[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 (503レス)
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143: 2007/11/11(日)22:50 ID:tehRhLm5(5/5) AAS
144: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
145: 2007/11/11(日)22:51 ID:VGklfHHo(5/6) AAS
146: 金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw 2007/11/11(日)22:51 ID:rQrx3fVv(12/16) AAS
それは小さな遊び心だった。
男の実力を見極め、負の方向へと背中を押す――その一点においては、男と同じ舞台に立った方が最適だと思えたのだ。
あそこまで面と向かって拳の道を説く程の拳闘狂だ。
つまり拳を介して行われる戦闘こそが奴の矜持。それを完膚なきまでに叩き折ってこそ、絶望への道は開かれる。
だが――
「……くっ!?」
省30
147: 2007/11/11(日)22:51 ID:jeVdDyyD(6/7) AAS
148: 金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw 2007/11/11(日)22:52 ID:rQrx3fVv(13/16) AAS
「……見慣れぬ拳だな」
「流派東方不敗に敵はない。それに――中国拳法を得意としている知り合いがいてな。何度も拳を交えている。
故にお前の動きにも対応出来た。さぁ立て、言峰!! もう一度だっ!!」
「残念だが……くくく、私にはもう闘う意志はない」
「何……? どういう事だ!?」
ドモンは私の言葉に追撃の意思をなくしたのか、構えを解いた。
そうだ……それでいい。
省32
149: 2007/11/11(日)22:52 ID:jeVdDyyD(7/7) AAS
150: 金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw 2007/11/11(日)22:53 ID:rQrx3fVv(14/16) AAS
「言峰、質問はこれで終わりか? そろそろ俺も移動したいのだが」
「……ああ。時間を取らせて済まなかったな」
「何、容易い事だ。ではっ!」
ドモンは最後に私に合図を送ると、凄まじい勢いで駆けて行った。
あの速度ならば本当にマップの上から下まで走破しても可笑しくないのではないか、そんな考えさえ生まれる。
さて……これから私はどのように動くべきか。
何も出会う人間を衛宮士郎に限定する意志はほとんど存在しないと言える。
省33
151: 2007/11/11(日)22:54 ID:VGklfHHo(6/6) AAS
152: 金ぴかと本と熱血格闘家とあたし ◆tu4bghlMIw 2007/11/11(日)22:54 ID:rQrx3fVv(15/16) AAS
【H-2 校庭/一日目 午前】
【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:左肋骨骨折(一本)、疲労(中)
[装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:荷物一式
[思考]
基本:観察者としての姿勢を崩さない。苦しみを観察し、検分し、愉悦とする。
省7
153: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
154: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
155: 2007/11/11(日)22:58 ID:unay7Ouw(1) AAS
156: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
157: ◆tu4bghlMIw 2007/11/11(日)23:03 ID:rQrx3fVv(16/16) AAS
っととすいません。
ドモンの状態表から
※マントはボロボロになってしまいました。
を削除。
言峰の状態表に
4:風浦可符香に興味
を追加で
158: 2007/11/11(日)23:37 ID:SQ9Ptx8U(1) AAS
どうせくだらない内容なんだからどうでもいいさ
159: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:22 ID:Ae5T4DkO(1/11) AAS
空港、格納庫内。
幾多ものコンテナが格納されているその倉庫の一角に、シャマルは立っていた。
つい先ほどのヴィラルとの対話からは、もう2時間程の時が経過している。
と言っても、2時間もの間、延々とその場に立ち尽くして居たわけでは無い。
シャマルは、その時間をこの空港内の探索に充てていた。
未だ非道になりきる事も出来ぬまま、ゲームに乗ることを決意した彼女にとって幸か不幸か、
空港内部及び、周辺からは人の気配を感じる事は出来なかった。
省26
160: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:23 ID:Ae5T4DkO(2/11) AAS
