[過去ログ] 嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 43も古参も (1001レス)
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363: 2007/11/26(月) 22:01:26 ID:JWc/FKoC(19/22)調 AAS
>>cVRMvURE
誰だ、お前は?
何だ、知らないうちに流していたよ
364: 2007/11/26(月) 22:03:09 ID:PwMKh3cp(1)調 AAS
いやしかし俺様氏が来るとホントにスレが伸びるなwwwwww
このスレも前スレみたく埋まってくのか……
365: 2007/11/26(月) 22:03:14 ID:haldT8B8(2/2)調 AAS
>>361
何故批評がルール違反なのかという考えれば
批評的な感想も同じ理由でしてはいけないというのは分かりそうなものだが。
こういう屁理屈でルール違反を開き直ってする輩がいるなら
否定的な感想もしてはいけないとテンプレにしたほうが良いかもね。
366(1): 2007/11/26(月) 22:03:15 ID:t54RIMQp(1)調 AAS
>>361
作品を素直に楽しもうとは思わないの?
粗探しばっかしてもつまらないだろうに。
367: 2007/11/26(月) 22:04:11 ID:SIrG+Dn1(21/26)調 AAS
屁理屈こねてはぐらかして、立派な20歳以上ですこと。
皮肉です。通じないのは馬鹿だけです。
368(1): 2007/11/26(月) 22:04:33 ID:vQp63Exc(2/2)調 AAS
投稿以外禁止にしてまえ
369: 2007/11/26(月) 22:05:35 ID:cVRMvURE(6/8)調 AAS
ひどいよ。傷つくような言い方しないでよ。何でそんな言い方するの。意味がわからないよ。荒らしじゃないんでしょ。なんで。もっと言い方あるでしょ。最低限のマナーがあるでしょ。なんで。もっと寛大な心を持ってよ。何でなの。ねえ。何で。
370: 2007/11/26(月) 22:05:52 ID:JWc/FKoC(20/22)調 AAS
>>366
本当にそう思う
心から楽しめるSSの投下をひたすら待つよ
外野さえやかましく言わなきゃ、俺様だって黙ってるんだけどな
371: 2007/11/26(月) 22:06:33 ID:FuJJn5zt(1)調 AA×
![](/aas/eroparo_1195559243_371_EFEFEF_000000_240.gif)
372: 2007/11/26(月) 22:06:55 ID:SIrG+Dn1(22/26)調 AAS
>>368
なんだかんだでそれが一番いい気もする。極端すぎるけど。
批評くんは結局
「俺が嫌いな作品がGJ!とか乙!とか言われまくってる!こんな世界は間違ってる!修正してやる!」
が行動原理なわけだし。あほらし。
373(1): 2007/11/26(月) 22:11:34 ID:JWc/FKoC(21/22)調 AAS
41 :名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 21:11:32 ID:SRSqFTxA
真性キチガイっぷりがヤバイ。
アナタ何様ですか? 俺様? 小学生ですか?
批評家きどりで気持ち悪い長文をうだうだとよく書けるな。
キチガイだからしょうがないのか?
その通り
王様が裸だって口にするのは、いつだって子供の役目だから
374(1): 2007/11/26(月) 22:13:15 ID:gBZi8gAG(1/2)調 AAS
投稿以外禁止にしても無駄かもね。
この荒らしはそもそもルールを守る気が無いんだから。
もうこのスレはダメだろうな。
ルールを守れと言っても聞かないし、これからも粘着し続ける気らしいし。
冬の星空が好きみたいな事を言ってるが
実際には自分が原因で冬の星空が投下されなくなっても屁とも思わないだろう。
スルーにも限度があるし、こういう粘着質の高い荒らしに張り付かれたら
アク禁以外スレを守る方法は無いよ。
こんな調子で評論家ごっこされたら、誰も投下なんてしなくなるだろう。
もうしばらく嫉妬スレは諦めて
新スレは、ほとぼりが冷めるのを待ったほうが良い。
このスレの残りは俺様クンをおちょくって遊んで埋める方針にすれば?
375: 2007/11/26(月) 22:13:15 ID:5vteHpLf(1)調 AAS
侮辱ありきで読むのならそれでもいいが
感想を読んで不快になる人間がいるんだからトリップつけような
後、見たくない文字列があるならNG指定しような、お互いに。悪い事いわんから
376: 2007/11/26(月) 22:13:53 ID:SIrG+Dn1(23/26)調 AAS
>>373
子供に言われない限りは王様は自分が陰で笑われてると気付きもしませんけどね。
377: 2007/11/26(月) 22:15:22 ID:SIrG+Dn1(24/26)調 AAS
あ、この場合批評くんが子供ってことなのか。参った。
378(1): 2007/11/26(月) 22:16:49 ID:JWc/FKoC(22/22)調 AAS
>>374
空回りして惨めな思いをするのは君たちだが?
当方は会ったこともなければ今後も会う予定のない人物に、
回線を通じておちょくられても、一向に腹は立たないんだから。
せいぜいレスの無駄遣いをしてくれたまえ。
では、ごきげんよう。
379: 2007/11/26(月) 22:20:48 ID:53ZdpKWq(1)調 AAS
おーい、赤ID自重しろよ
380: 2007/11/26(月) 22:21:48 ID:SIrG+Dn1(25/26)調 AAS
>>378
今日一回で完全証明できたことは大きい。
批評くんは荒らし目的でスレに感想(笑)を投下していること。
批評くんは相手にしてもらえると嬉しいということ。
そのくせ外野がやかましいから黙っていられないと嘯いていること。
381: 2007/11/26(月) 22:24:12 ID:cVRMvURE(7/8)調 AAS
何で無視するの。反応してよ。何で。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。
反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。
反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。反応してよ。
382: 2007/11/26(月) 22:24:16 ID:RHtAoZoo(1)調 AAS
まぁ結局投下以外の長文はやめてくれに尽きるわな
383: 2007/11/26(月) 22:24:46 ID:gBZi8gAG(2/2)調 AAS
おちょくられてって言葉に反応して顔真っ赤だなwwwww
こんな言葉一つでそんなに怒るなよ。
これだから子供はからかい甲斐があるなぁw
384: 2007/11/26(月) 22:30:54 ID:cVRMvURE(8/8)調 AAS
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。俺様さんが反応してくれない。
385: 山埼渉 2007/11/26(月) 22:31:09 ID:SIrG+Dn1(26/26)調 AA×
![](/aas/eroparo_1195559243_385_EFEFEF_000000_240.gif)
386: 2007/11/26(月) 22:38:53 ID:eYhb8Oas(1)調 AAS
スレオワタ\(^o^)/
387(1): 2007/11/26(月) 22:41:07 ID:1Y8zWN5t(2/2)調 AAS
こんなときの為の避難所だろ。有効活用しよう
388: 2007/11/26(月) 22:47:33 ID:2vAhrsDI(2/2)調 AAS
ID:JWc/FKoC
ID:SIrG+Dn1
ID:cVRMvURE
みんなNGにしたらすっきりした
389(1): 2007/11/26(月) 22:51:59 ID:mKcMK3LS(1)調 AAS
避難所に投下しても読んでもらえないからな あそこって空気もなんか嫌だし なんていうかこことは世界がちがうって感じ
390: 2007/11/26(月) 22:58:12 ID:VOJExO/d(1)調 AAS
いやーひどいスレになったもんだ。今じゃエロパロ屈指の糞スレだな
391: 2007/11/26(月) 23:12:26 ID:Rlr30YBN(1)調 AAS
俺様(恥)くん、まだいたのwwww?
392: 2007/11/26(月) 23:20:54 ID:+LfyVl70(1)調 AAS
もっと批評しろクズどもー(^0^)/
393: 2007/11/26(月) 23:26:42 ID:nBIUzrXn(1)調 AAS
>>389
印象操作乙
394(1): 2007/11/26(月) 23:41:23 ID:bi7ww6P2(2/2)調 AAS
>>387
俺の携帯書き込めない。
涙目、つーか泣いてる。
395(1): 2007/11/26(月) 23:41:48 ID:cx9qCyXg(1)調 AAS
批評くんには一度IDそのままで一本投下してもらいたいな。
これだけ他人の作品を批評しておいて、自分の作品を批評されるのが怖いなんて情けない事は言わないだろうし、
投下しないで、怖気づいてまたID変えるなんてしたら惨めな姿を晒すだけだからさ。
笑ったりしないから。
勇気を出して一本投下してみてくれないか?
