●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part47○ (156レス)
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1: ヒカルたんハァハァ 2003/10/29(水)16:04 AAS
ヒカルたんがいれば、どんな鯖だって地の果てまでもついてくぜ。 
カレンダーのヒカルたんが舞い降りてくる日が待ちきれない(;´Д`)ハァハァ
オレ達の天使「ヒカルの碁」のヒカルたんに、24時間、問答無用で(;´Д`)ハァハァするスレッド。
おまえらここで、心置きなくヒカルたんに弄ばれよう。
過去ログ、関連サイト、お約束は>>2-10辺り参照。

前スレ【Part46】2chスレ:campus
137: [age] 2006/02/03(金)01:39 AAS
あげます
138: 2006/04/12(水)01:13 AAS
あげます
139: [age] 2006/04/27(木)13:54 AAS

140: 2006/05/17(水)21:43 AAS
パッチワーク 2006.05.18(アキラ)

 北斗杯の参加資格はその年の五月五日時点で十八歳以下であること。僕らが参加したの
は去年までで今年は初めての北斗杯に参加しないGWだった。今年の北斗杯を見に行きた
がった彼の希望でスケジュールを空けてくれるように棋院に頼んだけれど交換条件のよう
に二人とも翌週に泊まりのイベントを入れられてしまった。東京より肌寒い仙台から日曜
の夜に帰ってきて、今日やっとスケジュールが合って碁会所で待ち合わせている。僕とし
ては昨日の夜からでもよかったのに彼に用事があると断られた。
 今日彼と検討をしたいと思っている母が中国から送ってきてくれた父の先週の棋譜を並
べていると広瀬さんの声が耳に入ってきた。
「そういえば昨日の夕方駅前で進藤君見かけましたよ。かわいらしい女の子と一緒で。
省30
141: 2006/05/21(日)22:53 AAS
パッチワークキタ━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
若゛切ないな…
ヒカルたんは家族思いのいい子や
142: 2006/05/27(土)22:47 AAS
久々に覗いたらパッチワークキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

ギコナビからスレに書き込めねぇよヒカルたん…たすけてくれ
143: 2006/08/03(木)01:56 AAS
パッチワーク 2033年 平太20歳(ヒカルとあかりの長男)

 「ただいま」といいながら母が仕事から帰ってきた。台所へ直行し買ってきたものを冷蔵庫などへしまう。久しぶりにみた変わらない母の習慣が懐かしい。

 「あら、来てたの」「飯は炊けてる。みそ汁も作った。ちびの食べられそうなもの適当に漁った。」娘は大人と同じものが食べられるようになったとはいえ味付けの濃いものは無理なので母が冷蔵庫の中に入れてある常備菜を味付けし直して一足早く食べさせて。風呂にも入れ、あとはさっさと眠らせるだけだったけど、ばあちゃんを見て父似の目をランランとさせてる。もうすこししておねえちゃん三人組がそろったら家中を走り回るだろう。

 「ありがと。礼ちゃんは」と妻のことを聞かれた。「王座戦一次予選 持ち時間五時間。十二時すぎそうなら会館行くからちび預かってほしいんだけど。」「お弁当作るから持って行きなさい。」さすが棋士と同居歴三十年よくわかってらっしゃる。「お義母さん遅くなるって言うから直ちゃんにも来るように言ってある。」「じゃあ雪彦と一緒に帰ってくるわね。金子さんが遅くなるなら直ちゃんこっちに泊まればいいわ。」「居間のモニター二台借りてる」「一番大きいのは父さんがアキラさんみてるでしょ。今日は十二時すぎるかもっていってたし。」「そんな感じ、相手緒方先生だし。お互い探り合ってる。お父さんさっきからああだこうだモニターに向かって話しかけてる。うるさいよ。」「いつものことでしょ。雪彦がいつもみてるのが七時からあるし、私たちは九時からニュースと ドラマみるから残った一台に予約って紙貼っておいて。」母と妹たちはいま香港のドラマに夢中だ。中国・韓国・トルコ・ブラジル・インド出身の歌って踊れる主人公五人組に夢中で誰が一番かっこいいかでいつもかしましい。
「でも何で二台いるの。」
「王座戦挑決も今日」
「そう、今日はゴーヤチャンプルよ。ゴーヤ洗って、綿とって、豆腐を水切りしておいてね。」
そういいながら母は着替えるために自室へ行ってしまった。息子への挑戦者が誰になるかは興味がないらしい。囲碁と将棋の違いはあれど対戦相手を気にしないというのはタイトルフォルダーの家族を二十年やってきた生活の知恵なのかもしれない。
144: 2006/08/03(木)01:58 AAS
パッチワーク 2033年 平太 その2