「形見、みたいになっちゃったわね」
シャマルの腕にある『それ』は……ブーストデバイス、『ケリュケイオン』。
彼女の良く知った人物であり、共にこの殺戮の宴に巻き込まれた人物であり……
つい先ほど、その死を告げられた少女、キャロ・ル・ルシエの愛用していたデバイスであった。
今まで、彼女がそれを装備しなかったのには、幾つかの理由がある。
まず第一の理由は、ケリュケイオンはミッドチルダ式のデバイスであり、
省31
161: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:24 ID:Ae5T4DkO(3/11) AAS
「………う…」
「…?」
突如耳に入ってきたうめき声に反応してシャマルは目を開き、声のする方――すなわち、眠っているヴィラルを見やった。
ピク、ピクと瞼が動いているのが確認できる。彼が寝入ってから相当に時間も経っている事だし、そろそろ起きる頃合か。
「ヴィラルさん?」
無理に起こしてしまわないように、近寄ってから小声で声を掛けて反応を見る。
が、予想に反して彼は、しばらく寝言のような唸り声を発した後、再び寝息を立て始めた。
省28
162: 2007/11/12(月)00:26 ID:3LYskVSx(1/6) AAS
支援を。
163: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:26 ID:Ae5T4DkO(4/11) AAS
「ふぅ……それにしても、本当に良く寝てるわね…」
一息つきながら、何気なく寝ている彼に手を伸ばし、額に触れた瞬間――――
妙な違和感が手に残った。
「……汗…?」
べったりとはいかないまでも、妙に寝汗をかいているのがわかる。
ゴーカートの運転席に座りながら、という奇妙な体勢で眠っている事からくる寝苦しさからか?
省27
164: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:27 ID:Ae5T4DkO(5/11) AAS
気分が、悪い。
ここはどこだ?辺りは薄ぼんやりとしている。足元が覚束ない。自分が立っているのか、寝ているのかすらわからない。
何もかもがはっきりとしない、それが何よりも自分を苛立たせる。
ああ、いや。二つだけはっきりとした感覚がある。痛みと熱。……どちらも忌々しい。より一層、心の中をかき乱す。
最悪だ。頭がフラフラする。痛い。焼け付くような痛みだ。いや……実際に、焼けているのか?
意識が薄い。思考力が低下している。ああ、腹立たしい。憎らしい。
何がだ?痛みが。それだけか?この痛みを俺に刻み付けた、あの蛇が。まだあるんじゃないのか?
省35
165: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:30 ID:Ae5T4DkO(6/11) AAS
-----------------------------------------------------------------------------------
シャマルが行ったのは、デバイス『ケリュケイオン』を起動した状態での、回復魔法の使用。
予想していた通り、古代ベルカ式の魔法を扱うシャマルがミッドチルダ式のデバイスを使用するのには多少の手間を要した。
それでも、使用した魔法がミッドチルダ式の中でも基本的かつ初歩的な物だった為か、どうにか一定の効果は見られたようだ。
少しずつ塞がっていく傷口を見ながら、シャマルから段々と緊張が抜けていく。
「………よかった」
省24
166: 2007/11/12(月)00:30 ID:3LYskVSx(2/6) AAS
支・援
167: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:31 ID:Ae5T4DkO(7/11) AAS
(回復魔法の効きが、予想以上に悪い……しかもそれだけじゃなく、魔力消費がこんなに大きいなんて…?)
ヴィラルの傷はじわじわと塞がってはいる物の、その速度はシャマルが普段見慣れている物よりも遥かに遅い。
普段扱いなれぬ形式の魔法を使っている事を差し引いても、これは異常だ。
実際の効果の程にも不安は残る。傷口は塞がり出血は止まるだろうが、痛みは残るかもしれない。
さらに、もう一つ。魔力消費量もまた、異常な程に高いのが感じられる。
数時間前のあのサングラスの男達との戦いの結果、予期せず気絶という『睡眠時間』を取る事が出来た為、
省20
168: 2007/11/12(月)00:31 ID:6DbxQ6CT(1/4) AAS
169: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:32 ID:Ae5T4DkO(8/11) AAS
ヴィラルは困惑していた。
あれほど自分を苦しめていた腹部の傷からは、ほとんど痛みが消え去っている。
血も止まり、ただ僅かな傷跡が残っているだけ。流石に完治しているとは言いがたいが、それでも異常な回復速度だ。
これが自分の体質によるもの、つまり螺旋王の改造による物なのかとも一瞬思ったが、予想は外れているようだ。
目の前のシャマルがいつの間にか手につけていた奇妙なグローブ。
そこから発せられた光が自分の傷を包み、痛みを少しずつ和らげて行くのをこの目で見た。
ならば、シャマルの持つこのグローブが癒しの力を持っている、という事か?
