毛は逆立ち…色も色素を失ったような白髪へと変わる。
魔獣に向けるその視線も一層鋭さを増し、鮮血に染まったかのような真っ赤なものになる。
若干の違いはあるものの…それは、織莉子が見た姿と殆ど同じものであった。
ある、一部を除いては――――
803 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:19:36.15 ID:SdXcmXy20(56/63)
【タツヤ】
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
【タツヤ】
「コロスゥ‼‼」ガシッ
【深化魔獣】
「リィィィィィイイイイ‼‼‼」
壊れた人形のように魔獣に向けた殺意の言葉を繰り返すタツヤは、一瞬にして化物の眼前まで移動する。
そして、その手で深化魔獣の顔と思われる部分を鷲掴みにした。
【タツヤ】
「コロス‼」ドンッ
【タツヤ】
「コロス‼‼」ドンッ‼
【タツヤ】
「コロス‼‼‼」ドンッ‼‼‼‼
タツヤは魔獣を氷山のある位置まで引きずると、
武器などを一切使う事なく、素手で掴んだまま魔獣の頭を氷山に叩き付ける。
その狂気に満ち満ちた視線と言葉をぶつけながら...
何度も…何度も何度も…魔獣を氷山へと叩き付けた。
【深化魔獣】
「リ…リ…リィィ…」
タツヤの執拗な攻撃によって、優雅な姿へと戻った筈の深化魔獣が、見る見るうちに無残なものへと変わっていく。
804 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:21:35.77 ID:SdXcmXy20(57/63)
【ゆま】
「え…たっ…くん…?」
ゆまは、ほむらの治療を続けながらも、その光景に釘付けになる。
あれ程の力を持っていた深化魔獣が、武器を使っていない少年によってダメージを受けている。
それはまさに、驚くべき光景であった。
しかし、彼女が感じていたものは驚きというより…むしろ…
【タツヤ】
「ウガァァァァアアアアアア‼‼」
今の少年に対する『恐怖』であった―――
【タツヤ】
「アアアアアアアアァァァ‼‼」
常軌を逸したタツヤの力。
更に、傍から見ているだけのゆま達にすらひしひしと伝わってくる...
少年の、常人とは思えないほどの『殺意』と『狂気』といった…『負』の感情。
そして、その異常なまでの負の感情を更に際立たせているのは…彼を覆ているオーラであった。
そう、織莉子が見た彼と今の彼の決定的な違い――――
今の少年を覆ているオーラは、先程の光り輝くものとは違い、
どこまでも…どす黒いものであった。
【タツヤ】
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼‼‼‼‼‼‼‼」バァァァァ
タツヤは傷を負った深化魔獣を放り投げると、その場で雄叫びを上げる。
すると、それに反応するように彼を覆っていた黒いオーラが激しさを増していく。
彼の周りでは地響きが起き始め、更には辺りの氷塊が宙に浮き始める。
その光景は…まるで、この世の終わりとも思えるようなものであった。
ギィィィイイイイイイイイイイイン‼‼
【織莉子】
「...っ‼‼」
そして―――
805 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:24:21.97 ID:SdXcmXy20(58/63)
【ゆま】
「うっ」
その現象が起き始めると同時に…彼女達に異変が起きる―――
【ゆま】
「嘘…なんで…」
【ゆま】
「力が…抜ける…」
ゆまは、突然…自らの体力が急激に消耗していくのを感じる。
長距離を全力で駆け抜けた直後のような疲労感が…彼女を襲った。
【ゆま】
「魔力が…」
それだけじゃない。
ゆまは…体力だけではなく、自分の魔力までもが失われていくのを感じていた。
彼女のソウルジェムは、急激に濁り始め…彼女を苦しめる。
それは、ほむらへの治癒魔法に力を注いでいる事を考慮しても、明らかに異常な速度での消耗であった。
【織莉子】
「...うっ」
そして、その現象は織莉子にも起き始める。
魔法を使っているわけでもないのに、織莉子のソウルジェムは黒く染まっていく。
そのあまりの消耗に、思わず眩暈がしてしまうくらいに...