 父たちが使っている離れにも母の部屋にもモニターはあるけれど子どもが使えるモニターは居間にしかない。宿題の調べ物でも使うから子ども四人でモニターが四台、一人一台に見えるけれど父とあーちゃんは自分たちの部屋で対局中継(含録画)をみることを母に禁止されている。理由は夢中になりすぎて食事を忘れるからだ。昔、離れで見ていて何回も食事だと母が声をかけたにも関わらず気づかなくて怒らせたらしい。母の方針で子ども部屋はあるけど荷物を置くためと眠るためだけの部屋で勉強も遊びも居間でしてた。だから中継されている対局をみながら父とあーちゃんの二人がああだこうだと検討(時々脱線して碁と関係ないことが争点になる。母はいつもの痴話げんかでしょと気にしてない。)しているのも、今日の父のようにモニターに向かって相方の対局についてああだこうだ言うのもいつもの見慣れた光景だ。そのせいかプロになった時に将棋の勉強用の部屋をもらったけれどここ一番というときに使うくらいで騒がしいところで集中力を養う訓練といいながら学校の勉強も将棋の勉強も居間でしてた。妹たちも今年は受験勉強大変と言いながら弟が騒ぎながらアニメをみ、父たちが騒がしく検討しているこの部屋で勉強している。母は子どもが一人でもいれば居間にいる。自分の仕事の勉強もここでしているし、疲れたときには居眠りもしている。そしてこの部屋を最後に出るのはたいてい母だ。

 あーちゃんは本名塔矢アキラ、囲碁の棋士でタイトルフォルダー三冠。表向き母の愛人その2(公表不可)、ちなみに表向き母の愛人その1(公表可)は父だ。この家の四人の子どものうち妹の片方と弟の生物学上の父親はあーちゃんで俺ともう片方の妹の生物学上の父親は父だ。でも四人とも戸籍上は認知されていなくて父親は空欄になっている。母が決めたことらしい。父もあーちゃんも碁バカの世間知らず(妻の母や加賀さん談)なのでこの家の碁以外のことは母が決めることになっている。だから生物学上の父親が誰であろうと俺たち兄弟姉妹は父を「おとうさん」と呼びあーちゃんのことは「あーちゃん」と呼んでいる。
145: 2006/08/03(木)02:00 AAS
パッチワーク 2033年 平太 その3

 あーちゃんは実際は母の愛人その2(公表不可)ではなく。父の神の一手を目指す同道者(公表不可、囲碁・将棋界では口も聞かない犬猿の仲ということになっている。)兼ライバル兼愛人その1(公表不可)だ。母も含めたこの三人の関係はよくわからない。特に母とあーちゃんの関係は父を間に挟んだライバルなのか?じゃあなんで母はあーちゃんの子どもを産んだんだ。大人になればわかるかと思ったこともあったけれど社会人になり(学生兼業だけど)、結婚し、一児の父となり、二十歳になったけれど今でもわからない。妹と弟は父が望んだことなのだということ、誰もがほかの二人を大事に大切に思っているのはわかったけれど。

 父やあーちゃんは相方の対局の時、犬猿の仲のせいで棋院で行われている検討に参加できない。特に終局後の検討が白熱して相方の帰りが遅くなったときは家に残った方は対局相手に嫉妬するのか普段は一緒に六時には起きてラジオ体操と乾布摩擦をして一局打つのにそういった日の翌朝はたいてい昼過ぎまで仲良く布団の中だ。母は気にするだけ無駄とさっさと仕事に行ってしまう。見物(みもの)なのはどちらかがタイトル戦などで三泊だの四泊だの不在になったときだ。残された一人は二日目の昼くらいまでは我慢が効くらしいが母が仕事から帰ってきたあたりから迷子の子犬のように母に引っ付いている。夜も普段の離れではなくて母の部屋で休んでいる。これがもう一人が帰ってくると二人で母に引っ付いてて短くても二晩、長いときは長いときは一週間以上三人で一緒に寝てる。三人とももうなのか、まだなのか四十六歳。姪より年下の叔父さんとか叔母さんができる覚悟は必要なんだろうか。