省29
170: 2007/11/12(月)00:32 ID:3LYskVSx(3/6) AAS
しえん、いっせぇん!
171: 2007/11/12(月)00:32 ID:bGMiO5ZO(1/2) AAS
172: 2007/11/12(月)00:33 ID:6DbxQ6CT(2/4) AAS
173: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:33 ID:Ae5T4DkO(9/11) AAS
「魔法には様々な種類があるわ。今みたいに回復に使われる物だけじゃなく、攻撃の手段としての魔法も存在してる。
まぁ、私が得意としてるのは回復や補助と言ったタイプの魔法なんだけど…」
「随分と、便利な力だ」
「そうでも無いわ。まだ、『実験段階』の能力だから問題点も多いの」
思わず、眉を潜めた。
「『実験段階』………?どう言う事だ?」
省30
174: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:34 ID:Ae5T4DkO(10/11) AAS
引っかかっていた事は、これだ。
シャマルが嘘を付いており、本来はヴィラルが狩るべき人間だったとすれば、
先ほどの状態はシャマルに取ってはチャンスであり…ヴィラルに取っては危機であったはず。
理由はどうであれ、このゲームに乗っている自分と手を組む事を選んだシャマルも、恐らくは殺人者としての道を選んでいるのだろう。
だとすればどうして、寝首を掻かなかった?自分と手を組んだ、『手駒』を失いたくは無かったからか?
だが、もしそうだとしても限りある魔力を消費してまでわざわざ治療を行うこともあるまい。
省33
175: 2007/11/12(月)00:35 ID:6DbxQ6CT(3/4) AAS
176: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◆WcYky2B84U 2007/11/12(月)00:35 ID:Ae5T4DkO(11/11) AAS
「ありがとう……その、私の話の方から始めてもいいかしら?」
ヴィラルが黙って頷いたのを見て、シャマルは一つのディパックの中から『あの支給品』を探し始める。
「魔法を使うには魔力が必要不可欠である事は、さっき話したけれど……その魔力を回復する為には術者の休息…つまり、睡眠が必要になるの。
けど、この殺し合いの会場の中でそうそう何度も睡眠を取るわけには行かない。
だから、私のような人間が取るべき行動は『魔力を温存する』か、『魔力を回復する他の方法を見つける』かの二つに一つと言う事になるわ」
………ちょっと、これを見て」
省34
177: 2007/11/12(月)00:39 ID:6DbxQ6CT(4/4) AAS
178: 2007/11/12(月)00:43 ID:4YUTAp9E(1) AAS
なんかいた違いのSSが何度も流れてるが削除依頼だしていいんだろ?
