[過去ログ] 官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-9 (459レス)
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(6): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 05:58:49 ID:X5laRYMW(1/8)調 AAS
前スレ2chスレ:seiji
小沢一郎代表の「官僚による国民のマインドコントロール」という直裁な発言。藤井裕久最高顧問の<天下り嫌い>。
もう引き返せない。 超高学歴なのに無教養で強引な上司に、うんざりしてる公務員はけっこう多いよ。
このスレでは『捕鯨問題』を、「官僚による国民のマインドコントロール」の一例として扱います。

ポイント -1.『エコテロリストとの<正義>の戦いなのか? 両者とも怨念に駆られた私闘なのか?』 
<30周年を迎えるシエラ号 vs. シーシェパード事件:年表>
1968年1月 オランダ余剰捕鯨船、母船兼捕鯨船に改造、バハマ籍ラン号(M.V. Run)としてIWC枠外捕鯨開始。*
1972年2月 ラン号、シエラ号(M.V. Sierra)と改称、ソマリア籍に。南大西洋でイワシ鯨137頭、ミンク1頭。*
1975年 シエラ号、キプロス籍へ。この年、大西洋アフリカ沖でナガス鯨3、イワシ鯨267、ミンク2頭。*
1976年 この年には不明な点が多いが、アフリカからスペイン沖にかけて少なくとも7回航海ニタリ鯨242頭。
1977年12月 シエラ号、船尾式トロール改造船トンナ号と合流* Tonna号旧船名は「Shungo Maru」**
 北大西洋に移り、少なくともイワシ鯨1、ニタリ鯨50、ナガス鯨約96頭。鯨肉586トンは「スペイン産」の
偽装ラベルで50kg単位梱包、コートジボアールのAbidjan港で通関せずに日本の輸送船へ転載。***
1978年 北大西洋、少なくともシロナガス鯨2頭、ナガス168頭、イワシ鯨110頭。
1979年7月16日 シエラ号、ポルトガルPorto de Leixoes港外でシーシェパード号に激突され大破*
数週間後:ポルトガル当局Sシェパード号押収、シエラ船主へ引渡され海賊捕鯨船となることを嫌ったSSが撃沈***
1980年2月6日 無保険で修理完了し、リスボン港に停泊中のシエラ号、Sシェパードメンバーにより沈没****
   後にシエラ号の所有関係は、大洋漁業75%、ノルウェーの'Foreningsbanken'25%と判明。

この件の他、チリ、ペルーでの大洋漁業、日本捕鯨(ニッスイ)による「海賊捕鯨」について、IWCで米仏蘭が日本側
当局の責任をただすが、日本政府/水産庁、米澤邦男氏(後にニッスイ常勤顧問)は、一切関知していないと主張。>>2
2
(3): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:00:27 ID:X5laRYMW(2/8)調 AAS
ポイント -1.(つづき1)

シエラ号'海賊'捕鯨船団の捕鯨実績(判明分のみ):シロナガスクジラ2頭、ナガスクジラ378頭、イワシクジラ1423頭、
ニタリクジラ242頭、ザトウクジラ不詳、ミンククジラ6頭。

>>1 ソース
*国際捕鯨委員会年報42号,1992年 REP. INT. WHAL. COMMN 42, 1992. pp.697-700
**Birnie, Patricia 'Legal Measures for the Conservation of Marine Mammals' IUCN, 1982.
***Weyler, Rex 'Greenpeace, an insider's account' 2004
****外部リンク[html]:www.seashepherd.org
Carter, L.A. 1979. Pirate Whaling. People's Trust for Endangered Species, Guildford, London. 52pp.

【違法捕鯨と海賊捕鯨の定義(1)】
Encyclopedia of marine mammals.海洋哺乳類エンサイクロペディア(eds.) W. Perrin, B. Wursig, J.Thewissen. 2002.
項目 ’ Illegal and Pirate Whaling’ pp.608-611 
| 違法捕鯨は国内法、あるいは国際合意の捕獲枠、季節、海域制限その他の規制の侵犯によって生ずる。
|それに対して「海賊捕鯨」は国際捕鯨委員会の傘下以外で行われる規制外の捕鯨を意味し、
|これは通常便宜置籍船で行われる。これらの行動は過剰捕獲により、直接に鯨ストック
|(資源/系統群)の損耗をもたらしうる。さらに捕獲データの欠落や偽装データの報告は、
|ストックの量や状態に関するアセスメントに深刻な誤差をもたらすことがあり、これは
|誤った管理アドバイスや、最終的にはこのストックの崩壊につながることもある。
(執筆者:ROBERT L. BROWNELL, JR. Southwest Fisheries Science Center,La Jolla, California,
A. V. YABLOKOV Center for Russian Environmental Policy, Moscow)
3
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:02:01 ID:X5laRYMW(3/8)調 AAS
ポイント -1 (つづき2)

【違法捕鯨と海賊捕鯨の定義(2)】
レッドリストをつくっているIUCN(国際自然保護連合)の<環境政策・環境法論文シリーズ/No.19,(1982年発行)>
【海洋哺乳類保全のための法的手段/”海賊”捕鯨防止のための法的手段】
|A.”海賊”捕鯨と海賊行為の区別
|この報告の最初に、いわゆる”海賊”捕鯨と本来の海賊行為を同等のものとすべきではないことをはっきりさせる
|ことが重要である。

|慣習国際法の定義でも、1958年ジュネーブ公海条約の条文、第三次国連海洋法条約会議で協議された海洋法条約
|草稿の提案の定義でも、すべて海賊行為とは以下のものに限定されている。

|海賊行為とは、公海(あるいは各国司法管轄外の場所)で船舶、航空機、人員、資産に対し、民間の船舶、航空機、
|の乗員あるいは渡航者により、私的目的のために行われる侵犯の不法行為とその類似行為および共謀行為である。
|侵害対象は海洋哺乳類のような動物、大型鯨類には及ばず、いずれの場合においても行為は不法と認められねばならない。

|したがってこの報告書の示唆する線に沿って新法が発展しないかぎり、”海賊”捕鯨を防止するために利用しうる
|法的手段は、国内法を用いることに限られている。この国内法利用とは、間接的手段によってこの行為を阻止する
|効果を持つ既存国際条約の枠内で行われる。
4
(3): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:03:29 ID:X5laRYMW(4/8)調 AAS
【違法捕鯨と海賊捕鯨の定義(2)つづき】
|この報告はこの視点から、各国に開かれている手段の例を示し、可能な法的手段の範囲を公示することによって
|すべての国々が関連する国際条約を支持し、同時に必要な国内法を制定することを希望している。

|本来の海賊による違反が行われれば、違反を検知したすべての国は、以下のことを一定の制約条件として海賊船を
|拿捕することができる。逮捕は排外的に軍艦、軍用航空機あるいは公式の政府船によってのみ行いうる。
|海賊は拿捕した国の裁判所で、適切な国内法により審判にかけられねばならならない。海賊船は、暴力的に拿捕に
|抵抗しない限り、実力により攻撃してはならない、ましてや沈没させてはならない。

|本来の海賊を、世界レベルでの違反とするということは国際法のユニークな点である。この発展には多くの年月を
|要した。他のいかなる違反についても、各国は船舶を公海で拿捕したり困難を与えてはならない.....
’Legal Measures for the Conservation of Marine Mammals’
International Union for Conservation of Nature and Natural Resources, Patricia Birnie
出版: IUCN, 1982 ISBN 2880320879, 9782880320874.163 pp.

#これは国連海洋法条約発効以前の文章だということに注意する必要があるね。
#現行の海洋法条約解釈だと、鯨類他、高度回遊種を国際公共資産と見なし、海賊行為の侵害対象適格物とする見解が有力。
#ただし、理系知識に無理解で、極端な実定法形式主義の裁判官が仲裁裁判等でこの多数派見解を否定してしまうと
#大変なことになるので、IWC多数派国は慎重ですね。

=提言= 過去の捕鯨履歴は、鯨類ストックの増減動向シミュレーション、捕獲可能枠算定に欠かすことの出来ない
データなのだから、『商業捕鯨賛成国』を名乗る日本政府、水産庁はこれからでも遅くはない、過去の違法捕鯨、
’海賊’捕鯨の実績を再調査し、正確なデータをIWCに提出すべき。
5
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:04:19 ID:X5laRYMW(5/8)調 AAS
ポイント0.在外公館の在外日本人愚民化政策:マインドコントロール番外地
外部リンク[pdf]:www.cl.emb-japan.go.jp
外部リンク[pdf]:www.cl.emb-japan.go.jp 在チリ日本大使館
|IWC科学委員会においては、ザトウクジラやナガスクジラは絶滅に瀕していないというのが通説です
|( It is commonly accepted by scientists that fin whales and humpback whales are not on the verge of extinction )。

|チリは1994 年の南大洋鯨類サンクチュアリ設定の際、チリ200海里経済水域が同サンクチュアリ内に
|含まれないように、チリ周辺のみ南緯40度以南から南緯60度以南に境界線を変更させていますが、
|これは鯨類のみ過剰に保護することによって漁業に悪影響が出ることを心配した結果であると承知しています。

外部リンク[html]:www.sydney.au.emb-japan.go.jp 在シドニー日本総領事館
外部リンク[pdf]:www.melbourne.au.emb-japan.go.jp  在メルボルン日本大使館
|1990年、IWC科学委員会は、鯨資源包括的評価の結果、南氷洋のミンククジラは76万頭と認め、
|現在の管理方式に基づけば、100年間に毎年最低2,000頭から4,000頭を捕獲することが
|資源に何の問題も及ぼさず可能であるということを示しました。

