[過去ログ] 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」 Re:3 (1002レス)
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986: [saga] 2015/06/30(火)00:10 ID:v1l6gevwo(1/7) AAS
「ねぇ、貴女。このままだと、死んでしまうわ」

 それは、忘れもしない。
 何かに呼ばれて、集まるべくして集まった私達は会話もそこそこに解散する事となった。
 それは当然だ。私が居る時点で、他の人間など一切の必要を持たないのだから。

 『繋がった』時、私が得たのは万能の力。
 ただ一つの刃でしかない『アレ』の姿を変え、偽装し、射抜く。
 それが出来たのは、やはり私だけ。

 否。
 ただコイツだけは、そうであるかどうかは読めなかった。

「……何が言いたい」

 暗い夜の世界。
 外見的な年齢は他の三人と違い、私とそう変わらない。しかしその身体は私が見るに貧弱に過ぎた。
 腰下まで伸びている長い髪。月明かりの下でもわかるほどの病的な程白い肌。
 現代では滅多に見なくなった和服も相まって、その姿は可憐よりも酷く儚さを感じさせた。
 有象無象共が腫れ物を触るような様子で接していた理由はそれに尽きる。そう思っていた。

 が、しかし。
 それは私がコレの本質を見抜けていなかっただけの話なのだろう。
 所謂『電波』。根拠不明の妄想を話されでもしたら、正常な人間ならば話すのも気味が悪い。

「そんな下らない妄言を垂れ流すだけなら、帰らせてもらうぞ」

 無論、私も付き合う義理など無い。
 そうであるか読めないのは、壊れているからだ。
 つまりこれは必要ない。無意味に減らすこともしないが、これから鉄格子のついた何処へ居ようと居まいと、私達の数には入らない。

 しかし、彼女は笑った。
 この私が僅かでも恐怖を覚える程不気味に、『嗤』った。
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