179: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
180: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◇WcYky2B84U (代理) 2007/11/12(月)00:47 ID:3LYskVSx(4/6) AAS
『礼を尽くす』とは言った物の、現状を見れば延々と彼女に手助けされている状況だ。
ほんの僅かでも礼を返さねば、ヴィラル自身の気が済まない。
シャマルの話はここまでで終わりらしい。ヴィラルは、手元のディパックの中を漁り、最後の支給品を確認し始めた。
「さて、妙に重いが……?」
「武器か、魔力に関係する物だといいんだけど」
だがシャマルの願いに反して、取り出されたものは鈍色に輝く、ただの鉄の手枷だった。
ずっしりと重量感のあるそれを嵌められる事があれば、行動に支障が出る事は必死だろう。
省22
181: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
182: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
183: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◇WcYky2B84U (代理) 2007/11/12(月)00:48 ID:3LYskVSx(5/6) AAS
「その……ヴィラルさんは、この調味料のビンをそのまま武器にしようとしていたの?」
「いや、貴重な食料である事だし、とりあえず中身を消費してからの話だと考えていたが…」
「中身を消費……つまり、食べてからって事よね?」
「まぁ、流石に直に飲むわけでは無いが……一体何が言いたい?」
「ええと……この調味料、私が料理に使っても良いですか?」
「…………………………………は?」
省13
184: 『真偽』と『真意』〜危うい■■〜 ◇WcYky2B84U (代理) 2007/11/12(月)00:50 ID:3LYskVSx(6/6) AAS
【G-3/空港/1日目/昼:放送数十分前】
【チーム:Joker&Fake Joker】
【ヴィラル@天元突破グレンラガン】
[状態]:脇腹に傷跡(塞がってはいるが痛みは僅かに残っている)、衣服が濡れているが、上着は脱いでいる。
[装備]:ワルサーWA2000(3/6)@現実 、大鉈@現実
モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと9秒連射可能、ロケット弾は一発)を搭載したゴーカート
[道具]:支給品一式、ワルサーWA2000用箱型弾倉x4、鉄の手枷@現実
省37
185: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
186: 2007/11/12(月)00:51 ID:68TNHznv(1) AAS
こいつ…代理じゃんwwwww
代理はしたらばだけの掲載だけにしろというルールがあるのだが
無視かよwwww
187: 2007/11/12(月)00:53 ID:hciieA/j(1) AAS
188: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
189: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)21:48 ID:KzGPZmVv(1/11) AAS
「――っぐぅっ!?」
そう、男が苦しげに呻いたのは何度目だったろうか。
金髪に赤コートを纏った男は、軋む体に鞭を打ち、泣き言も言わずただ北への道を目指している。
彼の名はヴァッシュ・ザ・スタンピード。自らが誇示する正義を証明するため、我が身すら投げ出すお人よし。
――出会い頭から抱いていた印象は、やはり的を外れてなどいなかった。
「ヴァッシュさん……」
「え? あ、ああ、ごめん。いや、大丈夫だよ。早く、君を襲ったっていう男を捜さないとね……」
省32
190: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)21:52 ID:KzGPZmVv(2/11) AAS
殺し合いに乗った者に気付かれぬよう、家の明かりはつけず、窓からの太陽光のみで、クアットロは実験準備を進めていた。
一休みという建前で作ったこのフリーな時間。有意義なものにするため、クアットロは『首輪の調査』という選択肢を選んだ。
キャロ殺害後の不手際を思い出す。あのときは黒服のせいで回収に回れなかったが、結果的にはこうやって首輪を入手している幸運な自分がいる。
これをどう扱うかが問題だった。他者の荷物に潜ませ疑心暗鬼を誘発するなり、解析を望む者に対する餌として使うなり、用途は余りある。
大きなアドバンテージを手に入れたクアットロは、まずこう思ったのだ――この首輪の情報がもっと欲しい、と。
首輪の情報。即ち、内部を構成する物質やら、分解するための目処、起爆の条件や詳細な爆発力などだ。
それらはまた、情報だけでも脱出に有益な材料として機能する。欲する者は多く、だからこそ持っていて得をする。
省30
191: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)21:53 ID:KzGPZmVv(3/11) AAS
(う〜ん、やっぱり見ただけじゃなんとも……いっそ分解できればいいのですけれど……そううまくはいきませんわねぇ)
早くも手詰まりな予感を感じたクアットロは、口をへの字にしながら首輪を再度眺め回す。
どこからどう見ても輪。サイズが従来のものより小さいため、クアットロにとっては腕輪とも解釈できる。
手触りはツルツルしていて、特筆するような違和感はない。とても綺麗な素の状態だった。
(……ん? きれいな状態……それって、おかしくありませんこと?)
