[過去ログ] アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8 (503レス)
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222: とあるラピュタの同姓交流 ◆UCRiZtpozI 2007/11/14(水)20:44 ID:+ByrMloJ(1/3) AAS
リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは逃げていた。
突然に狂乱したマオから逃げていた。
ただ訳も分からず逃げていた。
エドの左手を右手で握りながら逃げることしかできなかった。
永遠とも思えるような距離を、エドと共に走ることしか出来なかった
だが、その永遠とも思えるような距離を走り続けるのに限界がきた。
いくら山育ちで同年齢の少女よりも足腰が強いとはいえ、
両足に蓄積された疲労は彼女に限界を訴えかけるのに充分であり、着込んだ鎧は体力を容易に奪った。
疲労により足を止めたシータは手ごろな電柱に左手を着き、腰を僅かに落としながら無意識的に息を整え始める。
いったい何が起こったのか?
ある程度落着き、冷静になりつつある彼女の頭はそれを考えた。
まず、図書館の手前まで自分とマオはやってきた。そこで放送が起こり自分とマオは彼らの死を悲しんだ。
そこまでは良かった。その後が問題であった。突然現れた子供を見たとたん、マオの様子がおかしくなったのだ。
そうだ。その子供はいったいどうしたのだろうか?
たしか手を握ったままここまで連れてきたはずだ。
シータはそうぼんやりと考えながら背後に振り向く。そこには赤毛の少年がいるはずであった。

「そんな!?」

目を見開き驚く。辺りには少年どころか誰もいなかった。
途中で逸れてしまったのだろうか? それともマオのいる場所に置いてきてしまったのだろうか?
どちらにしても今すぐ探さなければいけない。
あのような子供が観覧車の側で見た亡骸と同じものになってほしくない。
また悲しい思いをしたくない。後悔の念がシータの心に満たされる。

「バァ〜!」
「キャア!?」

が、そんなシータの思いを裏切るかのように、真上から逆さまとなった少年の顔が降ってきた。
予想すらできなかった展開に驚き、シータは思わず尻餅をついてしまう。
見上げると、何時の間にか電柱に片足を引っ掛けながらぶらと振り子のように揺れているエドの姿が見える。

「あ、あぶないから早く降りなさい!」

シータは叫ぶ。片足一本で飛び出ている杭に引っ掛っている体勢は非常に危険に見える。
いや、実際に危険だ。別段高いというわけでもないが、それでも頭を下手にぶつけてしまえば怪我ではすまないかもしれない。
早く降ろさなければ。

「分かった〜」

が、自分の心配など他所に簡単に体勢えお立て直すと、エドは宙返りで電柱から降り、鮮やかに着地した。
まるで猿のようだ。なんとなくではあるが、ただ立っているだけでも猿のようにどこか安定していない。

「ありがとう」

突然ペコリと頭を下げられた。いったい何のことだろうか?
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