396: 2007/11/26(月) 23:46:46 ID:+9uO1v35(2/2)調 AAS
>>395
それは興味あるな。
別にここじゃなくて避難所でもいいから自分の作品をお披露目してほしい
397(1): 2007/11/27(火) 00:05:32 ID:5TI6g5rx(1)調 AAS
今俺たちがすべき事はただ口をつぐみ、裸になって投下を待ち続けることだと思う
まあ、いちいちこんな事書いてる時点で俺も荒らしと同類かもな
398: 2007/11/27(火) 00:08:29 ID:nArd9+hs(1)調 AAS
いい加減荒らしに耐性をつけてほしいな。
それに、荒らしを叩いても貴方達の自己満足にしかならない事にも気付いてほしい。
学ぶ気があるなら幾つかの荒れ切ったスレを観てくれ。
それでも理解できないなら聞いてくれ。
その頃には自分が何をわかっていないのかくらいはわかっていると思うから。
399: 2007/11/27(火) 00:10:56 ID:/Y9YaCcL(1/2)調 AAS
ていうか明らかに反応してる人はもう荒らしだよ
400: ◆tVzTTTyvm. 2007/11/27(火) 00:22:27 ID:ETHyXOGB(1/3)調 AAS
皆殺し(37.5ロシ)スレに投下したヤツの続き投下します 短いですが
この投下が他の作者さん達への呼び水になる事を祈って
401(3): I wish I could... ◆tVzTTTyvm. 2007/11/27(火) 00:23:54 ID:ETHyXOGB(2/3)調 AAS
「ねぇトキちゃん。 あの時の言葉、信じていいんだよね?」
――あの時の言葉。 それは二人が再会した時に遡る。
「トキちゃん……?」
「え? も、若しかしてキミ、レンちゃん?」
それは幼い頃親の転勤で別れて以来10年ぶりの再会。 だが二人共一目でわかった。
期せずして再会した幼馴染同士。 そして初恋の相手。
それは凍祈緒にとってそうだったのは先に述べたが、それだけではなく――。
「でも本当に嬉しい。 ちっちゃい頃お別れしたっきりだったんだもの」
「うん。 俺もまた逢えて物凄く嬉しいよ」
「お別れしたとき物凄く寂しかったわ……。 あのね、あの時言えなかった言葉があるの。
それでね、また会う事が出来たら絶対言おうって決めてたの」
そう言うと憐花は目を瞑り一つ深呼吸をし、そして目を開けると意を決し言葉を紡ぎだす。
「トキちゃんの事ちっちゃい時からずっとずっと大好きでした。 だから私と付き合ってください」
そう。 憐花にとってもまた凍祈緒は初恋の相手だったのだ。
「レンちゃん……。 俺も……大好きだよ」
そして返ってきた凍祈緒の答え。 それは憐花にとって望んでた答え。
其の答えに憐花の胸のうちは喜びで満たされていく。
だが次の瞬間気付く。 凍祈緒の表情が重たい事に。
それが何を意味するのか、憐花は一つの推論が浮かぶ。
まさかと思いつつも恐る恐る憐花は口を開く。
「若しかして……トキちゃん、付き合ってるコがいるの?」
答えは無い。 だがより重さを増した表情、更に俯いた顔が物語る。
其の問いに対する答えを。
「そっか……、そうだよね。 トキちゃんだって年頃の男の子だもんね。
それにおっきくなって昔よりもカッコ良くなって……、彼女がいたっておかしくないよね……」
そして「ごめんね……」と呟き瞳から涙を溢れさせ背を向け走り去ろうとする。
「待ってレンちゃん!」
凍祈緒はそんな憐花の手を掴み呼び止める。
「別……れるから。 今付き合ってるコとは別れるから! だから俺付き合うよ!
恋人同士になろうよ!」
其の言葉に憐花は驚き目を見開く。
「え……そ、そんなの……そんなの駄目だよ……。 その彼女さんに悪いよ……」
「でも……、でも! 折角レンちゃんと再会できたんだもん! だから……だから……」
言いながら凍祈緒の瞳からも涙が溢れ始めていた。
「信じて……いいの?」
其の表情に凍祈緒の本気を感じ取ったのか恐る恐る憐花は問い返す。
「うん! 勿論だよ! だから……だから別かれたら付き合ってくれる?!
その……直ぐには無理だけど、でも……!」
「わかったわ。 トキちゃんがそこまで言うのなら、私信じるわ」
憐花は凍祈緒の言葉を遮るように口を開き微笑んだ。
「あ、ありがとう! ただ、さっきも言ったけど別れるまで其の、少し待って欲しいんだ。
いや、待って欲しいというかその、なるべく傷つけずに別れたいんだ。
コッチの都合で別れを切り出すわけだから。 こんなの責任逃れや偽善かもしれないけど……」
「うん、別った。 トキちゃんの其の言葉。 私信じて待つから」
To be continued....
402(9): 2007/11/27(火) 00:26:10 ID:ETHyXOGB(3/3)調 AAS
年内中に1/8と白き牙の続きも投下できるよう頑張ります
403: 2007/11/27(火) 00:28:00 ID:C5jJw/0J(1)調 AAS
>>>402
GJ!
あんたの勇気に敬服するぜ。
404: 2007/11/27(火) 00:39:48 ID:hM8hQ68V(1/2)調 AAS
>>402
1/8を全裸で待ってますw
405: 2007/11/27(火) 00:51:42 ID:rT+2h0Mo(1)調 AAS
好きなジャンルのSSくらい楽しく読みたいもんだ
406: 2007/11/27(火) 01:12:51 ID:7rBlEr8i(1)調 AAS
んだんだ
平和が一番
407: 2007/11/27(火) 01:22:40 ID:meoa7RnJ(1/2)調 AAS
>>401
なんか、もうね……あの時言えなくて、また会う事が出来たら絶対言おうって決めてた言葉なら、
どうして今、一から紡ぎださなきゃならないの?
もう言うべき言葉は決まってたんじゃないの?
それに、相変わらずというか、この作者はどうして倒置表現ばかり使いたがるんだろうか。
そういうのは、ここぞって時に使ってこそ効果的なんだろに。
「憐花は一つの推論が浮かぶ」こういうダブル主語も書き手の個性ね。分かってますよ。
「別……れるから」は読みに直すと「わか……れるから」か。
ずいぶん変なところで切るんだね、別に書き手と登場人物の勝手だけどね。
どうでもいいけど、自分でスレ違いと分かってる作品を投下するのは如何なもんかな?
またここを荒そうって魂胆なら別だけど、黙って投下した方がよかったね。
変に先入観を持たずに読みたかったよ。
408(1): 2007/11/27(火) 01:27:10 ID:piKsO/Lp(1)調 AAS
>>402
お疲れ様です
年末は大変だろうし、無理せず自分のペースで投下してください
409: 2007/11/27(火) 01:28:30 ID:7/DqU8So(1)調 AAS
>>402
GJ!
1/8好きな人多いな。俺も全裸で待つ組だw
410: 2007/11/27(火) 01:36:11 ID:aQzjvlBB(1)調 AAS
>>408
GJ
投下してくれてうれしい限り
期待して待ってます
411: 2007/11/27(火) 01:39:08 ID:meoa7RnJ(2/2)調 AAS
>>401
やっぱり止めときゃよかった。
なんか君の作品に真剣な感想つけるのは、弱いものイジメしてるみたいで
後ろめたい一種の罪悪感が付きまとうよ。
書いてしまったものはもう取り消せないが、よかったら忘れてくれないか。
いや、本当にすまなかった。
412: 2007/11/27(火) 01:41:49 ID:RHAiFP6E(1)調 AAS
>>402
乙です。続きが楽しみだ。
憐花がこれからどうなるのかwktk
413: 2007/11/27(火) 01:44:18 ID:/fh3U97P(1)調 AAS
やっぱりSSスレはSSが何よりの清涼剤だな。
作者さん乙です。
414: 2007/11/27(火) 01:45:18 ID:aG2ZwS+O(1)調 AAS
>>401
癒されるなGJ
やはり、嫉妬修羅場は癒されるぜ
415: 2007/11/27(火) 02:13:56 ID:qiQROaaS(1)調 AAS
>>402
GJ
あっさり振られた彼女が気になる。
416: 2007/11/27(火) 02:25:55 ID:U0IjNHUH(1/15)調 AAS
tesu
417(1): 2007/11/27(火) 02:34:05 ID:DtHgOrAZ(1)調 AAS
>>402おまいさんの勇気に乾杯ww
418: 2007/11/27(火) 04:43:00 ID:PZPMs4am(1)調 AAS
>>417禿げ胴
419: 2007/11/27(火) 05:51:13 ID:CHFqbg+H(1)調 AAS
nice brave
420: 2007/11/27(火) 07:44:19 ID:gv73MIru(1/2)調 AAS
>>402
ナイス投下!