これ全部嘘や誤導です。外務省出先機関が在外邦人にマインドコントロールしちゃうのは危険だな。
提言=在外日本国公館は日本人に対する痴呆化宣伝、外国人に対する虚偽宣伝を直ちにやめなさい。
提言=外務省はわけもわからず調査捕鯨成果や水産無償資金協力を<高く評価され>と自画自賛し、
自惚れるのはみっともないからよしなさい。
提言=在チリ日本国大使館は貴重な教訓を与えてくれたヴァネッサ・カルボーネさんにモデル報酬相当の
謝礼を支払いなさい。
外部リンク[php]:www.criticadigital.com
以前のスレで扱った在チリ日本大使館の外交上明らかに不適切な発言の問題:
2chスレ:seiji、115、160-161、224-230
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(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:06:06 ID:X5laRYMW(6/8)調 AAS
ポイント 1.日本の調査捕鯨はほんとに科学的調査なのか、それとも官製捕鯨産業、天下り先のための口実なのか。
外部リンク:www.e-kujira.or.jp 致死調査必要論:鯨論・闘論 「鯨類資源調査における致死的調査と非致死的調査」
外部リンク[pdf]:www2s.biglobe.ne.jp「科学的捕鯨」が自己目的化と指摘する石井/大久保論文

1−1水産庁/鯨研の主張:「“糞採集”も,最近反捕鯨勢力が非致死的調査法として,しきりに推奨している。しかし,この方法の欠点は,
クジラの糞は正常状態でも下痢便状であり,脱糞すると糞がたちまち煙幕のように水中に広がってしまうことにある。」(大隅清治博士)
外部リンク:www.e-kujira.or.jp
=上の主張が科学とは無縁な妄想であることの証拠:1時間以上漂っているシロナガスクジラの糞
  外部リンク:www.flickr.com
  外部リンク:www.flickr.com
  外部リンク[php]:www.oceanlight.com
  外部リンク[php]:www.oceanlight.com
キタタイセイヨウセミクジラの糞を探知する犬外部リンク[html]:harvardpress.typepad.com
(英文論文)
外部リンク[pdf]:depts.washington.edu北大西洋セミクジラ鯨糞中のホルモン、貝毒調査
www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/SC58docs/SC-58-E29.pdf  豪:ニタリクジラの糞をDNA分析して餌種を特定する
www.int-res.com/articles/meps/118/m118p001.pdf 南ア:ザトウクジラ、ナガスクジラの排便頻度、4時間半、3時間40分
7
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:07:30 ID:X5laRYMW(7/8)調 AAS
ポイント 1.つづき
1−2<<水産庁原則論(プロパガンダ)の解体>>:
2chスレ:seiji−16、46、48−49、79−81、83−84、98、115−117、
242−243、247、356−361、363−364、375、384、387−389。

1−3 統計上の誤摩化し、IWC科学委員会に対する挑発的、「反抗的」対応。
www.iwcoffice.org - /_documents/sci_com/
=提言:水産庁は国民の税金を使って加盟し、常に世界最大の代表団を送っているIWCの公文書日本語訳を公開しなさい。

ポイント2.もし商業捕鯨が再開されるとして、捕鯨可能生産高は食糧安全保障や世界食糧危機対策に役立つのか?
外部リンク:worldfood.apionet.or.jp 世界の食料統計/九州大学
(ブロイラー7000万t、七面鳥500万t、家禽類6000万t、チーズ1500万t、豚肉9500万t、牛肉6000万t、鯨肉?)
8
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 06:21:43 ID:X5laRYMW(8/8)調 AAS
ポイント3.鯨が増えすぎると、魚や魚の餌を大食いするので、鯨は適度に間引くべきという説は正しいのだろうか?
(英文)外部リンク[PDF]:ftp.fao.org FAO(国連食糧農業機関)での日本の主張
(英文)外部リンク[php]:www.wwf.at FAOの代表的水産学者の主張
(英文)外部リンク:www3.interscience.wiley.com 日本近海での鯨vs.漁業競合を示す鯨研水研論文 
(英文)外部リンク[pdf]:assets.panda.org その批判
 (英文)外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org ノルウェーの研究による「鯨食害論」の無根拠実証
(国会議事録)外部リンク[htm]:www.shugiin.go.jp
複利計算で鯨の増殖率を示し(アリエナイ)、増え過ぎの危機を煽る石破農水政務次官(当時)ー>マインドコントロール利き過ぎ例

ポイント4.主要先進国の商業捕鯨に対する否定論、懐疑論と原住民生存捕鯨容認はダブスタや「文化帝国主義」なのだろうか。
(英文) 外部リンク[html]:www.nature.com
ノルウエェーの生物/統計学者:複利計算基本の商業合理性と野生大型生物資源の持続的利用は両立しない(原住民生存捕鯨はOK)
(「持続的利用」という語の誤用)外部リンク[html]:www.nakada.net 持続的利用(推進)世界議員連盟
(英文)外部リンク[pdf]:www.cbialdia.mardecetaceos.net 
  持続的利用ということについて国際捕鯨委員会(IWC)の改訂管理方式(RMP)を開発したジャスティン・クックの説明
<<前スレまでに繰り返し行われているご質問は、このクックの説明で答えられています。和訳は↓>>
2chスレ:seiji,449-455,531-539,558-562
2chスレ:seiji,164-166,270-276,286-294,393-400,403,418-434
2chスレ:seiji,39,41-42,152-156,159-160,187,284-287 
9
(3): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 07:30:11 ID:39lJZUUH(1/5)調 AAS
ポイント5.最貧国、小島嶼国に対するODA、水産無償援助と捕鯨票をリンクさせるやりかたは適切なのだろうか。

外部リンク[pdf]:www.mofa.go.jp 外務省の説明
(英文)水産ODAの闇:外部リンク[pdf]:www.politics.co.uk これは日本国民の恥では? 
(英文)外部リンク[pdf]:www.transparency.org トランスパレンシー・
インターナショナル
もと外務官僚による暗示 外部リンク:www.amakiblog.com

外部リンク:www.antiguasun.com
「現在カリブ海諸国の政府は大きな世界的試練に直面している」とアンティグア・バブーダのジョアン・マシア(Joanne Massiah)
農業相は説明した、「これは石油価格上昇、食糧価格の高騰、ハリケーン、地震、旱魃のような自然災害の影響と結びついている。」

彼女は東カリブ諸国がIWCに参加するのは重要だ、なぜならほとんどの島嶼国は独立国であり、すべての資源を管理して
将来世代にその持続を保証する責任があるからだと発言した。

「われわれは沿岸国であり、経済は海岸と大海に依存していて、その膨大な資源が経済成長と発展に寄与する。
これらの資源を生態系アプローチにより管理することが必要だ」と農相は続け、「東カリブの水産が経済発展に
貢献することが重要であり、従ってわれわれの水産業を拡大する必要がある」と述べた。
10
(4): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 07:31:41 ID:39lJZUUH(2/5)調 AAS
ポイント6.調査捕鯨の経費にまつわる不整合
(森下丈二)年間およそ60億円、うち10%程度が政府補助金。外部リンク:www.e-kujira.or.jp
(大隅清治)年間 70 億円にも達する調査費用の大部分を(鯨肉販売で)賄っている。外部リンク:www.e-kujira.or.jp
(IWC調査計画会議議事録、2005年9月)第2昭南丸クラスの船をIWC調査船として日本から南極へ向かわせ、約2ヶ月の調査を
する場合にIWCから徴収する費用、船員給与込み。300万ドル(約170万英ポンド)3億3千万ー3億4千万円
Although detailed figures were not available it was thought that the current cost of sending one vessel to the Antarctic
from Japan and operating for some two months in those waters is of the order $US3,000,000 (about £1,700,000).
This is clearly way in excess of the ‘traditional’ IWC research budget.
[ソース外部リンク[pdf]:www.iwcoffice.org 16頁]
(米国で鯨類調査等に使用している大型調査船の経費はこの半額以下) approximately $10,000 per day. 一日あたり約1万ドル。
[ソース:Encyclopedia of Marine Mammals.Edited by William F. Perrin, Bernd Wursig and J. G.M. Thewissen 1203頁]
2006年から日本よりIWCへ無料提供していた2隻の調査船(捕鯨船)を1隻に削減したことを考えると、
このあたりの費用計算、補助金配分がかなり<自由度の高い>計算になっているのではないかと考えられる。
そもそも日本の調査船経費が米国に比べて割高。米国の大型調査船を仮に日本から出航させ、昭南丸同様の調査をした場合、
費用は、実際のIWC/SOWERと同じく134日間分として134万ドル。昭南丸の半額以下となる。

「平成19年度補助金等支出明細書」「平成19年度委託費支出明細書」
外部リンク[pdf]:www.maff.go.jp
11
(3): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 07:32:30 ID:39lJZUUH(3/5)調 AAS
ポイント7.環境法、野生生物保護法を歪めることで利益を生み出す怪しげな紳士たちが日本の捕鯨ロビーに集まってくる