 子どもの頃は友達の家には親は一人か二人しかいないと言うのが不思議でならなかった。そのせいで幼保園や小学校で家族について絵や作文を書いたとき物議を醸したこともあるけれどこの三人が親でよかったと自分が親になってそうおもっている。が親父さんうるさすぎ。夕飯食べたらさっさと将棋会館に行こう。最近、妻に色目を使っているヤツがいるから心配だ。
146: 2006/08/03(木)02:02 AAS
パッチワーク 2017年7月 加賀

 車を入れるために門扉を開けたとたん中から出てきた進藤と鉢合わせした。「あぶねぇだろ」と思わず声に出したがあいつはすげぇ形相でとっとと出て行った。進藤を見送りにきていたのかチビを抱いた塔矢が「すみません」と当然のようにあいつの代わりに謝ってきた。その光景は今のオレにはちょっとつらいものがあった。
「どうしたんだ進藤のやつ。」
「あかりさんがお酒を飲んでしまったので迎えに来て欲しいって。」
「珍しいな、藤崎が進藤に弱味見せるなんて。」
「いえ、本人は一人で帰れるって言い張ってるらしいんですけど、一緒の人から頼まれて。」
「何で車出さないんだ。」
「進藤も今日、仕事先で飲まされてて、電車で行くって言い張って。僕が行ければよかったんですけど。」
「しかたないな」オレは門の前に止めたままの愛車のエンジンをかけ直した。駅への道の途中で進藤に追いついた。

 助手席に座った進藤に行き先を確認してナビを設定した。去年の一騒動の後、表向き藤崎が二股かけていたことになっている三角関係の解消をしてこいつと塔矢は口もきかない関係になったらしい。本当に二股かけてんのは進藤だなんてことは進藤や藤崎を子供の頃からしってる近所のじいさんやらばあさんならともかく棋院の奴らは気づいていないだろう。表向きの三角関係とこいつらのご面相だけでも世間にはマイナーな囲碁とはいえタイトルフォルダーの妻が夫のライバルと不倫とマスコミネタになりそうなのを戸籍上三人とも独身というのを楯に棋院がどうにか押さえきったらしい。将棋の世界を飯の種にしているオレのところにも仲違いの噂は流れて来たがそれももう当たり前のことのようになっている。
省6
147: 2006/08/03(木)02:03 AAS
パッチワーク 2017年7月 加賀 その2

 今度はオレにも藤崎がわかった。藤崎の真横で車を止め
「もういいぞ」と言ったとたん進藤が車から飛び出した。
「あかり、大丈夫か。」
「なんで、ヒカルが来るのよ。大丈夫って言ったでしょ。」
「おまえ、注射の時の消毒でも赤くなるのになんで、酒なんか飲んだんだよ。」
「すみません、お店の人がジンジャーエールとモスコミュール渡し間違えて。」
どうみても二十歳(ガキ)な女が横から口を出して来た。
よくよくみると藤崎の回りにいるのは学生なやつばかりで藤崎が一番年上っぽい。どうすりゃ痴話げんかが止まるのかわからないらしい。
「男が一緒なんて聞いてないぞ。」
省20
148: 2006/08/03(木)02:04 AAS
パッチワーク 2017年7月 加賀 その3

 昨日オレは七局目までもつれ込んだ名人戦の取材で伊香保にいた。そのころ、オレの実家ではバツイチだった姉貴のところに生まれた姪の命名式をしていた。来月には身内だけで集まって結婚式もある。親たちが絶対に来いと言わないのを見越してオレはその日も仕事を入れた。籍は姪の生まれる前に入れてある。婿養子になったのは筒井だった。

 姉貴で十二代目の実家の家業は江戸料理の料亭。跡継ぎは代々女が婿養子をとることになっていた。姉貴も27歳のとき婿養子をとったがお袋と姉貴の気の強さに一年も経たずに逃げ出された。姉貴が三十を超えたあたりからお袋がオレに見合い話を持ってくるようになった。

