[過去ログ] 【水木総合】鬼太郎・三平・悪魔くん【13怪】 [無断転載禁止]©bbspink.com (683レス)
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26(1): 2018/09/07(金) 00:36:57.18 ID:9z6GwvU2(1/12)調 AAS
>>9-20 のその後…
綺麗な月夜に誘われて、ねこ娘は、ゲゲゲの森の辺にある小川を散歩していた。
今宵は満月…雲ひとつの陰りも無い…鬼太郎と腕を組んで歩けたら、もっと素敵なのに。
そんな事を思い浮かべながら、軽いため息をつく。
「…どうしたの、ねこ娘?」
「きゃ…」
誰も居ないと思っていたのに、突然声をかけられ、飛び上がるほど驚いた。
恐る恐る振り向く、ねこ娘。
「…鬼太郎」
そこには先程想っていた大好きな人の姿。鬼太郎は、ねこ娘が来るよりも先に、ずっとココに座っていたようだった。
「こんな夜半にどうしたの?」
「今日は月が綺麗だから散歩してたの…それより、鬼太郎こそ、どうしてココに?」
「父さんが…こなき爺と将棋してたんだけど…二人とも白熱しすぎて、なんとなく家にいられなくてさ…」
ハハ…と鬼太郎が笑う。ねこ娘は隣に腰掛けると、膝を抱え微笑む。月に照らされた鬼太郎の横顔がとても綺麗で…ドキドキしながら、しばし見とれていた。
初めて肌を合わせてから、鬼太郎の存在が自分の中で以前よりもずっと身近に、大きくなっていた。
…でも、鬼太郎は”好きだよ”と言ってくれたが、感情をあまり表に出す方ではなかったし、今でも鬼太郎が何を考えているか解らない時がある。
自分が鬼太郎にとって、本当に必要な存在なのか…少々不安な思いがあった。
以前は、片思いで鬼太郎は手の届かない人のような感じがあったから、その時からすれば今は贅沢で夢のようなのだから、あまり欲張ったら、ちょっとずうずうしいかな…とねこ娘は反省した。
春が近づいてきたとはいえ、まだまだ夜風は冷たく、先程まで歩いて温まっていたねこ娘の体温を少しずつ奪っていた。
ブル…小さな肩を抱きかかえ、ねこ娘が震える。
「…寒い」
「大丈夫?」
鬼太郎がねこ娘の方をグイと引き寄せる。鬼太郎に抱き寄せられ、今まで離れていた身体が密着すると、ねこ娘は急に恥かしくて、熱が上がってきてしまう。
ねこ娘の髪に、鬼太郎の髪が触れる。なんだか吐く息の音まで聞こえそうで、心の中まで見透かされてしまいそうな気がして―――
ねこ娘はちょっぴり恐くなって、ごまかすように立ち上がった。
「ねぇ…?こうするとお月様、捕まえられそうだよ。」
目の前の月に両手をかざす。
雲ひとつ無いまっさらな空に浮かぶ月・・・薄紫色の柔らかな髪が、黄金の光に照らされて、身体は光の中に溶けているように映る。
その美しくも儚い後姿に、鬼太郎は思わず抱きついた。
「きゃ…鬼太郎?」
不意に後から抱きしめられて、ねこ娘が名前を呼んだ。鬼太郎は無言のまま更に強く腕を締める。
腕が…かすかに震えている。
27: 2018/09/07(金) 00:40:35.81 ID:9z6GwvU2(2/12)調 AAS
「鬼太郎?」
「…消えちゃうかと思った…。」
鬼太郎はそのまま顔をねこ娘の背中に押し当て、体温を、存在を確認する。
だってあのまま見ていたら、ねこ娘が月の光に飲み込まれそうだったから…
「ゴメン…少しだけ不安になったんだ。ねこ娘が月に吸い込まれちゃいそうで…」
もう一度、ギュッ…と抱きしめて、腕の力を緩めた…ねこ娘の身体を逃さない程度に
「…鬼太郎…あたし消えたりしないよ?ずっと…一緒にいるよ?」
ねこ娘の言葉に、安心したのか、頬を摺り寄せてくる。
胸が…きゅぅんと締め付けられる…愛しい
「…だって、こんなに大好きなのに…」
「ねこ娘…」
鬼太郎の腕の中で、ねこ娘は身体の向きを変え鬼太郎を抱き返した。
月は抱き合う2人をやさしく照らす。
「ねぇ…、鬼太郎。せっかくだから、あたしン家に寄っていかない?」
「おばばの妖怪アパート?」
「ううん…違うの。少し離れたところにね、素敵な空家を見つけて…おばばに相談したら、使っても大丈夫だって。でね、引っ越したの。」
「…おばばの妖怪アパートの空きを待っている人もいたし」
ねこ娘は最後にそう付け加えた。
二人は手を繋ぎ、たわいの無い話で盛り上がりながら川べりを歩き、ねこ娘の家に向かった。
