[過去ログ] 【仮面】オペラ座の怪人エロパロ第9幕【仮面】 (243レス)
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10: 4/9 2010/11/05(金)23:46 ID:8M4zNz5b(5/11) AAS
ふいに誰かが伸ばした腕を掴んだ。水底から引き上げられる。
目をあけると優しい兄の姿。肩越しに見えるのは月ではなく見慣れた天井。
「ここ、は?まだ水の中?苦しくて息が出来ない……?」
「おまえの部屋だよ」
兄が酷く心配そうにラウルを覗きこみ、哀れみを込めた調子で続ける。
「ラウル、頼むから目を覚ましてくれ。医者を呼ぼうか?」
兄はかねてから弟がおかしくなってしまったのではないかと思っていた。
もしそうだとしたら、何をしてでもそこから救ってやらなくてはとも。
「じゃ、あれは夢?」
「そうだよ。帰ってきてすぐにベッドに倒れ込んで、どうしたものかと思っていたら
省24
11: 5/9 2010/11/05(金)23:47 ID:8M4zNz5b(6/11) AAS



兄のフィリップと共にオペラ座にやってきたラウルは、ロビーで身なりのいい紳士に呼び止められた。
「お久しぶりです、シャニー伯爵。最近お見かけしないから心配していました」
「色々ありましてね」
「お察しします」
紳士がしきりにこちらを見てくる。
不躾な好奇に満ちた視線であったが、ラウルは気にも留めなかった。にこりと微笑で応じる。
そういうのは慣れっこだったし、どうでもいい人からどう思われていようと関係ない。
省21
12: 6/9 2010/11/05(金)23:47 ID:8M4zNz5b(7/11) AAS
のんびりとロビーを歩いていると激しく背中を叩かれた。
「痛っ」
「こんばんは、シャニー子爵」
振り返るとそこには〈ペルシャ人〉がいた。彼が叩いたらしい。「こんばんは」と軽く会釈する。
「今宵はチケットをありがとうございます。先ほど席を拝見させてもらったのですが、
とてもいい席ですね。今晩は楽しめそうだ」
「僕は支払いをしただけです」
「相変わらず都合のいい財布か。この分だと知らないうちにだいぶ払わされてるんだろうな」
「えっ」
ぼそりと呟いた〈ペルシャ人〉の言葉をうまく聞き取れず、ラウルは聞き返した。
省28
13: 7/9 2010/11/05(金)23:48 ID:8M4zNz5b(8/11) AAS
「誰がこんなことを。大体気づかずにニコニコしているおまえもおまえだ。
ラウルの鈍感さにはほとほと呆れるよ。もっとしっかりしてほしいものだ。
おまえにはシャニー家の男として、いや成人男性としての自覚が足りない!」
兄が何やら言っているがラウルの耳は都合よく全てを聞き流した。
「誰からだろう?」
封筒の中には一枚のカードが入っていた。几帳面そうな字が並んでいる。
数行を読んでラウルは頭が真っ白になった。
でも彼がいなくなればクリスティーヌは――そこまで考えて己の醜さに胸を掻き毟りたくなる。
「聞いているのか?」
「行かなくちゃ」
省31
14: 8/9 2010/11/05(金)23:50 ID:8M4zNz5b(9/11) AAS
「そのときね、ソレリさんが「私のことはお義姉様と呼んでくれて構わないのよ」って

「な、何の話だ」

「こっちが知りたいよ。どういう意味だろうね、兄さん?」
「……」
兄は答えなかった。答えられなかったという方が正しいかもしれない。
「あーそっかー!」
わざと甲高い声で叫ぶと周囲の人々が一斉にこちらを向いた。
目配せし合い、視線を逸らすが耳を大きくして様子を窺っている。
結論を述べる前に兄の大きな手がラウルの口を覆った。
省32
15: 9/9 2010/11/05(金)23:51 ID:8M4zNz5b(10/11) AAS
恋をしたら人は変わってしまうのかな?
変わらない人なんてどこにもいない。
愛しくて、苦しくて、恋は人を変える。
恋しくて、切なくて、恋は人を狂わせる。
全ては甘くつらい恋の魔法のせい。

