ガンダムヒロインズMARK ??I (152レス)
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21: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:20 ID:WxyynVNG(3/11) AAS
「おのれ、仏敵ッ……ビームで私を焼いておきながら、生きてこの場に捕らえて辱めるとは。この妖術、やはりお前の仕業だったか。……妖怪変化め……ッ!!」
「可愛らしい声だ。そそるな」
 これ見よがしに地球連邦軍の軍服姿を見せつけながら、マコトは不敵な表情のまま、拘束された銀髪白肌の爆乳美少女へゆっくりと歩み寄った。
 背後から抱き着いたウェンディが思うがままに豊かな乳房を握りしめると、手指の隙間から雪のような白さと桜色の暈がはみ出て溢れる。
「いやらしい雌だ。これでジオン残党は無理だろう」
 マコトは邪悪に笑いながら、少女が晒す太腿の内側を、膝上から指先でつうとなぞり上げた。少女はその刺激だけで少女は苦痛と快楽のはざまに落ちて、身をよじりながら大げさなほどに震えてのける。
「くっ、くうっ……!」
「戦闘に敗れて乗機を撃墜され、鬼畜生と罵ってきた敵兵の眼前に吊るされ。捕らわれの身となった裸身を晒されながら、この女の部分はこれほど淫らに湿らせている。
 ふふ、そうか。武名名高い大ジオン仏道の女は、連邦の男に敗れて捕らえられながら犯されるのを、それほど心待ちにしていたのか」
「…………!」
省25
22: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:21 ID:WxyynVNG(4/11) AAS
「ふふ、いい目だ。……だが、残念だったな。お前のモビルスーツに股ぐらからビームを挿入し、一気に核の炎に燃え上がらせて墜としたのは、男ではない。女だ」
「何を……?」
「そして我々誇り高き地球連邦軍に、ジオン残党の雌豚ふぜいを慰めてやるためだけにくれてやれるような、安い男など存在しない。思い上がるな。つまり、……分かるか?
 お前の女陰がどれほど雄欲しげに雌汁を垂らそうとも、その虚ろな洞穴は今後永遠に満たされることは無い。膣奥を突かれる快楽に咽び泣くこともなく、子種汁を注がれることもなく――ただ虚しく乾いたままで、そこに在り続けるのだ」
「…………!!」
 もし万一自分が戦いに敗れても成仏を果たすことなく、敵の手に落ちた場合の結果を想像したことはあった。
 女に飢えた連邦畜生道の兵たる男どもが殺到し、自分は裸身に剥かれて容赦なく代わり代わりに輪姦され、戦場で猛った敵の男どもの欲望のはけ口となって終わることのない凌辱の中で、襤褸切れのように使い捨てられるのだろうと。
 今の自分は、そのおぞましい結末さえもを望んでしまっていた――だが目の前の連邦軍人の女は、その予想図をあっさりと否定してのけたのだ。
 部屋は小さく、完全に閉ざされている。自分の背中で乳房を揉む女と、目の前の女の二人以外に人の気配はない。自分を犯そうと欲望に燃えて待ち構える下卑た男たちの気配は、どこにも感じられないのだった。
「そ、……そん、な……っ……」
省22
23: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:22 ID:WxyynVNG(5/11) AAS
「んッ……ンンッ、ンンウウゥッ!!」
 乳房に見合った大きさの乳輪を左右から潰して搾り出すように揉みながら、マコトは自らの乳首を少女の勃起しきった乳首に合わせて突いた。
 今まで巧妙に直接攻撃を避け続けてきた、乳房でもっとも敏感な部分をここで攻められて、少女はそれだけでびくんと背中を跳ねさせる。
マコトはそこで少女の後頭部を押さえ、一気に唇を奪った。そして文字通り有無を言わさぬまま歯の隙間から舌を流し入れ、少女の舌を捕らえて搦める。
 くちゅくちゅと唾液が混ざり合い、唇から飛び散った。その間もマコトは少女の乳房を揉みしだき、ウェンディは屈んで彼女の秘裂に舌を入れていた。
 さらにウェンディの右手が回り込んで少女の尻穴を攻めると、狂暴な愛撫の連鎖が少女の思惟を貫いた。
「――ッ!!」
