[過去ログ] ガロア第一論文と乗数イデアル他関連資料スレ2 (1002レス)
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73
(1): 2023/03/07(火)08:21 ID:aNdPDvr9(2/6) AAS
>>72
つづく

ピーター・サルナクはシンポジムの初日に私の名札を見て「松島の友人か」と訊ね、昔の松島さんとの共同研究の延長上にある最近の結果を詳しく話してくれた。これは私にとってこのシンポジウムがもたらした思いがけぬ数学上の収穫であった。

これからの時代にあの谷口さんの哲学、その抱かれた高い理想、日本の未来への思いはどうなるだろう。これを考える前に谷口哲学の起源を探ろう。すでに述べたように、谷口氏と数学の縁は旧制第三高等学校、三高、で後に数学者となる秋月康夫、 岡潔の二人と同窒 ったことによる。良き時代の旧制高校三年間に生徒間に生まれる友情と連帯感はそこでの少人数教育の故であろう、終生続いている。谷口さんは繰り返し、谷口シンポジウムを考案し、多くの偉い学者に喜ばれるようになったのは、秋月のお陰であると作っていた。また、岡潔の奇行を楽しげに話されたことも再三であった。谷口さんの哲学はこの三高時代に培われたものと私は思う。旧制高校に入れば大学入学は保証されていたので、生徒たちは青春を謳歌して、あえて難解な哲学書を読み耽り人と形而上学的な議論を弄んでいた。

その中で人生を考え、将来への夢を描く。
私もあの戦争末期に三高に学んで、厳しい時局の中でなお自由を唱え、反戦を口にする先輩 いて驚いたが、そのうちに私自身がいつしか自由を憧れるようになっていた。
兎も角谷口さんはこのような三高生活の中で、自らの人生哲学を確立し、後年それが谷口シンポジウムを生んだと私は確信している。
省3
74: 2023/03/07(火)08:22 ID:aNdPDvr9(3/6) AAS
>>73
つづき

私は不思議な縁で、谷口さんのロマンの実現のために有難い下働きをする立場になり、二十年を過ごした。この間毎年谷口さんにはシンポジウムのレセプションでお目にかかり、また年明けにはシンポジウムの記念アルバムを持参して谷口さんのオフイスを訪ね、その年の御礼を申し上げた。その度に谷口さんはにこやかに私を迎えて下さり、私はそのお人柄にますます魅せられて、不肖の身を励まされたのである。谷口さんはわが人生の師であり、谷口さんに巡り合えたことはわが人生にとって掛け替えの無い幸せであった
(引用終り)
以上
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