純粋・応用数学・数学隣接分野(含むガロア理論)21 (437レス)
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きっかけは学生の一言 無用を「有用」に変えた北川進さんの研究
木許はるみ 寺町六花 吉田卓矢 毎日新聞 2025/10/8
 2025年のノーベル化学賞は、活性炭やゼオライトに代わる新たな多孔性材料を開発した京都大の北川進特別教授(74)に決まった。単なる新材料ではなく、素材の金属イオンと有機分子の組み合わせを変えることでさまざまな機能をデザインできる、無限の可能性を秘めた材料だ

思い出した言葉と転機となった出会い
 1980年代後半、近畿大助教授だった北川氏は金属イオンと有機分子などの結合を利用した結晶を研究テーマにしていた。89年のある日。大型計算機の利用を外部研究者に開放していた京大に出向き、研究データを入力し、計算が終わるのを待っていた。暇を持て余して途中までの計算結果を基に構造を予想していると、同行していた学生が指摘した
 「穴が開いていますよ」。金属有機構造体(MOF)の骨格の間にできた「空間」のことだった。
 さまざまな種類のMOFの性質や機能を解き明かそうと、当時の研究者たちは骨格の構造解析を競っていたが、「隙間(すきま)」には誰も注目していなかった。北川氏は「穴」という言葉にピンときた。49年に日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の著書で読んだ荘子の言葉「無用の用」を思い出したのだ

「今まで無用とされてきた『空間』が大切なのではないか。新しい材料開発に持っていけるかもしれない」。そう直感し、研究の対象は定まった。ノーベル委員会も「役に立たないものでも役に立つ」と北川氏の視点を紹介した
「穴」の活用法も次第に見えてきた。大阪ガスの研究員だった関建司・大阪ガスケミカルフェロー(61)との出会いが転機となった
 90年代初め、横浜市で開かれた学会で、北川氏がMOFの穴について発表すると、関氏が声をかけてきた。「その穴にガスは入りませんか」
すぐに共同研究に同意し、北川氏がMOFを作り、関氏が専用装置でそこへのガスの吸着を試みた

常識を覆す研究成果
 当初は何度作っても骨組みが壊れ、ガスを吸着することはなかった。しかし、96年に金属のコバルトイオンと有機物のビピリジンを合成してMOFを作製すると、溶媒を抜いても壊れずに、内部の空間にメタンガスを吸着させることに成功。97年に関氏らと独化学誌に発表した
 吸着させる能力を各物質の1グラム当たりの表面積で示してみると、その差は歴然だった。ゼオライトはバスケットボールコート1面ほどの500平方メートル、活性炭はサッカーコートの3分の1ほどの2500平方メートル。MOFはその倍の5000平方メートルに及んだ。また、肺のようにガスを吸ったり吐いたりするように振る舞い、優れた材料であることを裏付けた
 北川氏が京大時代に所属した故米沢貞次郎・京大名誉教授の研究室は、81年のノーベル化学賞受賞者、故福井謙一・京大名誉教授の研究室から派生して誕生し、2019年ノーベル化学賞受賞者の吉野彰さん(77)も所属した。北川氏と学んだ吉川研一・同志社大客員教授(77)は「北川さんは(研究室のテーマだった)石油化学では普通使わない無機に注目し、自分の力で新たな学問を作り出した。誰もやらないことを評価する雰囲気が研究室にあり、北川さんや吉野さんの力がさらに発揮され、世界にない学問の誕生につながった」
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