[過去ログ] 【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 (771レス)
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654: 2007/01/02(火)11:23 ID:SGi0s5++(1) AAS
正直、銀子の先生はやり過ぎ感が否めなかったが、サンタのくだりは良かった
紅香さんのその発言が当たり前に感じるわw
しかしジュウ様。
今日日の餓鬼は例えサンタの正体に気付いてもプレゼントを多く貰う為に気付いて無い振りをする奴らばっかりですから!
だけど、そんな事を考えてしまう純粋さが貴方様の魅力でっていうかぶっちゃけ萌えで(ry
655: 2007/01/03(水)00:25 ID:2FOYQfFH(1) AAS
やっぱジュウと雨はいいな
1番好きなカップリングだ
656: 2007/01/03(水)09:00 ID:95/2gqsa(1) AAS
ジュウと雨はまさに「正統派異端系」カップルって思うのは俺だけか?
657: 伊南屋 2007/01/03(水)10:46 ID:4ASEDexw(1) AAS
 一つ自分のミスを見つけたので訂正します。
 レディオ・ヘッドVでジュウ様達の進路は西ってなってましたが東でした。
謹んでお詫び申し上げるとともに訂正します。

 最後に、次のSSの投下はもうちょっと待ってください。
 以上、伊南屋でした。
658: 2007/01/05(金)18:36 ID:NqDxirkE(1) AAS
一応保守
659: 伊南屋 2007/01/05(金)21:08 ID:j1ILVdq9(1/4) AAS
『レディオ・ヘッド リンカーネイション』
[.

 九鳳院と言う一族がいる。大陸の中でも特に強い、通称「三國」と呼ばれる中の一つ、アルハザト聖国を治める王族である。
 古くから続く血脈に、彼らは誇りを持ち、自らが選ばれた一族であり、世を統べるのは我々だと、強く主張している。
 その九鳳院。その闇の産物が紫である。
 九鳳院に代々続く風習。近親相姦。
 言ってしまえば古い王族にはそう珍しい話ではない。優れた血をより濃くするために近しい者同士で交わる。
 そんな話は枚挙に暇がない。
 しかし、それもかつてはの話である。
 かつては許された事も、今の倫理に重ね合わせれば到底許されない。
省19
660: 伊南屋 2007/01/05(金)21:10 ID:j1ILVdq9(2/4) AAS
 今まで奥の院のルール――初潮前の女児に手を出してはいけないと言う規則が邪魔したが、この混乱した事態に乗じて、紫を犯す。
 そう、考えているらしい。
 だから、逃げるのだ。九鳳院から、それ以上に竜士から。
 その話を、紫は泣きながら語ったという。

「成る程ね……」
 重い沈黙を、ジュウが破った。
「確かに胸糞悪くなる話だ。近親相姦に幼女趣味ね……。まったくヘドの出る話だ」
 忌々しげなジュウの言葉は、重みを持って響く。
 子供に甘い――無論やましい意味でなく、純粋な意味で――ジュウとしては、相当に頭に来る話だった。
 子供は汚れていない。何の罪もない。だから、何も悪くない子供が不当に辛い目に会うのは許せなかった。
省23
661: 伊南屋 2007/01/05(金)21:10 ID:j1ILVdq9(3/4) AAS
 声を掛けられたのは少女だ、小柄な少女。無気力な瞳で少年を見つめ小さく頷く。
 その足元には、鋸。
「鉄腕は僕の護衛。ビッグフットは襲撃中に紫を回収して来い」
 言われた各々が頷いて応える。
「さあ、思い知らせてやる。“刃向かう者は潰せ”って言う、九鳳院の掟をさ!」
 そう言って少年は――九鳳院竜士は笑い出す。
「ははっ! 紫。お前は僕の物だ。それを分からせてやる。はははっ! あはははははは!」
 まだ日の高い昼。それでも暗い森の中。九鳳院竜士の高笑いが木霊した。
662: 伊南屋 2007/01/05(金)21:13 ID:j1ILVdq9(4/4) AAS
 毎度、伊南屋に御座います。

 ようやく事態が動き出しましたレディオ・ヘッド[。如何でしたでしょうか?
 紫の事情関連は現在踏襲しつつ少しアレンジされてます。あらかじめ事情を明かしておくって感じに。

 とりあえず何気に[まで来たなあとか思いつつ、以上伊南屋でした。
663: 2007/01/06(土)08:44 ID:9oJO74e1(1) AAS
毎度本当にGJです。

ジュウ様カッコヨスw
664: 2007/01/06(土)10:34 ID:/696wIWX(1) AAS
伊南屋さんGJです!!続き気になります!!
665: 伊南屋 2007/01/07(日)20:12 ID:xjybrmRf(1/6) AAS
『レディオ・ヘッド リンカーネイション』
\.