トキちゃんいきなり乗り換え宣言w
今後の動向に目が離せないぜ
421: 2007/11/27(火) 07:46:01 ID:gv73MIru(2/2)調 AAS
sage忘れ・・・申し訳ない
422: 2007/11/27(火) 15:06:37 ID:StIQ/N+N(1)調 AAS
>>402あなたこそ神だ。GJ!!!
423(1): 2007/11/27(火) 16:40:41 ID:U0IjNHUH(2/15)調 AAS
親の顔は知らない。生まれてすぐ捨てられたからだ。
青空が見える路地を寝床にして私の心は次第に汚れていく。
心地よく胸の奥底に濁った物が溜まるのを感じ始めた頃、私は病気に伏せって路上で倒れた。
誰も助けない見て見ぬふり、人間はやっぱり一番自分が可愛いんだなと思った時一人の男の子に手を差しのべられた。
「僕の所に来ませんか?」
どこかのお坊ちゃんだと一目で分かる身なりをしたソイツの言葉を聞いて私は言い知れぬ怒りを感じた。
(あぁコイツは今、私を哀れだと思っているんだな…)
そう思った。私はソイツの掌に唾を吐きかけて言った。
「偽善者」
どう見ても貴族の輩だ。今ここで殺されても文句の言えない行為をした。
でも別に焦りとか後悔とかは感じなかった。
思えば死にたかったんだと思う。生きていてもしかたがない人生に疲れたんだろう。
でもソイツは腰にかけた剣の柄に手を触れさえしなかった。
「偽善者でもいいです。貴方を助けれるなら」
「なっ!?」
お姫様だっこで無理やり連れて行かれた私は、男の子の紹介で病院に連れて行かれた。病気は重病だったらしく入院をよぎなくされた。
お金が無い私はすぐに病院を出ようとしたが医師に止められ、男の子の家が全額支払うことになっていたことを聞かされた。
しばらくしてやってきた男の子は無理やり病院に連れて来たことを詫びて再度聞いてきた。
「僕の所へ来ませんか?」
と、別に元の生活に戻ってもらってもいいと言われたが、無理矢理にしろ命を救ってもらったことの恩もあって断れなかった。
そのことを皮肉めいて言ってやったら「偽善者ですから」と返されて、つい私は笑ってしまった。
男の子との交渉は成立して、男の子の屋敷のメイドとして働くことになった。
後で聞いた話だが、男の子は私より一歳年下だったらしい。
メイドの仕事にも慣れ始めた頃、貴族の男の子改めてティークの父親が私の元へやってきた。
424: 2007/11/27(火) 16:41:13 ID:U0IjNHUH(3/15)調 AA×
![](/aas/eroparo_1195559243_424_EFEFEF_000000_240.gif)
425: 2007/11/27(火) 16:41:52 ID:U0IjNHUH(4/15)調 AAS
その言葉を聞いて私は自分の本当の気持ちに気づいた。
自分はティークのことを弟として好きだと思っていた。違っていた。本当はティークを一人の男性として好きだったんだ。
じゃないとこんな苦しくて、気持ち悪くて、醜くて、汚い気持ちになんかならないはずなんだから。
「叶うと…いいですね…」
震えそうそうな声を必死で抑えて私は言った。
「もちろん…!」
酒の勢いもあってか意気揚揚と拳を握り締めてティークは答えた。
それから私とティークの間に微妙なぎこちなさを残して一年の月日が流れた。
「どうかなゼンメイ、服…変になってないかな」
客室の鏡の前で自分の尻尾を追い回す犬のようにクルクル回るティーク。
ティークと私はティークの想い人が居る隣国へと足を伸ばし、ついさっき王様への謁見を済ました所だった。
名門中の名門の出身にしてその身分の驕れることなく精進してきたティークの噂は小国の王も耳にしたことがある上、過去にも面識があったため姫との縁談の件はトントン拍子に進んだ。
すぐに姫との面談が決まり、今に至る。
「若…少し落ち着いたらどうですか」
「お、俺は落ち着いてる…ぞ?」
「なら聞かないでくださいよ…」
一人称も変わり(ティーク僕は男らしくないと言って無理矢理変えた)昔の面影を残しつつも青年へと成長したティークはそういうと椅子に座るとまたソワソワとし始める。
それが一人の女性に向けられた態度だと思うと、私の胸はミシミシと音をたてて軋んだ。
「やっぱり、嬉しいですか? 姫に会うのは」
私の心境のことなど当然知らないティークに自分の胸の声を遠回しに吐き出す。
「当然だよ。もう何年ぶりだろうか、…早く会いたい」
涙が出そうになる。訓練校で心身ともに鍛えたはずなのに、胸の底はグシャグシャになりその場から去りたくなる。
私にとってティークは大切な存在だ。ティークだってそうだと思いたい。
でも、それは一つの見解で大きく意味が異なっているんだろう。そう思うとまた辛くなる。
<ガチャリ>
426: 2007/11/27(火) 16:42:34 ID:U0IjNHUH(5/15)調 AAS
そんなことを延々と考えていると扉が開かれた。
男装をした女性が開けた扉の奥から、控え目なドレスを身にまとった少女が現れる。
一瞬その女性と目が合うがすぐに目を逸らされティークの向かいに座る。その椅子の後ろにさっきの男装をした女性が立つ。
「…久しぶり、スラル」
向こうからは切り出さず、しばしの沈黙の後ティークが切り出した。
スラルと呼ばれた少女は無表情に首を振る。
反応の薄さにティークは困りつつも次の言葉を懸命に探す。
「スラルの皆が笑える幸せな国を作れるよう今まで努力してきた。きっと作って見せる。だから、結婚してください」
今日まで深夜こっそりと練習してきた甲斐があったせいなのか、なにか色々なことを無視していきなりの本題を噛まずにはっきりとした口調でティークは言った。
言った後に次第に赤くなる顔に気づいたのかティークは視線を落とす。
その時のスラル姫の反応を見たとき、私は彼女の心境を悟った。
「……サ……ア」
誰にも聞こえないような小さな声で、眉を落として彼女は誰かの名前を呼んだ。
スラル姫にも想い人は居たのだろう。それは確実にティークでは無く別の誰かで、でも私が言える立場でもなくティークが顔を上げる頃には元の無表情に戻っていた。
「ティーク、あなたと…結婚…します」
スラル姫が噛み出すように一言一言言葉を紡ぎ、紡ぎ終わった後ティークの表情は今までに見たことの無い歓喜の表情をしていた。
緊張していたティークにスラル姫の声からわかる心境など分かるはずもなくその日の面談はそれだけで終わった。
長男であるが故にティーク家に猛反対を受けたが、スラル姫の父・国王とティーク自身たっての希望でティークはスラル姫と婿養子として結ばれることになった。
「夢じゃなよな!? な!?」
「夢だと思った時は頬を抓ると分かりますよ」
「いだだだ! もう抓ってるから! 痛いから止めてくれ!」
「……もう寝てくださいね。明日も国王と謁見するんですから」
「そうだな、じゃあもう寝るよ。おやすみ、姉さん」
「おやすみなさい」
側近としてティークの護衛を務める私は部屋から出て扉のすぐ近くの壁へ背を預ける。
男装の女性は相当腕が立つなとか、スラル姫のことを考えているとふと目の端に何かが写った。
427: 2007/11/27(火) 16:43:14 ID:U0IjNHUH(6/15)調 AAS
「あれは…」
窓の向こうに見えたそれは月夜に照らされて真白に光るカーテンの束だった。
いくつも紡ぎあわされてロープのように地面へと落ちたそれを伝って降りていくのは、スラル姫だった。
そんなことをしてどこへ行くのだろう。そんなの簡単だ。想い人の所へ決まっている。
「若…すいません」
そう言い残して私はスラル姫の元へと向かった。
ばれない様に建物を影にしてスラル姫を尾行し、着いた先は城下町にある一つの宿だった。
ちょうど宿の窓全てが見える向いの宿の主人に金を握らせてその場を観測する。
運よく開いていた窓の中にスラル姫を見つける。
泣いていた。一人の男に抱きつき泣いていた。男は姫が泣きやむまで抱きしめると、淡くキスをして姫をその場から追い出した。
その後トボトボと歩いて帰る姫を尾行して自分も城へと戻った。
それから十日後、盛大にティークとスラル姫の結婚式が行われた。
「君を幸せには出来ないかもしれない。でも、君を絶対に不幸にはさせない」
式を締めるキスの時に姫の無表情の中に何かを見たティークが弱気になっていった言葉だ。