7−1リチャード・ポンボ元米国下院議員(共和党、元下院資源委員会委員長、2007年落選)
  持続的利用世界議員連盟(SUPU)元会長
ポンボ氏の非公式政治資金団体、国際自然資源保全基金(IFCNR)への寄付者:
# Institute of Cetacean Research, Tokyo, Japan $5,000
# Japan Whaling Association, Tokyo, Japan $11,000
外部リンク[php]:www.sourcewatch.org
この人は、サブプライムローンの下地をつくったような人物だな。
国立公園の民間ディベロッパーへの売り払い、宅地化、商業用地化。材木業者への大規模な国有林の伐採許可。
水産庁、日本鯨類研究所の言う「持続的利用」という言葉が、かなりいかがわしい内容をもったものだということが
わかります。

7−2 ........(つづく)
13
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/26(金) 07:40:23 ID:39lJZUUH(5/5)調 AAS
8−2「生態系アプローチ」という言葉の『両派』での意味の違い
ノルウェー、Tromso水産アクアカルチャー研究所所属、ピーター・コークロン(Peter Corkeron Ph.D.)
によるアイスランド、ノルウェーの「鯨食害論」問題点指摘:
外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org
「このアイデア(生態系ベースの水産管理)を発展させた科学者たちは、北米のアカデミックな
研究所をベースにしていることが多い。これに対して欧州の政府は古典的な水産管理の学問的
訓練を受けた水産学者を雇いがちである。この(生態系ベースという)新しいアイデアは、
水産学エスタブリッシュメントの中では支持を得にくい。とくにヨーロッパではそうであり、
生態学者はたいてい(官庁ではなく)大学で雇用される。
しかしこの違いはもう一つの違いに比べれば、些細なものである。(査読)学術論文にあらわれる
<生態系ベースの水産管理>と、捕鯨国政府(あるいは政府系)研究所で雇用されている科学者
たちによってイメージされている<生態系ベースの水産管理>の違いである。(10頁)
...........
[北米、欧州大学系]「生態系ベースの水産管理は、マネージメントの優先順位を逆転させた。
最大漁獲高という(従来の)目的に対して、生態系構造とその機能の維持という目的に優位を
置くのである」Pikitch他 in Science,2004。

[捕鯨国官庁系]ノルウェーの政策は海洋哺乳類をマネージする...ノルウェーのポリシーとは、
「生態系ベースの管理は、資源−生態学の論拠を用い、その基盤に立って海洋哺乳類の個体数を
決定するという目的を果たすものとする。これにより、生物学的に安全な枠組みと、予防的レベル
を画する準拠限界を打ち立てねばならない」

コークロンはこれを「生態系ベースの水産管理」ではなく「多品種水産管理」と呼ぶ。
196: N ◆5UMm.mhSro 2008/12/29(月) 08:27:51 ID:sqPwfPB6(1)調 AAS
>>193
フジテレビでも捕鯨イデオロギーと無関係にだと、生物のわずかな細胞を採るだけで
テロメア(染色体末端部の折り返し部分)の長さで年齢がわかるという最新知識を
やるんだねえ。

これを生命保険の掛け金決定に利用したりし始めると、かなりシリアスな話になるんだけど、
クジラの年齢決定だと、そういうセコいストーリーにはならないな。水産庁、鯨研、共同船舶
以外の世界では。

英語版ヴィキの染色体写真では、テロメア部分が光っていて、下村脩さんの蛍光蛋白
テクニックが役立てられてることが歴然としてるね。 外部リンク:en.wikipedia.org
200
(2): N ◆5UMm.mhSro 2008/12/29(月) 21:49:23 ID:LHDds7Fd(1)調 AAS
>>194
雁屋さんというのは私の記憶では、クジラが人間の捕る漁業の5−6倍の魚(あるいは水産資源)を
喰っていると書いていた人ではないかと思うのだけれど(記憶違いだったらごめんなさい)、
今回は「鯨食害論」にまったく言及してないですね。

軌道修正を周知しようということなのかな?
237
(1): N ◆5UMm.mhSro 2009/01/03(土) 22:30:10 ID:esKqUPsU(1/2)調 AAS
あけましておめでとうございます。
早速ですが、
>>228 外部リンク[html]:kokkai.ndl.go.jp
これちょっと興味深いですね。
民主党の小平さん、どうも「小規模沿岸捕鯨」と「沿岸小型鯨類捕鯨」の区別がついてないようです。
総体として自民党水産族議員のほうが、民主農水族議員より微妙な組み合わせの構造に詳しいようだな。
これも水産庁遠洋課の側からする「マインドコントロール」の一結果で、要するに情報精度を相手に
よって使い分けるという基本戦術の結果とみるほうがよいのじゃないかな?

情報が足りないと、シーシェパードとのドンパチみたいな、表面的なところに興味が向かいやすい。
結果、ナショナルインタレストとか国威とか、ブッシュ-小泉時代の空虚なモードに戻っちゃうんだね。

もう水産庁、鯨研側の虚偽表現や誤導の数々はかなりはっきりしているのだから、民主+現野党側で
小規模でもよいから勉強会をつくったほうがよいな。

政権がかわってから、新政権に協力する農水官僚と、自民政権の復活を願って非協力に徹しようとする
農水官僚を見分ける、これはリトマス試験紙ケースとして使えるよ。
238: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/03(土) 23:00:09 ID:esKqUPsU(2/2)調 AAS
関係ないようで関係あるのが野生牛の運命ね。
日本にはもともと野生の牛というのはいなかったのかな?

弥生時代に朝鮮半島から伝えられたという話はいろいろなところに出ているのだけれど、
そういう話は近頃弱体化してる大手マスコミが、お正月からやりたがる話ではないなw

もっと以前、ナウマン象とかかなりいろいろな化石が出てるんだから、牛の祖先ぐらい
いてもおかしくないのだろうけどねえ。

いずれにしても、アメリカ人は西部開拓時代にバイソンをメタメタにしちゃったし、
ヨーロッパのラスコー壁画にある原種牛(オーロックス<羅> Bos primigenius <英>aurochs )も
アルタミラ壁画にあるヨーロッパバイソンも、コリン・クラークの言う、「利子率>繁殖率」が
気になる時代になってから絶滅させちゃったわけで、欧米人には商業を覚えた人間が
繁殖の遅い野生大型動物を管理できっこない、という理論はわりにすんなり納得できる
んだと思うけどね。

商業が発達しなかった東南アジアではまだ野生の牛がいるとか。文化や人種の問題じゃなく、
経済理論で意識の違いがかなり説明できるんじゃないかな?
241
(1): N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:29:54 ID:AgkYjtIr(1/8)調 AAS
>>239
>雇用確保のためなら無駄な公共事業も良しとしていいのか。
>難しい問題ですね。

難しいというか、政権党になったら個別のクライアントの要求を全部代表してるわけには
いかないんで、海員、航空乗務員からコンピュータプログラマー、銀行員に至るまで、
国際競争にもろにさらされる職種に対して、ナショナリズムに頼った保護主義じゃあ
意味が無いんだということをはっきりさせなきゃいけないですね。

農業政策に関しては幸いEU型の直接所得補償、生産物に対する補助金は排除というのが民主党の
基本理解だから、水産でも勝川さんが言ってるみたいな、「補助金は資源を枯渇させるだけだ」
という骨格はわりとすんなり理解されるんじゃないかな?(ダニエル・ポウリーも反補助金ですね)

水産に関しては社民も共産も国民新党も含めて、勉強が全然足りないと感じましたね。
石油が一時的に上がって漁民に石油代金補助しろという大合唱になった時。
休漁にして資源保養しながら休業補償出せと言ってたのは勝川さんだけだったような...
242: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:42:15 ID:AgkYjtIr(2/8)調 AAS
>>240
筒井さん説得するのは非常に難しいと思うけれど、北海道日本海岸を選挙区に持つ小平さんなら、
テンプレに挙げてあるコークロンの議論でなんとかご理解いただけるのじゃないかと思います。

オーストラリアの大学で哺乳類学、生態学を学んだ人で、アボリジニーのジュゴン狩りを本気で
持続可能な生態系ベースの管理にしようと考えたて、この分野で進んでいると考えられていた
ノルウェーまで勉強に行ったという本格派ですね。

ノルウェーの現実を見ていったん挫折したけれど、再奮起して制度上やらざるをえないアザラシの
致死調査をやりながら問題点を指摘して、道は遠いけれど生態系管理の枠組みを明確にしようと
頑張ってる本格派ですね。

そのへんの「ナンチャッテ持続的利用派」とは理論的スケールが全然違います。
243: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:47:14 ID:AgkYjtIr(3/8)調 AAS
外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org
Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.
Peter Corkeron Ph.D.
外部リンク:aleakage.blogspot.com
1

Introduction
アイスランド人たちは海に頼っているし、いつもそうだった。彼らにとって漁獲はいつも
重要で、漁業を持続的に保つことについて、かれらは優れた経歴を示している。

アイスランドの水産相は2006年10月17日の声明で次のように述べている。
「アイスランド経済は全世紀を通じて海洋生物資源の利用に圧倒的に依存している。
したがってアイスランド人の長期的な幸福にとって、この持続的な利用が中心的な
重要性を持っている。こういう理由で、アイスランドは漁業の効果的な管理と、海洋
生態系(エコシステム)のすべての構成要素の科学的研究に重きを置いている。

世界中で多くの魚類系統群が減少し、枯渇さえしている現在、アイスランドの海洋
資源は一般的にいって健全である。それはこの重点政策によるものである。
漁業と捕鯨の年間捕獲枠は科学者たちの勧告によっており、彼らは恒常的に
系群の状態を監視している。それで生業の持続性が確保されるのである。」