「そう言えば紫は?」
 話が一段落した所で、ジュウは姿の見えない紫の事を尋ねた。
「今は風呂に入れてる。ここの所走り通しだったから、大分汚れてたし」
「そうか」
 成る程、言われてみれば紫と行動を共にしていた真九郎もそれは同じらしく、服の至る所が破れ、泥に汚れている。
「紫ちゃんが上がったら、次は真九郎さんですからね」
 微笑みながら夕乃が声を掛ける。それに真九郎は、
「はい、ありがとうございます」
省32
666: 伊南屋 2007/01/07(日)20:14 ID:xjybrmRf(2/6) AAS
 と夕乃の声が聞こえてきた。
 それと共に真九郎の悲鳴も。
「なあ、真九郎は一体どうしたんだ?」
 足元の紫が心配そうな声を掛けてくる。ジュウはしゃがんで紫に視線を合わせる。
「なんでもないさ。お前が心配する事はない」
 紫の頭を武骨な掌で、優しく撫でながら言う。それに安心したのか紫は「そうか」とだけ呟いた。
「さてと」
 口に出し、ジュウは立ち上がる。
「お言葉に甘えて風呂に入るかな」
 ジュウも昨日は野宿なので風呂に入っていない。不快な汗を流したいと思っていた所だ。
省33
667: 伊南屋 2007/01/07(日)20:17 ID:xjybrmRf(3/6) AAS
 しかし、それだけで話は終わらない。
「ある日ね、私の事を知った本家が、私を消す為にやって来たの」
 自分達が追いやった血族。落ちこぼれの家系に生まれた天才の存在を察知した本家は、雪姫がいずれ本家に楯突くと判断したらしい。
「そんな事、する訳無いのにね。私は勿論、お父さんだって本家を怨んだりはしなかった」
 それでも、本家は雪姫を消そうとした。それも直系、切彦を使ってまで。
「逃げたよ。沢山逃げた。足が痛くなるまで、ううん足が痛いのか分からなくなるまで、それでもずっと」
 それを拾ったのが、ジュウだった。
「私達家族を拾って、私に自分の国の軍人っていう仕事もくれて」
 たがら今笑ってられるのはジュウ様のおかげ。雪姫は最後にそう締めた。
「成る程ねえ」
省24
668: 伊南屋 2007/01/07(日)20:18 ID:xjybrmRf(4/6) AAS
 手加減した上でそこまで考えられる夕乃に、圧倒的な力量差を感じる。
 ――まだまだ未熟だ。
 改めて自らの実力を思う。体が出来ていても技が未熟。そして何より心が薄弱。
 その事を痛感する。
 しかし、それが紫を守れない理由になっても、守らない理由にはならない。
「守るんだ……絶対に」
 例え今は未熟でも、いずれ必ず強くなる。
 ただ今は出来る事を出来る限りする。
 それを胸に誓う。
「っし!」
省31
669: 伊南屋 2007/01/07(日)20:19 ID:xjybrmRf(5/6) AAS
「でも、ジュウの周りに居る人はお前を慕って集まってるんだろ? だったらそれは、ジュウの力じゃないか」
「……そうかも知れない。だけど、俺はやっぱり一人で戦う力を持つお前が羨ましい」
「それを言ったら、俺は一人じゃ絶対出来ない事が出来るジュウが羨ましいよ」
 よく似た二人は、しかし互いに羨み合う。
 その事に、自然とある言葉が二人から苦笑と共に零れた。
「「所詮は無い物ねだりか……」」
 重なり合う二人の呟きは、風呂場の壁に反響して消えた。
670: 伊南屋 2007/01/07(日)20:22 ID:xjybrmRf(6/6) AAS
 毎度、伊南屋に御座います。

 今回は嵐の前の静けさ、のような風景。
 実はそろそろエロも書かな行かんなあと思ってます。だから次はエロネタ(予定)

 そんな感じで以上、伊南屋でした。
671: 2007/01/08(月)02:53 ID:ZOWgIZeZ(1/2) AAS
次回wktk
672: 2007/01/08(月)12:53 ID:vf/iZ6cW(1) AAS
GJッス伊南屋氏!
なかなかオリジナル臭が出てきましたね!
色々と妄想を掻き立てられる伏線がありますし……
斬島VS斬島とか
真九朗とジュウ様のどちらが竜士をブッ飛ばしてくれるのかとか!
 
しかし九鳳院の娘は紫一人しか居ないんだから自動的に跡継ぎも一人しか居ないんだよな……
竜士もそこに漬け込み自分が王になろうという事ですか
673: 2007/01/08(月)15:49 ID:nXtUc4TO(1) AAS
2ヶ月ぶりに来てみれば大量に神キテルー!!
674: 2007/01/08(月)17:46 ID:kDxAJyDt(1) AAS
いやぁ、良いですわ伊南屋さん。単行本でまとめて読みたいですね。
にしても次はエロですか、粘液質で獣じみたエロエロをお願いしたいも。
675: 2007/01/08(月)22:13 ID:ZOWgIZeZ(2/2) AAS
誰かここのSSまとめたサイト作らないかな
676: 2007/01/11(木)15:31 ID:t8zLNQUe(1) AAS
だれか保管庫作れるエロい人いるのか?
677: 2007/01/11(木)21:00 ID:cMX1mkg8(1) AAS
保管庫ってけっこう需要ありそうな気がするけどな……どうですか?
678: 2007/01/12(金)11:45 ID:H2906W95(1) AAS
需要なら有り余ってい(ry
679: 2007/01/13(土)19:21 ID:KPlSWjQc(1) AAS
誰か建ててくれる方いますか?
680
(2): 2007/01/14(日)11:39 ID:Sf+AUMJ6(1) AAS
誕生日プレゼントネタを妄想してみた

雨「護身用のスタンガンです。改造して電圧があがってます」
ジ「上がってるって………ちなみにどれくらいだ?」
雨「最大で2000Wほど」
ジ「………そういうのは持たない主義なんだ。」

