なりきりリレー小説スレッド (152レス)
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1: ◆r7Y88Tobf2 2016/08/22(月)23:04 ID:p8T3DASU(1/41) AAS
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられ地図上にバラバラに配置される。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
省15
127: 【最善への希求】◆r7Y88Tobf2 2016/09/15(木)03:59 ID:QYZ6qcAA(7/15) AAS
その言葉を聞いてようやく、イムカは心から安心する事ができた。
ぐじぐじと乱暴に涙を拭き走り去ってゆくニア。遠ざかる小さな足音を聞きながら、イムカは目の前の悪と対峙する。
勝ち目はない。彼女の戦いは勝利を目指すのではなく、如何に長引かせるかどうかなのだ。
ナナカマドは握れない、故にイムカは無手の状態で構えを取った。

「さぁ、どうし…たアルトリア、…死ぬ気、で…かかってこい……。
 でなければ、……死ぬのは、君の方…だぞ?」
「不明。何故、自ら死に行くような真似をするのか私には理解できません」
「ああ、理解出来ない…だろう、な……君のような、感情を持たない…者には」

嘲笑を交えたイムカの言葉に、アルトリアはほんの僅かに人形のような表情を顰めた。
自分を否認されるという侮辱を受けて、統一意思の絶対なる指導者が黙っているわけもない。
省32
128: 【最善への希求】◆r7Y88Tobf2 2016/09/15(木)04:01 ID:QYZ6qcAA(8/15) AAS
【E-3/一日目 午前】
【ニア・シューペリオリティ@ここだけ世界の境界線】
[状態]:健康 深い悲しみ
[装備]:エクソダス@境界線 終願のロザリオ@新俺能
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る。
1.イムカ……!
2.イムカの願いを聞き届け、生きる。
省28
129: 始まりはいつも突然に◆r7Y88Tobf2 2016/09/19(月)05:30 ID:QYZ6qcAA(9/15) AAS
「はぁ~……どうしてこうも人と会わねぇもんかね」

ラジオ局を後にして優に一時間、三橋は宛もなく会場を彷徨っていた。
正確には宛がないというよりも地図を読むのを放棄し歩き出した訳だが、それは然程問題ではない。
彼にとって問題なのはこうして自分が一時間歩いてやっているのに、人どころか雀一匹さえも出向かない事だ。
これではラジオ局での意気込みが無駄となってしまう。一度発散した怒りが有頂天に達するのも、そう遠くないだろう。
そんなこんなで三橋翼は今、バトルロワイヤルという場でありながら退屈していた。

「運営のクソ共は俺が一人で衰弱死するのが見たいのか?なぁ、聞いてんだろ主催者さんよ?
 三橋寂しくて死んじゃうの~!ってか?笑えない冗談だなオイ」

ブツブツと悪態なのか挑発なのかよくわからない事を呟きながら、右の拳に嵌められた籠手に視線を注ぐ。
この籠手の破壊力は先程の激昂によりよく知っている。三橋自身の体質も相まって、並以上の実力を発揮できるだろう。
省14
130: 始まりはいつも突然に◆r7Y88Tobf2 2016/09/19(月)05:31 ID:QYZ6qcAA(10/15) AAS
瞬間、三橋は全力の籠手を背後へと叩きつける。
しかし当の声の主は紙一重でそれを躱し、口元を手で覆い隠しながら緩い微笑を浮かべていた。

「おーおー、物騒じゃのう……ちぃとばかし気になって声を掛けただけだというのに」
「……お前、いつからだ?いつから俺の後を付けてやがった?」
「んー、『はぁ~……どうしてこうも人と会わねぇもんかね』の部分からかのう?」
「ついさっきじゃねぇか!……尾行なんて随分いい趣味してるんだな」