 呼吸が止まるほどの長い接吻のあと、ようやくマコトは唇を離した。互いの舌から二人の唾液が糸を引いて伸びる。この間にもウェンディの愛撫は場所を変えながら続いている。少女の瞳は虚ろで、初めて経験する未知の快楽に深く溺れて喘いでいた。
 とどめとばかりに、ウェンディの巧みな舌技が少女の陰核、その中心部を責め上げる。これがダメ押しの一撃だった。
「あッ、ああっ……、ああ、ああああああ〜〜〜ッ!!」
省11
24: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:24 ID:WxyynVNG(6/11) AAS
「これだけやっても無理なのか。やはり、……女だけで鎮静化させるのは無理なのか。最終的には、男を使うしかないというのか……」
「ま、あたしは困んないけどね! いつでも発情マックスの爆乳かわい子ちゃんを愛しモードの犯りホーダイ、空気のようにレズセックスするエアーエッチの新世界、
 ロック開けたら5秒でレイプな貝合わせ常時接続の最高にイイモビルスーツ整備環境でこいつぁユビマンキタッスね……まだまだヤリ足りないしぜんぜん飽きない。天国では?」
「私はもう疲れたから言っているんだ」
 マコトは心底疲れ切った表情で頭を振った。
 憔悴したマコトと裏腹に、ウェンディの血色は良い。肌艶はいつにも増して輝いて動きは軽く、しぐさと表情にも余裕がある。
 MS整備班長として表で業務に当たっている直の時間以外は、ほぼ不眠不休でこの少女を何度も何時間もかけて繰り返し犯し続けていたはずなのだが、今なおこの状態を維持できてしまっている。
この旧友にして悪友はやはり人間ではないのかもしれない、と今更ながらにマコトはそう思う。
「まあ、それなら最後の手段だね。そのへんの若いの誰か適当に捕まえて、ちんぽブチ込ませちゃえば?
 ゴム付けさせるか、それだけじゃダメで最悪中出しまでさせることになっても、気絶したあとですぐに避妊処置すればなんとかなるでしょ。
省20
25: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:24 ID:WxyynVNG(7/11) AAS
 明確な殺意を込めたマコトの言葉に、ウェンディは目を眇めた。マコトはそんな彼女に視線を移し、そして目を伏せた。
「すまないと思っている。発表の見込みがあるわけでもない、こんな研究もどきに付き合わせて」
「別にいいさあ。かわいい女の子を犯りまくれるっていう、役得がみっちりだからね。あたしは堪能させてもらうだけだよ。マコトの守りたいものは、あたしが守りたいものでもあるし。――で? これからどうすんの」
「……家に連れていく。まだ使える部屋があったはずだ」
「ん? つまり、サブリナん家に入れるってこと?」
「ああ。とりあえず薬で眠らせて荷物に隠し、誰にも知らせずにここから連れ出す。ここに置いておけないなら、それしかない」
「やれやれ、やっぱりそうなるよねえ。ま、やってみますよっと」
 ぱっと手元に麻酔薬を取り出し、ちょうどいいサイズの空のトランクケースを引き出しながら、ウェンディはにいっと笑った。マコトも苦笑する。
「よし。それでは、大ジオン仏道雌豚の出荷といくか」
26: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:26 ID:WxyynVNG(8/11) AAS
「これで良し、と……」
同室のマコトが帰ってこないまま、アイネ・クライネ伍長は早々に荷物の整理を終えていた。何しろ彼女は乗機を撃墜されての宇宙漂流から、文字通り「体一つ」でこの艦に拾われた。
 ここに来てから受け取った物資以外には、私物も官給品も本当に皆無だったのだから、荷造りが早いのは道理だった。
 機体が大破した戦闘後、しばらくはトラキアに滞在していた同期の親友シエル・カディス伍長も、入港後は早々に母艦であるサラミス改級駆逐艦『アルマーズ』へ戻っていた。
せわしなく通路を行き交うMS隊の要員たちの多くは、既に上陸に備えて私服へ着替え終えていた。聞けばウェンディらほんの一部の要員のみが改修作業要員との調整のために残るものの、他はほとんど下艦させられるらしい。
だがそんな中でもアイネたちパイロット要員は、いつも通りのパイロットスーツのままだ。彼女らの愛機、RGM−79R『ジム?』を改修工事に入る艦から出して、指定されたP−04の基地MS格納庫まで移動させなければならないからだった。