家とのイザコザも解消して、先代から国王の仕事について詳しく聞いていたティークがその報告を受けたのは結婚式から僅か十日のことだった。
「スラル姫が失踪しました」
一人の家臣が言った言葉の大きさにティークは受け止めきれず聞き返した。そして同じ答えが返ってきた。
「自分に不満があったんだ」
言葉を掛けた私にティークは言った。
「―――きっと帰って来てくれる。あの結婚式に言った言葉は男らしくなかったんだ。今度はスラルを幸せにする努力をしてみせる」
まるで取り憑かれたように執務に没頭するティークに心配して再度声をかけたが、目の下にクマを溜めた笑顔でそう言われた。
そして心身共にティークが衰弱したのを見計らったようにあの男装の女が動き始めた。
「王、少しお休みになられた方がいい」
「いや、しかし…」
「適度な睡眠を取らなければ健康を害します。謁見もそのようなお顔では民にいらぬ誤解を招いてしまう」
428: 2007/11/27(火) 16:44:02 ID:U0IjNHUH(7/15)調 AAS
「スラルのことは民には知られていない。しかもまだ仕事は山ほど残っている」
「…貴方がどれだけ仕事を前倒しでしているか私が知らないとでも思っているのですか。
スケジュールを調節すれば数回の謁見を除いて一か月は仕事をしなくていいと聞きましたよ」
「…いいじゃないか、仕事を早く終わらせるのに越したことはない」
「強情ですね…」
「うわっ!? お、降ろせホーネット!?」
「無理矢理ですが寝室に運ばさせていただきます」
私が見ている目の前で、遠征から帰ってきたホーネットと呼ばれた男装の女性はティークを抱き上げた。
この男女の名前は本当に今知った。知る機会がなければ知る意味もない上に知りたくもなかった。
「ホーネット様。王は私が寝室に連れて行きますので、王自身も嫌がっていることですし」
「姉さ…ゼンメイは俺の側近のメイドだ。俺のことは彼女が一番よく知っている。だ、だから降ろしてくれっ!」」
「……そうですか。でも抱き上げついでに寝室に運んでしまいます。私が去った後このメイドは情で動いて貴方の身勝手を許してしまうかもしれないですし」
「なっ!? 私はそんなことっ」
「なら、なぜ王はこんなに衰弱しているのだろうな? お前がしっかりしていればここまでならなかったはずだ」
反論できなかった。ホーネットが言ってたことは八割がた当たっていたし、現にティークが弱っているのは体調管理が出来なかった私のせいだ。
ホーネットの見下すような言葉に耐えて私はホーネットとティークの後ろをついて歩くことにした。
「…屈辱だ」
逆お姫様抱っこで廊下を渡っていれば当然多数のメイドや臣下、客人にまで見られることになりティークは真赤に赤面する。
「罰です。今度このようなことがあれば再度この罰を受けることになりますよ」
「うぅ…」
さらに赤みが増す屈辱の表情に私は悪いと思いながらもそれにときめいてしまう。あぁ、こんなティークもありだな、と。
王の寝室に着くとホーネットはティークの着替えや寝るまでの世話、私の仕事を全て奪いティークをベッドに横にさせた。
「もう嫌だ…死にたい…」
429: 2007/11/27(火) 16:44:49 ID:U0IjNHUH(8/15)調 AAS
「王は恥ずかしがり屋だ」
「誰の性だと思っているんだ」
「さて…誰でしょうか。私には皆目見当もつきません」
「もういい! 寝るぞ! 寝てやる。爆睡してやる!」
「ははは、お休みなさい。明日は執務室は封鎖しておきますのでそれでは…」
「んなっ!? 王が怠け者になってもいいのか!」
「貴方なら大丈夫ですよ。あ、それと…」
「な、なん―――」
<チュ…>
不意をついてホーネットがティークにキスをした。触れるか触れない程度のものだったが真直でそれを見た私には耐えられるものではなかった。
「ホーネット様っ!!」
「よく眠れる御まじないです。それでは改めてお休みなさい」
ホーネットが背を向けた瞬間、ティークには見えないように私に向けてホーネットは見下すような目つきをして出て行った。
ティークは唇に指を触れて呆然としている。
「若…お気になさらず、ただのお戯れですよ」
「そう…だな、そうだよな、うん。…よし! 姉さん執務室から書類を持ってきてくれ、ここで仕事するぞ」
「いいえ、もうせっかくですから寝てください」
「姉さんだけは俺の味方だと思っていたのに…」
ティークの表情に思わず揺らいでしまうがここで押し負ければホーネットに何か言われてしまう。
「駄目です。寝てください」
「…わかったよ」
430: 2007/11/27(火) 16:45:29 ID:U0IjNHUH(9/15)調 AAS
「………」
「本当に寝るから無言で隣に佇まないでくれ!」
ティークに背を押されて部屋を追い出される。そして部屋の前でまつこと数分、扉の隙間から洩れる光が消える。
しばらくご無沙汰だった寝室前での護衛のため私はそのまま壁に背中を預けた。
話は若干変わるがティークは姫が失踪してからあまり寝たがらなくなった。
それには訳がある。時計が無いのでわからないが、ティークが寝てから二時間ぐらいが立とうとしていた時、それは起こった。
「ゼンメイ様、ここは私達が見張りますからゼンメイ様もお休みになられては…」
扉の両隣に控えていた兵士が沈黙に耐えきれず心配して私に話しかけてくる。
「これが私の仕事の内でもありますし、気持ちだけ受け取っておきます」
「そうですか、ではせめてそこの椅子に座って頂けないでしょうか。失言ですがその…気が逸れますので」
「…わかりました」
兵士の勧めを受けて、廊下の装飾にと置かれている椅子に私は腰を落ち着かせた。
兵士が全く頼りにならないというわけではないが、やはり自分もやっていたほうが安心感が増す。
そしてまた夜の静けさに加えて物音一つ無い沈黙、しかしすぐにそれはティークの絶叫によって打ち破られた。
「ああああああああぁぁぁぁぁああああぁあぁぁああぁあぁっあああぁ!!!!!!」
耳を劈くティークの絶叫に兵士達は耳を塞ぐ。
これが初めてでは無いわけだがこの兵士達は初めてだったのだろう。慌てて部屋に入ろうとする兵士を静止して、すぐに私は部屋の中に入りティークのの様子を確認した。
「××××××××××××××××××××××××!!!」
切り裂くような鋭利な絶叫、部屋の輪郭をも歪ませれそうなほどの既に言語化できない声が部屋中に響き渡る。
その声の震源には目に混濁を浮かべて顔面を両手で抑えるティークが居た。
「若…!」
ティークのベッドに寄り乗り私はティークを抱きしめた。
反応して狂乱的に暴れたティークだったが、しばらくして探るように私の背中に手をまわす。
「痛っ…!」
背中にティークの爪が突き刺さるほど力強く抱きしめられる。
431: 2007/11/27(火) 16:46:17 ID:U0IjNHUH(10/15)調 AAS
「大丈夫…大丈夫だから…」
子供をあやす様に背中を擦りながら何度も何度もティークの耳元で囁く。
「ス、ラル…」
枯れてガラガラになった声でティークが呟く。
「スラルは…俺のこと、ぎらいなのか…?」
「そんなことないですよ」
「な、ら…なんで…いなぐ…なっ、たんだ」
「……」
言葉に詰まる。真実を知っている私はどう言ったものかと考える。
「…ごめん。もう大丈夫…だから」
最善な答えが浮かばない内にティークが離れる。
目は血走り、涙と鼻水がとめどなくながれるそれは王の威厳などあったものではなかった。
「水もってきましょうか?」
「…頼む」
姫の失踪から何度もこのティークの症状は起こっていた。
お抱えの医者は姫が戻ってくれば止むといったが、そんなことがすぐできれば苦労はしない。
ティーク自身は夢にスラル姫が出てきて、姫の身に散々なことが起きて自分の元から去っていくのを見るといっていた。あながち嘘でもない。
「王…大丈夫ですか」
騒ぎを聞きつけてホーネットがやってきた。
「このことを知っていれば無理に言わなかったのに…、私はなんて軽率なことを」
「ホーネットのせいじゃない。言わなかった自分も悪かったし、心配してくれたホーネットの気持ちは素直に嬉しい」
「王…」
432: 2007/11/27(火) 16:46:59 ID:U0IjNHUH(11/15)調 AAS
「発作は一回だけだから、もう一回寝たら普通に眠れる」