雪「実用性たっぷりの同人誌50冊セット!主にヒロインがポニテのを中心に選んだよ!」
ジ「持って帰れ」

円「適当にお菓子の詰め合わせを買ってきたわ。」
ジ「やっとまともなのが………ありがとな」
円「まあ、これがメインではないのだけれど」
省7
681: 2007/01/14(日)16:23 ID:jf3Kf77E(1) AAS
>>680
えらくはっちゃけた真九郎だな、と思ったがお袋か。
682: 伊南屋 2007/01/14(日)19:37 ID:BcE2TeyK(1/7) AAS
 それは、紫が持ってきたお菓子が始まりだった。
 やや派手な箱に入ったチョコレート。どうやら外国のものらしかった。
「真九郎。チョコレートだ! 食べるか?」
 それは質問でありながら命令だった。
 視線が強く、真九郎に食べて欲しいと訴えていた。
「うん、食べるよ」
 真九郎は何ら疑う事なく、箱に詰められたチョコレートを一つ摘み口にした。
 それを見て紫も一つ食べる。
「うん、美味いな」
「ああ!」
省28
683: 伊南屋 2007/01/14(日)19:39 ID:BcE2TeyK(2/7) AAS
 そういう事にしておけば紫は食べないだろう。後で食べると言って、紫が帰ってから処分すれば良い。ついでに環に文句も言おう。
 ならば決定。その方針で行く。
「そ、そうなんだよ。悪いな紫。貰っちゃって」
「なに、構わない。真九郎が喜ぶなら私はそれで良いのだ」
 ――御免、紫。
 内心で、嘘をついた事を詫びる。
 でも、これも紫の為なんだ。
 この子を守るためならいくらでも嘘つきになってやる。真九郎は自己にそう言い聞かせる。
「さあ、遠慮せずに食べろ。真九郎」
 さっき握った二つ目を口に放り入れながら紫が言った。
省29
684: 伊南屋 2007/01/14(日)19:40 ID:BcE2TeyK(3/7) AAS
 小さく紫の身体が跳ねる。しかしそれだけだ、抵抗はない。
「ん……」
 唇を離す。紫が顔を真っ赤にしていた。紅潮した顔は、熱に浮かされたように蕩けていた。
 そう言えば、チョコレートは紫も食べていたしな。そう、どこか遠くで考える。
 例えば、風邪薬一つ取っても小児は量が少なくて済む。体が小さいから少量で効くのだ。
 それと同じ。たった二個でも、紫には十分過ぎる程に十分だった。
 催淫作用に酔っているのは紫も同じ。
 どちらも、止まらない。
 真九郎も理性の枷は外れている。最早、紫を抱くことしか考えていなかった。
 紫はこれから自分に何が為されるか理解していないだろう。あるのは、本能的な衝動。無理矢理こじ開けられた官能だけだ。
省26
685: 伊南屋 2007/01/14(日)19:43 ID:BcE2TeyK(4/7) AAS
 余りに、痛々しい眺めだった。
 真九郎は紫を労るように、その額に――唇では体の大きさの関係で苦しい――キスをした。
「しんく……ろ……ぉ」
 紫の細い腕が、背に回される。やはりこれもサイズ差の関係で回りきらないが、それでも必死にしがみつくように真九郎を抱き寄せる。
「動くからな」
 一言を残し、真九郎は腰の前後を始める。催淫効果と膣の狭さが相俟って、強烈な快感が走り、真九郎は腰が砕けそうになった。
 それを必死で耐え、前後を続ける。
 動く度に紫が悲鳴を上げたが、それを気遣って行為を止める余裕は真九郎には無かった。
「ひっ! ……は……しん……くろっ、お!」
今は直ぐにでも紫を解放するために、自らを絶頂へと、ひたすらに導く。
省28
686: 伊南屋 2007/01/14(日)19:44 ID:BcE2TeyK(5/7) AAS
「じゃあ、しよう。これからも。さっきのはかなり痛かったけど、少しだけ気持ち良かった」
 ――だから泣くな。
 そう言って、紫は真九郎の頬を濡らす涙を、唇で拭った。

 ***

「やあ青少年」
 ある朝。声を掛けてきたのは環だった。
「ん〜、おめでとう……なのかな?」
 にやりと笑って環が言う。
「でもこれで君も犯罪者の仲間入りだね〜? ――そんな怖い顔で見ないでよ。大丈夫、五月雨荘の決まり通り通報なんかしないから」
「……環さんが仕掛けた事でしょう」
省16
687: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/14(日)19:50 ID:BcE2TeyK(6/7) AAS
 毎度、伊南屋です。

 これからはトリップ付けようかと思ってたのに本編の時は忘れていました。

 今回は真九郎×紫です。ラブラブネタのつもり。
 しかしここまでの真九郎のカルマ値が高いとこの後に紅・異伝〜宵闇〜に分岐したり。

 とりあえず今回はこれまで。
 以上、伊南屋でした。
688: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/14(日)19:58 ID:BcE2TeyK(7/7) AAS
追記
 保管庫は自分も良いと思います。
689: 2007/01/14(日)21:32 ID:hopBvbmc(1) AAS
GJ!

つか片山憲太郎作品のスレがあること自体に驚いた
690: 2007/01/14(日)21:33 ID:9qEJKmHo(1) AAS
伊南屋さんGJです!!紫、ヤバいですw
691: 2007/01/14(日)22:44 ID:6uXFgUFh(1) AAS
伊南屋さんGJっす!
しかしやっぱ紫がこんだけ幼いと真性のペド野郎でない限り、どこか暗い話になりますよね……
692: 2007/01/15(月)02:02 ID:3QVzz/LF(1) AAS
>>680
どうでも良いけど、電圧なのにWって…
正にwwwwwwwwwwwwwww
693: 2007/01/15(月)10:52 ID:yGiJfFaI(1) AAS
どなたか保管庫(サイト)を作っていただけませんか
694
(2): 2007/01/18(木)01:46 ID:vkOBAabC(1) AAS
崩月姉妹モノが見たいなあ…
695: 2007/01/18(木)08:48 ID:RWnRPRMj(1) AAS
>>694
ロリコン
696: 2007/01/18(木)20:57 ID:urqnKCEi(1) AAS
>>694
激しく同意!!!!!!!!!
697: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:13 ID:Su7byAgy(1/7) AAS
『レディオ・ヘッド リンカーネイション』
].