【ゆま】
「ねぇ、何なのこれ…」
【ゆま】
「魔力が…どんどん減っていくよ」
ゆまはほむらの治療を継続しながらも、自分を襲う苦しみに表情を歪める。
自分の意思とは無関係に消耗していく魔力―――
こんなことは…今までの戦いで1度も無かった。
一体何が起こっているのか、ゆまは問わずにはいられなかったのだ。
806 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:26:33.66 ID:SdXcmXy20(59/63)
【織莉子】
「...これは」
【織莉子】
「…」
しかし、その問いに織莉子は答えることが出来ない。
一瞬開きかけた口を閉じ、そのまま黙り込んでしまう。
その言葉を、口にしたくないと言うように…。
【ゆま】
「お、織莉子...?」
彼女の様子に、ゆまは首を傾げる。
織莉子が何かを知っている事は、今の彼女を見れば明らかだった。
それなのに、その事を隠そうとする彼女を見て…ゆまは、不思議に思う。
【QB】
「これは…タツヤの能力だ」
そんな時、誰もが押し黙り…重い空気が流れる中、その珍獣が口を開く―――
【ゆま】
「...え?」
だが、その言葉は彼女達にとって―――
【織莉子】
「…」
どこまでも、残酷なものだった―――
【QB】
「織莉子、君はもう分ってる筈だよ」
【QB】
「彼の…魔法の事を…」
キュゥべえはその視線を織莉子に移し、言葉を促す。
そう、彼女は…もう知っているのだ…
807 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:29:10.35 ID:SdXcmXy20(60/63)
【ゆま】
「たっくんの…魔法…?」
鹿目タツヤの…真の力を...
【織莉子】
「...あの子の魔法は」
織莉子は、キュゥべえの言葉に反応し…その重い口を開く。
【織莉子】
「魔獣の…そして、私達の力の源である」
タツヤが今使っている魔法―――
【織莉子】
「魔力を奪い取って、自分の魔力に転換する魔法」
それは、全ての魔獣…そして、全ての魔法少女に対して...
【織莉子】
「生命力吸収――エナジードレイン――」
最強にして…最凶…
まさに、禁忌とも言える魔法(ちから)であった―――
808 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:33:21.47 ID:SdXcmXy20(61/63)
【ゆま】
「え…嘘…」
【ゆま】
「それって...」
織莉子の言葉を聞き、ゆまは言葉を失う。
なぜなら、その魔法は―――
【QB】
「そう、彼の能力は魔法少女のそれじゃない」
【QB】
「むしろ、魔獣(あちら)側の力だ...」
敵・味方問わず、力の源である魔力を…直に奪い取る―――
それは、もはや魔法少女の使うレベルの魔法ではない。
どちらかと言えば、人々を襲う魔獣寄りの魔法であった。
【ゆま】
「そんな...」
ゆまは奪われる魔力に表情を歪めながら、その事実に顔を青ざめさせる。
誰もが知りたかった…タツヤの中に秘められた力―――
それは、『希望』とも『絶望』とも言えるものであった。
【QB】
「いや…」
【QB】
「彼の魔法は、それすらも凌駕しているかもしれない」
しかし、キュゥべえは言う。
彼の魔法は魔法少女が使うものでも、魔獣が使うものでもない。
いや、そもそも…彼の力はそういった物差しでは測れないものなのだ、と。
【QB】
「例えるならば、今の彼は...」
そう、言うなれば――――
809 第5話「強さはいつも心の中に」 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/03/17(月) 22:36:58.99 ID:SdXcmXy20(62/63)
【タツヤ】
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼‼」
バァァァアア
【QB】
「悪魔、のようだね...」
キュゥべえは、少し言い辛そうにして言葉を続ける。
魔法少女のものでも、魔獣のものでもない…その力を持つ存在―――
怒りにより我を忘れ、彼女達から魔力を奪い取り、狂気じみた雄叫びを上げるその姿は...
