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●おまえら男ならヒカルたんハァハァだよな?Part47○

140名無しさん:2006/05/17(水) 21:43:03
パッチワーク 2006.05.18(アキラ)

 北斗杯の参加資格はその年の五月五日時点で十八歳以下であること。僕らが参加したの
は去年までで今年は初めての北斗杯に参加しないGWだった。今年の北斗杯を見に行きた
がった彼の希望でスケジュールを空けてくれるように棋院に頼んだけれど交換条件のよう
に二人とも翌週に泊まりのイベントを入れられてしまった。東京より肌寒い仙台から日曜
の夜に帰ってきて、今日やっとスケジュールが合って碁会所で待ち合わせている。僕とし
ては昨日の夜からでもよかったのに彼に用事があると断られた。
 今日彼と検討をしたいと思っている母が中国から送ってきてくれた父の先週の棋譜を並
べていると広瀬さんの声が耳に入ってきた。
「そういえば昨日の夕方駅前で進藤君見かけましたよ。かわいらしい女の子と一緒で。
デートですかねぇ、スーツきて。しゃちほこばった顔して。」
「あら、そういえばこの前訊かれたわ、女の子に誕生日プレゼント何あげればいいかって。」
「アキラ、進藤君の彼女ってどんな子なんだ」

 タイミングがいいのか悪いのか彼が入ってきたのはそんなときだった。
「市河さん。言われた通りに指輪にしたんだけど大きすぎちゃって、お店の人がチェーン
くれてペンダントになっちゃった。」
「お前の彼女なんてなるのは浮かれたちゃらちゃらしたミーハー女だろうが」
「清楚な感じのかわいらしい娘でしたよ」
「彼女って?何の話」
「君の彼女の話だよ、進藤君」
「オレ、彼女なんていないよ。芦原さん」

 そのときドアが開いて入ってきたのはあの女だった。一瞬目が合った僕にペンダントを
見せつけながら勝ち誇るように会釈をして
「ヒカル、お財布下駄箱の上に忘れてたよ。」
「これから学校か?今日バイトだろ、この前にみたいに誰かにつけられたら危ないんだか
ら駅ついたら電話しろよ。」


 あの女が出て行ったとたん
「進藤君、彼女の家の下駄箱にお財布忘れたなんてもしかしてお泊まりデートだったの」
「チガウ、あかりは幼なじみで、一緒に住んでんの」
彼の回りにいた人たちが一瞬固まった。
「違う、違う。えーっとあかりは幼なじみで、おじさんが転勤したから高一のときからう
ちに下宿してんの」
「昨日、駅前でデートしてたでしょ。」
「昨日?ああ、あかりの誕生日だから駅前で待ち合わせて家族でご飯食べにいったの。
前、芦原さんに教えてもらったステーキの店。じいちゃんやばあちゃんから柔らかくて
食べやすい。いい店知ってるって褒められた。」

 そう、彼は彼やご両親、おじいさん、おばあさんの誕生日は家族で食事だからと僕の誘
いをいつも断る。家族じゃないのにあの女の誕生日もだ。だから僕はこの日、五月十七日
を覚えてしまった。そして覚えていない振りをして毎年彼を誘い、毎年彼に断られる。あ
と何回繰り返せば僕はこの日を彼とすごせるのだろうか。


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