[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
873: コドクノオリ 「遠い日のもどかしさ」 2013/09/18(水)20:31 ID:v8FkA1z+o(4/6) AAS
 邪険にしているとかではなく、ただ単にぎこちないとしか言いようのない状態になってしまうのは、
両親の根底に自分たちで娘の力を制御することができずに、里子に出して家の中から追放する形をとる事でしか彼女を生き延びさせることができなかった事に対する負い目もあるのだろう。
 大きすぎる、そして制御が利かない力を持っていて、それが家族にとっていつ爆発するとも分からない爆弾であり、
そしてまた、里子に出されて訓練の機会に恵まれなければ自分の命が危なかったということを理解している修実は折に触れて「気にしなくてもいいのに」と漏らしている。
 それでも両親はぎこちないままだ。
 姉も両親も互いに負い目を感じていて、そしてお互いが相手を慮ることができるからこそ、
ここまでこじれてしまえば、もう普通の親子の関係を再構成することはできないのではないのかと諦め交じりに久信は思っていた。
 全部、一人だけ飛び抜けてしまった力のせいだ。
 大きな力を持ちすぎた姉は、家族の中で生きていくことができずに孤立して、
今も家に居ることができない。里子の先での生活を、姉は多くを語ってはくれない。
省10
874: コドクノオリ 「遠い日のもどかしさ」 2013/09/18(水)20:32 ID:v8FkA1z+o(5/6) AAS
   @

 久信は窓から差し込む光を顔に浴びて、目を覚ました。
 ああ、昔の夢を見たな……。
 体を起こしながら思う。あの日以降、姉が実家に帰ってくる頻度は更に下がってしまった。
おそらく、組織から回される仕事に忙殺されていたのだろう。
暗殺を行う一方で、組織のお膝元の町を守る任務もあったという話だから、優しい修実はうかつに町を離れることができなかったのだ。
町に拘束することで、組織の秘密が外部に漏れないよう、体よく利用されていたのだろう。
「今なら、分かるんだ」
 組織が修実にやらせていた仕事も、それをこなしていくうちに姉が肉体的にも精神的にも参っていたことも、
省25
875: コドクノオリ@金剛さんと榛名さんが好き 2013/09/18(水)20:33 ID:v8FkA1z+o(6/6) AAS
そろそろお話を回していこうと思います!
と自分に言わないと俺は動かさないに違いない
876
(1): 鳥居を探すの人◆12zUSOBYLQ 2013/09/19(木)22:12 ID:lh1OKOMAO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
今も昔も修実ちゃんは健気で可愛いなあ
よし久信もげろ
俺もそろそろあれやこれや書かないと
877: コドクノオリ 2013/09/22(日)22:20 ID:CblNDpkjo(1/8) AAS
>>876
久信は修実以外では勃たない業が深い子なので少し多めにみてやってください

あれやこれやの進展があることに期待していいということですかね!?
まだ暑い。脱ぐにはいい季節ですぞ?!
878: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:21 ID:CblNDpkjo(2/8) AAS
 郭正吾捜索のために蛇を放ってから三日が経過していた。
 その間、警察でも久信たちの方でも、郭正吾発見に繋がりそうな有力な情報は一切入ってこなかった。
 昌夫が犬を通して話してくれる情報が警察が得ている情報全てというわけではないだろうが、
町一つを結界に閉じ込めるだけの力を持つ者について、追加の情報も得ようとしていない所を見ると、
少なくとも郭正吾本人を見つけてはいないことは確かだろう。
 久信が蛇に包囲捜索させている範囲は、この三日の間にその範囲を三分の一ほどにまで狭めている。
その間に成果が何もでないことに、これはアテが外れただろうかと久信は半ば諦めかけていた。
 でも、だとしたら、郭正吾はほかにどうやって脱出するつもりなんだ?
 学校町という曰く付きの町にまで逃げてきたのだ。
省29
879: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:22 ID:CblNDpkjo(3/8) AAS
   @

