[過去ログ] 八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「これで最後、だね」 (1002レス)
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883: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:29 ID:9UPUoVTN0(20/49) AAS
八幡「今俺は、凛のファンにとっちゃ邪魔でしょうがない存在でしょう。妬ましくて、恨めしくて、消えてほしい。そう思われていても何ら不思議はない。あなたなら分かる筈です」
俺の言葉に、社長は何も言わない。
八幡「そんな俺が、たかが自宅謹慎程度で復帰して、何食わぬ顔で凛のプロデュースを続けて、……ファンがそれで黙ってるわけがないですよ」
社長「……」
省12
884: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:31 ID:9UPUoVTN0(21/49) AAS
実際、男の存在を一切感じさせない事など不可能なのだろう。
アイドルとて一人の女の子。恋もすれば、いずれは結婚だってする。
仮に全ての恋愛感情を捨て、アイドルに徹したとしても、それでもそれは全員には伝わらない。
家族が。
兄弟が。
共演者が。
省16
885: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:33 ID:9UPUoVTN0(22/49) AAS
社長は、俺を説得するように必死に訴えかける。
尚も、俺に言葉をぶつけてくる。
社長「確かに自宅には招いたが、記事に書かれたような嘘の事実は無かったと、そう公表しよう。きちんと謝罪すれば、きっと全員でなくともファンは分かってくれる」
八幡「……」
社長「キミが辞める必要は無いんだよ。比企谷くん」
省11
886: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:35 ID:9UPUoVTN0(23/49) AAS
その言葉に、社長の顔が驚愕に歪む。
だが、勘違いしてもらっては困る。
八幡「安心してください。前に説明した通り、あの日はゲームをやったくらいでやましい事は一切していません。凛とも、交際なんてしていない」
ならば、一体何が問題なのか。
答えは単純。
省9
887: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:37 ID:9UPUoVTN0(24/49) AAS
特別な感情を、抱いてしまった。
あいつは本当に真っ直ぐで。
こんな俺を信じてくれて。
ずっと隣に立っていてやりたくて。
省13
888: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:39 ID:9UPUoVTN0(25/49) AAS
社長「比企谷くん……」
何も言えず、ただただ俺を見つめる社長。
そんな社長の前に、俺は膝をつく。
社長「っ!? 比企谷くん、何を……!」
社長が止めにかかるが、そんなものはお構いなしだ。
地面に手を置き、俺は頭を垂れる。
省12
889: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:41 ID:9UPUoVTN0(26/49) AAS
社長「……」
俺の凶弾を聞いた社長は、静かに佇むままだった。
やがて、歩み寄ってくるのを足音で感じる。
俺の近くまで来ると、かがみ込み、肩へと手を手を添えるのを感じた。
社長「比企谷くん、顔を上げてくれ」
省11
890: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:44 ID:9UPUoVTN0(27/49) AAS
本当であれば、何の説明もせずに懲戒免職にした方が世間への効果はある。
俺が無理矢理アイドルに手を出したと、そういった憶測が飛び交ってくれるから。
アイドルへの不信も、そうすれば多少は減るだろう。
だが、社長はそれでも俺の身を案じてくれた。
少しでも俺の身を守ろうと、今言った手段で手を打ってくれたのだ。
アイドルプロダクションの社長としては、甘い処置もいい所。
正式な社員でもない、俺なんかを心配してくれる。
省11
891: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:45 ID:9UPUoVTN0(28/49) AAS
*
薄暗い事務所内。
もう既に社員もアイドルたちも帰り、静けさが残るばかり。
ここに来る事も、もう二度と無いだろう。
今の内に私物は持って帰らないとな。
事務スペースへ行き、自分のデスクを見る。
省9
892: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:46 ID:9UPUoVTN0(29/49) AAS
改めてデスクを見る。
しかし私物と言っても、殆どが仕事関係の物ばかり。
持って帰るような物は僅かしか無かった。
八幡「筆記用具に、充電器、後は何があったか……」
と、そこで気配を感じる。
気付けば、彼女はそこにいた。
省9
893: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/08/09(土)02:47 ID:Fx7qvHyOo(1) AAS
本当に終わりが近づいてきたんだな…
894: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:48 ID:9UPUoVTN0(30/49) AAS
折角の申し出を、即答で拒否する。
それを聞いたちひろさんは大袈裟過ぎる程にショックを受け、項垂れる。
ちひろ「そ、そうですか。残念でs…」
八幡「ちひろさん」
俺は、不意に声をかける。
いや、気付いたら呼びかけていたと言った方が正しい。
省11
895: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:50 ID:9UPUoVTN0(31/49) AAS
ちひろ「……本当に、辞めちゃうんですね」
不意に、ちひろさんが呟いた。
それに対し、俺は一言だけ返す。
八幡「ええ」
俺のそんな憮然とした態度にちひろさんは苦笑すると、昔を懐かしむように話し出す。
省18
896: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:51 ID:9UPUoVTN0(32/49) AAS
ちひろ「え? は!? いや、その、ぅ……お、お世辞はいいですって!」
面白いくらいに顔を赤くして狼狽するちひろさん。
だがまぁ、実際事実だしなぁ。
八幡「俺が今までにお世辞言った事、ありました?」
ちひろ「うっ……そう言われると確かに…………あ、ありがとう、ございます……?」
省16
897: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:53 ID:9UPUoVTN0(33/49) AAS
その大きな声で、俺は思わず言葉を止める。
ちひろさんも立ち上がり、少し怒ったように言ってきた。
ちひろ「何なんですか比企谷くん。さっきからまるで今生の別れみたいに喋って!」
八幡「いや、もう辞めるから、最後にお礼を…」
省13
898: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:55 ID:9UPUoVTN0(34/49) AAS
ちひろ「お茶でもいいですし、大人になったら、お酒も酌み交わしましょう。……だから、これで最後だなんて言わないでください」
八幡「……はい」
お互い、顔は見えない。
だが、不思議とどんな顔をしているかは想像できた。
きっと、相手も。
省13
899: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)02:57 ID:9UPUoVTN0(35/49) AAS
会社を出ると、ひんやりとした風が頬を撫でる。
もう既に時間も遅く、辺りは暗かった。
まぁ電車には余裕で乗れる。特に急ぐ必要もない。
最後にシンデレラプロダクションを目に焼き付け、足を踏み出そうとーー
「ーーーープロデューサーっ!!」
省7
900: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)03:00 ID:9UPUoVTN0(36/49) AAS
八幡「……凛」
俺は、咄嗟に何も言う事が出来なかった。
こんな所を目撃されれば、またいらぬ誤解を招く。
早く立ち去らないといけない。
だが、足は動かない。
省11
901: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)03:02 ID:9UPUoVTN0(37/49) AAS
だが、凛の表情は読めない。
怒っているようで。
悲しんでるようで。
呆れているようで。
省11
902: ◆iX3BLKpVR6 [saga] 2014/08/09(土)03:04 ID:9UPUoVTN0(38/49) AAS
それでも食い下がる凛を、
俺は拒絶する。
八幡「だから、俺なんかはとっとと切り捨てて……お前はトップアイドルを目指せ」
凛「ーーッ」
省12
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