ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 (711レス)
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680: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 01/20(土)01:45 ID:JPKfl4zq0(1) AAS
…プリムローズ・ヒル…
アンジェ「……隣、よろしいですか?」
7「ええ、どうぞ?」
…リージェント公園を抜け、小高い丘になっている公園「プリムローズ・ヒル」のベンチに座っている「7」の隣に腰かけたアンジェ……周囲は眺望がよく、煙突の煤煙やボイラーのパイプから漏れる水蒸気で煙っているロンドン市街が一望できる……つばの大きい婦人帽にピクニック用のバスケット、手に小さな望遠鏡を持った「7」はいい空気を吸いに来た中産階級の婦人といった雰囲気で、大きなバッフル(ふくらみ)のついたスカートがベンチに広がり、短い上着と胴衣をまとっている……かたわらにはたたんだ日傘も置いてあり、それがベンチの座面をいくらか隠している…
7「……それで、受け取ってきた?」
省35
681: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 01/28(日)01:29 ID:288ALfUR0(1) AAS
…case・プリンセス×ベアトリス「A girl who wants to become a spy」(スパイになりたがった娘)…
…とあるネスト…
ベアトリス「……」パンッ、パンッ!
ベアトリス「ふぅ、終わりました……ドロシーさん、見てもらえますか?」ベアトリスの小さな手が撃ちきった.380口径リボルバーを下ろし、耳当てを外してドロシーに声をかけた……
ドロシー「うん、なかなか良くなってきたじゃないか……引き金を引くときにおっかなびっくりだったり、目をつぶったりすることもなくなってきたしな」
省33
682: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/03(土)01:08 ID:YuI7hGX20(1) AAS
ドロシー「……さて、以前調べたから分かっていると思うが、この「クィーンズ・メイフェア校」には学生、教職員を問わず王国のエージェントや連絡員、あるいは低級の情報提供者がうようよいる」
ドロシー「そいつらが王国公安部にくみしているのは単純に「プリンセスのお為になる」と思って自発的に協力しているやつから、さまざまな不品行をネタに脅されてやっているやつ、ちょっとした小遣い稼ぎや王国に媚びを売りたいがためにやっているやつまでさまざまだ」
プリンセス「確かにそういう人は結構いるわね……それで?」
ドロシー「当然ながらこちらとしてもそれを黙って見ているつもりはない……目には目を、スパイにはスパイを……つまり、こちらの味方になりそうな連中を探し出すんだ。以前も講師や生徒から何人か探し出したんだが、いつ使えなくなるか分からないしな」
ベアトリス「……それってつまり、協力者のスカウトをするって言うことですか?」
省38
683: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/11(日)01:53 ID:WeCVxhdO0(1) AAS
…別の日・自習室…
長髪の女生徒「プリンセスとご一緒出来るなんて光栄ですわ」
三つ編みの女生徒「ええ。同じ学校とは言え、普段はなかなか気軽にお話するという訳にも参りませんから……」
プリンセス「あら、どうして?」
長髪「それは……」
省34
684: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/16(金)01:06 ID:/eYzoQkK0(1) AAS
…数日後…
アンジェ「それじゃあ中間報告を聞きましょうか……ベアトリス、貴女から」アッサムのティーカップを前に手を組み、じっとベアトリスを見つめた……
ベアトリス「えぇーと……私が見聞きした限りで「これかな」と思える人は三人ほどいました」
アンジェ「それぞれの特徴を」
ベアトリス「いま言いますね……暗記できる最低限の情報だけなので物足りないかもしれませんが……」
省36
685: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/21(水)02:42 ID:Q81Ybjnq0(1) AAS
…校内・空き部屋…
ベアトリス「……よいしょ、と」
ベアトリス「ふぅ、さすがに重くてくたびれちゃいました……」
…ずっしりと重い教材を、校内でも人気の少ない一角にある空き部屋のひとつに運んで、丁寧に書棚に戻したベアトリス……普通の寄宿学校なら用務員さんや下働きが代わりに片付けるところではあるが、曲がりなりにも「進歩的」なメイフェア校では「庶民の気持ちを理解する」という名目で、一部の雑務を学生にさせることがあった…
ベアトリス「……ホコリっぽいのは別として、この部屋は意外と落ち着きますね」古びた紙とインクの匂いが立ちこめ、空中に漂うほこりが陽光にキラキラと反射している……