「私の手荷物は、コクピットに持ち込むだけで足りちゃうなあ……」
 大ジオン仏道の襲撃で撃沈された、初めて配属されたサラミス改級巡洋艦「アバリス」のことを思い出す。初の航宙展開に胸を躍らせながら荷造りしたカバンと私物は、もうどこにも存在しない。
 彼女にろくでもない「歓迎」を仕掛けてのけた乗員やMS隊の先輩方もろとも、新サイド4外縁軌道で宇宙の塵になってしまった。つい数日前のことなのに、もう遠い昔のようにすら思えてしまう。
 MS隊長のマコトはしばらく休暇を取らされるらしく、他の要員も多くは休暇の消化を命じられているようだ。部隊配属間もないアイネはトラキアから降りた先で整備期間中も何かしらの勤務を継続することになるはずだが、その内容はまだまったく分かっていない。
省20
27: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:27 ID:WxyynVNG(9/11) AAS
「ここ来るとき、P−04の小惑星本体の周りにプラント群が見えたでしょ? アレの一つにウチがあるの。ってか、ここの住民は大体そういう住み方してるんだけどね。この辺もともと、ルウム戦役でジオンが潰しきれなかったプラントの生き残りを集めて作った町だし」
「えっ。いいんですか?」
「もちろん。重力もあるし、農業プラントだから空気もいい。産地直送の新鮮な食い物も山ほどある! メシの旨さは保証したげる」
「え、ええ……で、でも……」
 明るいノリで迫るサブリナに対し、アイネは申し訳なさが先立って話へうまく乗れずにいる。途中でサブリナは何かに気づいて勢いを緩めた。
「あ、そうだ……。ウチはマコトとシェアしてるから、アイネがウチに来たらマコトとも毎日顔を合わせることになるな。ごめん、アイネ。自分は仕事中なのに、休暇中の上官の顔を朝から毎日見るのが嫌なんだったら――」
「ぜひ入居させてください。よろしくお願いいたします」
「え? そ、そう?」
 ガシッ、とサブリナの手を力強く取りながらアイネは即決し、鼻息荒く入居を申し込んだ。ぐっと拳を握りこむ。
 これで毎日、ハヤカワ准尉の顔が見られる……。
省15
28: フェニックステイル第33話 2021/05/16(日)18:27 ID:WxyynVNG(10/11) AAS
「あ、あの――エイムズ軍曹」
「……ひゃっ!? な、なにっ!?」
 アイネが近づいて後ろから声を掛けると、なぜか水でも掛けられた猫のような動きで飛び退かれてしまった。
「良かったらエイムズ軍曹もご一緒に、サブリナ少尉のご自宅に下宿しませんか? エイムズ軍曹も下宿、ないんですよね?」
「……え? えっ……?」
 普段の勤務中に見せていた鋭敏さが嘘のように、マリエルは不自然なほど魯鈍な反応を返してきた。遠慮しているのかな、とアイネは思う。
「あれ? マリエル、あんたは下宿持ってなかったっけ? 展開中に解約したの? まあいいや。まだ部屋あるから、あんたも来なよ」
「行きましょう、エイムズ軍曹!」
 周りに知己の女性が増えるのは心強い。アイネから文字通りに背中を押されても、マリエルはまだ「ああ……」とか「うう……」とかよく分からないことを言っていたが、やがて機械仕掛けのような動きで顔を上げた。
「わ、分かりました……少尉、私も、お世話になります……」
省15
29: フェニックステイル第33話投下終了 2021/05/16(日)18:28 ID:WxyynVNG(11/11) AAS
今回は以上です。
次の濡れ場は次々回になるかと思います。
30: フェニックステイル第34話投下準備 2021/05/23(日)18:51 ID:FZPzClP7(1/11) AAS
投下します。
今回は直接的なエロ場面はないです。
31: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:53 ID:FZPzClP7(2/11) AAS
 サラミス改級巡洋艦『トラキア』の改修整備間にそのMS隊にとっての仮の宿となる第113整備場は、P−04の中核になっている小惑星本体ではなく、その周囲に多数が連結された生産プラント群の一つにあった。
「すごい。生産プラントが、こんなにたくさん……。コロニー何基分なんだろう?」