 中学時代から俺の家に出入りしていた筒井は板長に気に入られてオレの留守にきた時などよく板場でオレのことを待っていた。だから高校卒業後に調理師学校へ進学し板長の紹介で板長の師匠筋の料亭に就職したのも分かる話だった。そこで下積みをした後、同じ師匠筋の老舗に移り三年経った一昨年オレの実家に移って来た。

 五年前住み込みの修行が終わった筒井と一緒に暮らすための部屋を探し始めたとき壁になったのは家賃と俺たちが男同士ってことだった。上がりが終電の後になることもある筒井が自転車で通える距離でまだぺーぺーのカメラマンのオレと筒井が出せる家賃の上限は低かった。何カ所か回ったがこっちが気に入っても家主から断られることも何回かあった。その日も何軒か回ったけれどうまく行かなかった。最後に行ったのが葉瀬中のそばのアパートだった。目印は庭に蔵のある家といわれてあそこかと土地勘があった。家主は出かけてるかもしれないが声はかけて欲しい、留守にする時は部屋の鍵はあけておくので勝手に見て欲しいと不動産屋に言われて行った先は母屋・離れに蔵とアパートとそれぞれの建物はしょぼかったがこのあたりでも広い敷地だった。母屋の玄関先で声をかけたら出て来たのが腹のでかくなった藤崎で家主は進藤のばあさんだった。あれから5年たった。離れに進藤と塔矢、母屋に藤崎とチビ、アパートの一階に三谷と金子ともうひとりのチビ、二階の隣に夏目と津田となぜか回りは葉瀬中囲碁部の奴らばかりだったがオレたちは幸せだった。去年までは。
省6
149: パッチワーク 2036.9.13 あかり 2006/11/06(月)22:38 AAS
2036.9.13 あかり

 玄関を開けたとたん私を出迎えてくれたのは昨日までと変わらず甘い香りだった。この香りに出迎えられるようになって一週間、そしてきっとあと一週間はこの甘い香りは続く。買ってきたものを仕舞おうと台所へ向かう途中に娘の、暁子用の台所をのぞいてみると暁子が真剣な顔でオーブンをのぞいている。この台所は暁子が調理師学校に入学した当初に家の台所で授業の復習をしていて夕飯の準備をしたい私とぶつかってしまったの知ったヒカルが作らせたものだ。アキラさんは甘やかしすぎだとヒカルを止めようとしたら逆にヒカルに暁子はプロの調理師目指しているんだから自分用の道具を持ってもいいじゃないか。俺たちが自分用の碁盤を持つようなもんじゃないのか。と言ったら素直に納得してしまった。

 私はちょっと甘やかしすぎとも思ったけれど仕事から帰ってすぐ夕飯の支度に取りかかれるのでたすかった面もある。けれど暁子が目指しているのはプロの調理師じゃなくてヒカルの調理師なのよね。私も研鑽を積まなくては。

 壁のホワイトボードにヒカルそっくりの字で作りながら気がついたらしいことが色々書かれている。見た目は父親のアキラさんそっくなのに小さい頃からすることなすことヒカルそっくりの娘だと思う。

 食卓の上にアキラさんそっくりの綺麗な字で「お兄ちゃんのところへ行きます」と彩子と雪彦の連名でメモがのっていた。こちらの娘は見た目がヒカルで中身がアキラさんだ。連日のこの香りに我慢できず隣のマンションの兄夫婦のところへ避難したのだろう。わたしも着替えてさっさと夕飯を作ってしまいましょう。
省3
150: パッチワーク 2036.9.13 あかり(2) 2006/11/06(月)22:41 AAS
 私のヒカルへのプレゼントは今年はネクタイピンとカフスのセットにした。宝永堂の先代の江口さんがヒカルのためにデザインしてくれた。去年はアキラさんが宝永堂にお願いしての今の店長の田川さんがデザインしてくれたのだけれど江口さんが自分がしたいと拗ねてしまったのでと田川さんに頼まれたのもある。できあがったセットを見て見覚えがある気がしたら江口さんがヒカルが私の二十歳の誕生日にくれた指輪のデザインをアレンジしたのだと教えてくれた。

 あの指輪の意味は今でもわからない。私の誕生石をあしらって左の薬指にぴったりのサイズだった。あれが他の指のサイズだったら私は素直にはめていたかもしれない。でも左の薬指のサイズでヒカルには怖くてなぜこのサイズなのか訊けなかった。大きすぎると嘘をついてその嘘がばれている気がして。碁会所のお姉さんに二十歳のプレゼントは指輪と勧められてなぜ駅ビルで売っているファッションリングじゃなくて宝永堂に行ったのだろう。誕生日前GWに上京してきた両親が二十歳の記念にと宝永堂で真珠のイヤリングを買ってくれた。そのとき江口さんに全部の指のサイズを測ってもらった。なにかのときその話をしてヒカルが憶えていたのかもしれない。あのサイズを選んだのはヒカルなのそれとも江口さん?