この首輪は、木っ端微塵に爆散したクロから回収したものだ。
所有者が木っ端微塵になるほど衝撃を受けたというのに、この首輪が綺麗な状態で現存しているのは、いったいどういうわけか。
省29
192: 2007/11/12(月)21:57 ID:SZPwswAo(1) AAS
193: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:02 ID:KzGPZmVv(4/11) AAS
陰鬱に淀んでいたクアットロの眼鏡が、ギラリと光った。
違和感に気付いたクアットロは、窪みの部分、『KURO』の刻印周りを爪でガリガリと擦り、すると。
べリッという小さな音が鳴って、爪になにかが引っかかった。
ちょろんとはみ出た、三角型の突起。微かにねばねばするそれは、『KURO』のちょうど左下部分に位置している。
クアットロはその突起に指をかけると、そのまま右上方向に向かって、慎重に引っ張った。
するとどうだろう。三角型の突起はベリベリと音を立てていき、徐々に大きくなっていく。
やがては『KURO』の刻印も巻き込み、ビッという音を最後に、突起は首輪から完全に剥がれた。
省30
194: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:04 ID:KzGPZmVv(5/11) AAS
ネジ式首輪のトリックに気付き、嬉々してネジを回そうとしたらご臨終。首輪は起爆し、死を招くだろう。
どこぞの馬鹿が引っかかりそうな、チープな罠だ。慎重派のクアットロは、そのような軽率な行動は取らない。
冷静に深呼吸してから、このネジについて再度考える。
ネジとは本来、円形の面に沿って螺旋状の溝を設けたものであり、別個の部材の締結や、回転運動と直線運動の変換などに用いられる。
ここで気になる単語が一つ。この殺し合いを考察する上で、忘れてはならない重要なキーワード――螺旋が出てくる。
螺旋王、螺旋遺伝子、螺旋生命体、そして螺旋力。
クアットロのデータベース上を検索してみても、これらの単語の意味するところはわからない。
省19
195: 2007/11/12(月)22:06 ID:mM79ebmg(1/3) AAS
196: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:06 ID:KzGPZmVv(6/11) AAS
作業をしていた机から離れ、クアットロはヴァッシュの眠る寝室へと赴いた。
ステルス機能を有した彼女の固有装備『シルバーケープ』が取り上げている現状、隠密行動には不安があったが、
お人よしのヴァッシュ相手なら、万が一相手が目覚めても、『シルバーカーテン』で誤魔化しが利く。
息を殺して歩み寄ると、ヴァッシュは安らかな寝息が聞こえてきた。その表情は、微かな苦悶。
初見の印象はアホ面のお人よしだったが、どうやら、彼は彼なりに殺し合いの現状を受け止めていたらしい。
だとすれば、今彼が見ているのは、クロを死なせてしまったことに対する後悔の悪夢か。
己が不甲斐なさと現実の悲惨な推移に、腹を立てているのやもしれない。
省16
197: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:08 ID:KzGPZmVv(7/11) AAS
僅かに寝息を漏らしたヴァッシュに臆することなく、クアットロは持参したプラスドライバーを用意する。
彼女が目論む実験とはただ一つ。『ヴァッシュの首輪のネジを回し、首輪が解除できるかどうか検証する』こと。
もし成功すれば、クアットロは重要な分解状態のサンプルが入手でき、ヴァッシュに恩も売れる。
失敗したとしても、最悪ヴァッシュの首が弾け飛び、手駒が減る程度の損害。
もちろん、ヴァッシュは扱いやすいという意味では有能な駒であるため、惜しくもあった。
だが、痛む体を押して悪党退治に熱意を燃やしていたことからわかるように、彼は我が強い。
ここぞというところで思慮外の行動を起こす可能性は、十分に考えられた。それが、自分にとって不幸を呼ぶ可能性であることも。
省30
198: 2007/11/12(月)22:08 ID:xO4vV8qn(1/3) AAS
199: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:10 ID:KzGPZmVv(8/11) AAS
瞬間、ヴァッシュの首輪から遠雷のような音声が響き、クアットロは反射的に手を離した。
異変は、その直後に始まった。
「――ぐああああああああああああああああああああああああああっ!?」
眠っていたはずのヴァッシュが、突然弓なりに動き出し、絶叫を上げたのである。
混乱するクアットロの瞳に映ったのは、苦痛に歪むヴァッシュの顔。まるで、拷問でも受けているかのような深刻さだった。
その動きは、蠢動するミミズそのもの。ベッド上で小躍りする姿は、転落してもおかしくないほどの激しさ。
突然の事態に、さすがのクアットロも思考が追いつかない。ただ、苦しむヴァッシュを呆然と見つめるだけだ。
省31
200: 2007/11/12(月)22:10 ID:mM79ebmg(2/3) AAS
201: 2007/11/12(月)22:12 ID:xO4vV8qn(2/3) AAS
202: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:12 ID:KzGPZmVv(9/11) AAS
