[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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878: コドクノオリ@発見の報 2013/09/22(日)22:21 ID:CblNDpkjo(2/8) AAS
郭正吾捜索のために蛇を放ってから三日が経過していた。
その間、警察でも久信たちの方でも、郭正吾発見に繋がりそうな有力な情報は一切入ってこなかった。
昌夫が犬を通して話してくれる情報が警察が得ている情報全てというわけではないだろうが、
町一つを結界に閉じ込めるだけの力を持つ者について、追加の情報も得ようとしていない所を見ると、
少なくとも郭正吾本人を見つけてはいないことは確かだろう。
久信が蛇に包囲捜索させている範囲は、この三日の間にその範囲を三分の一ほどにまで狭めている。
その間に成果が何もでないことに、これはアテが外れただろうかと久信は半ば諦めかけていた。
でも、だとしたら、郭正吾はほかにどうやって脱出するつもりなんだ?
学校町という曰く付きの町にまで逃げてきたのだ。
都市伝説が隠れるのに適している反面、一度目を付けられたら町から脱出することは難しいという町の特徴については、郭正吾も理解しているはずだ。
だからこそ、姿を隠すことができる幽霊船での脱出の可能性を考えていたんだけど。
その考えが見当違いであり、郭正吾は他の方法で既に町を脱出してしまっているという可能性も否定はできない。
結果が出ない引きこもり生活に焦らされ、久信が自分の考えに自信が持てなくなってきた頃、窓の向こうに犬が姿を現した。
「あら……?」
犬がやってきたことにいち早く気付いた修実が、犬を見ながら怪訝そうに呟いた。
「どうしちゃったのかしら……?」
「どうかした?」
「久くん。ほら、この仔……」
修実に示されて久信が犬に目をやると、犬の口に蛇が一匹咥えられている。
異種族を一緒の行動させていたせいで、ついに喧嘩でも勃発したのだろうか。久信は蛇を救うために手を伸ばしかけ、止めた。
犬の首には咥えられている蛇とは違う蛇が、首輪のようにしっかりと巻き付いていた。
犬と、そして首輪になっている蛇は確かに三日前、警察との連絡役にした犬と蛇のコンビだ。
「お前……あれ? じゃあこっちの蛇は……?」
改めて、犬から咥えていた蛇を受け取る。
「この仔、工場が集まっている地域を探してもらっていた仔じゃない?」
言われてみればそうだと気付く。毎日の報告を任せていた蛇とは別の個体だったため、気付くのが遅れてしまった。
「なんでこんな運ばれ方をしてこっちまで?」
問いかけると、蛇は身をくねらせて、重大な報せがあることをほのめかす。
その蛇の必死な様子に、久信は勢い込んで訊ねた。
「見つかったのか?!」
蛇は肯定の意志を伝えてくる。
「ど、どこだ?!」
久信は詳しく訊ねようと勇んで顔を寄せた。
内容を蛇が詳しく説明しだす前に犬が昌夫の言葉を伝えてきた。
「おい へび が みつけた と いってるそうだが」
「ああ、これから詳しく訊くからちょっと待て」
言うと、久信は昌夫と修実と共に静かに蛇を注視した。いくつもの注目の中。蛇は捜索の結果見つかったものについて伝える。
それを読み取る久信の口元には、ようやく目的のものに辿り着くという、期待の笑みが浮かんでいた。
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