[過去ログ] 少年サンデーバトルロワイアル part6 (107レス)
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8: 普通の子ども ◆hqLsjDR84w 2013/01/24(木)22:05 ID:wqitE5aZ(6/20) AAS
 
 普段ならば決して考えないが、すでにある発想に至る要因は十分にあった。
 刃さんが物干し竿の柄紐を解くと、空間に穴が開いた。
 おキヌさんによると、美神令子というGS(ゴーストスイーパー)は時空移動能力を持つという。
 朧さん曰く幽霊の気配は一つしか捉えられなかったというのに、もう死んだはずの人間が何人も名簿に記されている。

 仮説――――このプログラムの参加者は、『異なる時間』から呼び出されている。

 ならば、頷ける。
 いろいろと納得がいく。
 この仮説を口にはしていない。
 認識の違いからおキヌさんと朧さんは思い至っているかもしれないものの、まだ僕から告げてはいない。
 他の誰かから告げられてもいない。

 それに――もし『これが真実である』のなら、『明かさないほうがいい』ことだってあるかもしれないのだから。

 とにかく、考えを固めたいところだった。
 『どうにかすることによって時間移動が可能である』という確証を得たい。

「…………って!?」

 不意になにかに当たった。
 いや、当たらなかった。通り抜けた。

「うわわっ! ちゃんと前を見てなきゃダメですよ、勝くん」
「ご、ごめんなさい」

 いつの間にか、おキヌさんが足(?)を止めていたようだ。
 見れば、朧さんもまた少し前で立ち止まっている。
 歩み寄っていくと、朧さんは険しい表情のまま静かに口を開く。

「何者かが飛行しながら迫ってきています」

 朧さんの視線の先を確認するが、なにも見当たらない。
 困惑していると、十秒ほど経ってからその視線の先に人影が現れた。

「あれ? おキヌちゃんじゃない」

 腰まで伸ばしたストレートの茶髪。
 紫色の派手なボディコンスタイル。
 整った顔立ちで、気が強そうな目つき。
 さらに、いまのおキヌさんに対しての発言。

 運がいい。心から、そう思った。
 僕が所持していない霊に関する知識を有しており、時空移動能力を持っている。
 まさしく――現時点においてもっとも会いたかった参加者の一人だった。

「なによ、ジロジロ見て。
 ……でもなんか育ちがよさそうな雰囲気してるわね、賢そうな顔つきだし、もしかしてお坊っちゃまとかかしら…………」

 小声でぼそぼそと言っているのが聞こえてくる。
 確信した。彼女こそ、話に聞いた美神令子さんその人だ。

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