「…それでは私が隣ついておきます」
「いいよ別に、ゼンメイも居るし」
「させてください。王が許しても私が自身を許せない」
「う…わかったよ。好きにしてくれ」
「はい…!」
蝋燭一本の光を残してティークの寝室には私とホーネットとティークが居た。
さきの発作の疲れですぐに眠りに落ちたティークの手を握り続けるホーネットに、私は言い知れぬ違和感を感じていた。
その違和感の正体はすぐにわかった。
ティークの発作のことはホーネットも知っていたんじゃないのか。
いくら遠征をしていたからといって自国の王のことだ。耳に入ってもおかしくはない。
聞けばホーネットはスラル姫が信頼する側近中の側近だったという。ならスラル姫の想い人のことも失踪のことも知っているはずだ。
どうやって姫は城の外はまだしも街の外へ出れたのか、という疑問もホーネットの協力があれば可能ではない。
どんどんとカンではあるもののホーネットへの疑惑が増していく。
「…そう睨むな、怖いぞ」
ホーネットが口を開く。
「睨んでなんかいません」
「はは、でも目が怖いのはたしかだ」
「…ホーネット様はもしかして…」
このやりとりで私は確信した。もちろんカンだが、証拠もあったものじゃないが間違いなくコイツが姫様を逃がしたんだ。
そして次のホーネットの言葉で確信は確固たるものとなった。
「もしかしてスラル姫のことを何かしっているんじゃないのか、か?」
「……」
「あたりだよ。お前が今考えていることは全部正解」
433: 2007/11/27(火) 16:47:37 ID:U0IjNHUH(12/15)調 AAS
「やっぱり。…でも、まだ腑に落ちない点があります」
「その行為に至った動機、だろ。簡単さ、王のことが好きでスラルのこと嫌いだからだ。
子供の頃に会ったのはなにも王とスラルだけじゃない。王は覚えてないだろうが私も王と会ったことがあるのさ。
その時の私の家は荒れててね、やっかいもの扱いされて落ち込んでいた私を励ましてくれたのが王だ。
その王をなんの努力もせずに惚れさせてあまつさえ旅人の男に恋をしたスラルには心底ウンザリさせられたよ」
引出しを開けて出てきた一枚の写真をクシャリと握りしめてホーネットは私に投げてきた。
グシャグシャになているもののそれは間違いなくスラル姫が写った写真であり、私はホーネットに得体の知れない気持ち悪さを覚えた。
「まぁスラルも最後に私のために役立ってくれたからよしとするか」
「姫の場所は」
「さあね、今頃どこぞで旅人と宜しくやってるんじゃないかな」
「最低ですね」
「気持ちを隠したまま傍に居続けるお前よりはマシだよ。
いちメイドのお前もこれ以上王には近づかない方がいいよ。死ぬだけだから」
「私がそんな大人しく見えますか?」
「見えるね。お前は王が…ティークが傷つくのを見たがらない」
たしかに、ティークにこの件を言う気は無かった。
姫が初めからティークに興味がなかったこと、そしてほかの男を好きになっていたこと、それを今のティークにとってどれだけ重大なことか重々承知していた。
434(2): 2007/11/27(火) 16:49:06 ID:U0IjNHUH(13/15)調 AAS
* * *
そして姫の失踪から何も進展しないまま二年の時が過ぎようとしていた頃、姫を見つけることに成功したが既に手遅れになっていた。
ホーネットの手で私も姫の捜索隊へと編入させられ、目撃した部下とどうするか話をしてる最中に偶然通りがかったティークに聞かれた。
部下は悪くなかった、王の命令だ。私がなにがあっても言うなと言われたこと以外全てを王に話した。
「あぁよかった…無事なんだな、よかった…! よかった…!」
私の言葉など聞く耳持たず、すぐにティークと私、そしてホーネットで会いに行くことになった。
そして知られなくなかったことをティークはは知ってしまった。
「……」
まずは遠くから見るだけということで姫が隠れていた街の外から眺めることとになり、一つの民家から出てきた姫を見てティークは絶句した。
いつかの時に見たあの男と共に出てきた姫は両手の赤子を抱き、ティークに見せたことすらない笑顔で男と話をしていたからだ。
その光景からティークは全てを悟ってしまい。壊れてしまった。
「夜までに軍を用意しろ。この町全てを焼き払う」
耳疑う言葉に私もホーネットも顔を見合わせた。
王の言葉は絶対だ。ホーネットは返事一つで馬にまたがりすぐに城へと戻る。
「若…」
「あのスラルと男とあの子供は捕えろ。あとは全て殺せ」
というプロットを思いついた。
誰かこれを元に描いてくれるのを祈る。
435: 2007/11/27(火) 17:15:18 ID:Z08sTe0J(1)調 AAS
ここまで書いたなら時分で書きなよwwwwww
436: 2007/11/27(火) 17:16:18 ID:Cs6fdnVE(1)調 AAS
うまいこと嫉妬が絡み合ってるな。
話のつくりがすごく面白い。
437: 2007/11/27(火) 17:22:33 ID:GmiC8mON(1/3)調 AAS
良いと思うけど、ここまで形になってるなら
他の人が書くのは難しいのでは?
とは言えGJ。
438: お前名無しだろ 2007/11/27(火) 17:25:49 ID:q7YDy9Ey(1)調 AA×
>>1-1000
![](/aas/eroparo_1195559243_438_EFEFEF_000000_240.gif)
画像リンク
![](/?thumb=64a7efc36565774c0fae8d3e7309d483&guid=ON)
439: 2007/11/27(火) 18:46:04 ID:ql9Y7/5N(1)調 AAS
>>434
おまwwwwwwww
440: 2007/11/27(火) 19:09:46 ID:htXCVRVo(1)調 AAS
ぶん投げやがったWWWWW
441: 2007/11/27(火) 19:24:12 ID:qEvBShG/(1)調 AAS
投げっぱなしジャーマンとか通り越してハンマー投げレベルだなww
442: 2007/11/27(火) 19:51:16 ID:gv++/4Gu(1)調 AAS
GJしようと思ってたのに最後の一行でぶっ飛んだw
443: 2007/11/27(火) 20:54:12 ID:askTHkOt(1)調 AAS
これはwwwwww
ワロタwwwwwwwwww
444(1): 2007/11/27(火) 21:15:06 ID:U0IjNHUH(14/15)調 AAS
自分書く派じゃなくて見る派だから
最後まで書いてもいいんだけど後半絶対だれるから書けないんだよ。
コンセプトはなんか姫様がそこらの奴らと駆け落ちとかよくあるやつの逆転。
姫をホントに愛してるのに報われなかった王子側の話。
445(1): 2007/11/27(火) 21:20:49 ID:GmiC8mON(2/3)調 AAS
大抵、書きたいシーンを書き終わったらモチベーションが無くなっちゃうからね。
SSを書く能力とは別に、モチベーションを維持し続けて終わらせれる能力なんだなと思う。
作品をちゃんと完結出来る能力を持った人は凄いよ。
446: 2007/11/27(火) 21:21:32 ID:InowkLwg(1)調 AAS
匙を投げるどころか器そのものが剛速球で飛んできて顔面にクリーンヒットした気分だ(いい意味で)
447: 2007/11/27(火) 21:24:06 ID:VyLR6Dyt(1)調 AAS
プ ロ ッ ト か よ !!
「というエロビデオはありませんか」と聞いたら店主が帰れと言ったコピペ思い出したぞ。
448: 2007/11/27(火) 21:30:29 ID:0gwaLvvK(1)調 AAS
>>445
ンむ。完結している作品って少ないもんねぇ。
しかしこの流れはいっそ潔いww
449: ◆YH6IINt2zM 2007/11/27(火) 21:32:45 ID:9PqS4/kv(1/5)調 AAS
すみません、ちょっと投下しまよ……。
450: 明暗六角形 その1 ◆YH6IINt2zM 2007/11/27(火) 21:33:55 ID:9PqS4/kv(2/5)調 AAS
from:兄
Sub :なし
−−−−−−−
今日帰りに神社
寄ってくけど、
お前も行くか?