漁業はアイスランドの商品サービス輸出額の約40%を占め、商品輸出だけに限ると
大雑把に言って3分の2になる。漁業および水産加工は国内総生産(GDP)の10%を
わずかに下回る水準で、これは1980年の15%強から低下してきた水準である。

2007年に30万人の人口を数えるアイスランドは、世界で178番目の国民規模だが、
2002年には世界で13番目の水産輸出大国だった。アイスランド経済は強く
水産分門に依存している(”圧倒的に依存”はやや大げさな表現だが)。
244: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:49:36 ID:AgkYjtIr(4/8)調 AAS
2頁
他の多くの国々、特に欧州連合の水産管理の貧しい成果に比べて、アイスランドの
漁業管理は悪くない。最近のICES(海洋探査国際評議会?)のアドバイスでは、
アイスランドの2系群(タイセイヨウタラとモンツキダラ)が歴史的に最高水準の漁獲高に
対する漁獲死亡率の査定で「過剰漁獲」と格付けされた。4系群が「不定」である。

この査定の直後、アイスランドのタイセイヨウダラ漁獲割り当ては相当に削減された。
これはすばらしい業績というふうには見えないが、北海の8系群「過剰漁獲」、5系群
「不定」あるいは「未知」に比べればたいしたものである。

アイスランド漁業は過剰漁獲ではなく環境問題に直面している。
デンマーク海峡(西グリーンランドとアイスランドの間)の海中が変動しているのであり、
ここ数年、温暖で塩分濃度の高い大西洋の水が以前よりはるかに北方へ動いて
いるのである。これがアイスランドの水域に生息するシシャモ(Mallotus villosus)個体群
に影響を与えているようである。

アイスランドの科学者たちにとって、シシャモの位置を特定し、生息数を推定することが困難に
なっている。そのため、アイスランドの科学者たちが出す漁獲量割り当てのアドバイスに影響が
及び、ここ数年のアイスランドのシシャモ水揚げ高の減少となっている。

英国の海洋保全協会はアイスランドのタイセイヨウタラ(Gadus morhua)漁獲割り当て
削減を賞賛し、英国消費者の持続的シーフードへの要求がこの削減の動機となったと
言及している。タラ割り当ての削減は持続可能性への良いステップだが、アイスランドの
タラ個体群サイズ(正式にはその繁殖ストック生物量ポイント推定という)が、50年前の
3分の1に過ぎないということも、思い起こしておく価値があるだろう。(see Figure 2.4.2.1 in the linked pdf)

改善の余地はあるものの、アイスランド人たちは、漁業管理に関して、国民としてヨーロッパ人
の中ではぬきんでた聡明な態度を示していると指摘しておくのが公平だろう。
しかし、上記の水産相の発言は、アイスランドの商業捕鯨再開の声明の一部として
おこなわれたものである。
246: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:51:08 ID:AgkYjtIr(5/8)調 AAS
3頁
2006年にアイスランドは1989年以来はじめての商業的な捕鯨を再開した。ナガスクジラ
(Balaenoptera physalus)商業捕鯨枠9頭に対して7頭が実際に捕殺された。
2007/2008漁期についてはもっと多数の捕鯨枠が考慮されている。

アイスランドで商業捕鯨が再開されたのは、これとは別の捕鯨プログラム、国際捕鯨
取締条約第8条に基づく捕鯨の後である(これを私は8条捕鯨と呼ぶが、通常は
「科学的捕鯨」と呼ばれている)。この8条捕鯨は2003年に制度化され、北のミンク
クジラ(B. acutorostrata)を捕獲している。このプログラムは今年(2007年)終了し、
捕殺総数は200頭であった。ミンククジラの商業捕鯨は2006/2007年にはじまり、
捕獲枠は30頭だった。

アイスランドのミンククジラ捕鯨とナガスクジラ捕鯨には技術的に重要な違いがある。
ミンククジラは小さな船で捕殺することができる。年間の一時期だけ捕鯨砲(ハプーン砲)
を装着する漁船でよいのである。ナガスクジラはこのような小型船で猟るには大きすぎる。

2006年アイスランドのナガスクジラ漁には、何年ものあいだレイキャビク港の風物と
なっていた古い捕鯨船のうちの一隻が使われた。

しかしこれらの捕鯨キャッチャーボートを、一年のほとんど漁獲のために出漁できるよう
にと改造することは不可能であるようだ。現役として残るためには捕鯨をしなければ
ならないのである。別の言い方をすると、これらの大型のクジラを2006/2007年
ナガスクジラ捕獲枠9頭よりも、基本的に多く採れるようにする必要があるのだ。

アイスランドの捕鯨者たちは昔も今も、大型ヒゲクジラ類の大規模商業捕鯨再開に
きわどく依存しているように見える。

アイスランドではナガスクジラ肉の需要に限界がある(アイスランドの人口は30万に
すぎないのだから)。そこで日本へ鯨肉を売るという動機が生まれる。しかしこの
文章を書いている現在(2007年10月初旬)、鯨肉販売の交渉は決着を見ておらず、
肉はアイスランドの倉庫に保存されている。
247: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:52:16 ID:AgkYjtIr(6/8)調 AAS
4頁
2007年8月24日、アイスランドの農水相は2007/2008年漁期(9月1日にスタート)
にナガスクジラの新たな捕鯨枠は発行しないと発表した。現在の鯨肉在庫が売り捌け
ていないからというのである。市場の見えざる手がアイスランドのハプーンを
永久的に引退させたのかどうかは定かではない。他の要因の役割、たとえば国際
世論、国内の異論などについてもはっきりしない。
現在のところの見解表明では、近い将来に契約が成立すれば捕鯨枠設定に余地を残し、
2007/2008年にはミンククジラについて商業捕鯨枠が発行されるだろうと見られる。

しかしアイスランドの水産業界からは、市場の動向とは無関係に捕鯨を求める声が
上がっている。クジラは間引く必要があるという声である。このような主張は海洋
哺乳類を猟っている国々から、近年日増しに、より一般的に聴こえてくるようになった。

このような主張は評価に値するのであろうか?この稿では「生態系ベースの水産管理」
の名の下に行われる鯨類の間引きという、捕鯨国の人々の主張を一般的に批判し、
アイスランドについて特に焦点を当てる。この主張をアイスランドでの別の動向、
生態系アプローチを漁業管理に利用するという試みと対比することによってである。
248: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:54:25 ID:AgkYjtIr(7/8)調 AAS
5
[Culling whales as fishery management.]
[水産管理としてのクジラの間引き]
アイスランドは2006年に国際捕鯨委員会(IWC)でサンキッツ&ネヴィス宣言を主唱した
国々のひとつである。この宣言のほとんどはIWC内部の問題に関する主唱国の受け止め方
を表現したものであるが、以下の言明も含んでいる:

「科学的調査が示した所によると、鯨類が大量の魚を消費していることが、沿岸国の食糧
安全保障にとって問題となっているという課題を受け止め、エコシステム管理ということが
国際標準になっている現在、鯨類ストック(資源/個体群)の管理という課題が、生態系管理
というより広い文脈で考察されねばならないということを受け入れ...」

海洋哺乳類の捕獲を行っている国々(およびその支持者たち)は次のように主張している。
(a)海洋哺乳類の個体数は商用魚の豊度に負の影響を与えている。
(b)海洋哺乳類の間引きは明白に漁業に有利に働き、「生態系ベースの水産管理(EBFM)」
の一部を形成する。

これをもっともどぎつく主張しているのは日本であり、ノルウェーは2004年以来間引きを
海洋哺乳類政策上の国策の一部と認めている。

さらに日本は、国連食糧農業機構(FAO)を通じてカリブ海地域での「調査」プログラムに
資金を供与している。これは「小アンティユにおける海洋哺乳類その他の最上位補食者を
含む生態系ベースの管理のための科学的基盤」と名付けられている。

アイスランドの報道のわずかな例からも、この見方、急増する鯨類個体数が「我々の」
魚を喰いすぎているという考え方が水産業界のメンバーや政治家に支持されているという
ことが見て取れる。
249: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 08:55:09 ID:AgkYjtIr(8/8)調 AAS
● 2007年7月2日、アイスランド漁船船主連合(LIU)は、最近のアイスランドでの
タイセイヨウダラ漁獲枠削減と捕鯨の継続のみならず増大に関する声明を発表した。
声明によると、「鯨類の大幅な増加はカラフトシシャモとタラの資源量に影響を与え..
.鯨類は100万から200万トンのカラフトシシャモを消費し、甚大な量のタラも
捕食している。」

● 2007年7月3日、ミンク鯨漁協会 (Felag hrefnuveidarmanna)はウェブサイトに、
「ミンクはタラ、スケトウで腹一杯」という表題の記事を掲載した。

● 2007年7月10日、Stod 2/ Visirのテレビインタビューでアイスランド水産相エイナール・
K.グドフィンソンは、新漁獲枠設定に際して捕鯨枠は与えないとした。インタビューは
アイスランド漁船船主連合(LIU)発言に触れて、彼らがクジラが魚を全部食べてしまう
という事実基づき、販売量とは無関係に捕鯨枠を増大すべきという主張をとりあげた。
グドフィソンはアイスランドの捕鯨は鯨肉が売れるかどうかによって決めると発言
していたにもかかわらず、この利害関心に同意を示した。
250: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:33:52 ID:NLLQhsym(1/8)調 AAS
● 2007年7月10日、Stod 2/ Visirのテレビインタビューでアイスランド水産相エイナール・
K.グドフィンソンは、新漁獲枠設定に際して捕鯨枠は与えないとした。インタビューは
アイスランド漁船船主連合(LIU)発言に触れて、彼らがクジラが魚を全部食べてしまう
という事実に基づき、販売量とは無関係に捕鯨枠を増大すべきという主張をとりあげた。
グドフィソンはアイスランドの捕鯨は鯨肉が売れるかどうかによって決めると発言していた
にもかかわらず、この利害関心に同意を示した。