 数十分後。夕陽が沈もうかという頃。
 学校町の北から流れている川沿いの一画、工場が立ち並んでいる区域から少し離れたあたりに周囲を廃棄物の集積場や廃工場に囲まれた、
破産か事故かで潰れたという曰く付きの廃墟化したクラブ跡がある。所々ひび割れた二階建ての建物を臨める位置。
そこに久信と修実が居た。
「この町、曰くありの物件がいくつあんだよ」
「蛇の仔が言うには、この建物の奥に郭さんが居るという話ね」
 愚痴をぼしながら、久信は背中からの修実の声に頷く。
「みたいだな」
省21
880: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:24 ID:CblNDpkjo(4/8) AAS
「――!?」
 目に見えないそれは、川を遡っているようだ。気配だけがそよ、と吹く程度の風を残して通り過ぎていく。
「気のせい……じゃないよな?」
「うん、これは何かが通ってるよ」
 何かが川を通過するかもしれないと予想していなければ見過ごしてしまいそうなほど静かに、音もなく、ゆっくりと離れていく気配に対して姉弟は感想を述べ合う。
「ゆうれいせん か?」
「ええ……」
 修実が呟いて舌を出す。
 蛇と同じように振動感覚器を体内に作り出すことができる彼女は川の上、一見虚空に見える位置を見据えて、やがて断言した。
「この気配。組織と取引があった幽霊船のものだわ」
省15
881: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:30 ID:CblNDpkjo(5/8) AAS
「何だ?!」
「ゆうれい せん の けっかい に とりこまれたんだ」
 昌夫の言葉を受けて、久信は隠れ場所から立ち上がった。
「まて! いま むかってる もうすこしだ」
 犬の口が急いだ口調で待ったをかけてくるが、このまま待てばみすみす郭正吾を逃がすことに繋がってしまう。
 言葉を無視して、久信は背後の姉に声を掛ける。
「修実姉!」
「うん!」
 応じる声がして、久信の背で禍々しい気配が凝り始めた。
「……よしみ さん ……?」
省24
882: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:30 ID:CblNDpkjo(6/8) AAS
   @

 幽霊船を覆っていた結界が拭き取んだことで、
クラブ跡の二階屋上から接岸した船に飛び乗ろうとしていた郭正吾は動きを止めた。
 つい先ほどもしたように、周囲に視線をやる。
 結界を破壊したあの黒い塊はどこから飛来したのだろうかと考えながら、
憶測で黒い塊の発射地点を目で探っていた彼は、船の乗組員がようやく状況を理解してざわつき出すのを見た。
 手土産を持った自分を迎えるために甲板に出て来ていた乗組員が慌てて離脱の指示を出し始める。もたもたしていると、自分も置いて行かれてしまうだろう。
 彼は急ぎ、持って来ていた四つの長物を次々と投げ渡していき、自分も船へと飛び移ろうとする。
 最後の四つ目を放り投げようとした時、クラブ跡の壁を這い登ってきた蛇が襲い掛かってきた。
省5
883: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:31 ID:CblNDpkjo(7/8) AAS
   @

 郭正吾をクラブの中に押し込むことに成功した久信は、姉と共に、ダメ押しとばかりに蛇を何十何百という数量でクラブ跡と、浮き足立っている幽霊船に向けて放った。
 船の甲板上に現れた戦闘要員と思しき者たちが次々と這い寄る蛇の群れに接敵した。
 ただの蛇と侮ってい軽くあしらおうとしていた数名が、ものの数秒で蛇の神経毒を受けて無力化させられる。
 事ここに至って、ようやく彼らの間に明確な危機感が芽生えたようで、船から聞こえてくる叫び声に必死の色が混ざりはじめる。
 しかしすでに数十匹の蛇が侵入した現状では――
「遅い。迎撃態勢を整えられる前に一気に叩く」
 パニック映画のような様相を呈してきた船を置いて、久信はクラブ跡の方へと近づいてく。
 それに付き従うようにしながら、制止することは諦めたらしい。犬が、次々と這い登っていく蛇の間を抜けて、クラブと船の間に落ちた長物の一つを咥えてきた。
省10
884: コドクノオリ 2013/09/22(日)22:36 ID:CblNDpkjo(8/8) AAS
昌夫には幸せになってもらいたいと最近思い始めました
そんなところでそろそろ姉の正体ばらしも近いかなといった塩梅です
まずは郭から都市伝説ばらしですかねー
885: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/23(月)17:49 ID:Teav1D2AO携(1) AAS
コドクの人乙ですー
修実ちゃんの手足だと…
リンチした奴許さん、絶対にだ
886: 何となく日常回 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/09/23(月)22:01 ID:McMdGcR/0(1/3) AAS
「よし、3番行くぞ。まずは尻尾を集中攻撃だ」