 P−04中心から伸びる軌条へ沿うように、RGM−79R『ジム?』の4機編隊が宙域をゆっくりと飛んでいく。コロニー生まれでコロニー育ちの生粋のスペースノイドにとってもこの光景はさすがに壮観で、アイネ・クライネ伍長は思わず嘆息した。
P−04の中心とプラントの間、そして各プラントの間を繋いで結ぶ軌条には、いくつもの列車やコンテナが忙しなく行き交っているのが見える。あの中のどれかに、サブリナとその貨物車もいるのだろうか。
 生産プラントとは通常、1基のスペースコロニーに対してその周囲に数十基が付属するものだ。コロニーから隔離された環境内において効率的な特化型の農工業を営むことで、住環境であるコロニー本体の内部では生産困難な各種の物資を提供する役割を担う。
プラント個々の外観は半径300メートル、全長600メートル程度の巨大な円柱状だ。回転軸から垂直に見ればほぼ正方形、水平から見ればリング状の採光窓を設けたほぼ真円となる。
この巨体が固定された中心軸を除いてコロニー同様に自転することで、円筒内に外向きの疑似重力を発生させている。回転し続けるその質量は戦闘艦などの比ではない。
 これに比べればMSなどは豆粒にも満たないし、仮にトラキアのようなサラミス改級巡洋艦をプラントの横に置いたところで、縦に少し潰したドラム缶の横へ細い水筒でも置いたようにしか見えないだろう。
それでも半径で3キロメートル以上、全長に至っては30キロメートルをゆうに超えて文字通り桁違いの巨大さを誇るコロニーの威容とは、さすがに比べるべくもない。プラントひとつの体積は、コロニー・シリンダーの600分の1にも満たないのだ。
 これほど小さいにもかかわらず、プラントがコロニーに対して不可欠な生産拠点としての大きな働きを示せる理由――そのひとつはコロニーと異なり、多層構造化によって床面積を稼げることだ。
省8
32: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:55 ID:FZPzClP7(3/11) AAS
 外部ゲートが閉まり、エアロックを挟んで移動すると、トラキアのMS格納庫の3倍はありそうな空間に出た。10基ほどのMSベッドが並んでいる。
 そこへ駐機されている機体にRGM−79GSR『ジム・ゲシュレイ』――ジム・コマンド宇宙戦仕様の独自改修型の姿を認めて、アイネは思わずうげっ、と呟いた。
 ゲンナー・ウェズリー少尉機にはシュン・カーペンター伍長との模擬戦訓練へ無茶苦茶な割り込まれ方をされたり、ルウム農協所属の予備役の美少女たちからはわけのわからない因縁を付けられたりしてきた
 アイネは正直、この機種に対してろくな印象を持っていなかった。
 ジム・ゲシュレイは常備役部隊より予備役部隊で使われている局地戦機と聞いたから、ここも本来は予備役部隊の拠点なのだろうか。
 その奥にはRB−79『ボール』もまとまった数が駐機している。こちらは戦闘用ではなく作業用らしいが、そのわりに頭部には一年戦争さながらの低反動砲が座っていた。
 P−04はジオン残党ルスラン・フリートが活動し、連邦軍の侵入をまったく許さないという絶対防空圏『聖域』に近い。
 自衛用なのだろうか、とアイネは思う。
 アイネがトラキアへ回収された直後に発生した救援作戦で接触した、貨物船『リバティ115』とその護衛に付いていた民間警備会社のボール部隊を思い出す。
 アシュリー・スコット予備上等兵、あのとにかく元気でちょっとおバカな少女は、P−04への到着後も元気にしているだろうか。
省20
33: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:56 ID:FZPzClP7(4/11) AAS
「プラント中心軸内のMS基地か……元々は小型艇の発着場か何かだったのを改修したのかな」
 アイネは物珍しげに周囲の空間を観察しながら歩いていく。
 だが、そのマコトを取り巻く人員の中に見覚えのあるパイロットスーツ姿を二人見つけたとき、アイネの顔面からさっと血の気が引いた。シュンの表情も強張っていた。
「よっ、シュン。おひさ」
 そして黒髪のポニーテールを揺らす、凛とした顔立ちの美少女――トモエと名乗ったルウム農協所属の予備役兵が、パイロットスーツ姿でシュンの真正面を塞いでいた。近い。