そう表示されたメールを見て、受け取り主である弟、御影(みかげ)は、本文に
『行く』とだけ付け加え、返信した。
「(今日もか……)」
携帯電話を閉じ、制服のポケットにしまい込んだ。机に両肘を突き、ぼんやりと外を
眺め始める。
御影の兄、陽樹(ようき)は、大学受験を控えている。
志望する大学に合格することを目指し、日夜勉強に励んでいるのである。
その志望校というのは、本来陽樹の学力ではあまりに不相応だと言わざるを得ない、
屈指のレベルを誇る大学であった。
何故陽樹がそんな大学を目指しているのか。
理由は、一人の女生徒に関わっている。
倉林瑛子――――陽樹の恋人であり、彼女もまた先の「屈指のレベルの大学」の受験
を予定している。
こちらは陽樹と異なり、抜群の成績を取っている。合格の見込みもほぼ間違いないと
周りから言われている才女であった。
そんな瑛子の恋人として、同じ大学へ進学したいという気持ちを抱き、陽樹は、普段は
しないようなことでも、目標達成のための努力として、出し惜しみせず行っている。
神社へ寄り、参拝するのもその一つである。
元々、陽樹は神仏に祈る習慣などなかった。しかし現在、陽樹はワラをも掴み取る思い
で、たびたび神社に足を運び、手を合わせている。
弟の御影から見て、全く兄らしくない行為だと思いつつも、合格のためなら何でも
やってやるという気概は実に兄らしいと、妙に納得していた。
兄のメールを返してからほんの一分程度で、御影の携帯が震えた。
兄からの返信は、『じゃ、放課後神社前でな』という文章のメール。
御影は脳内スケジュール表に神社への寄り道を書き込んでから、机に伏せた。
午後の授業が始まるまでこうしていようと。
451: 明暗六角形 その1 ◆YH6IINt2zM 2007/11/27(火) 21:34:26 ID:9PqS4/kv(3/5)調 AAS
五限を迎える直前の御影に、ごく些細な出来事が起きた。
「あれ? 忘れたかなあ」
御影の隣の席で鞄の中を念入りに探る少女、羽鳥雛(はとりひな)。
どれだけ探しても、次の授業に必要な、英語の教科書がない。
「あちゃ〜」
雛は頭を左右に振った。左右に二つ束ねられた柳のような髪もつられて揺れる。
英語の授業では、前回の復習と称して、二、三人の生徒に一人ずつちょっとした問題が
出る。
きちんと答えられるかどうか即ち、復習しているかどうかが成績に影響するのは
言うまでもない。
大体は、前回進めた教科書の範囲を、授業の直前にざっと見直しておけば答えられる。
本日その復習には雛も当てられることになっているので、開始前に確認しておこうと
思ったらその教科書がない、というちょっとしたピンチを迎えていた。
雛の落胆の声は御影の耳にも入った。伏せた上体を起こし、隣の席で頭を振っている雛
を見て、御影は状況を認識した。
自分の教科書を手に取り、雛の眼前に突き出し、
「まあ、使えよ」
と言を添えた。
「およ?」
雛はきょとんとした顔つきをしたが、すぐに目を希望に輝かせた。
「おおおおぉっそれは!!」
声を上げたと同時に教科書を取り、即座に開く。
大袈裟なリアクションだと、御影は苦笑した。
「いや〜助かるよ。終わったら返すね」
繰り返し頭を下げる雛に向かって、御影はいやいや、と手を振った。
教科書の貸し借りなど、クラス内では珍しいことではない。雛のように、英語の
復習問題担当なのに教科書を忘れた、というのもよくある話であった。
特に友達ではない雛に貸したのは御影にとっては初めてだったが、そのことになんら
気まずさも感じていない。
実際は、寝て起きたばかりで相手がどうとか考える前に、手と口が動いただけなのだが。
「はいさんきゅー」
無事に復習問題をこなした雛は、笑みを浮かべて教科書を御影に返した。
口元が、だらしないくらいに緩んでいた。
452: 明暗六角形 その1 ◆YH6IINt2zM 2007/11/27(火) 21:35:12 ID:9PqS4/kv(4/5)調 AAS
「んっ……あ〜っ。終わりか」
三年生のクラスの教室内、その最前列の席で伸びをするのは遠山陽樹(とおやまようき)
今日最後の授業が終了してからおよそ三十分間、まとめとして、復習を兼ねたノートの
一部書き直しの作業などをしていた。
「お疲れ様」
陽樹の側に寄った倉林瑛子が、肩を軽く叩いた。
瑛子は自分のクラスの授業が終わった後、陽樹のクラスの教室前で待ったいたのだった。
「ああ、お疲れい」
「図書館に寄ってく?」
「いや、今日は神社行くわ」
陽樹は帰り支度をしながら返した。陽樹の放課後は、瑛子と一緒に図書館で勉強するか、
今日のように神社に行くかのどちらかであった。
「熱心ね」
瑛子は笑って見せるものの、内心は穏やかではなかった。
合理的に考えれば、神社に行ってお祈りなどしてる暇があったら、その分勉強したほうが
より合格に近づけるに決まっている。
ましてや陽樹は神仏を信仰する性格ではなかったはずなのに、今では合格のためと
必死に祈っている。
陽樹は、合格するまで休日のデートもプライベートの電話も禁止すると自戒していた。
図書館などで一緒に勉強することは多いが、それはあくまでただの勉強であり、二人の
仲を深めるものになっていない。
たまには息抜きにでもと色々持ちかけても、陽樹は合格するまで我慢すると言って
聞かない。
瑛子は、ここまでガチガチで息つく時も安らぐ間もなくては、どこかで軋轢が生じて
しまうのではないかと恐れていた。
軋轢とは――そう、急に神社などに行くようになったこと。
瑛子は過去に一度、陽樹と共に神社を訪れたことがあった。
訪れたはいいものの、敷地内にある樹齢数百年とか言われる神木にも、霊験あらたか
らしい祠にも、ほとんど興味が湧かなかった。
ただ年老いてくたびれた木と、古くて汚れた百葉箱くらいにしか思えなかった。
しかし一つだけ、瑛子にとって悪い意味で印象的な存在がいた。
陽樹と瑛子を出迎えた巫女。
その人物は、慎ましく、儚げで、大和撫子を絵に描いたような女性。そして陽樹に
とっては、勉強以外のところで接している女性。
最近神社によく足を運ぶのは、もしや……。
……という所まで考えて、そんなわけがない、と振り払う。でもやっぱり……。
思考が何巡もしていく。
「(私が先に音を上げてどうするのよ……)」
瑛子はずれてもいない眼鏡を掛け直した。
「それじゃあ、一人で行くわね」
「ああ」
「神社の後もちゃんと勉強するのよ」
「わかってるって」
陽樹を残して教室を出た瑛子は、足早に下り階段へと向かった。
遅れて教室を出ようとした時、陽樹の携帯が鳴る。
開いて見ると、弟からメールが来ていた。
『遅い。寒い。まだか』
苛立ちの程が窺える催促であった。
「(やっべ早く行かないと)」
陽樹もまた、勢いよく校門を飛び出し、神社まで駆けて行った。
(その2に続く)
453(3): 明暗六角形 その1 ◆YH6IINt2zM 2007/11/27(火) 21:36:15 ID:9PqS4/kv(5/5)調 AAS
お久しぶりです。またこのスレのお世話になります。
どうかよろしく。
454: 2007/11/27(火) 21:57:00 ID:hM8hQ68V(2/2)調 AAS
>>453
リボンの剣士の作者様ですか
どんな修羅場になるかwktkして待ってます
455: 2007/11/27(火) 22:19:58 ID:/Y9YaCcL(2/2)調 AAS
GJ!
456: 2007/11/27(火) 22:33:38 ID:GmiC8mON(3/3)調 AAS
>>453
GJ!
