[過去ログ] 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3 (1002レス)
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986: [saga] 2015/06/30(火)00:10 ID:v1l6gevwo(1/7) AAS
「ねぇ、貴女。このままだと、死んでしまうわ」

 それは、忘れもしない。
 何かに呼ばれて、集まるべくして集まった私達は会話もそこそこに解散する事となった。
 それは当然だ。私が居る時点で、他の人間など一切の必要を持たないのだから。

 『繋がった』時、私が得たのは万能の力。
 ただ一つの刃でしかない『アレ』の姿を変え、偽装し、射抜く。
 それが出来たのは、やはり私だけ。

 否。
 ただコイツだけは、そうであるかどうかは読めなかった。

「……何が言いたい」
省14
987: [saga] 2015/06/30(火)00:22 ID:v1l6gevwo(2/7) AAS
「いいのかしら。死んでしまうわ」

 その戯言が癇に障る。
 優しい程に優しすぎる『アレ』は短気を少しは直したほうが良いと私に言っていたが、そんなものは知らない。
 すぐに殴り飛ばさないだけ優しいと思え。

「私を殺せるのは私だけだ」

 私はせせら笑った。

「それとも、お前が私を殺すのか?」
省11
988: [saga] 2015/06/30(火)00:40 ID:v1l6gevwo(3/7) AAS
 『瑞和暁人』。
 それはきっと、生涯で唯一、私にとってのパートナー足りえる存在だ。
 父でもなく、母でもなく。他の誰でもない、私にとって一番大事な、馬鹿で、愚鈍で、無知な……底抜けに優しい幼馴染だ。

 奴は恐らく、暁人のことを言っている。未来、暁人が死ぬと、そう言っている。
 それが理論ではなく、私の直感で理解できた。
 つまり、これは……事実だ。
 ただ無意味に死ぬのか、それともこれが殺すのかはわからないが、もし後者だとして、私を脅しているつもりなら――

「――殺すか」

「あら……いいの? そうしたら、貴女は二度と瑞和暁人と会えなくなるというのに」

 ギリ、と。無意識に奥歯を噛み締めた。
省10
989: [saga] 2015/06/30(火)01:04 ID:v1l6gevwo(4/7) AAS
「ええ。私によく似た、可愛い可愛い、私の姉弟」

 その眼にはやはり私は映っていない。
 その兄弟……恐らくは弟か妹を思い、想って、焦がれている、恋慕に近い瞳。

「時間がないの」

 それは、さっきまでとは打って変わって酷くはっきりとした言葉。

「私はもうすぐ、どうしようもないくらいに壊れて、壊されてしまうわ」
「だから、貴女に私の姉弟を守ってほしい。守らなくてもいいわ、出会った時に気にかける程度でも構わない」
省14
990: [saga] 2015/06/30(火)01:14 ID:v1l6gevwo(5/7) AAS
「あなた、もういいわ。さようなら」

 それっきり和久津は興味を失ったように私から視線を外し、覚束ない足取りで去っていく。
 私もそれを見送るような事はせず、その場を立ち去る。

 最早契約は既に交わされた。
 ならば後はその履行のみ。それが果たされるか果たされないか、ただそれだけだ。

 これは、忘れもしない。
 暁人と再開し、和久津の姉弟と出会う――たった五年前の話だ。
991: [saga] 2015/06/30(火)01:17 ID:v1l6gevwo(6/7) AAS
AA省
992: [saga] 2015/06/30(火)01:39 ID:v1l6gevwo(7/7) AAS
 とりあえずコレだけは書いて置かなければと思い、書きました。
 夜子√にも関与していたことなので……

 そして今まで散々待たせてしまった上に誠に申し訳ないのですが、暫く筆を置かせて頂きたく存じます。
 理由は今現在時間がとれないのと、暫く書いていなかったため今回のを見て分かる通りキャラが若干ブレているからです。
 ゲームのシナリオも所々抜け落ちていて、これからまた本編が書くのが非常に困難だというのも理由の一つになります。
 幸いなのは、番外編の方をやっていたためシナリオの途中で中途半端に放りださないことでしょうか……

 最後にもう一度謝らせて頂きます。本当に申し訳ないです。
 でもいつかまた、続きを望む方のために再開できるように、少しずつでも頑張って行きたいです。

 本当に、今まで応援ありがとうございました!
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