「へい、らっしゃい!」
 店内へと足を踏み入れたジュウに、威勢の良い声が浴びせられる。同時、鼻孔を刺激するスープの香り。
 真九郎に案内された店は宿も兼ねた大衆食堂。楓味亭という名のこの店はなかなかに繁盛しているらしく、昼時らしい賑やかな喧騒に溢れていた。
 それを見て、ジュウは内心辟易する。人混みは余り得意ではない。王として、それなりの経験を経ているジュウにとって、それだけは幼少から変わることのない事実だった。
 真九郎は紫を連れ、さっさと空いた席を見つけ腰を下ろすと、ジュウに手招きをした。
 ジュウは溜め息ひとつ。味は、せめて混雑しているだけはあるんだろうなと考え、真九郎の向かいに座り、この店に来るまでの経緯を思い返し始めた――。

 ***

「お昼は如何なさいますか?」
省28
698: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:14 ID:Su7byAgy(2/7) AAS
 最後の方が歯切れ悪くなったのは中の光景に嘆息したからだ。
「ふぉふぉふぃ?」
 恐らくは「どこに?」と言ったのだろう。しかし口の中に食べ物を詰めた状態では、発音は不明瞭極まり無かった。
 しかもその隣ではいつの間に屋敷に入ったのか。円も膝の前に置かれた膳を黙々と口に運んでいた。
「如何なさいます?」
 夕乃が苦笑混じりに尋ねてくる。
「……外で食べるさ。すまんがこいつらは頼む」
「護衛をお連れにならなくて宜しいんですか?」
「勝手に飯をたかる奴が護衛とは認めたくないんでな」
「そうですか」
省28
699: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:16 ID:Su7byAgy(3/7) AAS
 答えようとした真九郎より先に紫が名乗る。九鳳院という単語を出した事に真九郎とジュウ。二人は冷や汗を流した。
 まわりを眺めれば、紫の声は店内の喧騒に紛れたらしく、こちらを注視している者はいない。
 銀子も一瞬、驚きの表情を見せたが騒ぐ事はせず、しゃがんで紫に視線を合わせると柔らかい笑みを浮かべた。
「よろしく、紫ちゃん」
 ジュウはそれを見て意外に思う。冷徹そうだった表情から一転、慈母のような微笑みを浮かべる事が出来たのか。
 それを見てなんとなく、短い時間ながら銀子という少女の少女の人となりが分かったような気がした。
 冷静沈着、しかし情に厚く思いやり深い。それが銀子の本質であるように思う。
「じゃあ、アレってあなた達絡みなのかしら」
 呟いた銀子の台詞に、ジュウと真九郎は疑問符を浮かべる。
「アレってなんだ?」
省12
700: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:20 ID:Su7byAgy(4/7) AAS
 毎度、伊南屋です。

 今回は少々短め。間が空いたクセにこんなんでスミマセン。
 いやしかしレディオ・ヘッドも]まで来ました。長いなあ……なんて自分で思いました。

 今回は以上。次はもっと早く、かつ文量を多くして投下します。
 それではまた、伊南屋でした。
701: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:55 ID:Su7byAgy(5/7) AAS
 ***

「なあ、飯なんか食ってて大丈夫か?」
「ちゅるちゅる」
「ああ、大丈夫だ」
「むぐむぐ」
「しかし、飯食うより情報をだな……」
「ず〜っ、んくっんくっ」
「飯食わなきゃ情報を教えて貰えないんだよ」
 結局。
省35
702: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:56 ID:Su7byAgy(6/7) AAS
「……プロだから、か?」
「……プロだから、よ。あんたもその辺ちゃんとしなさいよ?」
「分かってるよ……」
「どうだか」
 そう言って銀子は真九郎を見つめる。なんの感情も込められていないように見えるが、ジュウには銀子が真九郎を案じているのが感じ取れた。
「折角だから説明しながら読むわ」
 言って、銀子は街外れの不審者について、ゆっくりと話し出した――。

 続
703: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/20(土)23:57 ID:Su7byAgy(7/7) AAS
 すいません。本編変な所で切れてました。追加文です。
 これで本当に]は終わりです。
704: 2007/01/21(日)00:01 ID:NPt6P1XY(1) AAS
GJ!!

でも、雨の出番が無い(´・ω・)
705: 2007/01/22(月)04:35 ID:Gc13eEA5(1) AAS
キヤァー、足りない足りない、物足りないわ〜続きが気になって眠れないじゃないのっ!
・・・・酷い伊南屋(ひと)・・・でも、そんな貴方が・・好・き♪
706: 2007/01/22(月)07:18 ID:fzA2saEr(1) AAS
伊南屋さんいつもながらGJです!!
このスレが700超えたのは伊南屋さんの力が大きいのでは…GJ!!
707: 2007/01/22(月)10:38 ID:a0cX6lrp(1) AAS
伊南屋氏GJッス!ってゆーかこんなハイペースで良質のSSを大量生産するなんて神以外の何者でも無いっすよ!
708: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:16 ID:w014PtwQ(1/9) AAS
『レディオ・ヘッド リンカーネイション』
]T.