このスレで巫女ものは有りそうで無かったような気がするので期待大です。
まださわり程度なので分からないですけど
何やら期待できそうな感じがビンビンするんで楽しみにしています。
457: 2007/11/27(火) 22:47:29 ID:U0IjNHUH(15/15)調 AAS
GJ! 期待の作家ktkr
俺は見る派だとつくづく実感した
458: 2007/11/27(火) 23:14:20 ID:4ZpDn0k2(1)調 AAS
ラノベの吸血鬼のおしごとって作品はここでは既出?
459: 2007/11/27(火) 23:21:34 ID:ZP9OG1cu(1)調 AAS
やめて!トラウマやめて!
まるでブタのようだな、ははははは
460: 2007/11/28(水) 00:02:55 ID:nFk8+Ccf(1)調 AAS
筆者がドSのやつか
461: 2007/11/28(水) 00:15:36 ID:mmtVM1+6(1/2)調 AAS
投下増えてきて良きかな良きかな
462: 2007/11/28(水) 00:23:35 ID:5Ox/lqvc(1)調 AAS
>>453
GJ!
だけど、リボンの剣士のようなトラウマを植え付けるのは勘弁してくれなw
463: 2007/11/28(水) 00:29:15 ID:s828ZPh0(1/3)調 AAS
なんかいい流れだなwwww
464: 2007/11/28(水) 00:30:00 ID:asgiQY3K(1)調 AAS
レイプされて寝取られたんだったけ?
465: 2007/11/28(水) 00:56:39 ID:CIZhKuf0(1)調 AAS
寝とられは、されてないでしょ
それにそんな鬱も面白ければいいや
466(1): 2007/11/28(水) 01:50:14 ID:UT709xBq(1/2)調 AAS
あー思い出した。
確かにあれはトラウマになってこないだ夢に出てきたぞ。
仮にやるなら別ルートで寝取られないルートやって、
なおかつ、やった奴は拷問スレのSSのごとく
全員徹底的にミンチになるまで皆殺しにしないと収まりがつかん。
467(1): 2007/11/28(水) 02:02:33 ID:0fm45U6/(1)調 AAS
>>466
確かに処女の貴重さを痛感させられた作品だったな。
避難所に過去のSSを語るスレがあるから一緒に行かない?
468: 2007/11/28(水) 02:12:38 ID:UT709xBq(2/2)調 AAS
>>467
悪寒と殺意で眠れなくなったから、まあいいけどさ。
469(1): 2007/11/28(水) 05:21:38 ID:sZ+XB4XU(1)調 AAS
一万年とニ千年前からの続きマダー?
470: 2007/11/28(水) 06:00:37 ID:/HVvYZZX(1/2)調 AAS
一万年の話題は自重
471: 2007/11/28(水) 09:06:38 ID:VQd7joht(1)調 AAS
つーかお前ら石橋を叩いて渡りすぎてるだろwwww
そんな鬱展開なんてそうそうあるわけないさ! ハッハハッ! ハハッハハ……ハハ、ありませんよね?
472: 2007/11/28(水) 10:37:24 ID:v851mF8K(1)調 AAS
現実は残酷なのさ・・・
473: 2007/11/28(水) 13:21:38 ID:s828ZPh0(2/3)調 AAS
俺はなんか10年くらい前に劇場版エヴァをみた時と同じような気持ちに陥った
474: 2007/11/28(水) 13:58:29 ID:W81Hiy16(1/2)調 AAS
何か耐性無い奴多いんだな
475: 2007/11/28(水) 14:48:11 ID:QjtXn+Gr(1)調 AAS
「鬱展開いやぁぁ!」なんて口先だけで、本心では鬱展開を欲しがってるんだよ!
476: 2007/11/28(水) 15:13:13 ID:edWuJzEc(1)調 AAS
大人になるってかなしい事なの・・・。
477: 2007/11/28(水) 15:14:10 ID:tsXF/LFF(1/2)調 AAS
たしかにむけたらいたい
478: 2007/11/28(水) 15:16:24 ID:qjzQ59EJ(1)調 AAS
ここにいるのは痛い大人だけどなHAHAHA
479: 2007/11/28(水) 16:20:49 ID:Nt49671G(1)調 AAS
何うまくまとめたつも(ry
480: 2007/11/28(水) 16:23:56 ID:UG+7C7DL(1/2)調 AAS
>>444
稚拙で良いなら書こうか?
内容は期待出来ない超素人だが
481: 2007/11/28(水) 16:47:56 ID:vhRdgLp/(1)調 AAS
書けよ
枯れ木も山の賑わいっていうしな
482: 2007/11/28(水) 17:13:58 ID:hIisppMj(1/5)調 AAS
tesu
483: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:27:41 ID:5sQgXovN(1/8)調 AAS
皆さんこんばんは。
ちょっと前に投稿させて頂いた蒼天の夢の続編です。
前回の投稿が一話の前編だったので読みにくいかと存じます。
申し訳ありません。
484: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:28:26 ID:5sQgXovN(2/8)調 AAS
エリシアさんとミリアちゃんに引っ張られ、俺たちは庭園の中央までやって来た。
そこでは既に大勢の人々が手や腕をつなぎながら踊っていた。
音楽を奏でるのは市長が呼んだ大楽団。あらゆる楽器が用意されており、どんな唄でも演奏してくれそうだ。
今流れているのは祭りでよくある踊曲だ。
太鼓や笛など、シンプルな楽器が素早くリズムを刻んでゆく。
踊っているのはほとんどが平民だが、周りの貴族たちもリズムに合わせて手を叩くほどノリの良い曲だ。
料理もいいが宴といえばやっぱり踊りである。これは平民も貴族も変わらない。
俺が踊りに見とれている間、エリシアさんとミリアちゃんは何か視線で語り合っていた。
いつの間にそんなに仲良くなったのかと感心いると――
「ジースさん、わたしと踊りましょう!」
いきなり踊りに誘われた。
「もう少し様子見ないか?」
別に踊りたくない訳ではないが食後からすぐに、というのも何だか気が引けた。
「いいから、いいから」
ミリアちゃんはそんな俺を有無言わせず、強引に踊りの輪の中に引きずり込んだ。
民踊の渦に加わると、中は炎のような真っ赤な熱気で満ち溢れていた。
とてもではないが今さら脱出なんてできない。
だがすぐに逃げる必要なんてないと分かる。
民踊の動きは大味なものの躍動感があり、純粋な楽しさがフツフツと湧き上がってくるのだ。
ミリアちゃんと腕を組ながら回って、とまって、また回る。単純な動作の繰り返しだが余計なことは何も考えず、歓喜に身をゆだねられる。
子供の頃の無邪気さが戻ってきそうだ。
気づく頃には曲が終わり、もう一回踊りたい気分になる。
踊曲が終わると平民の招待客はそそくさと踊り場から撤退する。
入れ替わるように貴族の紳士淑女たちがゆったりとした足取りで中央に進み出る。
俺もミリアちゃんと一緒に踊り場の外周まで戻ってくる。
するとそこにはエリシアさんが腕全体で曲線を描くように手をさし出しながら待っていた。
「教えたことは覚えてる?」
俺は思わず微笑みながらエリシアさんの手の甲に口づけをする。
「もちろん」
エリシアさんから教わったのは何も読み書きだけではない。
そして柔らかい手をとり、再び踊り場に舞い戻る。
485: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:29:02 ID:5sQgXovN(3/8)調 AAS
楽団はうって変わって、アルス王国の舞踏曲を弾きはじめる。
ヴァイオリンやリュートなどの弦楽器で導かれ、ゆっくりとはじまる曲だ。
舞踏曲の踊りは基本的に男女のペアで行われる。
そして祭りの曲とは違い全てのステップは正確にして優雅。パートナーの瞳を覗き込みながら、身体の動きを制御する繊細さが必要だ。
アルス王国の舞踏曲は曲が進むにつれて参加する楽器が増えてくる。ゆったりとした雰囲気が壮大さに変わる。
それに応じて踊る男女の動きも鋭さを増し、一歩一歩が強調される。
エリシアさんの動きに合わせ、間合いを計る剣士のように的確に姿勢を変える。
舞踏曲の最後は全楽器がそれぞれの音色を一気に奏で、そして一同揃って静止する。
残るのは石像のようにポーズをとって固まるペアと熱情の余韻のみ。