「ソレリさんのことお義姉様って呼んでもいい?」
「駄目だ」
「今更照れることないのに」
きっぱりはっきり言われてラウルは正直面白くなかった。
せっかくからかうネタが出来たというのに、手放すのはもったいない。
省25
16: 2010/11/05(金)23:52 ID:8M4zNz5b(11/11) AAS
今回は以上です。
よかれと思って渡した手紙が更なる混乱と暴走を招くのであった。

新スレの一発目がエロ無しですみません。
とりあえず1回分。
即死回避は幾つでしたっけ?足りないようならストック分を纏めて投下します。
17: 2010/11/06(土)12:50 ID:ntbmqft3(1) AAS
>朝帰りする男は違う
おいwww
最初は兄ちゃんもまとも?だったのに
どんどんgdgdになってくなw

即死…、は、この板あるんだっけ?
18
(1): 2010/11/06(土)20:25 ID:MM8EJ98I(1) AAS
DLさせてもらいました
読み返すとお兄様は最初から相当キてるw
弟が台本から兄を抹殺しただけで
新たに一冊書き下ろして嫌がらせするレベルの高さw

即死は30までいけばおk
一週間に一度レスがあればおkと諸説あるみたい
あと先生の席奪ってすみませんでした
足置きになりますので存分に踏みつけてくださいませ
ロープは勘弁してください
19: O.G. 2010/11/06(土)23:31 ID:6qAsiCsR(1) AAS
>>18
そこまで言うのなら仕方がない。シャンデリアにしてやろう
20: 2010/11/08(月)19:18 ID:rDu+MuoS(1) AAS
>>6 GJGJ
いつの間にかファントムとラウルの友情物語に・・・
21: 1/12 2010/11/09(火)23:24 ID:ilYdDyVy(1/13) AAS
原作の皆さんが「新・オペラ座の怪人(仮)」を考えてみた。
クリスティーヌ編
・エロ無し
・キャラ崩壊
・ちょっとホラー
・でもオチるよ
・基本的にはギャグ

パパと一緒に歩いた道。小さなラウルと一緒に歩いた道。
けれど今はたった一人……。

私の目の前にはどこか遠くへ続く道があって、その道はどこへ続いていくのかわからない。
省29
22: 2/12 2010/11/09(火)23:25 ID:ilYdDyVy(2/13) AAS
「三人で一緒にはいられないの?」
それぞれの道にエリックとラウルが立っている。
私は分かれ道の真ん中にいて、二人のことを交互に見ている。
「私と彼は歩む道が違う」
「だから一緒に行けない」
「私達は離れ離れになってしまうの?そんなのいや」
お別れなんてしたくない。とめどなく溢れる涙を隠すように手で覆った。
そんな私に二人の優しげな声が降ってくる。
「私と共に来てくれるのならいつまでも一緒だ。月が照らす星空の道をどこまでも歩いて行ける」
「僕と一緒に行こうよ。大丈夫、何も怖くないよ。太陽が輝く青空の道まで連れて行ってあげる」
省25
23: 3/12 2010/11/09(火)23:26 ID:ilYdDyVy(3/13) AAS
「心が二つに裂けてしまうというのだね」
「ええそうよ、エリック。だからお願い、私にどちらかを選べだなんて言わないで」
「そっか。心が二つに分かれちゃったのに、体は一つだけじゃつらいよね?」
「ええそうね」
「そうだよね、苦しいよね」
ラウルがすうっと腕を伸ばし、宙を掴んだ。
するとそこにあるはずもない剣が現れて、彼は私に向けて構える。
「じゃ体も真っ二つにすれば問題ないね」
「!」
ど、どうしよう。ラウルがおかしくなっちゃった……!
省31
24: 4/12 2010/11/09(火)23:27 ID:ilYdDyVy(4/13) AAS
「クリスティーヌ!」
「うぅん……」
重たいまぶたをどうにかこじ開けるとメグがいた。蝋燭の頼りない火が彼女を照らしている。
周囲を見渡す。どうやらここはクリスティーヌとメグの寝室らしい。
「大丈夫?酷くうなされてたわ」
上半身を起こすとメグが抱きついてきた。不安だったのだろう。声を押し殺して泣いている。
夢だったのね。夢で良かった、目覚めて良かった。
けれど同時にちょっとだけ惜しいような気がした。

