FFDQバトルロワイアル3rd PART20 (497レス)
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抽出解除 必死チェッカー(簡易版) 自ID レス栞 あぼーん

423: 薄氷を踏む、その背を押して 1/10 04/08(月)16:39 ID:iNF9KTSg/(1/10) AAS
「ロックさん、大丈夫でしょうか……」

ソロ、やっぱり元気なさげ。
仕方ないっちゃ仕方ない――むしろ仕方なさ過ぎてどうしようもなーいって話なんだけどね。
それでも私としては、いつまでも暗い顔でいるのは良くないぞって思っちゃうんだなあ。

『こっそり様子見てこようか?』
「え? そ、それは……」
『大丈夫大丈夫。
 こんだけ完璧な変装してるし、こそっと隠れて進めば見つからないって!』

ソロが不安なのって、もちろんヘンリーさんって人の事が一番大きいとは思うけど――
私とアンジェロのことを守らなきゃって気を張ってる部分もあると思うんだよね。
省23
424: 薄氷を踏む、その背を押して 2/10 04/08(月)16:40 ID:iNF9KTSg/(2/10) AAS
「――アーヴァイン! 無事か!? お前ひとりか?!」

おっ? 突然ロックさんが走り出した。
アンジェロには木陰に隠れてもらいつつ、私だけなんとか身体を伸ばして通路の方を見やる。
具体的には左足のつま先だけアンジェロのところに残して思いっきり斜めに背伸び!
どう考えても無理がありすぎる姿勢なんだけど、幽霊だからか腕をぐるぐる回さなくてもしっかり安定してる。
意外と便利な幽霊ライフ。いやありがたがってる場合じゃないけどね。

「あ、ああ……なんだ、ロックさんかぁ。
 おどかさないでほしいなぁ〜」

がさがさ音を立てながら現れたのは、コスプレみたいなローブを着て変な杖を持ったアーヴァイン。
どういうわけか服装以外はフツーの恰好をしている。
省28
425: 薄氷を踏む、その背を押して 3/10 04/08(月)16:42 ID:iNF9KTSg/(3/10) AAS
「わっ!?」
「アンジェロ?! どうしたんだ?!
 ソロに何かあったのか?!」

ああー。そうなるよねえ。
私が急ブレーキをかけたところで、あとの祀り。
アンジェロラッシュでも仕掛けるのかってぐらい弾丸ダッシュしちゃったもんだから、ロックさんもヘンリーさんも警戒態勢取っちゃってる。
ううーん、まずいなあ。
特に何も起こってないけど、私達だけついてきただけですよーってなんとか伝えないと。
えーと、えーと……とりあえずアンジェロ! ゴロン!

「「………ええ、っと?」」
省22
426: 薄氷を踏む、その背を押して 4/10 04/08(月)16:43 ID:iNF9KTSg/(4/10) AAS
「あー、やっぱそっちか。
 本当に賢いんだなお前。インターセプタ―にも引けを取らないぞ」

ロックさんがアンジェロの頭を撫でまわす。
そうこうしているうちに、アーヴァインがいるはずの木立からガシャン! ガサッ! と動き――動き………うごき?

「ああもう、出てくんなって言っただろ!」

偽アーヴァインが杖を振ると、ぼわんと音を立てながらピンク色の煙が舞い上がった。
現れたのは、参加者リストでよーく覚えた顔。
エメラルドみたいな色のおかっぱヘアーなんてへんてこな髪型にも関わらず、端正な顔立ちと立派な服もあって全力で王子様感を出している男性――
間違いなく、リュカさんの友達のヘンリーさんだ。
で、本物のアーヴァインはといえば……まだ出てこないし、ガサガサやってる。
省24
427: 薄氷を踏む、その背を押して 5/10 04/08(月)16:45 ID:iNF9KTSg/(5/10) AAS
「リッ……あっと、アンジェロ、無事で良かった」
『無事も何も、フツーに落ち着いてたからねえ。
 さすがにアーヴァインは隠れてたけど……なんか車椅子から転げ落ちてジタバタしてたけど』
「え……? だ、大丈夫なんですか?」
『んー、まあアーヴァインだし平気でしょ。
 それより、向こうは向こうで何が起きてるのかさっぱりだろうし、私達とロックさんも完全には情報交換できてないでしょ?
 何がなんだかワケわかんないから、一度集まってちゃんと話をしようってさ』
「そう、ですか。
 ……誤解が解けたなら、良かったです」