水産業を保護するために海洋哺乳類を間引かねばならないという考え方は新しいものではない。
こういう主張は何十年も前からあるし、何世紀も前からあるのかもしれない。

たとえば1960年代末にノルウェーで春産ニシン (Clupea harengus)個体群が崩壊したとき、
これは大規模な乱獲の直接の結果だったのだが、政府はシャチ(Orcinus orca)の捕獲を決定した。

シャチがニシンを食うということは知られていた。1969年から1980年にかけて700頭の
シャチが捕獲された(?ien 1988)。

新しいことはといえば、生態系の相互関連を計算に入れた効果的水産管理で、海洋哺乳類の
間引きが第一の構成要素とされたことである。

どのようにしてこうなったのだろうか。
251: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:34:30 ID:NLLQhsym(2/8)調 AAS
7頁
[The effects of fisheries on marine ecosystems: a change in thinking.]
[海洋生態系に対する漁業の影響:考え方の転換]
この問題を文脈の中へ定置するために、世界の水産状況の非常におおまかな概観が必要になる。

国連食糧農業機構水産水耕部会((FAO Fisheries)の推定によると、2005年に世界の漁獲の25%が
過剰漁獲、枯渇あるいは枯渇からの回復の状態になっている。
52%が満限漁獲、20%が適度な漁獲、3%が低水準漁獲である。海洋の収奪型水揚げは現在、
1980年代よりも低い(Watson and Pauly 2001, Pauly et al. 2003)。水産は世界的に危機の状態に
あるのだ。危機の規模については科学上の議論があるが (たとえば Hilborn 2006)、(私の知る限り)
現状維持が受け入れ可能という議論は科学的文献(*査読学術論文)上には存在しない。

これとは別のことも起っている。水産の海洋生態系に対する影響に関するわれわれの
理解はこの数10年間ぐらいで大きく変化した。数多くの学術論文が古いものの見方に
挑戦し、新たなアイデアを導入した。産業的漁業が引き起こした問題は、単にターゲットと
した魚種資源に影響を与えたばかりではなく、漁獲が海洋生態系全般に大規模で有害な
影響を及ぼしたというのである(Watson and Pauly 2001, Pauly et al. 2003)。

直接の問題は過剰漁獲、目的魚種の過剰捕獲であり、また破壊的漁獲、すなわち底引き網のような
漁法である。底引きトロールは、その作動メカニズムからして、通過したあとの生態系に有害な
影響を及ぼさずにはおかない。
252: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:35:14 ID:NLLQhsym(3/8)調 AAS
8頁
同様に理解が深まっているのが、歴史的に人間が過剰な漁業を営んできたということ
であり、この歴史的過剰漁獲も生態学的な影響を及ぼしたということである (たとえば Jackson
2001, Jackson et al. 2001)。
現在われわれがともに生きている海洋環境は、多くの場合何世紀にもわたる人類の撹乱の
産物なのである。過去の時代、数々の海洋生態系は現在よりもはるかに高い生産性を
保持していた。アイスランドのタイセイヨウダラ個体数が現在では、50年前の3分の1
でしかないことを思い起こしてみよう。

漁業の管理者たちが、前世紀中頃個体数に近いところまで次第に戻してやろうと試みたら
どうだろうか。そのような個体群からの持続可能な漁獲は現在の水揚げ高よりも高くなる。

水産科学では海洋生態系を復元し、歴史的な生産性を取り戻す道を探る声が高まっている(たとえばPitcher 2001)。
より生産的であり、環境破壊がより少ない漁業という究極目標である。

こおれら最近の科学共同体におおける発展は、よりよく生態系に基礎を置いた漁業を
呼びかけている(Corkeron 2006)。この声は抽象的な科学利論を越えて、国際的な
官僚制度にも移行している。その一つの成果が2002年の持続可能な開発に関する
世界サミット(ヨハネスブルク・サミット)である。ここでは漁業について、「2010年
までに生態系アプローチを適用することを促進する」と呼びかけられた。

これらを総合してみると、この間の発展がわれわれの漁業による海洋生態系への影響についての
理解を大きくシフトさせたということがわかる。
これは同時に、以前のクラシックな水産管理への告発でもある。
253: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:35:47 ID:NLLQhsym(4/8)調 AAS
9頁
これらのアイデアを発展させた科学者たちは、傾向として北米の学術機関に基盤を
おいている。欧州諸政府は多くの水産学者を雇用しているが、彼らの学問的訓練は
クラシックな水産管理についてのものである。最近の新しいアイデアは、一般的に
言って確立した水産科学ではなかなか支持を得難い。

特にヨーロッパではその傾向が強く(たとえばICES Journal of Marine Science 
生態系指標特別号参照。 更に、Cury and Christiansen 2005, Daan 2005)、大学で
雇用されている生態学者たちとその受容に違いがある。

しかし、その違いは比較的微妙なもので、学術論文にあらわれる生態系ベースの水産と
捕鯨国の政府系(あるいは準政府系)研究機関に雇用されている科学者たちがイメージ
している生態系ベースの水産の違いに比べれば些細なものである。
254: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:37:33 ID:NLLQhsym(5/8)調 AAS
外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org
Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.
Peter Corkeron Ph.D.
外部リンク:aleakage.blogspot.com[Opposing views of “Ecosystem-based fishery management”]
[『生態系ベースの水産管理』に関する対立した見方]

さてそれでは、水産への「生態系アプローチ」とは何なのだろうか。「生態系ベースの水産管理」
が必然的にもたらすものは何なのだろうか。

2004年のサイエンス誌で、ピキッチュと共同執筆者たちが<生態系ベース水産管理>を簡潔明瞭に
定義している。「生態系ベースの水産管理は管理上の優先順位をひっくり返した。生態系の構造と
機能を持続させるという目的が、水産収益を最大化させるという目的に取って代わったのである」
(Pikitch et al. 2004, p 1892)。

しかし生態系ベースの水産管理には別の見方もある。現在のノルウェーの海洋哺乳類「管理」ポリシー
がその例を提供している。この政策は「ノルウェーの海洋資源を生態系アプローチで管理してゆこう
というノルウェーの努力の一部をなす。」(これは政策導入の白書英語訳によるもので、以前の原稿
[Corkeron 2006]に引用したが、現在ノルウェー政府のウェブサイトでは消えている)
255: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:38:12 ID:NLLQhsym(6/8)調 AAS
10頁
政策は2010年までに生態系アプローチの水産を実現するというノルウェーの義務を満たすための
政府の取り組みの一部である。(ノルウェー語による)ポリシーの説明は「生態系ベースの管理は
資源−生態学の論拠を海洋哺乳類個体数サイズを決定するための目標確立の基礎として利用する。
これは生物学的に安全な枠組みと予防的水準の準拠リミットとして結果を出す必要がある」と
なっている。

これを私は「複数種一括/多品種一括水産管理(MSFM)」と呼び、上に説明した生態系ベースの水産管理
とは区別した(Corkeron 2006)。

その理由はこれが伝統的な管理優先順位を堅持しているからである。
産業的漁業による収穫量の最大化という目的が、生態系機能の維持よりも上位に置かれ、科学文献で
提起されている生態系ベースの水産管理基準には即応していないからだ。
256: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:39:42 ID:NLLQhsym(7/8)調 AAS
[How scientists make inference from data.]
[科学者はデータからどのように推論を導き出すのか。]
生態系ベースの水産管理実現にあたってひとつ、興味深いマナー、流儀のようなものがある。
アカデミックな科学と、各国政府に支持された科学、および国際機関へなされる科学的助言が
相互作用して、各国レベル、広域レベル、国際レベルそれぞれで、政策及び管理方針決定に
影響を与える様式、マナーのことである。