ピリピリと殺気を垂れ流す三橋は反面、目の前の女性に対して危機感を抱いていた。
自惚れる訳ではないが、三橋は自分がそれなりに場数を踏んでいると自負している。
当然尾行されていたとしても気配を察知できるだろうし、そうでなくとも違和感ぐらいは抱いても可笑しくはない。
しかし今回は、この女は違う――もしあのまま襲いかかられていたら、間違いなく自分の首は飛んでいただろう。
省32
131: 始まりはいつも突然に◆r7Y88Tobf2 2016/09/19(月)05:32 ID:QYZ6qcAA(11/15) AAS
ゆらりと凛音の体が揺れたのは一瞬。神速の速さで肉薄し、三橋の首元を刈り取らんと小太刀が迫る。
常人ならば目で追うことすら難しいそれを本能のみで反応し、咄嗟に籠手で首元を覆った。
間一髪三橋は自らの籠手を盾とする事で死を逃れ、ギリギリと火花を散らしながら拮抗を保つ事に成功する。

「ぐ…っ!!」
「ほう?よもや受け止めるとはのう……これは楽しめそうじゃ」

しかし片手で防ぐ三橋と両手で攻める凛音では、どうしても力の差が生まれてしまう。
目に見えて分かる程に三橋の籠手は押し負けており、持久戦に持ち込めば結果は言うまでもない。
だがそれで三橋という男が諦めて三途の川を渡る準備をするかと問われれば、答えは絶対にNOだ。

「勝手に、楽しんでんじゃ……ねぇぞぉッ!!」
省24
132: 始まりはいつも突然に◆r7Y88Tobf2 2016/09/19(月)05:33 ID:QYZ6qcAA(12/15) AAS
(真っ向から勝負なんざ論外、……だとしたら、逃げるっきゃないが……)

思考の最中、三橋はふと自分の右手に嵌められた籠手に視線を向ける。
一瞬の逡巡の末に、意を決したように三橋は体勢を立て直す凛音へと一歩踏み出した。
そして踏み出した足を軸に、生み出された凄まじい加速度に乗せられ凛音の元へと肉薄する。
接近戦を持ちかけるか。願ってもない展開に凛音は愉快そうに嗤い、『畦火』を振り上げ獲物を待った。

「……良いのか?」
「ああ、”良いぜ”ッ!」

しかし、凛音の予想に反し三橋は小太刀の範囲に入る直前に急停止しガン・ガントレットを水平に翳す。
銃弾か――!確信した凛音はすぐさま小太刀を下段に構え銃弾への対処へと精神を注いだ。
しかし、それも”フェイク”――翳された籠手から銃弾が発射される事はなく、金属の触手と化した左腕が唸りを上げ襲いかかる。
省31
133: 始まりはいつも突然に◆r7Y88Tobf2 2016/09/19(月)05:35 ID:QYZ6qcAA(13/15) AAS
「はぁーっ……クソ、無駄に体力消費しちまった……」

無事に凛音から逃げおおせた三橋は、木々を抜け市街地に出ていた。
無茶な動きをしていたからだろうか、その顔色は決して良いものではなく息も乱れている。
元よりサイボーグ特有の動きに人間である三橋が長く耐えられるわけもなく、精々数分が限界だろう。
実際、木々を抜けた矢先体が疲労を訴えて今こうして一本の電柱に寄りかかっているのだから。

「……でもまぁ、命あるだけマシ……ってな」

自分を言い聞かせるように呟けば、よっこらせとおっさん臭い動作で電柱から身を離す。
すっかり失念していたがまだやるべき事はたくさんあるのだ。
先程の狂人のような者ではなく話が通じる人間の捜索。そして、会えるかわからないが知り合いも。
省28
134: 【必ず最後に――――――】 2016/09/21(水)01:37 ID:fc7C2EzE(7/11) AAS
息を荒げて、汗を垂れ流し、小人の魔法少女―――――メリー・メルエットは"一人"で飛び、逃げていた。
幸運にも出会えた信用できる相手は隣に居ない。何故か、それは数刻ほど前の出来事。
メリーと月影虎次郎の前に現れたプラチナブロンドの女。運営打倒を目指し同士を集めようとしていた二人であるが、声をかけることは無かった。
その女が、"ゼアグライト・オールディ・ルヴィー・マルクウェン"がどうしようもなく"邪悪"な存在だと感じたからだ。
そしてそれを肯定するように、ルヴィーは巨大な火球を二人に放つ。威力の一切無い虚栄魔法だが、熱、光、相手を脅すには十分すぎる要素を持ち―――――
―――――今に至るように怯えさせ、視界を埋め、逃げるメリーとニンジャを分断する程度は容易であった。

