[過去ログ] 少年サンデーバトルロワイアル part6 (107レス)
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1: 2013/01/24(木)22:00 ID:wqitE5aZ(1/20) AAS
当スレッドは週刊少年サンデーで連載されていた漫画のキャラクター達でバトルロワイアルのパロディをやろうという企画の場です
二次創作が苦手な方。人物の死亡や残酷な描写、鬱々とした展開が受け付けない方は閲覧にご注意ください。

また、当企画はリレー形式で進めていくので、書き手を常に募集しています。
文章を書くのが初めての方でも大歓迎なので興味があれば書いてみてください。

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2: 2013/01/24(木)22:01 ID:wqitE5aZ(2/20) AAS
参加者名簿

からくりサーカス 14/14 
○才賀勝○加藤鳴海○才賀 エレオノール○ギイ・クリストフ・レッシュ○ルシール・ベルヌイユ
○才賀アンジェリーナ○ジョージ・ラローシュ○阿紫花英良○フェイスレス
○パウルマン&アンゼルムス○シルベストリ○ドットーレ○コロンビーヌ○才賀正二

ARMS 11/11       
○高槻涼○新宮隼人○巴武士○アル・ボーエン○キース・ブルー○兜光一○キース・シルバー
○キース・バイオレット○キース・グリーン○ユーゴー・ギルバート○コウ・カルナギ

金色のガッシュ!! 9/9
○ガッシュ・ベル○高嶺清麿○パルコ・フォルゴレ○ゼオン・ベル○ヴィンセント・バリー○ナゾナゾ博士○テッド○チェリッシュ○レイラ
省17
3: 2013/01/24(木)22:01 ID:wqitE5aZ(3/20) AAS
AA省
4: ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:02 ID:wqitE5aZ(4/20) AAS
スレ立て完了。
投下します。
6: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:04 ID:wqitE5aZ(5/20) AAS
 ◇ ◇ ◇

 市街地へと歩みを進めつつ、思考を巡らせる。
 朧さんに先頭を任せているので、それくらいの余裕はある。
 完全に人を頼りきってしまうつもりはないが、いまは考えなければならないときだ。
 前を行くおキヌさんが心配そうに振り向いているので、微笑みを返してから思考に没頭する……――

 ◇ ◇ ◇

 僕のなかには、三つの記憶がある。

 僕自身、すなわち才賀勝という少年の記憶。
 おじいちゃんである人形破壊者(しろがね)・才賀正二の記憶。
 そして――自動人形(オートマータ)の造物主・フェイスレスの記憶。
省24
8: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:05 ID:wqitE5aZ(6/20) AAS
 
 普段ならば決して考えないが、すでにある発想に至る要因は十分にあった。
 刃さんが物干し竿の柄紐を解くと、空間に穴が開いた。
 おキヌさんによると、美神令子というGS(ゴーストスイーパー)は時空移動能力を持つという。
 朧さん曰く幽霊の気配は一つしか捉えられなかったというのに、もう死んだはずの人間が何人も名簿に記されている。

 仮説――――このプログラムの参加者は、『異なる時間』から呼び出されている。

 ならば、頷ける。
 いろいろと納得がいく。
 この仮説を口にはしていない。
 認識の違いからおキヌさんと朧さんは思い至っているかもしれないものの、まだ僕から告げてはいない。
省28
12: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:06 ID:wqitE5aZ(7/20) AAS
 
 
「み、美神さぁ〜〜〜ん!」

 三十秒ほど目をぱちくりさせて、おキヌさんはようやく状況を認識したらしい。

「そんな大きな声出さなくても聞こえてるわよ」
「無事でよかったです〜〜〜!」
「はいはい」

 おキヌさんに勢いよく抱きつかれながら、美神さんは具合が悪そうに頬をかいた。
 ぶっきらぼうな言葉に反して、どこか気恥ずかしそうな笑みを浮かべている。

「ところでおキヌちゃん、なんで幽体離脱してんのよ」
省34
15: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:06 ID:wqitE5aZ(8/20) AAS
 
「っていうことは、キース・ブラックも美神さんのような能力を持っているのでしょうか」
「ほぼ間違いなくね。
 他人をつれてこれる辺り、私のより使い勝手いいんじゃないかしら」
「むむむ、強敵ですね」

 おキヌさんのほうも、大して気にしていないらしい。
 身体手に入れるって、それ相当のことだと思うんだけどなあ……
 いや、まあ置いとこう。
 すんなり片づいたのなら、それに越したことはない。
 なにより、いまの話題に乗っておきたい。
省37
18: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:07 ID:wqitE5aZ(9/20) AAS
 
 問いかけると、美神さんは目を丸くした。

「もっと凹むと思ってたんだけど、結構タフね。
 うちの横島くんだったら、間違いなく二週は引きずるんだけど」
「そんな余裕、ありませんよ」

 そう、落ち込んでいる余裕はない。頭を切り替える。
 僕は普通の子どもにすぎないんだから、その分抗うんだ。
 全部なかったことにするのが無理なら、いまできることをやってやる――!