まさに、『悪魔』のようであった。
810 川´_ゝ`){マウロ・ゴメス ◆7F2DwKbdfg [saga] 2014/03/17(月) 22:41:41.82 ID:SdXcmXy20(63/63)
今回は以上になります。お疲れ様でした。
一応次回で5話終了、一部完結の予定です。
どうにか1か月以内には…(フラグ)
それでは、また次回。ノシ
811 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 23:10:15.80 ID:jaekETwFo(1)
全てが痛々しい
こんなもん年単位で書いてたら途中で黒歴史化するだろ普通
どんだけ面の皮が厚いんだ
812 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 23:40:47.01 ID:gbZvglsDO携(1)
乙
まあ気にせず頑張ってくれ
813 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 00:24:53.00 ID:bKQGVR5p0(1)
乙
先が気になるね
814 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 05:48:54.28 ID:agUBhGAwo(1)
くっせええええええええええええええ
815 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 08:11:27.76 ID:dEJArhsYo(1)
もっとやれ。
816 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/23(日) 18:23:07.46 ID:qQG/D4quo(1)
■ HTML化依頼スレッド Part16
vip2chスレ:news4ssnip
817 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/04(金) 02:58:47.99 ID:lPIvhWXfo(1)
dat落ちしてないと思ったらまだ完結してないのか…
818 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/11(金) 07:06:57.67 ID:rBqX06bEo(1/10)
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>>759>>915>>195>>962>>476>>627>>353>>313>>625>>342>>491>>702>>529>>290>>702
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>>618>>702>>313>>731>>414>>755>>546>>654>>486>>62>>188>>863>>887>>209>>348>>469
828 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/13(日) 00:33:14.89 ID:eKUtqhAeo(1)
てす
829 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/18(金) 18:07:31.65 ID:UBSvUYAoo(1)
まだかぁー
830 川´_ゝ`){申し訳ない ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/04/23(水) 22:21:51.36 ID:0H+HpX/N0(1)
こんばんは>>1です。いつも閲覧有難うございます。
お待たせして本当に申し訳ありません。
ちょっと引っ越しとかで、ネットが繋がらず報告が遅れてしまいました。
現在の進行具合ですが、リアルで忙しかったせいで60%くらいしか進んでいない状況です。
誠に申し訳ないですが、もう少しお待ち下さい。
このスレ内に限らず色んな所で色々と言われてますが、再三宣言している通り自分なりにマイペースに進めていこうと思いますので、どうか宜しくお願いします。
長々と失礼しました。
それでは、また次回。ノシ
831 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/23(水) 22:23:09.10 ID:P2nf3kzXo(1)
おっつ
続きはよ
832 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 02:40:47.46 ID:vny4rB7q0(1)
ほーい
833 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/26(土) 05:08:40.50 ID:AaLOb49Y0(1)
書かなくていいです
834 川´_ゝ`){近況報告 ◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/05/22(木) 00:12:52.76 ID:82VonIJs0(1)
夜遅くにこんばんわ>>1です。いつも閲覧有難うございます。
近況報告です。大分お待たせしております、申し訳ない。
現在の進行状況ですが、80%くらいです。
なんとか今月中には投稿したいと思ってますので、もう少しだけお待ち頂ければ幸いです。
それでは、お休みなさいノシ
835 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/22(木) 02:31:43.59 ID:mXHVs/MSo(1)
まーたエタりかけの誰得ゴミスレが無駄に延命されたか
さっさと消えろよ鬱陶しい
836 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/22(木) 04:19:44.96 ID:pJz7Cvv70(1)
すげえ
あがってないのに真っ先にレス
余程暇なんだな
嫌いなのに毎回もしもしぽちぽちご苦労様^^
837 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/22(木) 11:38:39.01 ID:IHL7jlu20(1)
やっぱりSSLってクソだわ
838 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/22(木) 12:33:29.70 ID:A3UqC4DDO携(1)
期待
839 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/22(木) 12:54:58.18 ID:NGQ58kv9o(1)
ゴミスレ
840 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 04:26:02.79 ID:Y9XY5K6k0(1)
837の自虐に全ほむらが泣いた
841 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/23(金) 13:03:35.58 ID:6yz0idcDo(1)
くっさ
842 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/23(金) 13:21:44.61 ID:U4D7g8jDO携(1)
本当荒らしは暇人だな
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 100 レスあります
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