ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」 (699レス)
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689: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/24(日)01:37 ID:76domkFH0(1) AAS
…屋外運動場…

スカーレット教官「さぁ、頑張って走りましょう……適度な運動は美容にも良いわよ♪」

訓練生A「はぁ……はぁ……」

訓練生B「ひぃ……もうだめ……」

…ハードルや雲梯、綱渡り、匍匐前進など盛りだくさんの障害物が含まれているコースを走らされている訓練生たち……うら若い女性であるスカーレット教官は息も絶え絶えの訓練生たちを励まし、助言をしながら鹿のようにかろやかに走って行く…
省38
690: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/29(金)01:08 ID:iRyZjprV0(1) AAS
…ある日・更衣室…

意地悪な訓練生「……それにしても不思議よねぇ、ドロシー」

ドロシー「何が?」

意地悪「マティルダよ、なんであの子が訓練生になれたのかしら? 確か教官は「我々は身分や階層、人種で訓練生をえり好みするようなことはしない」って言っていたけれど、きっと才能もえり好みしなかったのね」

イヤミな訓練生「あら、私は良いと思うけど? あの子が万年最下位にいてくれたらビリにならなくて済むじゃない」
省38
691: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/06(土)00:59 ID:IZkqyWJp0(1) AAS
…別の日…

訓練生A「次の時間は……う、ミス・パープルの実技ね///」

訓練生B「あぁ、今日はそうだったっけ……私、あの人に流し目をされただけでドキドキしてきちゃうのよね///」

…ファームの一室、ずっしりと重い樫の扉の奥に広がっている豪華で官能的な雰囲気の漂っている寝室は「ハニートラップ」のしかけ方とその対策を「手取り足取り」教えてくれる美人教官、ミス・パープルの牙城で、たいていの訓練生はパープルとクィーンサイズのベッドの上で数十分過ごすと、格闘訓練を数時間行ったときよりも激しく膝が震えてしまい、その後しばらくは甘い余韻ですっかりグロッキーになってしまう…

アンジェ「……」おしゃべりに加わるでもなく、静かに座っている……
省37
692: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/11(木)01:28 ID:vpROMSsr0(1) AAS
マティルダ「……私、せっかく「ファーム」に入れたんだから、一流のエージェントを目指したいと思っているんです///」あどけない子供っぽさを感じさせるような笑みを浮かべて、頬を赤く染めた……

パープル「まぁ、立派な心がけね♪」

マティルダ「ありがとうございます……でも、そう思って頑張ってはいるんですけどなかなか結果に結びつかなくって」

パープル「そうなの?」

マティルダ「はい。例えばミス・アンジェのように顔色ひとつ変えずに課題をこなそうと思ってもうっかりミスをしてしまうし……」
省35
693: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 04/24(水)02:11 ID:zZwpKeq00(1) AAS
ブラウン「どんなエージェントでもそれぞれ「使いどころ」というのがあるものよ」

スカーレット「使いどころ、ですか」

ブラウン「ええ……確かにマティルダは「良い子」というだけで、いまのところ訓練生としてこれといった取り柄があるわけではないわ」

ブラック「そこなのだ、ミセス・ブラウン……私だって彼女が無事に訓練を終えて、いつかひとかどのエージェントとして活躍してもらいたいという気持ちはある……だが、この世界ではただの「良い子」にはロクな任務が与えられない事くらいご存じのはずだ。それだったらいっそ早めにあきらめさせて、もっと有意義な方面で活動してもらった方が良いのではないか?」

ホワイト「同感だね。私の同期にもひとり、世間で言う「いい人」に該当するような者がいたが、退屈で実りのないひどい任務ばかり与えられて、みんなに「彼はいいやつなんだが……」と言われ続け、いつしか現場から退けられてしまったよ……ミス・マティルダにはああなって欲しくはないね」
省36
694: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/01(水)01:11 ID:Zsm+3rLz0(1) AAS
ドロシー「それでだ……おかしなことにマティルダのやつ、訓練では相変わらずドジばかりだし覚えも悪かったんだが、何だかんだで最初の頃に比べるとずっとできるようになってきてな。むしろ訓練当初にすいすいと課題をこなしていた何人かは付いていけなくなって、結局途中でいなくなっちまったなぁ……」

ベアトリス「へぇ、そういうものなんですね?」

ドロシー「不思議なことにな」そういって肩をすくめた……

………

ホワイト「なかなかいいぞ、ではもう一本やってみようか。ミス・マロウ、相手をしてあげてくれるかな?」
省37
695: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 05/25(土)01:10 ID:J9lrQpcw0(1) AAS
…週末の夜…

アンジェ「……おおよその情報が集まったわね、そろそろ誰を「推薦」するか決めましょう」

ドロシー「そうだな。プリンセスとベアトリスが目星を付けたやつの中から、私とお前さんでそれぞれ選んで評価を突き合わせてみるとしよう」

…寮の生徒たちが就寝前の自由時間を勉学やおしゃべりに過ごしている間、アンジェとドロシーは部室にやって来て話し合っている……スカウト候補の生徒にはそれぞれ動物の名前をあてがい、特徴をそれらしい文言に置き換えることで「博物クラブ」の標本コレクションに添える解説文に見せかけてある…

アンジェ「ええ……それじゃあ一人目はこの生徒」
省37
696: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/04(火)01:11 ID:c3x55s1d0(1) AAS
〜Case・プリンセス×アンジェ×ドロシー「The cocktail of death(死のカクテル)」〜

…ロンドン市内・とあるパブ…

L「ご苦労、待っていたぞ」

ドロシー「どうも……じきじきにお目見えとは光栄だな」

L「なにしろ懸案の課題が片付いた訳だからな……どうだ?」レミーマルタンのボトルを指し示す……
省38
697: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/13(木)01:28 ID:6K0VhKh+0(1) AAS
アンジェ「……暗殺、ね」

ドロシー「ああ、おまけに手段も下手人も分からないときた」

アンジェ「だとしたら、暗殺された人物から地道に共通項を探していくしか方法はないわね」

ドロシー「そうだな」

アンジェ「まずはそれぞれのカバー(偽装)ね。どんな人物として壁のこちら側に潜り込んでいたのか」
省36
698: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/21(金)02:03 ID:5+XpPk3K0(1) AAS
…下町の食堂…

労働者の女性「定食を一つとビールを半パイント」

食堂の給仕「はいよ!」

女性「ふぅ……」

…ロンドンの水蒸気と煤煙に夕陽も薄汚れて見える日暮れ時、勤めを終えた労働者たちが一斉に入ってきて騒がしい下町の安食堂……くすんだダークチェリー色のドレスとチョッキ、頭には薄汚れて灰色がかった白のハーフボンネットという「いかにも」な労働者の女性が座り、ぞんざいな態度で置かれた食事に手をつける…
省37
699: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 06/28(金)00:46 ID:mGr6PveU0(1) AAS
…同じ頃・会員制社交クラブ…

うら若い女性「あらぁ、久しぶりねぇ♪ずいぶんとご無沙汰だったじゃない?」

アンジェ「ええ、ここしばらく機会がなくて……」

女性「そう、だったらその分を取り返さないとね?」

…そう言うとニコッとえくぼを浮かべてアンジェの手を取る女性……すべすべした白絹の長手袋越しに肌の暖かさが伝わって来ると同時に恋人つなぎで指を絡められ、同時に空いている方の手に手際よくシャンパンのグラスを握らせてくる…
省37
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