「了解した」

「はい、ご主人様♪」

「テメェら飽きねぇのか? 俺様はもう見飽きたぞ黒蝕竜」

「今度の緊急はわざわざ自分で受注しないとHR上がらないから仕方ないだろ
 文句言わずに早く支給品持て」
省37
887: 何となく日常回 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/09/23(月)22:22 ID:McMdGcR/0(2/3) AAS
「サブターゲットも達成ですぅ♪」

「着いた頃には既に瀕死状態じゃねぇか!」

「遅過ぎだ」

「テメェ等が早ぇんだよ!」

「足引き摺ってるな、捕獲するのか?」
省25
888: ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2013/09/23(月)22:24 ID:McMdGcR/0(3/3) AAS
皆様投下乙ですの
お久しぶりですの
いつの間にやら新しい連載が始まっててテンション高いですの
889: とある人【代理投下だよー】 [saga] 2013/09/24(火)21:31 ID:HnS63txs0(1/4) AAS
【〜直立二足歩行動物園〜】

血生臭い研究室から久々に地上に出た私は、煤のついたお気に入りの白衣をはためかせながらのんびり歩いていた。

頬を撫でる涼しい風、晴れ渡る空、囀ずる小鳥達、今日は絶好の散歩日和だ。
全くもって関係はないが途中で買った缶コーヒーも美味しいし。

「お仕事ですよ、動物園さん」

「……………はぁ」
省22
890: とある人【代理投下だよー】 [saga] 2013/09/24(火)21:32 ID:HnS63txs0(2/4) AAS
「で、何処に居るのかしらその犬共は?」
「えー……そろそろ追いかけてくるかと」

キョロキョロと辺りを見渡す黒服君
よく見ると彼は所々傷だらけだ。
くたびれた制服が破れた制服にランクアップされていていたたまれない。

「追いかけてって……追われてるの?」
「あはは、事前調査中に奇襲を受けてしまいまry」

笑いながら話していた黒服君が急に宙を舞った。
無論イラついた私が無意識に蹴り飛ばした可能性も否めないが、目撃したまんまに考えると、黒服君へ何かが突っ込んできたと判断するべきだろう。
省37
891: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/09/24(火)23:00 ID:J1fjCyQAO携(1/4) AAS
とある人と代理の人乙ですー
絶壁はステータスやん!怒る必要ないやん!
んでも遺伝子組み替えいいですねー、うちも使ってみたいわあ
892: 赦しは少女仕掛けの…◆12zUSOBYLQ 2013/09/24(火)23:02 ID:J1fjCyQAO携(2/4) AAS
前回のあらすじ>>547-548

「どーゆー事だか説明しろ」
「どうもこうも、見たままだ」
 裂けたシャツの間からのぞく、簡素だが上質な絹のコルセット。
「マジかよ・・・」
 小うるさく理想主義者の“老紳士”は実は淑女だった・・・アルバート・ルイスの名も、偽名に決まっている。
 女がズボンを穿くことすら有り得ない、女性はか弱く、憂愁に沈み良妻賢母であるべき、このヴィクトリア朝のご時世で!
「婆さんが男装して刑事とか有りなのか」
 まあ、普通なら有り得ない。
 その“有り得ない”を実行できる後ろ盾が彼、いや、彼女にはあるのだろう。
省25
1-
あと 110 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.020s