 夜。
 雲が月を覆い、闇を深くしている。
 影はその漆黒に身を潜め、蠢く。
 嫌な空だ。ジュウは嘆息を漏らした。
 崩月邸。その庭でジュウは今宵起こるであろう惨劇に思いを巡らせていた。
 銀子の情報は予想以上に深くまで掴んでいた。
 大まかな人数と今夜、襲撃を掛けるであろう事。更には襲撃者の中には裏では名の知れた戦闘屋も含まれる事。
 具体的にそれが誰かまでは分からなかったが、これは十分に大きな収穫と言える。
省25
709: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:17 ID:w014PtwQ(2/9) AAS
 しかし、やはりそこは玄人である。与えられた仕事はこなす。
 時間が、やってきた。
 襲撃者達は動き出す。まずは門破りだ。
 先陣を切って走る一団が門に辿り着かんとした時だ。
 破る筈であった門が、内から開かれた。その向こうに立っていたのは、少女。
 長い黒髪を闇に溶かし、身に纏うは紅袴。
 いわゆる巫女装束であった。
「ようこそいらっしゃいました……と言いたい所ではありますが、少々礼に掛けるお客様のようですね」
 あくまで穏やかな微笑を浮かべ、少女――夕乃は淡々と語る。
「申し訳ありませんが、お帰り願いますか?」
省28
710: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:19 ID:w014PtwQ(3/9) AAS
「まったく。うちの王様のお人好しにも困ったものだわ。これが雨ならもっと楽に話は着いていたんでしょうに」
 目の前の危機を危機とも思わず愚痴を漏らす。常と変わらぬ円の姿がそこにあった。
「貴様は……っ!」
 一団の中から一人の男が声を上げた。
「あら、貴方……」
 その男を視界に捉え、円は記憶を掘り返す。それは昨夜、股間に膝を打ち込んでやった男であった。
 男はその顔を憤怒に染め、円を睨み付けている。
「……ふん」
 しかし、それを見た円は鼻を鳴らすだけであった。詰まらない物を見たとでも言うように視線を逸らす。
「やるなら早くしましょう。退屈なのよ」
省27
711: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:20 ID:w014PtwQ(4/9) AAS
 それを証明するように、塀を越え、中庭に二人の人影が降り立つ。
 闇に慣れた瞳に映ったのは、黒い肌に、肩まである鋼鉄のガントレットを装着した巨漢と、口元をマフラーで隠し、胡乱な瞳をした少女であった。
「よし、雪姫。抜いて良いぞ」
 敵を確認し、ジュウが雪姫に戦闘許可を出す。雪姫はそれと同時。刹那の内に抜き身の刃を晒していた。
 空気が一変する。さっきまではただの少女であった“ソレ”から、殺気が溢れ出す。
「ほう……」
 巨漢が興味深げに呟いた。
「こいつは斬島か?」
 巨漢は雪姫と、自らの傍らで呆っと突っ立っている少女を見比べた。
「なんだ、詰まらねえ仕事かと思ったら案外イカしたアトラクションがあるじゃねえか」
省26
712: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:21 ID:w014PtwQ(5/9) AAS
 少女は愉快そうに、また笑った。
「あっははははは! 先代の唯一とちった仕事を、オレが片付けるってか!」
 その声は、明らかな歓喜の声。
「良いねえ。先代切彦を良いとこまで追い詰めたらしいじゃねえか。そん時の怪我のお陰で存外早くオレに切彦の襲名が回ってきた」
 切彦。その言葉に、雪姫が表情を変える。
「切彦……」
「そーだよ、切彦だ。現当主ってとこか。だからまあ、一族の不始末をつける義務? そういうのがあんだよ」
 そう言う切彦はあくまで楽しそうだった。実際、義務なんかは建て前で、殺し合えるのが嬉しくて仕方ない。そんな笑みを浮かべていた。
「んじゃま。始めようぜ、はぐれ野郎」
 その言葉を皮切りに、二者の殺気は更に膨れ上がる。
省23
713: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:23 ID:w014PtwQ(6/9) AAS
 そう言って、皮肉な笑みを浮かべながら、男は拳を突き出した。
「折角だから名乗るとしようか」
 ずしん、と四股を踏むように脚を鳴らす。それを見て、ジュウも瞳に真剣な光を宿し巨漢を睨んだ。
「《鉄腕》ダニエル・ブランチャード! ――お前さんは?」
「ギミア国王・柔沢ジュウだ。覚えとけ薄らデブ」
 瞬間、弾けるは《鉄腕》の巨漢。自らの巨体を一塊の砲丸として突進する。
 ジュウは大剣を強く握り、それを迎え討つ。
 地を揺るがす衝撃が、二人の間で激突した。

 ***

 崩月邸――当主の間
省30
714: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:24 ID:w014PtwQ(7/9) AAS
 紫を庇うように真九郎は立ち上がる。
 離れていく紫を背後に感じながら、真九郎は目の前の大男を睨み付けた。
「にげ、る。むらさき。にげる」
 濁った声で呟きながら、大男は紫を目で追いかける。
「どこを見てる」
 真九郎が、大男に声を掛ける。その瞳にはありありと敵意が浮かんでいた。
 守る。紫を。
 その為には、こいつを倒さなければ。
 今、真九郎に出来るのは、外を守っているジュウや夕乃を信じること。そしてこの侵入者を排除すること。
 深く息を吐き出し、構えをとる。
省30
715: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/23(火)00:29 ID:w014PtwQ(8/9) AAS
 毎度、伊南屋です。

