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ガンダムヒロインズMARK ??I (152レス)
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フェニックステイル第33話
2021/05/16(日)18:26
ID:WxyynVNG(8/11)
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26: フェニックステイル第33話 [sage] 2021/05/16(日) 18:26:33.04 ID:WxyynVNG 「これで良し、と……」 同室のマコトが帰ってこないまま、アイネ・クライネ伍長は早々に荷物の整理を終えていた。何しろ彼女は乗機を撃墜されての宇宙漂流から、文字通り「体一つ」でこの艦に拾われた。 ここに来てから受け取った物資以外には、私物も官給品も本当に皆無だったのだから、荷造りが早いのは道理だった。 機体が大破した戦闘後、しばらくはトラキアに滞在していた同期の親友シエル・カディス伍長も、入港後は早々に母艦であるサラミス改級駆逐艦『アルマーズ』へ戻っていた。 せわしなく通路を行き交うMS隊の要員たちの多くは、既に上陸に備えて私服へ着替え終えていた。聞けばウェンディらほんの一部の要員のみが改修作業要員との調整のために残るものの、他はほとんど下艦させられるらしい。 だがそんな中でもアイネたちパイロット要員は、いつも通りのパイロットスーツのままだ。彼女らの愛機、RGM−79R『ジム?』を改修工事に入る艦から出して、指定されたP−04の基地MS格納庫まで移動させなければならないからだった。 「私の手荷物は、コクピットに持ち込むだけで足りちゃうなあ……」 大ジオン仏道の襲撃で撃沈された、初めて配属されたサラミス改級巡洋艦「アバリス」のことを思い出す。初の航宙展開に胸を躍らせながら荷造りしたカバンと私物は、もうどこにも存在しない。 彼女にろくでもない「歓迎」を仕掛けてのけた乗員やMS隊の先輩方もろとも、新サイド4外縁軌道で宇宙の塵になってしまった。つい数日前のことなのに、もう遠い昔のようにすら思えてしまう。 MS隊長のマコトはしばらく休暇を取らされるらしく、他の要員も多くは休暇の消化を命じられているようだ。部隊配属間もないアイネはトラキアから降りた先で整備期間中も何かしらの勤務を継続することになるはずだが、その内容はまだまったく分かっていない。 「遅いなあ、ハヤカワ准尉……」 移動開始までやることもなく、マコトが帰ってくる気配もなく、アイネは部屋から出てすぐそこにあるMS格納庫を覗いた。この区画が拡張・合理化されて、MSベッドが6基に増えるらしい。今ある風景も見納めだろう。 ぼんやり愛機を眺めていると、MS格納庫内へ貨物車型のエレカがゆっくりと乗り入れてきたのに気付いた。荷台の側面にアイネには読めない日本語文字で、「みけり屋」と表記されたロゴが入っている。 工事関連資材か何かの搬入かな、と思うアイネに向かってエレカは近づいてきた。停車するや降りてきた女性運転手に、アイネは目を丸くした。 「あれ、サブリナ少尉?」 「よっ」 アイネへ気安く話しかけてきたトラック・ドライバーは、サブリナ・ミケリヤ少尉だった。 前回の戦闘後から妙に忙しそうになり、なぜか非番時に姿を見かけることも少なくなったマコトに代わって、サブリナはアイネの面倒をよく見てくれるようになっていた。 だが作戦行動中に合流したゲンナー・ウェズリー少尉のRGM−79GSR「ジム・ゲシュレイ」とサブリナのRGC−80SR「ジム?キャノン」は、もともとP−04基地所属のため、 入港直前にトラキアから発艦して本来の拠点へ戻っていたはずだった。 「帰られたのでは……?」 「帰ったからまた出直して来たんじゃない。聞いたよ。トラキアは格納庫周りの大改装で、MS隊はみんな艦から下ろされちゃうんだってね。アイネ、トラキアから降りたらどこへ行くの? 下宿はもう取った?」 「えっ?」 連邦宇宙軍の軍人のうち、いつも決まった拠点や基地で勤務している者はともかく、複数の拠点間を往来する艦艇の勤務者は展開先の港にも下宿を持っている場合が多い。 トラキアはもともとP−04を母港としていたから、古参乗員の大半はそちらに下宿というか自宅を持っているようだ。 だが当然アイネにそんなものはないし、聞けばMS隊先任のイベル・ガルノフ軍曹、ロブ・サントス伍長やシュン・カーペンター伍長らにしても、P−04に下宿は持っていないらしかった。 「それが、迷っていまして……アバリスが沈んだ時に現金から何から全部なくしちゃいましたから、いま一文無しなんです。 だからホテル暮らしみたいなことも出来そうにないですし……基地の宿舎を借りる手続きが間に合わないなら、トラキアの中で工事しない区画になんとか泊めてもらえないかなあ、と思ってるんですが」 「よーし。それならアイネ、ウチに来なよっ」 爽やかな笑みとともに、サブリナはウインクしてのけた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1606753960/26
