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現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む74 (1002レス)
現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む74 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1564659345/
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183: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/08/04(日) 16:02:32.17 ID:wYXDzdNx >>181 つづき ブルバキの定義によって関数の定義の発展が完遂した かのように見えたものの,この定義に依っては説明し 切れない数学的知識が扱われ始めた。それらの数学的 知識については次節に記す 3.ブルバキによる関数の定義を超える数学的知識 Kleiner (1989)は関数に係る最近の三つの論点を簡潔 に提示している。それらはL2 関数,一般化関数(超関 数),及び圏論である。Kleiner (1989)は三番目に扱った 圏論に関連させてブルバキによる関数の定義を取り上 げているけれども,L2 関数,一般化関数(超関数), 及び圏論で論じられている内容はブルバキの定義では 閉じ込められない。ここでは,L2 関数を取り上げ論ず ることとする。 L2 関数とは,集合L2={f(x): f2(x) はルベーグ積分可 能}がヒルベルト空間を形成するというものである。 L2関数を現代数学の関数の定義では説明し得ないこと を,Kleiner (1989)はデービス&ハーシュの引用によっ て取り上げているけれども, Davis, Hersh& Marchisotto(1995)からその引用の前後の文章も併せて 提示する: It is interesting to observe that this modern development really involves a further evolution of the concept of function. For an element in L2 is not a function, either in Euler’s sense of an analytic expression or in Dirichlet’s sense of a rule or mapping associating one set of numbers with another. It is function--like in the sense that it can be subjected to certain operations normally applied to functions (adding, multiplying, integrating). But since it is regarded as unchanged if its values are altered on an arbitrary set of measure zero, it is certainly not just a rule assigning values at each point in its domain. (p. 293) 興味深いことは,この現代的展開が関数概念の新た な進展を含むことを注意することである。なんとなれ ばL2 の元は,解析的式のオイラーの意味においても, また1つの数集合に他の集合をあてがうディリクレの 意味の規則性または写像の意味においても,関数では ないからである。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1564659345/183
184: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [] 2019/08/04(日) 16:02:56.63 ID:wYXDzdNx >>183 つづき それはそれが(加える,掛ける,積分する)など関数 に正常的に適用される演算に服従させうるという意味 では,関数−的である。しかし,任意の測度ゼロの集 合上で値が変えられたとき不変であると考えられるか ら,それはそれの定義域の各点に値をあてがうという 規則では確かに関数的でない。(p. 257) L2関数は,ディリクレによる関数の定義に依らないし, 要素を対応させるという写像としての定義,即ちブル バキによる関数の定義にも依らないのである。 4.我が国の中学校数学教科書における関数の定義の 変遷 次は,平成23 (2011) 年発行の,平成20(2008)年告 示の中学校学習指導要領のもとでの,岡本他(2011)に よる中学校第1学年の数学教科書に掲載されている関 数の定義である: このx,y のように,いろいろな値をとる文字を変 数といいます。 また,ともなって変わる2つの変数x,y があって, x の値を決めると,それに対応してy の値が ただ1つに決まる とき,y はx の関数であるといいます。(p.98) 平成23 (2011) 年発行の中学校数学教科書の関数の定 義は,第一学年の教科書に記載されており,この定義 もディリクレの関数の定義,所謂,解析学的定義に基 づく。 5.考察 (1) 関数史から見えてくる数学観とは何か 数学的体系がプラトン主義者が望むような完全性を もたないことは,ゲーデルによって数学的に証明され ていることは周知である。そうだとしてもプラトン主 義者は完全なる数学の存在を主張し,ゲーデルの仕事 を超えようとするかも知れない。ところが,関数に着 目した場合,関数の定義すら完成されていないことは 数学の完全な存在−関数が数学的知識の一部だとす れば関数について論ずることで十分だろう−に対し, 疑義を投げかける。 (引用終り) 以上 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1564659345/184
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