 光線の加減によるものなのか心無し、笑顔にどこか凄みが宿っているように見える。
「ずっと会いたかったんだよ。こないだトラキアがP−04を出る前、最後に3人で会おうって約束してたの、覚えてるだろ? 私ら、ずっと待ってたんだぜ……?」
「と、トモエさん……っ……あ、あのときは……っ」
 シュンは声にならない声を上げながら、後ずさって逃げようとした。逃げようとしたが、背後から誰かに組み付かれて止められていた。シュンの背中に重く大きく柔らかな、女の丸い肉の感触がふたつ潰れている。 
「り、リタさん……!?」
省19
34: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:57 ID:FZPzClP7(5/11) AAS
「なっ、このっ……」
その目に一瞬浮かべた驚きと苛立ちを素早く消し去ると、再び口元に余裕を浮かべてアイネを見返してきた。大きく胸を張って肉のバンパー越しに押し合いながら、アイネはきつくトモエを睨みつける。
「いい加減にしてください。あなたたち、カーペンター伍長にそういうの嫌がられているの、分からないんですか」
「ええっ、嫌がられてる?? そんな……嫌じゃないよね、シュン?」
 シュンを捕らえたリタは間近で彼に問いかけながら、身体を寄せて脚まで絡める。女体の肉感と艶やかな声色に反応させられた股間の膨らみを、直接触れない程度の微妙な距離で指先になぞられると、シュンは苦しげな呻きを漏らして仰け反った。アイネの眉間に皺が寄る。
「おいおい、何やってんだよ……」
ようやく事態に気づいたロブは呆れ半分、3人の巨乳・爆乳美少女たちに争奪される境遇への羨み半分で事態を傍観していた。これから何か積極的な介入が出来るようには見えず、実際、リタとトモエにもほぼ無視されている。
 もしアイネがここで引けば、二人はこのままシュンを小部屋に連れ込んで『介抱』を始めてしまうだろう。
アイネは軽く切れながら、トモエの肩越しにリタを睨んだ。
「彼は私たちの部隊の仲間なんです。具合が悪くなったのなら、私が連れていきます。関係ない他部隊の人は、下がってもらえませんか」
省29
35: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:58 ID:FZPzClP7(6/11) AAS
「フィオ!」
 食い下がる少女の後ろからもう一人、やはり旧式パイロットスーツ姿の、ぽっちゃりとした体型の少女が追い付いてきた。
「フィオ、もういいよ。もういいよ、仕方ないよ。これ以上は、やめよう……」
「マルミン――」
 マルミンと呼ばれた可愛らしい顔立ちの温厚そうな少女が短いツインテールを揺らしながら、亜麻色の長髪の少女の片手を取って制止した。そのまま前に出ると、男たちの方へ向かって頭を下げる。
「あの、今まで本当に……ありがとうございました」
「……ああ……。さすがにもう行くな、とは言えねえけどよ……。十分気を付けて、安全にやるんだぞ」
「命あっての物種だからな。せっかくあのルウム戦役で死なずに済んだのに、こんなとこでゴミ拾いのために殺されてたらアホみたいだろ」
「っ!!」
 男の捨て台詞に、長髪の少女はなお食い下がろうとしたが、豊満な少女にぐっと腕を掴まれてやむなくその場に留まった。去り行く男たちの背中を悔しげに睨みつけながら見送る。
省19
36: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)18:59 ID:FZPzClP7(7/11) AAS
「よーし。エレベーター降りたらすぐだからな!」
「まさか、同じプラント内だったとは……」
「というかP−04初期の頃に各プラントへMS隊の拠点を作りはじめたときに、あたしらの家も一緒に作ったんだよね。いろいろ余裕ない態勢だったから、職住一致ってやつでね」
トラキア隊の4人はロッカールームで私服に着替えると、サブリナに出迎えられて、エレベーターでプラント内の『底』を目指した。
 静止した中心軸内に存在する第113整備場は無重力空間だったが、その外側はプラント本体となる回転体であり、ミケリヤ家はその外壁近くに位置していたのだった。
 アイネは道中でシュンを護衛するように周囲に目を光らせていたが、トモエとリタの追撃は無かった。しかしP−04への航路上で接触してから、まさかこれほど早く接触を受けるとは。
