[過去ログ] 魔法少女まどか☆マギカ〜After Ten Years of History〜【あれから10年】 (942レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
853: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:20 ID:fDDfIeo+0(8/50) AAS
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

「ああああああああああああ」

「熱い熱い熱い熱い熱い‼‼」

何処までも濃い瘴気の中―――
意識は飲み込まれ…何時しか、深化魔獣の中に僅かに残る少女の意識が顔を出す。

タツヤの攻撃によって、全身に火傷を負った少女はその激痛に耐えられず泣き叫ぶ。
省21
854: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:22 ID:fDDfIeo+0(9/50) AAS
「だから…‼‼」

【タツヤ】
「黙れ」ザクッ

「っ‼‼」

しかし、そんな少女に…タツヤは無情にも剣を突き立てる。
省20
855: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:23 ID:fDDfIeo+0(10/50) AAS
【タツヤ】
「だが、只ではコロサナイ」

【タツヤ】
「お前は―――」

タツヤは、少女にゆっくりと近づき…再び剣を突き立てる。

そして、言い放った――――

お前は、殺す。
省2
856: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:26 ID:fDDfIeo+0(11/50) AAS
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

そして、戦いは続き…

【QB】
「…」

その戦いの光景は…誰の目から見ても、無残で残酷なものとなっていた。

そう…あのインキュベーターですら、言葉を失ってしまう程に―――
省23
857: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:27 ID:fDDfIeo+0(12/50) AAS
【タツヤ】
「...死ね」バシュッ

その一言と同時に、タツヤはオーラを纏った矢で深化魔獣を射抜く。

矢は深化魔獣を一瞬で貫通し、そのまま上空のオーロラすら打ち消してしまった。

更に、放たれた矢は上空の瘴気をも吹き飛ばし…瘴気内の空間と元の世界を繋ぐ。
上空の空には綺麗な星空が浮かび、戦いとは無縁の光景が広がった。

【深化魔獣】
「ガ…ァァ…アア…」
省22
858: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:28 ID:fDDfIeo+0(13/50) AAS
【ほむら】
「う…ああ…」

ほむらは、魔獣との戦いが終わると…再び苦しむように声を上げ始める。
身体はゆまの努力が功を奏したのか、完全に修復されていた。

しかし、ほむらは目を覚ますどころか、ますます状態を悪化させていく。
痺れているかのように身体は震え、苦しそうに言葉にならないような声を上げ続けた。

不気味に輝いていたソウルジェムは、その輝きを失い…再び黒く濁っていく。
そして、それに反応するように、ほむらの体の周りも黒いオーラに包まれていた。

【織莉子】
省18
859: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:29 ID:fDDfIeo+0(14/50) AAS
【織莉子】
「周りを見てみなさい」

そう言って、織莉子は深化魔獣が倒された場所を指さす。

そして、ゆまにその周辺を探るよう指示する。
織莉子の表情は、既に…諦めているようにも見えた。

【ゆま】
「…?」

ゆまは織莉子の話がいまいち理解出来ないまま、彼女の言う通り深化魔獣の居た周辺を探る。
省24
860: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:30 ID:fDDfIeo+0(15/50) AAS
【織莉子】
「…」

その光景を眺めながら…織莉子は、唇を噛みしめる。

このままでは…ほむらを助ける為に、力を使った筈のタツヤが…ほむらを追い詰めることになってしまう。

そんな悲惨な結果にするわけにはいかない。
しかし、今の自分達では…どうすることも出来ない。
その事実が、織莉子には歯がゆくて仕方がなかった。

【タツヤ】
「…」
省18
861: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:34 ID:fDDfIeo+0(16/50) AAS
【タツヤ】
「...助け、なきゃ」

タツヤは息も絶え絶えとした状態で、ぶつぶつと同じ言葉を繰り返す。

助けなきゃ…守らなきゃ…と―――

そう言い続けて…彼は疲労した体を無理やり動かしながら…ゆっくりと彼女に近付いていく。

【ほむら】
「…」
省24
862: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:36 ID:fDDfIeo+0(17/50) AAS
【織莉子】
「...え?」