 今私の左の薬指には三人でお揃いの指輪がはまっている。ヒカルと田川さんが相談しながらデザインした。ヒカルとアキラさんは普段ははめていないけれど。
151: パッチワーク 2006.09.21 アキラ 2006/11/06(月)22:44 AAS
2006.09.21 アキラ
 9月20日、昨日は進藤の二十歳の誕生日だった。
 当日は日付が替わるのと同時にお祝いをメールで送った。返礼のメールはすぐ来た。でも怖くて、聴きたくないことを聴かされたくなくて電話はできなかった。
 二十歳、もう未成年じゃない。成人、大人として扱われる。これまで許されなかったこと、お酒や煙草が解禁になり、選挙権が与えられ。そして親の承諾なしに結婚できる。

 今日は二人とも手合いが入っているから、三日ぶりに進藤に会える。起きて最初にしたことは彼からのメールのチェックだった。彼からのメールは来ていなかった。今日会ったとき直接言われるのかもしれない。二ヶ月前のあの女の誕生日、彼は指輪を贈った。それを知って僕は覚悟を決めたはずだった。でも彼は婚約したとも結婚するとも僕に言わなかった。だから僕はあれはただの誕生日プレゼントだと一縷の望みに縋っている。

 彼はあの女を幼なじみだとしか言わない。でも彼は寝ているときあの女の名前を呼びながら僕にしがみついてくることがある。未だに自分の生理現象をコントロールできない、子どもの頃とあまりかわらない奥手で未経験な僕と違って一緒に風呂に入ったとき盗み見た彼はもう大人だった。今朝も僕は上手くできずにいる。彼がいれば、彼が手伝ってくれればそう思ってしまう。人に手伝ってもらうようなことじゃない。自分で、一人ですることだと頭ではわかっていても、自分の手を彼の手だと思うようにしても上手く行かない。彼に教えてもらってもう四年三ヶ月になるのに。最後に上手くできたのは十日前の朝、温泉地での宿泊セミナーで同室だった彼に手伝ってもらえたからだ。このときはヒゲの手入れもしてくれた。彼は毎朝手入れが必要だというのに僕は一週間に二回程度で十分なのにそり残したり、切り傷をつくったりとこちらも上手くできない。

 生理現象のコントロールもヒゲの手入れもよその家では父親が息子に教えることらしい。彼も父親やおじいさんそれに友だちが教えてくれたと言っていた。でも父は留守がちで碁以外のことではあまり僕のことを気にかけてはいないせいか、僕がいままでそのようなことで心配をかけたことがないせいか父に教わる機会は逸してしまった。芦原さんに頼めばよかったのかもしれないけれど気恥ずかしくて頼めなかった。僕が途惑っていたことに気づいたのは彼だけだった。

 だから僕はいつも勘違いをしてしまうんだ。彼に取って僕は特別だって、いつも気にかけていてくれるんだって。そんなことはないのに、これが僕じゃなくて越智君や社に対してだって同じことをするだろうし、彼の特別はあの女で僕じゃない。それはこの一ヶ月いやと言うほど思い知らされた。
省2
152: 2007/03/15(木)21:23 AAS
パッチワーク キテタ━━(゚∀゚)━━!!!
153: 2008/10/13(月)10:22 AAS
今ごろ目覚めてハアハア
154: 2009/11/07(土)19:09 AAS
久しぶりにヒカ碁読んだ
やっぱりヒカルたん(;´Д`)ハァハァ
155: 2011/03/26(土)17:40 AAS
ヒカルタン(;´Д`)ハァハァ
156: 2011/06/12(日)02:52 AAS
川上とも子さんのご冥福をお祈りしたします
ヒカルたん…
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