 レディオ・ヘッド]T。決戦・導入編って感じです。一応シリーズ最長レス消費。
 書いてる途中で「もはや前世とか関係なくね?」って思ったけど気にしない。
 ついでに「国の名前センスなくね?」って思ったけどこれも気にしない。
 代わりに面白い物を頑張って書きたいと思ってるんで許してください。

 嗚呼、こんなんばっかだ。今日はもう寝る。すいません。
 以上。伊南屋でした。それではまた。
716: 2007/01/23(火)04:05 ID:XsYK079A(1) AAS
うはっ♪ 総力戦開始ですな。夕乃の角が出るのか気になる所ですよ、本当毎度良い仕事されます。
717: 2007/01/23(火)09:40 ID:L7GdLAIu(1) AAS
オールスター戦開幕ですね!!本当に面白いです!!GJ!!
718: 651 2007/01/23(火)19:37 ID:kxMXrFlA(1/5) AAS
伊南屋先生に刺激されて>>653の続きを書いてみました。
まあ、ネタってことで。

「美味しかったな」
「ええ。……それではジュウ様、私はこちらになりますので」
 ラーメン屋からの帰り道、ふたりは十字路に差し掛かり家の方角のために別れることになった。
 気をつけて帰れよと一言雨に声をかけ、ジュウは今夜の夕食の買出しに行くことにした。
 
 しかし、雨と二人きりでどこかに食べに出かけるのは初めてだったかもな、と柄になく思う。
 いつだったか、雪姫と三人でカフェに入ったことはあるが、こうしてふたりで何の事件の絡みもなくどこかに食べに行くというのは
 改めて意識してみると、今までなかったような気がする。雨も案外喜んでいたみたいだし、またどこかに行くか。
省29
719: 2007/01/23(火)19:42 ID:kxMXrFlA(2/5) AAS
(早速面倒ごとかよ……)

 どうしてこうも自分の前には厄介ごとがごろごろと転がっているのか。
 もちろん、それらを全て無視して生きれば、自分ももっと楽に生きることができるのだろう。
 だが、柔沢ジュウという男はその厄介ごとを無視出来るほど、大人でもなく賢くない人間ではなかった。

 辺りを見渡してみると、多くの通行人がその様子に一瞥をくれるも、
 その少女を助けようとする人間は誰一人としていなかった。
 中には体格のいい男も何人かいたが、係わり合いになるのは面倒なのか素通りばかりしていく。
 そしてついに、ジュウは口を開いてしまった。

「おい、お前らそいつが困っているのがわからないのか?」
省35
720: 2007/01/23(火)19:46 ID:kxMXrFlA(3/5) AAS
 だが、そんな世間話をしている場合じゃないよな、と内心呟くとジュウは辺りを見渡す。
 残りの男たちも血気盛んに怒りと敵意を剥き出しにして、今にも殴りかかってきそうな勢いだった。

 伊吹と背中合わせに構える。
「いいのかよ? 空手部のエースが一般人を蹴り飛ばして」
「この場合は正当防衛だろう。それに手加減はしている」
 そう軽口を叩き合うとお互いに不敵な笑みを浮かべ、二人は動いた。
 その動きと拳撃の嵐はまさに疾風迅雷。
 襲い掛かる男の拳を上手く受け流しながら、的確に一撃一撃を男たちの身体に打ち込んでいく。
 数分とかからず、男たちは全員地面に倒れ伏せてしまった。

「これに懲りたら、女を騙そうとしないことだな。……そうだ、そこのあんた大丈夫か?」
省13
721
(1): 2007/01/23(火)19:47 ID:kxMXrFlA(4/5) AAS
「まあ、気をつけろよ。このご時勢だ。どっかのバカに殺されても文句は言えないぞ」

 ジュウは忠告する。
 妊婦刺殺事件、女子高生拉致事件、金銭詐欺、銀行強盗…
 昨今頻繁に起きている犯罪を例に挙げればきりがないくらいに、この街、いやこの国は犯罪で満ち溢れている。
 一見は平和を繕っているこの国だが、蓋を開けてみれば
 そこは偽りと憎しみと狂気が掻き混ぜられた毒液で満ちている。
 胸糞が悪くなることばかり。やっぱりこの世の中は綺麗なんかじゃない。どろどろとした泥沼が覆い尽くしているばかりだ。
 ジュウはそう言葉にしたわけではないが、そう感じた。

 この少女はどこか間が抜けていると思う。言い換えれば純粋そうとも言えるのだが。
 せめてこの忠告を聞いて、この少女が身を守ることができるのなら
省16
722: 2007/01/23(火)19:50 ID:kxMXrFlA(5/5) AAS
……まぁ、こんな感じで。ただ単に伊吹を出したかったのは内緒。
地の文ばかりで読みにくいけれど。……もっと上手になりたいな。
723: 2007/01/23(火)19:52 ID:w014PtwQ(9/9) AAS
GJ!
是非続きも頑張って下さい。
724: 2007/01/23(火)20:31 ID:wpHi1SMp(1) AAS
ん?ん?んー?……紫?
725: 2007/01/24(水)07:16 ID:FcUWfYVX(1) AAS
紫……かな?
726: 2007/01/24(水)15:03 ID:O32DOB9/(1) AAS
オトコマエだな、誰かは分からんが
727: 2007/01/24(水)16:29 ID:uFujRtMH(1) AAS
GJ!!!!!!!!!
続き期待です。
728: 2007/01/27(土)08:40 ID:aKaDtlKg(1) AAS
全体的に期待age
729: 2007/01/29(月)00:16 ID:59j2+jWy(1/2) AAS
一つ執筆してもいいかな?
……時間かかるけど
730: 2007/01/29(月)00:24 ID:+32Vm2VX(1/6) AAS
当たり前じゃないかブラザー!
731: 2007/01/29(月)00:33 ID:59j2+jWy(2/2) AAS
OK
期待しないで待っててくれーい
732: 2007/01/29(月)16:20 ID:pUqww61F(1) AAS
全裸で待つ!!!!!!!!!!!!
733: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/29(月)20:09 ID:+32Vm2VX(2/6) AAS
『レディオ・ヘッド リンカーネイション』
]U―“斬劇”