「落ち込んでたら、キース・ブラックの思うつぼだもの。
 一番の敵は、結界でも首輪でも殺し合いに乗った参加者でもない。
省34
22: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:08 ID:wqitE5aZ(10/20) AAS
 
「…………」
「…………」
「…………よォ、しばらくぶりだな」
「…………あっ、バレた」

 なにがあったのかは定かではないが、なにかしらがあったのが明白だった。
 にもかかわらず、美神さんは素知らぬ顔で切り出す。

「悪いとは思うけど、間違ってたとは思ってないわよ。
 あの状況で残ってても話がこじれるだけだったし、面倒ごとに巻き込まれるのも好きじゃないもの」
「み、美神さぁん! なにしでしたんですかあ!?」
省34
26: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:08 ID:wqitE5aZ(11/20) AAS
「将来の話じゃなくて、いま役立ってもらいてえんだよ。
 じゃなきゃ、こんだけの首輪をくれたヤツらに示しがつかねえだろ」

 ジャンさんが開いたリュックサックには、いくつもの首輪が入っていた。

「そういうことでしたら問題ありません。
 戦闘は発展途上ですが、工学知識のほうはすでに完成されていますよ」
「あァ?」

 露骨に眉をひそめるジャンさんに、僕は向き直る。
 僕自身は普通の子どもだが、僕の記憶は普通ではない。
 その自負は――ある。

「錬金術と工学の知識には自信があります」
省31
32: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:09 ID:wqitE5aZ(12/20) AAS
 そのもう一つの影は、僅かに結われた長い髪を揺らしている。
 朧さんと美神さんも髪は長いが結っておらず、おキヌさんに至っては『影ができない』。

 必然――僕の上に馬乗りになっているのは、ジャンさんということになる。

「落ち着けよ。
 この俺がキース・ブラックの言いなりになってるワケねーだろ」

 軽口を叩くような口調とは対照的に、僕の身体にかかる力は強くなった。
 腕どころか指一本動かない。
 これでは『分解』で逃れることも不可能だ。

「ただ、な。
 『才賀』ってヤツに痛い目見せられたあとだからな。
省33
34: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:10 ID:wqitE5aZ(13/20) AAS
 
 
 ◇ ◇ ◇

「――ってことだ」

 ジャンさんの話が終わる。
 終始押さえつけられていたせいで身体が痛むが、そんなことはどうでもいい。

「そういう……こと、ですか」

 ジャンさんのいう『不可解』は、僕にとって『不可解』でもなんでもなかった。
 つまり――いったいなにがあったのか、僕はすべてを理解した。
 おそらく、間違いはない。
省32
37: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:11 ID:wqitE5aZ(14/20) AAS
 
「僕はアイツの『器』になるべく、作られた子どもなんですよ。
 身体を乗っ取り新しい身体を得るために、僕は生み出された。
 僕という器に、アイツ自身を『転送(ダウンロード)』するためにッ」

 ぎりぎりと、身体の軋む音がする。
 痛い。本当に痛い。涙が出そうだ。
 でも泣かない。ここは泣くべきときじゃない。

「そんな大それたことが簡単にできるワケがない! ダウンロードは三つ段階を踏まねばならないんだ!
 第一段階で『記憶』を、第二段階で『人格』をダウンロードさせ、第三段階で『ミクスチャー』させて完了だ!
 でも僕は、おじいちゃんの手によってダウンロードは第一段階で済み――人格は僕自身のまま、アイツの記憶だけを手に入れたんだッ!!」
省31
41: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:11 ID:wqitE5aZ(15/20) AAS
 
 頃合いを見計らって頼むと、ちょうどいいタイミングだったらしい。
 美神さんが取り出した蓄音機を地面に置いくと、それは勝手に起動する。

『記憶の伝達が完全でなかったときのため、私はこの部屋を残しておくことにする』

 この蓄音機に残された内容もまた忘れられない。

『【いまは勝】よ、この録音を聞き、私が誰か認識できるか』

 淡々と再生されていく。
 僕がアイツに用意された器に過ぎないという事実が、無感情に淡々と。
 たっぷり五分ほど経って、蓄音機は『思い出せ』以外の言葉を発しなくなる。
 そこで、美神さんは蓄音機を蹴り飛ばす。
省27
44: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:12 ID:wqitE5aZ(16/20) AAS
AA省
48
(1): 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:13 ID:wqitE5aZ(17/20) AAS
 
 
 ◇ ◇ ◇

「あーらら、まーた勝くんの勝ちか。
 これで、またしても『ゲェム』の連敗記録は続く――と。

「あんなフツーのガキに負けるなんて考えられない?
 やはり自動人形は旧式に過ぎない、Oの時代が来ている?
 ふ、ふふふふ……言うなァ。実際、君たちだって負け続きのクセに。

「それに、才賀勝がフツーの子どもだって?
 フツー、フツー、フツー、フツー……ねえ。
省25
51: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:13 ID:wqitE5aZ(18/20) AAS
 
「でも、勝は違う。
 自分を『普通の子ども』と見て、その上で油断をしない。
 決して思い上がらずに、むしろ自分自身の力を過小評価している。
 九割九分九厘勝てる状況でも、残りの一厘を考慮に入れることを忘れない。

「幼少期、豊かな生活をできなかったせいかもしれない。
 出生の件もあり、イジメられていたせいかもしれない。
 母親と祖父を早くに失ってしまったせいかもしれない。
 自分が単なる器に過ぎないと知ったせいかもしれない。
 僕と正二の記憶を手にしてしまったせいかもしれない。
省22
55: ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:14 ID:wqitE5aZ(19/20) AAS
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。
支援、ありがとうございました。
57: ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:38 ID:wqitE5aZ(20/20) AAS
指摘ありがとうございます。
ミスなんでwikiで修正します。
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