そう言いつつも、ソロの顔は晴れないまま。
省31
428: 薄氷を踏む、その背を押して 6/10 04/08(月)16:46 ID:iNF9KTSg/(6/10) AAS
「あ、あの……その、す、すみません。
 あまりにも似てない物真似――あっ、いや、その、リノアさ……あっ!
 ああっと、えっと、その、リノアさん直伝の物真似なんでしょうけどアンジェロが似せられるのは無理がありますよね犬ですし!」

お、おおう……これまたダイナミックに口滑らせてるけど、大丈夫?
そして渾身の物真似だったのに似てない判定。ショ、ショック〜!
いやいや、きっとソロがスコールを良く知らないからだよね?
アーヴァインに見せたら似てる判定もらえるよね? ……ってソロ以外の人に見えてないんだった、私。

『と、とにかく、行こう、ソロ。
 ヘンリーさん、意外と普通に話聞いてくれてたから大丈夫大丈夫。
 もしアーヴァインが暴れたりしても、私が膝裏キックして態勢崩すから、その隙にスリッパか何かで頭叩けば大丈夫。
省24
429: 薄氷を踏む、その背を押して 7/10 04/08(月)16:48 ID:iNF9KTSg/(7/10) AAS
……うん。そーゆー危惧を抱くのはわかる、わかるよ〜?
でもイメージの中とはいえ、人の頭をクラッカーに例えるのは止めてほしい。
僕ののーみそにはリボンもテープも火薬も入ってないっての。
突っ込む気力も、ついでにもがく気力も失せて大人しく地べたに寝っ転がっていると、思いっきり勘違いしたヘンリーさんに抱え起こされて頬をぺしぺしされた。

(えっまさか目を開けたまま気絶してる? てか腹と足の包帯赤くなってね? やべぇ!!)
「アーヴァイン!? しっかりしろ!!」

大丈夫じゃなさそうに見えるならもうちょっと優しく扱ってほしい。
そんなことを思いながら、僕は小さく頷く。
声がしっかり出せたなら「大丈夫だから止めてよー! もー!」って猛抗議してるんだけど……
ゆっくり口パクして読んでもらうしかないよね。
省24
430: 薄氷を踏む、その背を押して 8/10 04/08(月)16:49 ID:iNF9KTSg/(8/10) AAS
お、重い……重すぎるってば〜。
すんごい絶望感と、実際不衛生で劣悪極まりない中うわごとを呟いて死んでいく人たちの姿が頭の中に流れ込んできて、僕の心までペシャンコになりそう。
本当にこのオジサン、どんな人生歩んできてるの?
王子様ってもっと『立派な王様になるように大事に大事に育てようね〜』って周りからちやほやされて育つものじゃないの?
僕より自分を救った方がいいんじゃないの? マジで、マジで〜!!

「だ、大丈夫だって。みんなの、話、聞こう。
 で、でも――僕の、ことは、ナイショで、お願い」

僕の言葉に、ヘンリーさんの表情がますます曇る。
うん、そりゃ心配するよね。わかるよ〜。

「……気持ちはわかるが、ずっと黙ってるのは難しいと思うぞ」
省27
431: 薄氷を踏む、その背を押して 9/10 04/08(月)16:50 ID:iNF9KTSg/(9/10) AAS
大丈夫だと思っていたかった。
リュックもギードもロックもいるんだから、石化なんてパパっと解いてるって。
そしてサイファーがいつものように眉間に皺を寄せながら、僕の胸倉を掴んで怒鳴りつけてきて。
リュックが止めに入って、言い合いになって……そんなニギヤカな二人の姿を見れるはずだって、信じていたかった。
だけど――……

「サイファー、元気なら……ロックに、任せないで、自分で来ると思うんだ。
 だって、僕に、言いたいこと、いっぱい、あるはずだから。
 それにリュックも……あの放送、ニセモノなのか、本物なのかも……ゲホッ、わからないしさ」
「……そうか」
(って納得してやりたいけど――どうなんだ?
省23
432: 薄氷を踏む、その背を押して 10/10 04/08(月)16:51 ID:iNF9KTSg/(10/10) AAS
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