 閃くは剣刃。ただ殺意を成すために、全ての刃を死神の鎌へと変える一族が衝突する。
「ぅらぁぁあああ!」
 裂帛。そう言うにはあまりに獣じみた咆吼を上げ、切彦が鋸を振るう。
 一見すれば素人の動き。勢いに任せただけの突撃だが、事実は違う。
 最短距離を最速で駆ける。命を刈り取る為に、最も効率的な攻撃。
 剣士の敵と揶揄される斬島。武道とは懸け離れた殺人術の発露。
 しかし、雪姫も斬島である。故に、その動きは予想の範囲である。
 雪姫は庭に立つ石灯籠を盾にするように後退した。
省30
734: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/29(月)20:11 ID:+32Vm2VX(3/6) AAS
 それは、自分の強さを信じてではない。詰まる所は“斬島”の血が成せる業。
 一度刃を持てば、斬り刻む事しか考えない狂戦士となる。
 狂気をもって凶器を振るう。唯それだけだ。
 雪姫の切先が躍る。狙うは切彦の首。弧を描き刃が迫る。
 それを、切彦は上体を反らすだけで躱した。体制を崩しながら、刀を振り抜き隙の出来た雪姫の胴に、鋸で斬りつける。
 回避。しかし切彦の刃は恐るべき鋭さで、雪姫の服を掠めた。
 それだけならまだしも、直接刃が触れていない肌を、剣風で薄く裂いていた。
「くっ……」
 思わず雪姫は呻きを漏らした。
 痛手ではない。しかし、不安定な体勢から繰り出された剣戟でこの威力。
省29
735: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/29(月)20:12 ID:+32Vm2VX(4/6) AAS
 雪姫は、勝機はないと理解している。
 しかし、敗北はないと信仰している。
 斬島だからではない。
 “雪姫”と言う少女として、自身を信じている。
「はぁあっ!」
 水平に跳ぶように疾駆する。地を踏みしめ、欠けた刃を前に、暴風の如く、目掛けるは、切彦。
 己が総身を一刃に変え、雪姫は極限の刺突を繰り出す。
 刹那に被我の距離差は零に。
 剣戟が激突する。
 未だ腕は痺れている。それでも構わない。この一撃だけ、柄を握っていられればいい。
省43
736: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/29(月)20:13 ID:+32Vm2VX(5/6) AAS
 刃もなく、戦えはしない。まして痺れた腕では殴る事すらままならない。
「そうですか。――ではいずれ生きている限り、また戦う事になるかも知れませんね」
「――その時は勝つよ。きっとね」
「楽しみにしてます」
 最後に、あの獰猛な気配を垣間見せ、しかしそれは直ぐに幻の様に消え去り、切彦も踵を返した。
「……しーゆーあげいん」
「……さよなら」
 まるで、何事も無かったかのように切彦は闇に溶け、何処へかと去っていく。
 雪姫はそれを追わない。
 ただ、脚を主の元へと歩ませる。
省5
737: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2007/01/29(月)20:18 ID:+32Vm2VX(6/6) AAS
 毎度、伊南屋に御座います。

 レディオ・ヘッド]U―“剣劇”でした。
 斬島VS斬島でした。如何でしたでしょうか?

 今回サブタイに“剣劇”と付いているのは]Uがいくつかに別れているからです。
 これ以降サブタイが変わって同時刻に起きていた戦いが描かれる予定です。
 投稿ペース下がりそうなんですが今しばらくバトルシーン、お付き合い下さい。

 それでは今回はここまで。
 以上、伊南屋でした。
738: 2007/01/29(月)22:41 ID:pQgwy44A(1) AAS
GJ!GJ!!GJ!!!
伊南屋さん最高です!!
739: 2007/01/29(月)22:56 ID:oiPe4qML(1) AAS
伊南屋さんGJッス!
相変わらず戦闘描写が素晴らしく所々惚れ惚れます
 普通ならば、それで止まるはずだった。
 異常だから、それで止められなかった。のフレーズ特に好きッス!
戦闘の結果も、雪姫の逆転の発想でスゲー納得いきました!
740: 2007/02/02(金)10:21 ID:8tzKyZkp(1) AAS
いつの間にか毎回楽しみにしている俺がいる。
741: 2007/02/02(金)19:21 ID:UDda/I2p(1) AAS
堕花「ジュウ様、最近お顔の色が優れませんがどうかなさったのですか?」
柔沢「なんだか最近見られてる気がする」

堕花「敵ですか?」
円堂「ああ、言っとくけど雨じゃないわよ。最近はずっと私たちと一緒にいるから」
斬島「うわ〜、ジュウ君自意識過剰!!」
柔沢「(やっぱり馬鹿にされた・・・・言うんじゃなかった)」

