[過去ログ] 花陽「死を視ることができる眼」 (1002レス)
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124: [sage saga] 2016/12/29(木)00:01 ID:WwwgwYCn0(1/127) AAS
凛「ちょっとかよちん!そんなに慌ててどうしたの!」

駆け足で教室から出て、職員室を目指す。

到着して早々、担任の先生に凛ちゃんと同じような質問をしました。

担任「シエル……?そんな生徒聞いたことないわねえ」

頭を下げてお願いして、三年の名簿を確認させてもらう。
省6
125: [sage saga] 2016/12/29(木)00:01 ID:WwwgwYCn0(2/127) AAS
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放課後、昨日と同じように捜査を行いましたが、一向に有力な情報は手に入りません。

収穫といえば──夜は出歩かない方がいいという噂があちこちで出回っているのを、知ることができたぐらいでしょう。

解散して間もなく、私は真姫ちゃんの自宅にお呼ばれすることになりました。

昨日の夜、街で偶然会ってしまっていたにも関わらず、私は事情を説明することなく逃げ出しています。

多分、真姫ちゃんはそのことについて聞き出すつもりなんです。
省13
126: [sage saga] 2016/12/29(木)00:04 ID:WwwgwYCn0(3/127) AAS
真姫「そう……ねえ、花陽」

花陽「むう?」

真姫「そのレモンティーは私が淹れたものなの。どう、味の方は」

花陽「独特の酸味が丁度良い加減でブレンドされてる感じがする……ケーキの甘さを和らげてくれるから、よく合ってると思うよ」

差し障りのない感想が言えたはずなのに、真姫ちゃんはどこか浮かない表情をしています。
省10
127: [sage saga] 2016/12/29(木)00:05 ID:WwwgwYCn0(4/127) AAS
花陽「う、うぅ……」

真姫「花陽!」

肩を掴まれ、揺さぶられる。

真剣な眼差しは、真っ直ぐ私の瞳に向けられていました。

花陽「……本当に誰にも言わないって約束してくれる?」
省10
128: [sage saga] 2016/12/29(木)00:06 ID:WwwgwYCn0(5/127) AAS
真姫「────同調(トレース)・開始(オン)」

花陽「真姫ちゃん……一体なにしてるの!?」

真姫「静かにして、気が散る!」

なにやらただならぬ気配を感じ、思わず身構えてしまいます。

真姫「────仮定完了(オールカット)。是、即無也(クリア・ゼロ)」
省11
129: [sage saga] 2016/12/29(木)00:07 ID:WwwgwYCn0(6/127) AAS
次第に宙に離散していき、最後は跡形もなく雲散霧消しました。

真姫「魔力をほとんど込めていなかったガラクタだから、存在していられる時間も短い……本来この魔術は、とても効率の悪いものなの」

花陽「はえー、そうなんだ」

真姫「……なにがなんだかわからないって顔してるわね。まあいいわ……これでこちらの情報を簡単には提示できたでしょう。次は花陽、あなたの番」

花陽「わ、私──!?」
省9
130: [sage saga] 2016/12/29(木)00:08 ID:WwwgwYCn0(7/127) AAS
花陽「うん。あのときから──」

凛ちゃん、ごめんね。

私、また嘘ついちゃった。

でもまさか、初めに打ち明けるのが真姫ちゃんになるとは思ってなかったなあ。

花陽「──私、モノの死が視えるの」
131: [sage saga] 2016/12/29(木)00:09 ID:WwwgwYCn0(8/127) AAS
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一通り事情を説明したあと、真姫ちゃんは言いました。

真姫「死を視ることのできる眼、ねえ……トウコさんからもらった参考文献にも、そんなものは載ってなかった。でもそれに似たものは知ってるわ」

花陽「この眼に似たものがあるの?」

真姫「ええ、ケルトの神様があなたの眼と似た能力を持ってる」

花陽「か、神様っ──!?」
省7
132: [sage saga] 2016/12/29(木)00:10 ID:WwwgwYCn0(9/127) AAS
真姫「トウコさんなら、あなたの眼もどうにかしてくれるはずよ」

花陽「……うーん」

真姫「不安なの、花陽?」

花陽「そういうわけじゃなくて……そのトウコって名前をどこかで聞いたことがあるような気がするの」

真姫「あなたがかけてる眼鏡に関連してるのは間違いないと思う。ただ、一体なんの目的があって花陽に近づいたのかは気になるわね」
省11
133: [sage saga] 2016/12/29(木)00:11 ID:WwwgwYCn0(10/127) AAS
橙子「真姫、魔術師としての大原則を忘れたか?」

真姫「魔術は秘匿するものである……ですよね。忘れてなんかいません」

橙子「ならどうしてこの部屋に部外者を連れて来た」

トウコさんと呼ばれた女性はこちらに視線を向けることなく、淡々とタイピングを続けながら真姫ちゃんと会話していました。

私としては早くペーパーナイフのお礼をしたいのですが、真姫ちゃんとの会話に割り込むわけにもいきません。
省14
134: [sage saga] 2016/12/29(木)00:12 ID:WwwgwYCn0(11/127) AAS
花陽「難しいことはよくわかりません。けど、危害を加えるようなことはないとお約束します。だから……私に力を貸してくれませんか」