これらがどのように働くのかということを理解するためには、すこしその背景を理解しておく
必要があるので、応用生態学者たちが用いている概念的ツールを説明しておく。

生態学者たちはデータから推論を導き出す。しかしデータをどのように集めるかということが、
推論獲得の性能に影響を与える。

話を簡単にするために、野外データの集め方の3つの方法を説明しよう。非操作的研究、
実験、「自然」実験の3つの方法である。
257: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:41:13 ID:NLLQhsym(8/8)調 AAS
|● 非操作的:
|われわれは研究対象のシステムを撹乱することなく興味の対象動物を研究することができる。
|この研究は単純でもありうるうるし、洗練されたものでもありうる。

|コンセプトとして注記しておきたいのは、操作するというのが、生態系(エコシステム)
|について言っていることであり、個々の動物についてではないということである。

|「致死的サンプリング」、胃内容を見るために動物を殺す、ということは観察の一形態であり、
|科学者がシステムを撹乱し、その撹乱の影響を調査するというのでないかぎり、これは
|非操作的の部類に含まれる。科学者たちが大量の動物を殺したり(特に重要な動物の場合)
|取り除くことによって、たとえ撹乱を作り出すようなことがあっても、ここでは適切な研究
|デザインを欠いており、そこから理解を得ることは困難(たぶん不可能)であろう。

|この定義だと、致死サンプリングは特に複雑な研究デザインや分析能力を必要とせず
|(e.g. Haug et al. 2002, Mikkelsen et al. 2002)、極端に単純化されていると言いうる。
|それに対して写真照合による研究は、分析のために洗練された数学手法を用いるならば
|(e.g. Parra et al. 2006a, b)、洗練された研究でありうる。

|非操作的研究は関心対象のシステムに撹乱を与えないことから、因果関係については、
|ノイズから(因果性の)シグナルを漉き出すことによってのみ推論を得ることができる。

|この研究法は調査デザインの古典的な問題に悩まされることになる。
|相関関係は因果関係をあらわしているわけではないという問題である。
258: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:46:57 ID:3Ve5bAUz(1/8)調 AAS
|● 実験:
|研究対象のシステムに変化を与え、何が起るかを見ることで、より強い推論を得る
|ことができる。
|これは実験室ベースでも行いうる。たとえば消費モデルに入力するため、アザラシ類、
|イルカ類の生理学的研究を捕獲下で行うという場合である。
|野外では小規模な実験が行われる。たとえば最近カナダ水産海洋省が行った「アザラシ
|排除海域」の試験で、これは(a)アザラシ類を湾内から排除しておくことができるか、
|(b)これが漁業にとって認識しうる効果を与えるか、を見るためであった。

|● 『自然的』『実験』:(両方の言葉が括弧内に入っているが、これは必ずしも自然ではなく、
|本当に実験であるわけではないからだが)『自然的』『実験』というのもある。
|興味の対象となっているシステムにかかわる空間的変動、時間的変動、あるいはその両方が
|ある場合に、われわれは違いを見ることができる。

|たとえばゼニガタアザラシのヨーロッパでの個体群はこの20年ほどの間に2回の個体数崩壊
|を経験した。これは麻疹ウイルスによるものだった(e.g. Harding et al. 2002)。
|これは漁業的に関心のある魚種へのゼニガタアザラシの捕食の影響を調査するチャンスであった。
|ゼニガタアザラシの数(従って補食圧)が場所及び時間について劇的に変化したからだ。
|麻疹ウイルスが個体数に影響を与えなかった海域もあり(北部ノルウェー)これは『自然対照区』
|となる。私の最善の知識によるならば、誰もこのような研究を実際には行わなかった。(泣く)
___________________________________________
259: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:47:50 ID:3Ve5bAUz(2/8)調 AAS
もう一つのアプローチとして、ひとたびデータが得られたなら、関心のあるシステムのモデルを
つくるというやりかたがある。モデルはシンプルでもありうるし複雑でもありうる(データに
関するすべての統計的検定は実際にモデルである)。モデルはシステムに関する良いアイデアを
示す興味深い知的ツールと見ることもできる。これでリアリティーを模倣することもできる。

|● モデリング:われわれはコンピュータの中を走っている数学モデルを使い、関心のある
|システムをモデル化することができる。

|科学者はたとえば個体生息数モデルを使い、これに海洋哺乳類と魚類の生理学的モデルを組み
|合わせて、海洋哺乳類による捕食圧の強度を推定することができる。

|これらのモデル結果と実際の漁獲高を比較することにより、関心のある魚類の個体数状況に関して、
|海洋哺乳類の補食と漁業にかかわる相対的重要性についてのアイデアを得ることができる。
|(e.g. Hansen and Harding 2006, Trzcinski et al. 2006).

クラシックな水産学はほとんど非操作的観察に依拠してきた。
魚類生息数推定、そして持続可能な漁獲死亡率の推定である。
実験は(モデリングへインプットするためのパラメーターを得るため、実験室ベースで作業
すること以外)ほとんど行われない。
260: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:50:00 ID:3Ve5bAUz(3/8)調 AAS
すべての実験は、そのデザインの最も弱い局面以上に優れたものにはなりえない。
すべての数学モデルは、その最も弱い前提以上にはなりえない。
古典的水産学で用いられる個体数モデルは、モデルにインプットする観察データが貧しいもの
であっても、道理上の合理性として適度に信頼できる。

しかしわれわれが生態系ベースの水産管理へ移行したらどういうことになるだろうか。
観察されるパターンを正確かつ適切に叙述する必要があるだけではなく、これらのパターンが
生じてくることに責任のあるプロセスまで、われわれは理解しなければならないのである。

このプロセス、すなわち生態系がシステムとしてどのように機能しているかというのは、
定着している古典的水産モデルより複雑であり、理解もすすんでいない。
(漁獲の生態系効果を推論する最良の方法は、大規模実験アプローチで、漁業の存在あるいは
非存在を含み込むことである。これが生態系ベース水産管理で非漁獲海洋保護区
<漁業禁止海域>を設定することの<滅多に前面に出ない>正当化理由のひとつである [Corkeron 2006])
261: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:51:29 ID:3Ve5bAUz(4/8)調 AAS
プロセスを理解しようという試みはコミュニティー生態学(群集生態学)の焦点だった。
コミュニティー生態学者たちは野外ベースの実験をすることにより積極的であり、個体群
生態学者たちよりも大規模な実験を好んだ。個体群生態学者たちが大規模な実験アプローチで
破格の結果をもたらすということもあり得るが (たとえばSinclair and Krebs 2002, Sinclair and Byrom 2006)。

あまたの国家レベルの水産研究所は何十人という科学者を雇用しているが、そのほとんどは
古典的な水産生物学と生物学的海洋学の訓練を受けている。

漁業部門で生態系ベースの水産管理を制度化しようという時に、研究所は従来の人々を、
コミュニティー生態学の訓練を受けた人々で置き換えるということはしなかった。
制度的な惰性により、非操作的研究とモデル化の結合というやり方が日常的なものとして
残ったのである。

これは本当に問題なのだろうか。科学者たちが、彼らの政治的上司からの最新の指示に合わせて
彼らの古い手法を新たにパッケージし直したところで、誰が気にかけるだろうか。
私はこれが問題だと論ずる。そしてもしわれわれが人間の海洋生態系への影響を理解したいと
望むなら、われわれが出会う科学遂行プロセスの悪用をさらすことが必要だと主張する。
262: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:52:38 ID:3Ve5bAUz(5/8)調 AAS
ここではバレンツ海で商業的に重要な魚種個体群についてのノルウェーの研究を例として
挙げる。

私はこれを政治的には居心地がよいが、やり方が貧困な科学の代表例として示す。
ノルウェーの政官支配層は空虚な論点(海洋哺乳類による消費)に注目を集めるだけでは
なく、本当の論点である水産管理の失敗から焦点をはずしている。これにより、本当の
問題は増殖する。

この議論はバレンツ海でのノルウェーの研究を扱うもので、アイスランドの研究について
ではない。しかしプレイヤーは共通している。生物学的には魚類個体群と海洋哺乳類であり、
人的にはノルウェー、アイスランド両国の科学と水産管理エスタブリッシュメントで、
部分的には同一である。ノルウェーの研究のほうが長い期間進行しており、何らかの
教訓を得るには適している。
263: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:53:10 ID:3Ve5bAUz(6/8)調 AAS
[Background: fish and fishing in the Barents Sea]
[背景:バレンツ海における魚と漁業]
カラフトシシャモは小さな魚で北極圏海域のいたるところに分布し、バレンツ海生態系の
重要な構成要素である(しかしこの議論はバレンツ海のカラフトシシャモについてのもの
であり、アイスランド海域のカラフトシシャモとは別の個体群であることに留意されたい)。

カラフトシシャモは夏の日照が到来するとバレンツ海北部で大繁殖するプランクトンを餌
としている。後に彼らは南方へと回遊し、フィンマルク(北部ノルウェー)とコラ半島
(北西ロシア)沿岸で春に産卵する。

ロシアとノルウェーはカラフトシシャモを産業的に漁獲しており、共同で漁獲枠合意を
行っている。

カラフトシシャモのバレンツ海における産業的漁獲は比較的新しい。本格的に操業されだした
のは1970年代であり、漁獲高のピークは1977年の300万トン弱である。この当時、この漁は
単一種としては欧州最大の漁業であった。ノルウェーの1977年のカラフトシシャモ水揚げ高
は200万トンを越え(ロシアは漁獲高80万トンと報告している)、これは単一種世界最大の
漁獲高であった。

この漁獲圧にあってカラフトシシャモ個体群は崩壊し、オリジナル量の約20分の1となり、
1975年の最大推定量900万トン近くから、1987年の約10万トンへと減少した。
その結果、シシャモ漁は休漁となった。

1987年の最初の休漁から2006年までの20年間で、カラフトシシャモ漁が解禁されたのは
8年間であり休漁期間は12年間だった(すべて、情報はOctober 2006 ICES advice on capelinによる)。
これまでの20年間のうちで、休漁期間は操業期間の150%にのぼったのである。
解禁された二つの期間(3年間と5年間)それぞれの期間水揚げ高は1977年一年分の
水揚げに及ばない。2004年には再び禁漁となり、それ以来再開されていない。
265
(3): N ◆5UMm.mhSro 2009/01/04(日) 09:55:47 ID:3Ve5bAUz(8/8)調 AAS
2回目の崩壊(1990年代初期)を駆動したのはニシン個体群の回復だった。これはカラフト
シシャモの稚魚を食べるニシンと、年長のカラフトシシャモとニシンの食物をめぐる競合という
複合になった。さらにふたたびタラのカラフトシシャモ捕食が回復を遅らせた。