××「お姉ちゃん、あんなに楽しそうにあいつとお喋りしてる
    ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい

             お姉ちゃん、ずるいよ」
742: 2007/02/02(金)19:35 ID:uUIYnH25(1) AAS
その、なんだ
意外にも黒化光に萌える自分にびっくりだ
743: 2007/02/02(金)20:47 ID:8lANbkCU(1) AAS
ヤンデレ光とは新しいw
744
(1): 2007/02/03(土)22:34 ID:F4mTivD/(1) AAS
黒光という新たなジャンル(?)が生まれた!!
そういえばヤンデレってなに?
745: 2007/02/03(土)23:10 ID:+T/+x2pU(1) AAS
>>744
デレデレ状態が行き過ぎて心を病んでしまうヒロインまたはその状態。
詳しくはヤンデレスレがあるのでそちらでどうぞ。
746: 2007/02/03(土)23:30 ID:hRhFvXrD(1) AAS
自分744ではないんだが。

「病んデレ」だったのか!
ヤンキーじゃないよなあ、でもなーとか思ってたw
747: 2007/02/04(日)00:03 ID:WUbwJcmy(1) AAS
意外とその勘違いをする者は多いぞ
かくゆう俺も始めて見たときそう勘違いしたしw
748: 2007/02/04(日)00:23 ID:3z4Bkhvz(1/4) AAS
流れをぶった切らせて貰って、>>721の続きを投下。
他の職人さんのつなぎぐらいに気楽に読み流してもらえると幸い。

 少女を見送った後、ふたりは並んで街中を歩きはじめた。
「そう言えば伊吹。お前、何でこんなところにいるんだ? お前の学校は離れてるだろ」
「………」
 伊吹は最初どこかバツの悪そうな表情を浮かべたが、すぐに答えは返って来なかった。
 世間話程度に話を持ち出したのだが、嘘をつくなり話題を逸らすなりすればいいのに
 真面目に迷うところはこいつらしいな、と思いちらりと伊吹の顔を覗き込んだ。
「……この間の件はすまなかった」
「…あ、光のことか。別に、俺に謝るようなことじゃねえだろ。
省24
749: 2007/02/04(日)00:25 ID:3z4Bkhvz(2/4) AAS
 確かに恋人ではない。けれども、それ以外の友人や仲間と言った言葉にも当てはまらないだろうと感じた。
 今まで敢えて意識することは避けていたが、改めて関係を尋ねられると一言で言うのは難しい。
 雨に言わせれば主従関係と言うことになるのだろうが、ジュウとしてはどうにも釈然としない。
 前世云々は今でも彼女の妄想だと信じているし、
 事実であったとしてもそのような記憶がない限りはどうしても信じようがなかった。
 とすれば、一体自分と雨の関係はどういったものなのだろうか。
 雪姫のような友人感覚でもなければ、円のように見知りあい程度というわけでもない。

「……ただの知り合いだ」
 捻り出した答えがこれだった。我ながら情けないとも思いつつ、無難な答えを答えるしかほかないだろう。
「…そうか」
省9
750: 2007/02/04(日)00:29 ID:3z4Bkhvz(3/4) AAS
 結局ふたりはそこで別れ、ジュウはアクセサリーショップに寄ってみたが
 いいものが見つからず、結局手ぶらで帰ってきてしまった。

 まあ、まだクリスマスまでには時間がある。じっくり考えて選べばいいだろう。
 ジュウはぼんやりそう思いながらアパートの郵便受けを開けた。あるのは何通かのダイレクトメールや広告のみ。
 …と思いきや一通の茶封筒がそのなかに紛れていた。
 基本的に外の世界にはあまりつながりを持たないジュウにとっては
 珍しいことだったが、もしかしたら紅香宛てのものかもしれない。
 彼は不思議そうに首を傾げながら、自分の部屋の中に上がってからその封を調べてみた。
 一見すると『柔沢ジュウへ』としか書かれておらず、差出人も明記されていなかった。
 封を切ると、その中には一枚のA4程度の大きさの手紙が入っていた。
省17
751: 2007/02/04(日)00:34 ID:3z4Bkhvz(4/4) AAS
 ……とはいえ、あの女は他の誰かにやれるような殊勝な女だっただろうか。
 ジュウのなかで知る『最強』は母親の紅香であって、加来羅清よりも、円堂円よりも、伊吹秀平よりも、
 強烈で過激で獰猛で、そして何より最初から最後まで自分を貫く――、柔沢紅香とはそういう人間だ。
 彼女を負けさせる人間がいるとすれば、そいつは世界で一番の異常者だ。
 柔沢紅香という人間はありとあらゆる『常識』を超越した傍若無人。
 『常識』に捕らわれる限りはあいつを叩きのめすことなんてありえるわけがない。

 それにしても、どうしてこのような脅迫文が送られて来たのだろうか?
 ふと以前に遭った幸福潰しが頭の中をよぎったが、首謀者である綾瀬一子は自首、
 そのメンバーも『暗木』の不在によりバラバラになった。
 白石香里のようにそのうちの一人が綾瀬一子の『真理』とやらの考えを引き継いでいたとしても、
省12
752: 2007/02/04(日)01:36 ID:lE7sV37g(1/2) AAS
これで続かないなんて俺が耐えられない。
753: 2007/02/04(日)07:27 ID:pHnZ9LuF(1) AAS
続きが気になる(;´Д`)
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