これで良しと 同室のマコトが帰ってこないままアイネクライネ伍長は早に荷物の整理を終えていた何しろ彼女は乗機を撃墜されての宇宙漂流から文字通り体一つでこの艦に拾われた ここに来てから受け取った物資以外には私物も官給品も本当に皆無だったのだから荷造りが早いのは道理だった 機体が大破した戦闘後しばらくはトラキアに滞在していた同期の親友シエルカディス伍長も入港後は早に母艦であるサラミス改級駆逐艦アルマーズへ戻っていた せわしなく通路を行き交う隊の要員たちの多くは既に上陸に備えて私服へ着替え終えていた聞けばウェンディらほんの一部の要員のみが改修作業要員との調整のために残るものの他はほとんど下艦させられるらしい だがそんな中でもアイネたちパイロット要員はいつも通りのパイロットスーツのままだ彼女らの愛機79ジムを改修工事に入る艦から出して指定された04の基地格納庫まで移動させなければならないからだった 私の手荷物はコクピットに持ち込むだけで足りちゃうなあ 大ジオン仏道の襲撃で撃沈された初めて配属されたサラミス改級巡洋艦アバリスのことを思い出す初の航宙展開に胸を躍らせながら荷造りしたカバンと私物はもうどこにも存在しない 彼女にろくでもない歓迎を仕掛けてのけた乗員や隊の先輩方もろとも新サイド4外縁軌道で宇宙の塵になってしまったつい数日前のことなのにもう遠い昔のようにすら思えてしまう 隊長のマコトはしばらく休暇を取らされるらしく他の要員も多くは休暇の消化を命じられているようだ部隊配属間もないアイネはトラキアから降りた先で整備期間中も何かしらの勤務を継続することになるはずだがその内容はまだまったく分かっていない 遅いなあハヤカワ准尉 移動開始までやることもなくマコトが帰ってくる気配もなくアイネは部屋から出てすぐそこにある格納庫を覗いたこの区画が拡張合理化されてベッドが6基に増えるらしい今ある風景も見納めだろう ぼんやり愛機を眺めていると格納庫内へ貨物車型のエレカがゆっくりと乗り入れてきたのに気付いた荷台の側面にアイネには読めない日本語文字でみけり屋と表記されたロゴが入っている 工事関連資材か何かの搬入かなと思うアイネに向かってエレカは近づいてきた停車するや降りてきた女性運転手にアイネは目を丸くした あれサブリナ少尉? よっ アイネへ気安く話しかけてきたトラックドライバーはサブリナミケリヤ少尉だった 前回の戦闘後から妙に忙しそうになりなぜか非番時に姿を見かけることも少なくなったマコトに代わってサブリナはアイネの面倒をよく見てくれるようになっていた だが作戦行動中に合流したゲンナーウェズリー少尉の79ジムゲシュレイとサブリナの80ジムキャノンはもともと04基地所属のため 入港直前にトラキアから発艦して本来の拠点へ戻っていたはずだった 帰られたのでは? 帰ったからまた出直して来たんじゃない聞いたよトラキアは格納庫周りの大改装で隊はみんな艦から下ろされちゃうんだってねアイネトラキアから降りたらどこへ行くの? 下宿はもう取った? えっ? 連邦宇宙軍の軍人のうちいつも決まった拠点や基地で勤務している者はともかく複数の拠点間を往来する艦艇の勤務者は展開先の港にも下宿を持っている場合が多い トラキアはもともと04を母港としていたから古参乗員の大半はそちらに下宿というか自宅を持っているようだ だが当然アイネにそんなものはないし聞けば隊先任のイベルガルノフ軍曹ロブサントス伍長やシュンカーペンター伍長らにしても04に下宿は持っていないらしかった それが迷っていましてアバリスが沈んだ時に現金から何から全部なくしちゃいましたからいま一文無しなんです だからホテル暮らしみたいなことも出来そうにないですし基地の宿舎を借りる手続きが間に合わないならトラキアの中で工事しない区画になんとか泊めてもらえないかなあと思ってるんですが よーしそれならアイネウチに来なよっ 爽やかな笑みとともにサブリナはウインクしてのけた
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