「嗚呼、良い。良い。実に素晴らしい舞台だ。」

一歩、一歩、恐怖を煽るように。虚栄を撒き散らしながらルヴィーは歩く。
生れ落ちた時より膨大な魔力を持つ彼女の暇を潰せるのは強者との戦いと、目の前で繰り広げられる"悲劇"のみ。
いかにもか弱い小人と、男。暇を潰すならこの二人は格好の標的といえた。ふと先ほどまでともに居た小人が無残に死んだと、守れ無かったと知ったならば男はどんな顔をするだろうか。
省18
135: 【必ず最後に――――――】 2016/09/21(水)01:40 ID:fc7C2EzE(8/11) AAS
ルヴィーは驚きなどとは無縁の存在だった。記憶にある限り数えるほどしかないだろう。
それが、たった数時間で二回も起きた。一度目はあの青年。二度目は今、あの小人が"消えた"事。
あの火球には死体ごと消し去る程の威力は込めてい無い。逃げたのか、そんな力も気力も残っていなかったはずだ。
ならば、何故――――――ふと辺りを見回せば、燃える木の直ぐそばにて。少年が小人を抱えて立っていた。

「~~~~~~~~っ、やっちまった……」

こいつは、このどこをどう見ても普通な、どころかどう見ても情けないこの男は何だ。"突然現れた"のか。
体制を見るに、小人は逃げたわけではなくこの少年に助けられたようだが。
ルヴィーの魔法の中には当然探査魔法がある。なのに、こんな状況になるまでこの少年を認識できなかったのは―――――

「面白いではないか。これからどう足掻く、貴様。」
省25
136: 【必ず最後に――――――】 2016/09/21(水)01:41 ID:fc7C2EzE(9/11) AAS
叫ぶ。自分がメリーを逃がしてやれば良い。可能性はこれしかない。
背負ったデイパックの中身から二振りの刃を、【森寵七武】を取り出し、構える。
早瀬が何故メリーを見捨てることが出来なかったのか、それは存外簡単な話。
彼が捨て猫を放っておけない人間だから。倒れた女性を放っておけない人間だから。
人を信じることは出来なくなっても、優しさを忘れなかった強い人間だから。
いつのまにか泣き声は止んでいた。後ろを向いて確認する余裕などは無い。
もういいと泣く彼女が素直に逃げてくれたとは思いにくいが、そうだと思う事にした。

「ほう、期待外れではなかったか。」

二刀の切先を、口角を上げるルヴィーに向けた。それを重ねれば、早瀬の手に握られるのは"七武刀"。
弾幕を張られてしまえば一瞬で消し炭、今剣を構えても射程の外。だが、手段はある
省30
137: 【必ず最後に――――――】 2016/09/21(水)01:41 ID:fc7C2EzE(10/11) AAS
「ゴrrrrrルァァァァァ!!!!乙女のラブ☆タンクじゃああああああああああ!!!」

戦車の上には所謂農作業服を纏った金髪ツインテールの……はっきり言ってちょっときつい少女が、"戦車を掴みルヴィーに叩きつける様な体制"で。
ルヴィーも頭上のタンクに隆起させた地面をぶつけて対抗する。ならばと農作業服の少女(24)、北条豊穣通称自称ハベ子が選んだ追撃は――――――拳。
戦車ごと相手の魔法を砕き、叩き潰そうという凄まじく脳筋な方法を選んだのだ。
やがて中心の戦車は上下からの攻撃に耐え切れず爆発。

そして爆風が晴れて――――

「ふざけた格好だが……面白いぞ。」
「このぐらいじゃ潰れねーか☆ だが安心しやがれ、まだ本気の乙女の愛の力(ラブパワー)は見せてやってねぇからよ☆」
省3
138: 【必ず最後に――――――】 2016/09/21(水)02:08 ID:fc7C2EzE(11/11) AAS
【A-1/一日目 朝】