「クジラが魚を食う」議論との関係で重要なのは、ヒルマン他(2004)論文は、カラフトシシャモ
の大崩壊を魚類個体群と漁業だけでモデル化していることであり、海洋哺乳類のカラフトシシャモ
捕食の影響は、もしあったとしてもトリビアルなものだということを示唆している点である
(漁業と他の生態系構成要因すなわち魚、との相対的関係においてということだが)。

データを満足に説明するモデルを構築するには、海洋哺乳類の捕食を取り入れる必要はなかった
のである。
279: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:41:15 ID:sfWLqpRN(1/9)調 AAS
>>270-278
わーお、もう今から15年前に捕鯨問題の裏事情は完璧に明らかにされていたのですね。
世論がそれを無視して、官庁、鯨研、広告代理店発表の居心地のよいストーリーのほうを選んだと。
それでナショナリズムの対抗ムードや被害者意識満開のスネ夫君モードに浸っていたと、
そういうことかな。

>>265まででは、ノルウェーのオーソドックスな水産学者たちが、カラフトシシャモ、ニシン、大西洋タラの
個体数変動を説明するのに、クジラやアザラシの食害を全然計算に入れなくても十分有効なモデルが
できた、というところまでだったけれど、いよいよ次からクジラ食害<思い入れ>理論の人たちの
試みと破綻の紹介に入ります。

破綻したはずなのに、ミンククジラが一頭増えると5トンのタラとニシンが漁獲減になる、という科学的には
根拠薄弱な明快セリフが、いまだに世論の頭脳を駆け巡っているというところまで似てるね。
日本ほどドロドロじゃないみたいだけど。

どっちにしても、財政と非公開情報握ってる官庁<科学者>には、一般国民は勝てないのかな。さみしいね。

_____________________________________
>>264で (このpdf、Table 3.4.1.3 参照)、となってるのは外部リンクですが
外部リンク[pdf]:www.ices.dk)今見たら切れてました。
バレンツ海の大西洋タラの推定ですから、勝川さんのサイトでも探せば最新情報があるでしょう。
281: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:45:22 ID:sfWLqpRN(3/9)調 AAS
ミンククジラに関するプログラムのデザインは『生態系に対するクジラの役割を解明する』
日本の第8条捕鯨の視点のテンプレートとして鯨類研究所によっても利用されている(例えばMurase
et al. 2007 等参照)。

食餌研究と餌消費推定の違いを区別することは重要である。食餌研究は動物が何を食べているか
ということをつきとめる非操作的研究であり、餌消費推定は一定期間(通常1年間)で、ある
海洋哺乳類個体群が消費する餌量をつきとめるためのシンプルなモデルである。

クジラが何を食べているか、毎日どれだけ食べているか、関心の対象となる海域で何日間食べるのか、
関心のあるクジラ個体群には何頭いるのか、簡単に言えばこれだけわかれば利害関心のある海域で
クジラがどれだけ食べているかということを推定できる。

違う餌種の比率が異なっている状態に遭遇すると、クジラはどう対応するのかということを
知るのも有益である。海洋哺乳類が消費する量の推定のためにデータを集めるというのは、
捕鯨国の科学者たちにとってこの2、30年ほど優先順位の高いテーマだった(上記参照文献
を除く。たとえばMurase et al. 2007)
282: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:46:48 ID:sfWLqpRN(4/9)調 AAS
これらすべての変数の推定値は、最終的な消費推定を導き出すために複合され演算される。
この演算には二つの問題がある。インプットする変数はそれぞれ不確実性をともなっている。
この不確実性というのには二種類の姿がある。プロセスの不確実性と測定の不確実性である
(Hilborn and Mangel 1997)。

プロセスの不確実性というのはシステムに内在する変動性である。クジラは毎年正確に
同じ場所で同じものを食べるというわけではない。環境の変化に応じて変動が出るのである。
測定の不確実性というのは、われわれが変数の値を入手する能力に内在する変動性である。

科学は手品ではない。サンプリング理論はわれわれが推定する変数の値、たとえば生息数
はすべてなにがしかの不確実性を含んでいると教えている。

変数は演算操作されるので、これらの誤差は複合する。最終的に、(幅を伴わない)点推定は
合理的に見えても、それにともなう不確実性を考えに入れれば無意味だという場合が往々にしてある。

(20頁)
たとえば東スコシア大陸棚(カナダ東岸)のタイセイヨウタラが回復しないことについての
ハイイロアザラシの捕食影響の調査研究がある。この最近のモデルは2003年にアザラシが
1670万のタイセイヨウタラを食べたという点推定値を出した。

しかしこの推定の不確実性は95%信頼区間(不確実性をあらわす標準的な方法)でプラス
マイナス5540万のタイセイヨウタラというものだった。

この論文で注意を引くのは、この海域ではタイセイヨウタラがかつての歴史的生息数に比べて
ごくわずかな数しか存在しない一方、ハイイロアザラシはかつてない最高数に達している
ということである。にもかかわらず、この論文の著者たちは「ハイイロアザラシ(Halichoerus grypus)
が東スコシア棚タイセイヨウタラ(Gadus morhua) 個体群の自然死亡主要因であるという証拠は
ほとんどない」と結論づけている (Trzcinski et al. 2006, p 2286)。
284: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:57:01 ID:sfWLqpRN(6/9)調 AAS
“Five tons of cod and herring” 
『5トンのタラとニシン』

海洋哺乳類の消費が経済的に重要な魚に与える影響を評価するという別のアプローチは、モデル化
作業で、その目的は海洋哺乳類捕獲戦略が水産業に与える効果を査定すると述べられている(Hagen
and Schweder 2005)。(注意すべきはこの目的が前記Hjermann他の作業とは微妙に違うという
ことである。Hjermann他はバレンツ海のカラフトシシャモ個体群崩壊の原因を探ろうとしたのだった。)

この一組のシミュレイションは当初、バレンツ海で北半球ミンククジラが捕獲されたら、ニシン、
タラ、カラフトシシャモの漁にとって何が起るかというモデル化だった(Schweder et al. 1998, 2000)。
このシミュレイションはタテゴトアザラシを含むものに拡張された(Hagen and Schweder 2005)。

この最初のシミュレイションは簡素でエレガントなせりふとなり、海洋哺乳類間引きの論議で
くりかえし用いられている。ヴィキペディア’whaling’の項目でも見ることが出来る。(2007年9月現在、
*訳注;今でもあります外部リンク:en.wikipedia.org

|『バレンツ海ではミンククジラの個体群で、一頭のクジラが増えると、その魚類消費のせいで
|5トンのタラおよびニシンの漁獲に対するネットの経済損失が発生すると推定されている』
285: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:58:49 ID:sfWLqpRN(7/9)調 AAS
この引用はこのことに関するモデル演習の二つの論文のうちのひとつを引用元としてあげていて、
これは北大西洋海洋哺乳類委員会(NAMMCO)で公刊されたものである (Schweder et al. 2000)。

しかしこのモデル化アプローチを学術論文として公刊した二つの論文を注意深く読んでみると、
著者たちは ― 彼らの信用のためにも言い添えておくが ― このモデルが現実的なものでは
ないということが書かれているのである。

たとえば「この研究をめぐっては、確実な結論を導き出すにはまだあまりにも多くの不確実性がある」
と記されている。(Schweder et al. 1998:92)。

モデルはバレンツ海生態系を理解する道筋を探るための知的な演習なのである。
にもかかわらず2004年にノルウェー海洋哺乳類政策を改訂した白書では、この5トンに言及し、
調査がまだ前段階的なものであるということを小さく付記しているだけである(少なくとも、
その後の7年間にわたる作業にもかかわらず)。

この『シナリオC』と呼ばれているモデル・アプローチに、タテゴトアザラシの食餌と消費量の
データを付加すると、モデルは非現実的なアウトプットを出す(NAMMCO科学委員会第14回会議
報告5頁、外部リンク[pdf]:www.nammco.no 5/18頁参照)。
このモデル化で、基本的データか仮定か、その両方に欠陥があったということをこれは示唆している。

『シナリオC』が、海洋哺乳類捕獲と漁業の関係についてアドバイスを与える基盤として失敗した
ことは、NAMMCO科学委員会のコメントではっきりしている:「科学委員会はふたたび、2海域
(バレンツ海とアイスランド)、2種(ミンククジラとタテゴトアザラシ)での漁業と海洋哺乳類
の相互干渉の経済的側面について、要請されたアドバイスを提出することが出来ないという状況を
強いられた。このアドバイスは、評価のために実行可能と認定されていたものであるが。科学委員会
が設置した作業部会はこれとこのことに関連する要請を扱うために5回の会議を開いた。」
NAMMCO科学委員会第14回会議報告5頁、外部リンク[pdf]:www.nammco.no 5/18頁参照)
286: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 01:59:44 ID:sfWLqpRN(8/9)調 AAS
どういうわけか、このモデルのこちらの側は、「5トンのタラやニシン」が見いだしたような、
世論の意識への道筋を見いだせなかった。

バレンツ海の重要商用魚生息数で何が起ったのかという大きな図柄については説明がなされている。
この説明は学術論文で公開されている。

利用可能なデータから兆候を探知した調査アプローチは、バレンツ海で起こったことを理解する
というところから出発した。

この研究をおこなうために、しかし研究論文著者たちは「シナリオ実験」を推し進める人たち
とはかなり異なったアプローチをとった。

「シナリオ実験」のほうは、海洋哺乳類の捕食が十分に重要であり、バレンツ海での魚類ー漁業
エコシステム(生態系)を理解するためのモデル化に組み込む価値があるという仮説から出発した。