曲が終わり、閑静から開放されるとドッと疲れがきた。
楽しかったが休まず二回も踊ったため、少し休憩が必要だ。
エリシアさんをエスコートしながら踊り場を去ろうとすると、背後で再び祭曲がはじまる。
「凄いスタミナだな。あの人たち……」
休まず演奏を続ける楽団員。踊り場を取り戻そうとするかのように一斉に飛び出す平民の招待客。
疲れを知らないのだろうか。
「ジースさん!もう一回踊りましょう!」
すると彼らに混じってミリアちゃんがエリシさんから俺の腕を引っ手繰る。
「ちょっと休ま――」
返事する間もなく、俺は再び踊りの輪の中に連行されていった。
そして六曲目が終わると、俺はプライドを投げ捨て片膝をつきながら懇願した。
「もう……勘弁して。あ、足の感覚がもうない……」
俺は休む暇も与えられず二人にかわるがわるダンスに誘われた。
宴の席で女性に誘われたのだから断りたくなかったが、流石に六曲も連続で踊らされると話は別だ。
「え〜!わたしともう一回……」
「お願い。本当にもう体力が……」
「わ、分かりました」
ミリアちゃんとエリシアさんはまだまだ踊り足りない様子だったがなんとか許してもらえた。
それから二人は何か飲み物をとってくると言い、人ごみの中へと消えていった。
俺は適当なベンチに腰掛け休むことにした。
486: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:29:49 ID:5sQgXovN(4/8)調 AAS
「ふぅ〜……」
貴族主催のパーティーでこれほど疲れるとは思っていなかった。
もっとも、ここまで楽しいとも思っていなかった。
今のところ予想していた堅苦しい宴とは正反対である。
しばらくしてボーっと視線を泳がせていると、一人のきらびやかなドレスを身に纏った女性が目に入った。
薔薇を思わせる真っ赤なドレスだ。
恐らくは貴族のご令嬢だろう。周りの取り巻きを見ただけでも分かる。
召使いや護衛の騎士。家来だけでも4,5人はいる。その他にもダンスに誘おうとしている貴族のお坊ちゃまや社交辞令に来ている偉そうな爺さんたち。
彼女の行くところに常に人だかりができている。
ご苦労なことだと顔を他所へ向けようと思った時、令嬢と一瞬だけ目が合った。
「……あ」
よく見ると俺は彼女のことを知っている。
刃物を思わせる鋭い目つき。派手な服装に負けない気品のある金髪。
いつもとは違う女らしい服装で気づかなかったが、あれはティオーナである。
不思議なのは彼女もスキッダーなのにドレス姿だということ。
市長はスキッダー全員、貴族平民問わず革鎧を着てこいと言ってきた。それなのになぜ彼女だけあんな豪華な格好をしているのか。
あるいはベイヴェルグ家の娘だから例外なのだろうか。
ふと、ある推測が頭をよぎる。
もしかしたらこのパーティー自体、市長がティオーナのために開いたものなのかもしれない。つまり“市民への感謝の気持ち“は建前で、本当の理由は彼女の優勝を祝うため。
だとしたら彼女だけ正装していることや突然の宴にも納得がゆく。
そんなことを考えていると、先日の口論を思い出した。
ティオーナの態度は明らかに乱暴でおかしかった。同時に俺の対応もただの八つ当たりだった。
彼女に非がまったくないとは思わない。
だが男なら悪かったところは素直に謝っておくべきだろう。
大体このままティオーナにビクビクしながら過ごすのも身体に悪い。
「よし」
決心がつくとまだ感覚の薄い足に活を入れ、ティオーナの方へ歩いてゆく。
しかし近づくにつれ、彼女と話せるかどうかさえ怪しくなってくる。
彼女の周りには人の壁があり、中には明らかに俺がこの場にいることを快く思っていない人たちもいる。
特に貴族のお坊ちゃまたちの視線が痛い。
487: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:30:21 ID:5sQgXovN(5/8)調 AAS
さて、どうしたものかと困っていると幸運にもティオーナ本人が気づいてくれた。
「おまえは」
威圧的な雰囲気は健在だが、口調は普段より柔らかだ。
「お久しぶりです」
「何用か?」
「少し話がありまして。すぐに終わります」
言い終わった瞬間、ティオーナの取り巻きの目つきが変わる。平民の分際でお嬢様に何を、と言わんばかりだ。
「……いいだろう。来い」
そう答えると俺に集まっていた目線は驚きをもってティオーナに返される。
異様な光景に思わず笑い出しそうになるがなんとか堪える。
対してティオーナは周りのことなどどこ吹く風。ドレスの裾を持ち上げ、さっさと歩き出した。
護衛の騎士が付き従おうとするが彼女は鋭い眼光でそれを制す。
「お前はここで待っていろ」
「しかし……」
「いいな?」
「……ハッ」
騎士は主人の命令に頭を垂れる。同時に俺に一睨みすることも忘れない。
流石は公爵家の護衛の騎士。例えスキッダー相手でも警戒心を隠そうともしない。
俺はティオーナを宴から少し離れた庭園の一角へとついていった。
そして彼女は適当な木の下で止まり、振り返った。
「ようやく何か話す気になったのか?」
闇に埋もれるのを拒むかのように輝く金髪に一瞬見とれてしまう。
「ぁ……いや、俺は先日の件で無礼を働いたことに謝りたいのです」
「なに?」
「その……あの時は負けてイライラしてました。大変申し訳ありませんでした!」
俺は頭を下げ、なるべくハッキリした声で謝ろうとした。
「つまり、おまえの技の話を聞かせてくれる訳ではないのだな」
彼女は額に手を当てながらため息をついた。
「え?あ、はい。ですから――」
「もういい。分かった」
ティオーナは俺の言葉を遮ると両手を太ももの上で合わせ、改めるように言った。
「あの時は私も大人気なかった。すまなかったな」
驚いた。貴族が平民に謝っている。
てっきり俺が一方的に責められ、罵詈雑言が飛んでくるものと想像していた。
488: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:31:47 ID:5sQgXovN(6/8)調 AAS
それとも単に俺がティオーナと貴族に対して偏った見方をしていただけなのだろうか。
呆気にとられた俺をよそに彼女は続ける。
「しかし、本当に何も知らない、いや、喋る気がないのだな?」
「つまり……」
「おまえの技のこと。疾風のドノテのこと、だ」
ようやく俺にも合点がいった。
彼女が知りたがっていることを俺が話すと思ったからつき合ってくれたのか。
「疾風のドノテのことでしたら俺よりファンの方が詳しいはずです。技は先日言った通り御自分で見定め下さい」
「おまえまさか……いいだろう。明日からしっかりと見ておいてやろう」
一瞬何か気づいたような表情を浮かべたが、すぐに不敵な笑みに変わる。
「それでおまえの名はなんという?」
「ジース・グリンです」
「ジースか。覚えておこう。私の名は分かるな?」
「ティオーナ様ですね」
彼女がはじめてグレイ・クリフに来た日のことを思い出す。
おおげさな自己紹介の仕方だとは思っていたが彼女の態度から見てやっぱりわざとだったらしい。
「うむ。用件はこれで全部か?」
「はい、お騒がせして申し訳ありませんでした」
「お互い様だ」
ティオーナは来た時のようにドレスの裾を持ち上げ再び歩き出した。
「ではジースよ、パーティーに戻るとしよう」
「はい」
短い会話だったが妙な満足感があった。
刃物のような少女だと思っていたティオーナといつの間にかくだけた雰囲気で話せたのだ。
もしかしたら彼女は案外普通の女の子なのかもしれない、という考えさえよぎった。
派手だと思っていたドレス姿も可愛く見えてくる。
「あぁ、これか」
俺はいつの間にかティオーナのドレスを見つめていたようだ。
彼女はそれに気づきバツの悪そうな顔で言う。
「これはリックベン殿――市長殿――がどうしてもというのでな。ここについてから着替えさせられたのだ。悪く思わないでくれ。何も特別扱いされたい訳ではないのだ」
「いえ、そういうつもりではありません。ただ似合っているなと思っただけです」
「……おまえは作法や踊りの他に世辞もうまいのだな」
489: 蒼天の夢 07 後編 ◆ozOtJW9BFA 2007/11/28(水) 17:32:25 ID:5sQgXovN(7/8)調 AAS
プイっとそっぽを向くティオーナ。
珍しくしおらしい仕草を見て俺は吹き出しそうになった。
パーティーの方へ戻ると律儀にもティオーナの取り巻きが同じ場所で待っていた。
当然ながら全員、俺に対して険悪な顔を向けてきた。
予想外だったのは彼らと共に、ミリアちゃんとエリシアさんも不機嫌な表情で飲み物片手に待っていたことだ。
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