【【絵空に彩る真偽の導き】ゼアグライト・オールディ・ルヴィー・マルクウェン@厨二能力】
[状態]:健康
     欲望  ディザイア ディストピア
[装備]:『≪希望≫』~Desire Dystopia~
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:強い者と戦い、暇を潰す。殺し合いの末の悲劇を見る。
1.まずは目の前の強者との戦闘を楽しむ
2.そして小人を殺し、小僧を殺し、悲劇を愉しむ
省54
139: 小さな太陽◆r7Y88Tobf2 2016/09/24(土)15:43 ID:QYZ6qcAA(14/15) AAS
「は……っ!…はぁ、っ……は、…っ……!」

大地を蹴り上げ、住宅街を駆け抜ける青年。
まるで何かに囚われたように疾駆する彼に、明確な目的などはない。
この殺し合いが始まった時点で彼は足を動かしていたのだ。その理由は簡単、”救う”為だ。
今この瞬間狙われている命があるかもしれない。そんな彼、大木陸の行動ははっきり言って軽率だろう。
意味のない体力の消耗は後に響くだろうし、何より開始早々に狙われている存在など極一部でありそれを見つけだすのは無謀の他ならない。
大木自身、その事に気がついていないわけではない。

だが、それでも駆ける。

自分が助けられる存在が一人でも、一匹でも居るのならば。
もしも生きたいと願う者が居るのならば。
省28
140: 小さな太陽◆r7Y88Tobf2 2016/09/24(土)15:44 ID:QYZ6qcAA(15/15) AAS
「…は、ぁ……ぇ…?」

気付けば自分の体は仰向けに倒れ込み、大空を仰いでいた。
如何せん走りすぎたんだろう。蓄積された疲労は強制的に体を制止し、足も悲鳴をあげている。
瞬間、大雨のように降り注ぐ反動が体の重圧を何倍にも増幅させたような感覚を呼び起こした。
休憩を挟まなければ暫くは動けそうにないだろう。ふくらはぎが幾度も痙攣しているのが分かる。

――――情けないな。

意気込んだ途端にこのザマとは、失笑すら浮かばない。
今の自分の姿はさぞかし無様なものだろう。意味のない疾走の末、こんな格好になっているんだから。
無理に体を起こそうとすれば苦痛が襲いかかる。現に今も、抑止からなる痛みが体を蝕んでいる。
省35
141: レプリカ 2016/11/02(水)20:00 ID:ul4a9bPM(1/3) AAS
剣槍一合、交わる。

エドワード・エクセルシア、清宮天蓋の特性は非常に似通ったものであった。起源をほぼ同じくする以上、当然の話ではある。
ただし、それらの関係は贋作と真作でもあった。贋作は清宮天蓋であり、真作はエドワードだった。
店外は本来では魔術師の域を出ない存在だったが、サーヴァント・ルーラーの外法、『英霊兵』の力を以てその身にアルトリア・ペンドラゴンのコピーを降ろしたに過ぎない。
技術、ステータス、スキル、全てが借り物。その宝具も、自身のものではない。
対して、エドワードこそ真作であった。真なるアーサー・ペンドラゴンより、聖剣の担い手として選ばれ、正統なる聖剣を振るう、真なる騎士の王であった。
天蓋の世界に当てはめるならば、エドワードは伝承保菌者、或いは擬似サーヴァントやデミ・サーヴァント……更に言うならば、現存する『英雄』と呼んで差し支えない。

「……くそっ!!」

「どうした《騎士王》! そんなものか!?」

だが。その力関係は、ほぼ逆転していた。
省22
142: レプリカ 2016/11/02(水)20:01 ID:ul4a9bPM(2/3) AAS
「……まさか」

「ああ、そのまさかだ」

驚愕に見開いた赤い瞳に、エドワードは頷いた。

「……ありえん。ありえるか、そんなことが、そんなことが!!! 確かに貴様は騎士王だ、それは事実だ、私とて認めている!!」
「だが、だが、こんなことが有り得るか。今、お前の剣は砕き切った。だと言うのに!! その手に握るのは!!」