省36
686: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/29(木)01:03 ID:rjr137e40(1) AAS
ベアトリス「その……それでですね、調べを進めていくとこのメイフェア校内には『プリンセス同好会』なる秘密のクラブがあるようなんです」
アンジェ「プリンセス同好会?」
ベアトリス「はい」
プリンセス「わたくしの同好会? いったいどんな活動をしているのかしら?」
ベアトリス「いえ、それが……顔立ちが似ている生徒に姫様の役を演じさせて、『クラブ』の面々がその生徒を……///」
省36
687: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/10(日)01:30 ID:sGKvSeeT0(1) AAS
プリンセス「……ベアト」
ベアトリス「姫様……///」
プリンセス「ふふ……そうやって照れちゃうベアト、とても可愛いわ♪」
ベアトリス「からかわないでください、姫様……///」
プリンセス「あら、いけない?」
省38
688: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/23(土)01:32 ID:4qJGAVXs0(1) AAS
…翌日…
ドロシー「なぁ、ベアトリス?」
ベアトリス「……」暗号の解読問題を解いているが、肝心の問題もドロシーの声にも上の空でぼーっとしている……
ドロシー「……おいっ!」
ベアトリス「ひゃあ!?」
省37
689: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/24(日)01:37 ID:76domkFH0(1) AAS
…屋外運動場…
スカーレット教官「さぁ、頑張って走りましょう……適度な運動は美容にも良いわよ♪」
訓練生A「はぁ……はぁ……」
訓練生B「ひぃ……もうだめ……」
…ハードルや雲梯、綱渡り、匍匐前進など盛りだくさんの障害物が含まれているコースを走らされている訓練生たち……うら若い女性であるスカーレット教官は息も絶え絶えの訓練生たちを励まし、助言をしながら鹿のようにかろやかに走って行く…
省38
690: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/29(金)01:08 ID:iRyZjprV0(1) AAS
…ある日・更衣室…
意地悪な訓練生「……それにしても不思議よねぇ、ドロシー」
ドロシー「何が?」
意地悪「マティルダよ、なんであの子が訓練生になれたのかしら? 確か教官は「我々は身分や階層、人種で訓練生をえり好みするようなことはしない」って言っていたけれど、きっと才能もえり好みしなかったのね」
イヤミな訓練生「あら、私は良いと思うけど? あの子が万年最下位にいてくれたらビリにならなくて済むじゃない」
省38
691: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/06(土)00:59 ID:IZkqyWJp0(1) AAS
…別の日…
訓練生A「次の時間は……う、ミス・パープルの実技ね///」
訓練生B「あぁ、今日はそうだったっけ……私、あの人に流し目をされただけでドキドキしてきちゃうのよね///」
…ファームの一室、ずっしりと重い樫の扉の奥に広がっている豪華で官能的な雰囲気の漂っている寝室は「ハニートラップ」のしかけ方とその対策を「手取り足取り」教えてくれる美人教官、ミス・パープルの牙城で、たいていの訓練生はパープルとクィーンサイズのベッドの上で数十分過ごすと、格闘訓練を数時間行ったときよりも激しく膝が震えてしまい、その後しばらくは甘い余韻ですっかりグロッキーになってしまう…
アンジェ「……」おしゃべりに加わるでもなく、静かに座っている……
省37
692: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/11(木)01:28 ID:vpROMSsr0(1) AAS
マティルダ「……私、せっかく「ファーム」に入れたんだから、一流のエージェントを目指したいと思っているんです///」あどけない子供っぽさを感じさせるような笑みを浮かべて、頬を赤く染めた……
パープル「まぁ、立派な心がけね♪」
マティルダ「ありがとうございます……でも、そう思って頑張ってはいるんですけどなかなか結果に結びつかなくって」
パープル「そうなの?」
マティルダ「はい。例えばミス・アンジェのように顔色ひとつ変えずに課題をこなそうと思ってもうっかりミスをしてしまうし……」
省35
693: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/24(水)02:11 ID:zZwpKeq00(1) AAS
ブラウン「どんなエージェントでもそれぞれ「使いどころ」というのがあるものよ」
スカーレット「使いどころ、ですか」