 偶然とは思えない。ルウム農協の情報網でトラキア隊の行き先を掴んだのだろうか。もはや油断も隙も無い。
「クライネ伍長……さっきは、ありがとう」
「当然のことをしたまでだよ。また変な絡まれ方をするようだったら教えてね。飛んでいくから」
 少し前までなら、候補生課程で同室の同期生シエル・カディス伍長に言われていたような台詞を、今度は自分からシュンに言っていることに気づいて、アイネはそのおかしさに思わず微笑んで誤魔化した。
省19
37: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)19:00 ID:FZPzClP7(8/11) AAS
「じゃあまずは、これからしばらくお世話になるご家族にご挨拶しなくちゃですね」
「それがねぇ。亭主はいま用事で、子連れで町に出てるのよ。挨拶は後でいいから、先に部屋と荷物を確かめに行ってくれる?」
「そうなんですか」
「サブリナ。じゃあ、ミコトも――」
「たぶん一緒に出てると思う」
「そうか。じゃあ夕食の時間、1900にまたここへ集まるとしよう。それまではいったん解散だ」
「了解」
 マコトが命じると、男2人は自分たちの区画へ向かった。マコトとサブリナは立ち話を始めたので、アイネもやむなく1人で屋敷の中を歩き出す。
久々の1G重力が心地よい。そこかしかの緑と、おそらくレプリカなのだろうが、農村風建築の風情が目に優しかった。心が休まっていくのを感じる。
「…………」
省27
38: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)19:00 ID:FZPzClP7(9/11) AAS
 絶対的なリーチの差で腕も頭も狙う乳房から引き剥がされ、少女は空中に捕らえられながらじたばたともがく。アイネは半分涙目で睨みつけた。
「い、いきなりこんなことしちゃダメでしょ!!」
「ミルク……」
「はぁ!?」
 少女は唇に自らの人差し指を突っ込み、物欲しそうな顔で再び呟いた。
「おねえちゃんのおっぱい、こんなにおっきいのに……ミルク、出ないの?」
「出ません!!」
「がっかり……」
「がっかりしないで!!」
 少女は空中で肩を落とした。泣き出しはしないが、静かな悲しみに満ちた表情をしている。美少女の失望感がありありと伝わってきて、アイネはなぜか自分の方が悪事を働いていた気分にさせられてしまっていた。
省20
39: フェニックステイル第34話 2021/05/23(日)19:01 ID:FZPzClP7(10/11) AAS
「あれ……なんだよ、これ。誰か間違えやがったな。俺のスーツケースじゃねえじゃん。誰のだよコレ」
 与えられた個室で荷物を確かめながら、ロブは悪態をついた。
 ミケリヤ邸の外装は地球の伝統建造物を模してはいるが、個室ごとの基本構造は現代技術のモジュール工法で作られていた。防音や断熱もしっかりしている。
 夜中に大音量で映画を観たりしても、隣から文句を言われることはないだろう。家具や家電の類も一通りは揃っており、生活に不自由することはなさそうだった。
 景観も艦内よりは悪くない。ちょっとしたリゾート気分が味わえる。
 だが同型だったからといって、スーツケースを取り違えられたのはさすがに腹が立つ。
「ったく、ホントに誰のだよ……。なんかやたらクソ重いし、何が入ってんだこれ。クソ……夕食の時間まで待つしかねえか」
 誰かの重たいスーツケースをバタンと床へ転がすと、他の荷物を開梱しながら、ロブは少しずつ新生活の準備を始めた。
 それにしても一人で落ち着くと思い出すのは後輩、シュンのモテ具合だ。
 シュン自身は女性に対する積極性に著しく欠けている。過去に何か嫌なことでもあったのかもしれないが、女たちにとってはそれさえ魅力に見えてしまうらしい。
省25
40: フェニックステイル第34話投下終了 2021/05/23(日)19:02 ID:FZPzClP7(11/11) AAS
今回は以上です。
追ってハーメルンとpixivに挿絵付きの完全版を投稿しますので、よろしければそちらもご確認ください。
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