橙子「…………だそうだ」

真姫「花陽、あなたって人は……」

花陽「あ、あれ?」

なにか物凄い勘違いをしてしまったようです。
省11
135: 2016/12/29(木)00:15 ID:WwwgwYCn0(12/127) AAS
橙子「紹介が遅れてすまない。私はこの娘の師として魔術の指導にあたっている、蒼崎橙子というものだ」

花陽「お久しぶりです。真姫ちゃんと一緒に音ノ木坂でスクールアイドルをしている小泉花陽といいます」

橙子「君たちの評判はよく聞いてる。スクールアイドルだというのに、今やプロのアイドル顔負けの人気があるそうじゃないか」

花陽「きょ、恐縮です」

橙子「そう緊張しないでよろしい。立ち話もなんだから、そこのソファにでもかけてくれればいい」
省5
136: 2016/12/29(木)00:16 ID:WwwgwYCn0(13/127) AAS
橙子「大方、話を聞き出そうとするために魔術を見せびらかしでもしたんだろう。術の質が落ちても私は責任なんぞ取らんからな」

真姫「べ、別に構いませんよ、それぐらい!」

橙子「不出来な弟子を持つと苦労する……センスは飛び抜けているが、魔術師としてのモラルはからっきしだな、おまえは」

真姫「誰がからっきしよ!」

花陽「は、はははは……」
省7
137: [sage saga] 2016/12/29(木)00:18 ID:WwwgwYCn0(14/127) AAS
花陽「前回、私の眼についてはお話しましたよね」

橙子「ああ、その魔眼にはなにかと縁があってね……忘れることはないよ」

花陽「話が早くて助かります。今日のお願いは、この眼についてでして──」

橙子「先に断っておくが、その眼を治療することはできない」

花陽「えっ?」
省11
138: [sage saga] 2016/12/29(木)00:20 ID:WwwgwYCn0(15/127) AAS
真姫「けど、それは────」

橙子「無論、今後延々と眼鏡をかけ続けなければならないという、条件付きにはなる」

花陽「根本的な治療はできないということですよね」

橙子「残念だが、その通りだ」

易々とこの眼を治すことができないことくらい、ずっと前からわかっていました。
省11
139: [sage saga] 2016/12/29(木)00:23 ID:WwwgwYCn0(16/127) AAS
真姫「……まさか、そんなこと有り得ない」

橙子「しかし、そうとでも考えなければ説明がつかん。
小泉花陽は未来の滅びを回避するべく、後天的に力を得て、知らず知らずの内に世界を救うために奔走していると考えれば、いくらか納得もできるだろう?」

真姫「で、でも先生。それは────」

花陽「な、なんだか規模が大き過ぎてちんぷんかんぷんです……」

急に世界の滅びがどうとか説明されても、内容がさっぱり飲み込めません。
省13
140: [sage saga] 2016/12/29(木)00:25 ID:WwwgwYCn0(17/127) AAS
花陽「今、二人はなんの話をしているの?」

真姫「あなたがどうして突然力を手に入れたのか、という話よ」

花陽「……ごめん。私、ついてけそうにないよぉ」

真姫「いいのよ。考えがまとまったら、今度は私が教えてあげる」

花陽「うん、お願い」
省7
141: [sage saga] 2016/12/29(木)00:25 ID:WwwgwYCn0(18/127) AAS
花陽「い、いえ、そんなこと……ないです」

橙子「君は嘘や隠し事が下手と見た。隠したところで大した意味はない……話してみろ」

花陽「今はこの眼が必要だから……それでもいいかなって」

真姫「花陽、あなたなに言ってるの!」

橙子「…………目的はロアの残滓か」
省13
142: [sage saga] 2016/12/29(木)00:26 ID:WwwgwYCn0(19/127) AAS
真姫「被害者は日常生活でも大人しかったが、高校入学と共にスクールアイドル活動を……スクールアイドルっ!?」

橙子「名前は杉崎亜矢。今年高校に入学したばかりの彼女は、日頃から読書を趣味としていた、比較的大人しい生徒だったらしい。だが、なにかがきっかけで彼女はスクールアイドル活動を開始した。しかも、たった一人で」

花陽「………………」

橙子「日頃から大人しかった彼女がいきなりアイドル活動なんてできるはずもない。故に、活動そのものに対しては冷ややかな視線を送られていたんだろう……しかし、それでも彼女はめげなかったそうだ」

たった一人でアイドルになろうとした彼女の気持ちを、推し量ることなんてできない。
省8
143: [sage saga] 2016/12/29(木)00:27 ID:WwwgwYCn0(20/127) AAS
真姫「待って、先生!話が飛躍しすぎよ!」

橙子「私が語ったのはただの推測でしかない。断定するには証拠が足りん……それでも、なにを意味するかぐらいは理解できたはずだ」

生きていれば、恨みの一つや二つは買うでしょう。

でも、その矛先がμ'sに向かうのは我慢できないから。

花陽「…………私、やっぱり行かなくちゃ」
省13
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