[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part9 (1002レス)
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873: コドクノオリ 「遠い日のもどかしさ」 2013/09/18(水)20:31 ID:v8FkA1z+o(4/6) AAS
邪険にしているとかではなく、ただ単にぎこちないとしか言いようのない状態になってしまうのは、
両親の根底に自分たちで娘の力を制御することができずに、里子に出して家の中から追放する形をとる事でしか彼女を生き延びさせることができなかった事に対する負い目もあるのだろう。
大きすぎる、そして制御が利かない力を持っていて、それが家族にとっていつ爆発するとも分からない爆弾であり、
そしてまた、里子に出されて訓練の機会に恵まれなければ自分の命が危なかったということを理解している修実は折に触れて「気にしなくてもいいのに」と漏らしている。
それでも両親はぎこちないままだ。
姉も両親も互いに負い目を感じていて、そしてお互いが相手を慮ることができるからこそ、
ここまでこじれてしまえば、もう普通の親子の関係を再構成することはできないのではないのかと諦め交じりに久信は思っていた。
全部、一人だけ飛び抜けてしまった力のせいだ。
大きな力を持ちすぎた姉は、家族の中で生きていくことができずに孤立して、
今も家に居ることができない。里子の先での生活を、姉は多くを語ってはくれない。
山奥の組織で訓練を受けているということ。
そしてその組織の中で仕事ももらっているらしいことは聞いたことがあるが、詳しいことはいくら訊いてもやはり微笑ってはぐらかされるだけだ。
少しずつ疲弊していく姉を見るに、もしかしたら危ないことをさせられているのかもしれない。
言ってくれれば手伝いにだって行くのに。
姉が自分のことを久信に話してくれないのは、久信の力が足りないからだろう。
久信に姉が信頼して厄介ごとを押し付ける事ができるだけの力があれば、きっと姉は久信を頼ってくれて、
そして独りにならずにすんだんだ……。
久信が自分自身に対して不満があるとしたら、力がないこと。その一点だった。
力を付けて、いつか姉を独りにしないでよくなるようになりたい。
母屋に向かう姉を追いかけながら、久信は強く思った。
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