螺旋力。やはり、キモはそれだった。
螺旋王のメッセージを要約するならば、『螺旋力がなかったから、ネジが回らなかった』と解釈できる。
逆に考えれば、『螺旋力があれば、ネジは回った』ということでもある。
クアットロにはその螺旋力がないと判断され、ヴァッシュはこの始末だ。
だが、もしネジを回したのがクアットロではなく、放送に出てきた、『螺旋の力に目覚めた少女』であったならばどうか。
恐らくネジは回り、ヴァッシュの首輪は外れていたことだろう。
原理はわからないが、このネジは螺旋力を持つ者が回せば回る。クアットロはそう推理した。
省12
203(2): 2007/11/12(月)22:13 ID:10dJxOmE(1/3) AAS
204: 2007/11/12(月)22:14 ID:xO4vV8qn(3/3) AAS
205: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:15 ID:KzGPZmVv(10/11) AAS
殺し合いは、そのための手段でしかない。クアットロはそう考えたのだ。
殺し合いなどでわかるのは、各々の戦闘能力、知力、体力、演技力、結束力、状況判断能力、精神力等々……その中に、螺旋力に通じるものがあるのかもしれない。
重要なのは、殺し合いという行為ではなく、それよって生じる極限の環境。螺旋力とは、そういった環境でしか育めないものなのだろう。
仮に最後まで生き残った一人が決定したとして、その者が螺旋王の求める優秀な螺旋遺伝子の持ち主かはわからない。
逃げ隠れて運よく最後まで生き延びただけかもしれないし、誰かに守られ続けて最後まで残ることだってあり得る。
トーナメント方式にでもするならともかく、このような誰にでも勝ちが拾えるサバイバルでは、真の一番など選出できはしない。
そして肝心の螺旋力は、そういった極限の環境下ならば、誰にでも齎される可能性があるものなのだろう。
省27
206: 2007/11/12(月)22:15 ID:mM79ebmg(3/3) AAS
207: 2007/11/12(月)22:16 ID:10dJxOmE(2/3) AAS
208: 2007/11/12(月)22:16 ID:bGMiO5ZO(2/2) AAS
209: スパイラルメロディーズ ◆LXe12sNRSs 2007/11/12(月)22:16 ID:KzGPZmVv(11/11) AAS
【E-5東部・民家/一日目/昼(放送直前)】
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン】
[状態]:全身打撲、気絶、???
[装備]:ミリィのスタンガン 残弾8、ナイヴズの銃@トライガン(破損)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]基本:絶対に殺し合いを止めさせるし、誰も殺させない。
1:???
省40
210: 2007/11/12(月)22:17 ID:10dJxOmE(3/3) AAS
211: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
212: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
213: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
214: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
215: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
216: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
217: あぼーん [あぼーん] あぼーん AAS
あぼーん
218: 2007/11/12(月)23:36 ID:yHWTfm3W(1) AAS
すっっっっげええ下らない議論してましたんで乗っけました
219: 2007/11/12(月)23:53 ID:cw5w2RD3(1) AAS
こんなにいちいちぐだぐだ説明しないとわからない奴らも珍しい
220: 2007/11/13(火)10:56 ID:sHOSO+nF(1) AAS
殺人狂いのみなさんへ
他所でやる考えは無いのですか?
221: 2007/11/13(火)18:00 ID:9DYQLXMk(1) AAS
無いだろう
222: とあるラピュタの同姓交流 ◆UCRiZtpozI 2007/11/14(水)20:44 ID:+ByrMloJ(1/3) AAS
リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは逃げていた。
突然に狂乱したマオから逃げていた。
ただ訳も分からず逃げていた。
エドの左手を右手で握りながら逃げることしかできなかった。
永遠とも思えるような距離を、エドと共に走ることしか出来なかった
だが、その永遠とも思えるような距離を走り続けるのに限界がきた。
省30
223: 2007/11/14(水)20:45 ID:hyIaGIOI(1/2) AAS
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