シナリオCが有意な結果を出すことに失敗したにもかかわらず、NAMMCOの結論はどのような
ものだったのだろうか。

直接引用しておく:「科学委員会はかつてと同様、この分野での展開は、明確な追加的リソースが
もたらされないかぎり、先へ進めないと強調した。委員会は特に「シナリオC」がノルウェーで
再開されること、アイスランドがその領域でGADGET モデルに海洋哺乳類を含める努力を続ける
よう推奨した」(NAMMCO科学委員会第14回会議報告5頁、外部リンク[pdf]:www.nammco.no 5/18頁参照)

“GADGET” プログラムを遂行しているアイスランドの研究者たちは、ノルウェーのシナリオC研究者
たちと似たような基本仮説を設けている。海洋哺乳類の捕食が関心のある商用魚種の生息数変動に
主要な規制的役割をはたしているというものである。同じ思考が場所を占めている。
287
(1): N ◆5UMm.mhSro 2009/01/05(月) 02:04:44 ID:sfWLqpRN(9/9)調 AAS
ヒルマン(Hjermann)とその共著者たちの科学的アプローチは、利用できるデータの評価からはじまり、
バレンツ海の状況に関して機能するモデルを作成した。

シュヴェーダー(Schweder)とその共著者たちは海洋哺乳類の捕食が重要でないはずがないという
予見から出発し、機能するモデルをつくれなかった。しかしこの成功しなかったアプローチの発展が
いまだに呼びかけられている。

この作業の更なる進捗を呼びかける科学者たちの思考習慣について、このことはわれわれに
何を物語っているのだろうか。

バレンツ海で、過剰漁獲による生態系効果が依然として感知されているということが、
おそらくこのシステムへの人間の影響を管理する立場にある人々にとっては不快なものなのであり、
しかしそれが現状をもっとも良く説明する要因なのだということだ。

バレンツ海でのタラの漁獲枠がICESの勧告を上回っていることを見れば、乱獲を再発させない
という政策と手続きがまだ実現していないということがはっきりする。

そのかわりに管理者と政策立案者たちは不適切な道を選んで、本当の選択よりも政治的に
居心地の良い調査研究を支持している。この調査研究というものが、他のノルウェーの科学者
たちの研究よりも、当該システムを説明する上で情報量がはるかに劣っているということが
明らかになってもである。

ここまではノルウェーの話である。アイスランドの海洋研究界にも、同じような構造問題があるのだろうか?
292: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:21:13 ID:zo/+BLU8(1/6)調 AAS
>>288
梅崎義人のような人がいまだに通用してしまうというのは、日本のメディア状況が
かなり酷いことになっているという指標ですね。

ノルウェーの研究所でしごとをしているオーストラリア人、ピーター・コークロンは、
ノルウェーやアイスランドにも情報歪曲はあると指摘してるけれど、梅崎陰謀論ほど
念の入った策略にまではいってないようですね。

使ってる税金や裏金の規模が違うって?
変なとこで威張っても、日本経済パープリン化現象を食い止めることはできないだろうなあw
293: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:24:35 ID:zo/+BLU8(2/6)調 AAS
>>287から続く
外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org
Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.「アイスランド、捕鯨と生態系ベースの水産管理」
Peter Corkeron Ph.D.(外部リンク:aleakage.blogspot.com)25頁
これはノルウェーの話である。同じような構造問題がアイスランドの海洋調査簿コミュニティーに
存在しているのだろうか( GADGETとシナリオ Cのコンセプト上の類似以上にという意味である)。
第8条捕鯨の問題はとりあえず無視するとして(これは科学の遂行プロセスでの濫用という主張が
おそらく可能なのだが)、最近の海洋研究所上級スタッフの発言や、アイスランド水産省の発言は
似たような問題がここにも残っているということを示している。

[Discussions of whale surveys in Iceland]
[アイスランドでの鯨類調査に関する議論]

アイスランドの捕鯨再開決定についての水産省の声明(2006年10月20日)は以下の叙述がある。
「漁業及び捕鯨の捕獲割当は_科学者たちの勧告に基づいており_この科学者たちは定期的に
ストック(資源/系群)の状態をモニターしている。従って漁労活動が持続的であるということが
保障されている」(_強調_は引用者)。

この表明に含意されていることは次の仮説である。(a)科学者は質的に適切な情報を提供する、
(b)科学者は特定の世界観(この場合「クジラは魚を喰いすぎる」という見方)に沿った結果を
出すようにという政治的な圧力の下にいない、である。

別の言い方をすると、科学者は相対的に自由であり、あからさまな政治的干渉無しに調査が
できるということになる。

最近の目視調査に関する二つの発表で、データがどう政治的に取り扱われるかということが
わかりやすく示されている。

一方にはNAMMCOウェブサイトのニュースがある。7月22日で、アイスランド海域の航空調査をした
メンバーの発言が引用されている。サイトから直接引用すると、「しかしミンククジラの目視数は以前の
年より少なかった。カマイルカの数も少ないようだった。北西部で相当数のザトウクジラを目視したが、
アイスランド東沖合で2001年に見られた高密度分布は確認できなかった。」
294: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:26:27 ID:zo/+BLU8(3/6)調 AA×

295: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:27:30 ID:zo/+BLU8(4/6)調 AAS
(27頁)
MRIのスタッフはミンククジラの計数が落ちたことは発表せず、ナガスクジラの計数が上がったことを
発表するという選択をした。このことが提示するのは、同じ生データのセットが二つの別のやり方で
使われ、一つのケースでは明らかに政治的目的で使われたということである。

[Future options]
[将来の選択肢]
アイスランドの水産業は第一に輸出産業である。「責任ある水産業にかんする声明」が2007年8月7日、
アイスランド水産相と海洋調査研究所、アイスランド水産局、アイスランド漁業組合それぞれの代表者たち
の間で調印された。

この声明は「魚類資源(ストック)の状態と責任ある漁業に関心を持つすべての人々に宛てられたものであり、
_特にアイスランドの水産製品を買い、消費する膨大な関係者たちに_対するものである(_強調_引用者)」
となっている。

声明が挙げているいくつかのアプローチは生態系ベースの水産管理(EBFM)が規範項目としているもの
である。
海洋環境に対する漁具の影響を評価し、悪影響を低減すること;利用しうる最良の科学的アドバイスに基づく
捕獲枠設定;混獲の低下;(規格外漁、外道等の)廃棄量規制の厳格化;効果的な水揚げ高規制と実行、
がこれにあたる。

目を引くのが、それが不在ということによってだが、水揚げ高の改善を期待して海洋哺乳類個体数を
減らすということに言及が無い点だ。

アイスランドの水産政官経エスタブリッシュメントはこの声明と、難しい決定の断行、すなわち最近の
大西洋タラ捕獲枠削減については賞賛に値する。
296: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:28:14 ID:zo/+BLU8(5/6)調 AAS
(28頁)
鯨の間引きというのは不必要だし生態系アプローチとは正反対のものである。
海洋哺乳類の間引きが漁業生産高を引き上げるという証拠は無い。
入手しうる最善の証拠が示唆しているのは、海洋哺乳類の商用魚に対する捕食量は漁業と比べるなら
トリビアルな水準だということだ。

間引きを呼びかけている人々は、水産の「生態系アプローチ」の内容というのが、生態系を健全な状態に
戻してやるということとりも、海洋生態系のいくつかの生物種を鋳掛け屋のやるように手直ししてやる
ということを含意していると信じているようだ。

「アイスランドの責任ある水産業にかんする声明」が提示しているのは、アイスランド水産業界の
人々が、アイスランド水産製品輸入国の消費者感情の重要性を理解しているということだ。

海洋哺乳類の間引きは表面的には水産業を補助するように見えるが、消費者から好感を持って
受け入れられるかというとこれはありそうもないことだ。

アイスランドはその水産業を持続可能なもの(もっと言えば再建可能なもの)にするということに
着実に歩を進め、環境破壊を最小限に抑えることによって、海洋漁業が国の富と、人間の食糧安全保障
に寄与するという方向でのチャンスを握っている。

アイスランドは生態系アプローチの水産管理への適用が、エコロジカルにも、ソシアルにも有利に
機能しうるということを欧州の他の部分へ示すことができる。

[Acknowledgements]
[謝辞]
Philippa Brakes, Jack Chalfin, Arthur Clarke, Kate O'Connell, Mark Simmonds およびSofie Van Parijs が
このレポート草稿を査読してくれたことに感謝する。
Kate O'Connell にはアイスランド語翻訳に感謝する。
297: N ◆5UMm.mhSro 2009/01/06(火) 00:30:14 ID:zo/+BLU8(6/6)調 AAS
[References]
[文献]
(略)あと、英文本文中に埋め込まれた各ウェブサイト・リンクがあって、和訳では適切に示してないので、
興味のある方は原文確認してください。ページ数もところどころずれてたり略したりしてます。

____________________
訳注)シュヴェーダー(Schweder)はノルウェーの永年のIWC科学委員
G?sli A. V?kingssonはアイスランドIWC主席科学委員、IWC総会アイスランド政府委員(正式にはコミッショナーアドバイザー)
_________________________

以上
外部リンク[pdf]:www.wdcs-de.org
Iceland, whaling and ecosystem-based fishery management.「アイスランド、捕鯨と生態系ベースの水産管理」
Peter Corkeron Ph.D.(外部リンク:aleakage.blogspot.com
の全訳おわり。
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