「――――――"約束された勝利の剣"」
省20
143: レプリカ 2016/11/02(水)20:01 ID:ul4a9bPM(3/3) AAS


「……逃がしたか」

その場に死体も、またロンゴミニアドも残らなかった。
死体が残らないならまだしも、聖槍も搔き消えるという事はあるまい。という事は、という結論に至った。
だが、これだけやりあって再度立ち向かうだけの力も向こうには残されていないだろう、という判断を下し……取り敢えずは、戦闘を終了したと判断する。

「さて……これからどうしようか」

そういえばと、かの贋作は槍以外の物を持っていなかった事を思い出し、数分程度の時間を以てデイパックを回収する。
中身には水と食料以外の物は無かったが、それでも今は十分だろう。
後は、取り敢えずはここを離れた方が良いか。何せ聖剣の一撃は目立つ、教会の天井と壁の一文叩き斬ったのだ、誰かに見られていると考えた方がいい。
荷物を抱えて、教会を後にする。取り敢えず、考えるのはそれからだ、と。
省46
144: 悪魔の美酒◆r7Y88Tobf2 2016/12/05(月)02:52 ID:d1Paaf0A(1/3) AAS
「なぁ~エヴァちゃんよ、いい加減機嫌直してくれって……」
「知らんっ!……あ、あの屈辱は忘れないぞ……」
「屈辱って……たかが肩車だろ?」

街道を歩く二人、否二匹の悪魔。
エヴァとヴェルゾリッチがオンモを退けてから数時間程、彼らは意見の合致のもと協力者の捜索に出ていた。
協力者、と言ってもヴェルゾリッチにとっては同族以外の種族と行動を共にする気はないが、エヴァはそうではない。
運営の打倒を第一とし皆との結束を求める彼女にとっては、種族の違いなど微塵も気にするものではなかった。
ヴェルゾリッチにとってエヴァはこの場で初めて出会った悪魔。その意見を無視することなど、出来はしない。
よってヴェルゾリッチは不本意でありながらも、悪魔以外の種族との結束という選択を取った。

「……にしても、魔法少女ねぇ」
省35
145: 悪魔の美酒◆r7Y88Tobf2 2016/12/05(月)02:52 ID:d1Paaf0A(2/3) AAS
「いいだろう、ヴェルゾリッチ……君の事を信頼してやる。
 但し変なことをしようとしたら……その、怒るぞ……!」
「へへ、……了解」

変なこと、というのは当然先ほどの肩車のような事態である。
それを加味しての忠告だったのだが、ヴェルゾリッチの飄々とした様子から意図が伝わっているのかイマイチ分からなかった。
随分な曲者をパートナーにしてしまったなと、エヴァは無意識のうちに苦悶の表情を浮かべ額に手を当てていた。

「……ん、下がってろエヴァちゃん」
「なんだ、一体どうし――…!」

不意に立ち止まるヴェルゾリッチの視線の先。そこには、心臓に大穴を穿たれた女性の死体が無造作に転がっていた。
興味深そうに凝視するヴェルゾリッチは勿論、一瞬視界に入り直様視線を逸らしたエヴァでさえその遺体の惨さを理解する。
省40
146: 悪魔の美酒◆r7Y88Tobf2 2016/12/05(月)02:53 ID:d1Paaf0A(3/3) AAS
「終わったみたいだな」
「ああ……先を急ごう、ヴェルゾリッチ」

放置されていたイムカの支給品を一通り自身のデイパックへ詰め込み、座り込んでいた体を立ち上がらせる。
電柱に背を預けていたヴェルゾリッチが、エヴァが立ち上がるのを見計らい体を起こした。
この場で初めて遺体を目にした為か、エヴァは何処か疲労した様子に見える。
そんな彼女を気遣ってか、ヴェルゾリッチは態とらしくエヴァの隣へずい、と忍び寄り笑顔のまま覗き込んだ。
厳つい顔面が和やかな笑顔を浮かべる様子は中々に不気味だ。思わずエヴァは眉間に皺を寄せる。
しかしよくよく眺めている内に段々と可笑しくなってきたのか、堪えきれず吹き出してしまった。

「お、おいっ!人が折角元気づけてやろうとしたのに笑うこたぁねぇだろっ!?」
省35
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