そして、光に包まれた織莉子達は…自分達にある変化が起き始めたことに気付く―――

【QB】
「そんな…馬鹿な…」

キュゥべえもまた、その変化に驚くことになる。
その現象は、この珍獣にとって…あり得ないことであり、そして本来あってはならないことだった。

何故ならそれは、魔法少女の常識を根本から覆すようなものだったから…
省19
863: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:37 ID:fDDfIeo+0(18/50) AAS
【タツヤ】
「…」スゥ

【織莉子】
「...大丈夫よ、気を失っただけ」

しかし、タツヤは織莉子の言う通り疲れ切ってその場で眠ってしまっただけであった。
恐らく…今の魔法で体力を使い果たしてしまったのだろう。

彼女達の魔力や怪我全てを癒す程の魔法を使ったのだ、無理もないだろう。

【ゆま】
「良かった...」
省23
864: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:39 ID:fDDfIeo+0(19/50) AAS
【ほむら】
「ゆま...?」

【ゆま】
「良かった…本当に…」

ほむらは、何が何だか分らないというようにボーっと辺りを見回す。
記憶が曖昧になっているのか、自分が何をしたのかさえも分らない様子であった。

恐らく、眠っている間に何が起きたのかなんて…全く理解できていないのだろう。
タツヤの力のことも、彼女はまだ知らないままだった。

【ほむら】
省19
865: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:44 ID:fDDfIeo+0(20/50) AAS
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

【タツヤ】
「ん…」

少女達がか自分達の事で一喜一憂している中―――

その原因を作った張本人であるタツヤが、静かに目を覚ます。

【タツヤ】
「…あれ」
省24
866: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:45 ID:fDDfIeo+0(21/50) AAS
【タツヤ】
「俺は…」

何となく…その事に気付いたタツヤは、少しだけ沈黙した後に口を開く。

タツヤは、あのような状態でも魔獣との戦いのことを覚えていた。

ほむらやゆまの魔力を吸収してしまった事までは覚えていないが、
暴走してしまった自分…理性を無くして魔獣を力で惨殺した事だけは、はっきりと覚えていたのだ。

【タツヤ】
「俺は…怖かったんだ」
省22
867: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:47 ID:fDDfIeo+0(22/50) AAS
【タツヤ】
「本当、怖いんだな…」

【タツヤ】
「ほむらさんの気持ちが、少しだけ分かった気がする」

タツヤは改めて、戦いの場に身を置くことの怖さを知る。

戦いで誰かが傷つくことは勿論、今回のように負の感情が溢れ出し自分を見失う怖さを肌で感じた。

先程、ほむらが言っていたこと。
省20
868: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:48 ID:fDDfIeo+0(23/50) AAS
『この世界なら、そんな感情に襲われることもない』

『辛い思いをしなくても済むようになるんだよ』

『ずっと…』

純白の少女は、なおも続ける。
省23
869: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:49 ID:fDDfIeo+0(24/50) AAS
『...そっか』

『…分かったよ』

タツヤの意思の強さを知った少女は、少し残念そうに呟く。

『じゃあ…』
省12
870: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:51 ID:fDDfIeo+0(25/50) AAS
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―

そして、場所は再び見慣れた世界へと変わる―――

【タツヤ】
「...ん」

【タツヤ】
「…日差しが」

少年は…その身体に浴びる眩しい光に誘われ、再び目を覚ます。
省18
871: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:53 ID:fDDfIeo+0(26/50) AAS
動画リンク[YouTube]

【ほむら】
「全く…」

【ほむら】
「無茶したわね」

その冷たい手のひらの持ち主である…暁美ほむらが、タツヤの頭を膝に乗せながら話す。

そう…首元に感じる感触は、ほむらの膝枕だった。
タツヤは、ほむらの膝の上で夜が明けるまで眠ってしまっていたのだ。
省26
872: 第5話「強さはいつも心の中に」◆7F2DwKbdfg [saga sage] 2014/06/09(月)00:55 ID:fDDfIeo+0(27/50) AAS
【タツヤ】
「え?」

【ほむら】
「私は、導かれたかった」

【ほむら】
「そして、会いたかったのよ」

【ほむら】
「かつての、仲間たちに」

自分が何故あんな無茶な事をしたのか…それは、かつての仲間に会いたかったから―――
省23
1-
あと 70 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.018s