ブラウン「ええ……確かにマティルダは「良い子」というだけで、いまのところ訓練生としてこれといった取り柄があるわけではないわ」
ブラック「そこなのだ、ミセス・ブラウン……私だって彼女が無事に訓練を終えて、いつかひとかどのエージェントとして活躍してもらいたいという気持ちはある……だが、この世界ではただの「良い子」にはロクな任務が与えられない事くらいご存じのはずだ。それだったらいっそ早めにあきらめさせて、もっと有意義な方面で活動してもらった方が良いのではないか?」
ホワイト「同感だね。私の同期にもひとり、世間で言う「いい人」に該当するような者がいたが、退屈で実りのないひどい任務ばかり与えられて、みんなに「彼はいいやつなんだが……」と言われ続け、いつしか現場から退けられてしまったよ……ミス・マティルダにはああなって欲しくはないね」
省36
694: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/01(水)01:11 ID:Zsm+3rLz0(1) AAS
ドロシー「それでだ……おかしなことにマティルダのやつ、訓練では相変わらずドジばかりだし覚えも悪かったんだが、何だかんだで最初の頃に比べるとずっとできるようになってきてな。むしろ訓練当初にすいすいと課題をこなしていた何人かは付いていけなくなって、結局途中でいなくなっちまったなぁ……」
ベアトリス「へぇ、そういうものなんですね?」
ドロシー「不思議なことにな」そういって肩をすくめた……
………
ホワイト「なかなかいいぞ、ではもう一本やってみようか。ミス・マロウ、相手をしてあげてくれるかな?」
省37
695: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/25(土)01:10 ID:J9lrQpcw0(1) AAS
…週末の夜…
アンジェ「……おおよその情報が集まったわね、そろそろ誰を「推薦」するか決めましょう」
ドロシー「そうだな。プリンセスとベアトリスが目星を付けたやつの中から、私とお前さんでそれぞれ選んで評価を突き合わせてみるとしよう」
…寮の生徒たちが就寝前の自由時間を勉学やおしゃべりに過ごしている間、アンジェとドロシーは部室にやって来て話し合っている……スカウト候補の生徒にはそれぞれ動物の名前をあてがい、特徴をそれらしい文言に置き換えることで「博物クラブ」の標本コレクションに添える解説文に見せかけてある…
アンジェ「ええ……それじゃあ一人目はこの生徒」
省37
696: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/04(火)01:11 ID:c3x55s1d0(1) AAS
〜Case・プリンセス×アンジェ×ドロシー「The cocktail of death(死のカクテル)」〜
…ロンドン市内・とあるパブ…
L「ご苦労、待っていたぞ」
ドロシー「どうも……じきじきにお目見えとは光栄だな」
L「なにしろ懸案の課題が片付いた訳だからな……どうだ?」レミーマルタンのボトルを指し示す……
省38
697: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/13(木)01:28 ID:6K0VhKh+0(1) AAS
アンジェ「……暗殺、ね」
ドロシー「ああ、おまけに手段も下手人も分からないときた」
アンジェ「だとしたら、暗殺された人物から地道に共通項を探していくしか方法はないわね」
ドロシー「そうだな」
アンジェ「まずはそれぞれのカバー(偽装)ね。どんな人物として壁のこちら側に潜り込んでいたのか」
省36
698: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/21(金)02:03 ID:5+XpPk3K0(1) AAS
…下町の食堂…
労働者の女性「定食を一つとビールを半パイント」
食堂の給仕「はいよ!」
女性「ふぅ……」
…ロンドンの水蒸気と煤煙に夕陽も薄汚れて見える日暮れ時、勤めを終えた労働者たちが一斉に入ってきて騒がしい下町の安食堂……くすんだダークチェリー色のドレスとチョッキ、頭には薄汚れて灰色がかった白のハーフボンネットという「いかにも」な労働者の女性が座り、ぞんざいな態度で置かれた食事に手をつける…
省37
699: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/28(金)00:46 ID:mGr6PveU0(1) AAS
…同じ頃・会員制社交クラブ…
うら若い女性「あらぁ、久しぶりねぇ♪ずいぶんとご無沙汰だったじゃない?」
アンジェ「ええ、ここしばらく機会がなくて……」
女性「そう、だったらその分を取り返さないとね?」
…そう言うとニコッとえくぼを浮かべてアンジェの手を取る女性……すべすべした白絹の長手袋越しに肌の暖かさが伝わって来ると同時に恋人つなぎで指を絡められ、同時に空いている方の手に手際よくシャンパンのグラスを握らせてくる…
省37
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