「体が冷たいわ。そんなに怖い夢だった?」
「エリックとラウルが私から離れていこうとする夢だったの。
省29
25: 5/12 2010/11/09(火)23:28 ID:ilYdDyVy(5/13) AAS



もう少しで本番。ちょっぴりどきどきする。
ええっと、ウォーミングアップをしないと。軽く歌って喉を慣らして……。
「クリスティーヌ!」
「ひゃあっ!!」
ラウルが突然部屋に飛び込んでくる。
夢のことが頭をよぎって血の気が失せた。私、真っ二つにされちゃう!
顔を真っ青にして唇を震わせているとラウルが首を傾げた。
省30
26: 6/12 2010/11/09(火)23:29 ID:ilYdDyVy(6/13) AAS
「まさかエリックがどこかへ行ってしまうってこと?ねえお願い、違うと言って!」
クリスティーヌは頭が真っ白になった。
どうにか否定してほしくてラウルに呼びかけるが彼は答えてくれなかった。
沈黙は肯定だと誰かが言っていた。ならこの沈黙もそうなの?
「ああ神様、どうしよう!どうしたらいいの!」
手にしたカードを破り捨ててしまいたかったけど、出来なかった。
もう一度、カードに目を通す。文字を上滑りするだけで内容がうまく入ってこない。
けれど先ほどと内容が全く変わらないということだけで十分だった。
クリスティーヌは部屋の中を当てもなく歩き回り、鏡台の前に力無く座った。
「クリスティーヌ」
省25
27: 7/12 2010/11/09(火)23:30 ID:ilYdDyVy(7/13) AAS
こちらが酷く怯えていることに気づいたのか、ラウルが後退りした。
やがて踵を返し、ドアノブに手を掛ける。
「さよならお嬢さん」
「何を言っているの?」
「もう君達の邪魔をしたりしないよ。二度と会うこともないだろう。
お邪魔虫は南極大陸か、北極大陸か、どこか遠いところに消え去るってことさ!」
「ラウル……」
クリスティーヌは違和感を覚えたが、それが何かわからなかった。
ツッコミ役がいれば「北極大陸なんてねーよw」と指摘したかもしれないが、
天然ボケなクリスティーヌには無理な相談だった。
省34
28: 8/12 2010/11/09(火)23:31 ID:ilYdDyVy(8/13) AAS
クリスティーヌは身を引き離した。ラウルの背中が涙と落ちた化粧で汚れている。
慌てて衣装の袖口で拭うが、綺麗になりそうになかった。
「どうかした?」
「ううんなんでもないの。それにね、あなたも私と同じ。エリックのことが好きなはずよ」
「は?いや、でも彼は僕を嫌っているよ」
よもやこちらに話が振られるとは思いもしなかったらしくラウルの声が不自然に裏返った。
そんなに動揺するってことは肯定したのも同じ。クリスティーヌは笑いを堪える。
「私はあなたの気持ちを訊いているの」
「嫌われてる相手を好きになんてなれないよ」
「ラウル、あなたは自分が嫌われていると思ってるの?」
省27
29: 9/12 2010/11/09(火)23:31 ID:ilYdDyVy(9/13) AAS
ラウルは視線を揺らし、動揺を隠すように袖口をギュッと握りしめた。
そして口角を持ち上げて笑顔を作る。
「届いてるよ」
それが嘘だと、作り笑いだとクリスティーヌはすぐにわかった。
「あなたはそうやってにこにこ笑っていれば全てが済むと思ってる。でもそれは違うわ。
あなたは私にも自分を偽るつもり?ほら笑顔が引き攣ってる。本当はわかっているはずなのに!」
「!」
張り付いた笑顔が剥がれ落ちた。
とめどなく溢れる感情を処理しきれずに頬を引き攣らせている。
「心を開いて、本当のあなたで接すれば、きっとわかりあえるはずよ」
省26
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