「ここよ…」
ねこ娘に手を引かれ、付いて行くと、そこには小さな一軒家が。
家の広さは、鬼太郎のゲゲゲハウスより少し広いぐらいだった。
「ヘぇ…こんなところに空家があったなんて…気がつかなかったよ。」
「ね?素敵でしょ。」
ねこ娘は家の扉を開けると、鬼太郎を中に招き入れ、人魂ランプに明かりを燈す。
小さい部屋だが、女の子らしくいろいろ飾ってある。
「あ・・・。」
鬼太郎とねこ娘は互いに指を指した。月明かりがあったとはいえ、周りの草が夜露で濡れており、互いの服は泥まみれになっていたのである。
あまりの酷い格好に、しばらく呆然とし、お互いを指差し笑った。
「うふふ、凄い格好だね。」
「ねこ娘だって…」
「そうだ…鬼太郎、ちょっと待っててね。」
ねこ娘は何かを思い出したのか、奥に行くと浴衣を持って戻ってきた。
28: 2018/09/07(金) 00:43:38.37 ID:9z6GwvU2(3/12)調 AAS
「本当はね、一緒にお祭りに着ていってもらおうと思って…おばばに教わって作ったんだけど…コレに着替えて?今そっちの服洗うから。」
「いいの?」
「だって、鬼太郎に来てもらおうと思って作ったんだもん・・・渡すのがちょっと早くなっただけだから…ね?お風呂も沸いてるから、先にどうぞ。」
「僕はいいよ…ここで着替えさせてもらうから、ねこ娘が入っておいでよ。身体…冷えてるんだろう?」
「…うん、じゃァ…」
鬼太郎に浴衣を手渡すと、ねこ娘は風呂場へ
今では見かけることの無い木製の、古めかしい作つくりの浴槽。
ねこ娘は夜露で汚してしまった自分の衣服を脱ぎ、自分の身体を洗うついでに、一緒に手洗いを始めた。
ザバー
湯船から桶にお湯をすくい、身体に浴びせる。
「あ〜ぁ、暖かい……鬼太郎のもさっき持ってくれば良かったな。そうすれば一緒に洗えたのに…」
今頃思い出しながら、手に石鹸を泡立てる。
「あたしのスカート…泥んこだぁ…綺麗に落ちるかしら…?」
「…ねこ娘?」
ふう・・・と一息つくと、扉の向こうから鬼太郎の声
「ひゃぁ!き・鬼太郎…どうしたの?」
「ココに来た事があるのって、僕以外に誰がいるの?」
何気ない問いかけ
ズズ…ドアに背をもたれ、鬼太郎が入り口に座ったようだ。
「住めるように直すのに、おばばとこなき爺に手伝ってもらったけど?」
「なんだ…僕が最初じゃないんだ…」
扉一枚を隔てた向こう側から、ちょっとがっかりしたような声に、ねこ娘は慌てて返事をする。
「でっ、でも、住めるように直してからは鬼太郎が始めて…だよ?」
「…」
「ホントだよ?」
しばらく返事が無いので、心配になり名前を呼んだ。
「…鬼太郎?」
「…ねこ娘……寒いんだ…僕も入っていいかな…?」
29: 2018/09/07(金) 00:46:28.32 ID:9z6GwvU2(4/12)調 AAS
「えっ…?」
「寒いんだ…とても…」
鬼太郎の突然の申し出に、ねこ娘はどうしようかと悩んだ。
でも、自分だってあんなに寒かったんだから、鬼太郎の身体も冷えてしまったに違いない、それに風邪でもひいたら…
「…いいよ」
と、返事を返すと、急いで湯船に浸かった。鬼太郎の裸を見ないように、入り口に背を向けて
ガララララ…引き戸が開く音がして、鬼太郎が中に入ってきた様だ。
ヒタヒタと足音が近づいてくる。
「石鹸…借りてもいい?」
「うん、そこの桶に入ってるから…」
後から鬼太郎の手が伸びてきて、湯船のお湯を桶ですくい、身体を洗い流すと、辺りに蒸気が立ち込め、空は白く染まる。
人魂ランプの僅かな灯りと、湯気であまり視界は良くない。
鬼太郎が身体を洗っている様子が耳に伝わる。
…そろそろかな…鬼太郎がこっち来るの…
自分が入ってもいいと返してしまったのだから、今更しょうがない…のだが―――どんな態度を取ったらよいのか困ってしまう。
「隣…入れてくれる?」
「…あ、ウン…」
見ないようにしてはいても、おぼろげながら風呂桶をまたぐ鬼太郎の足が視界に映ってしまう。
鬼太郎は身体の向きを変え、ねこ娘と互い違いに向き合うように湯船に沈んだ。
ねこ娘は胸を隠すように膝を立て抱え込む。手が…足が…ついつい肌に触れてしまい、ねこ娘はますます身をちぢ込ませた。
先にお湯に浸かってて良かったと、ねこ娘は思った。顔が赤くなってしまっていても、それはお風呂にのぼせてしまったと言い訳が出来るから
そんなねこ娘を横目に、鬼太郎は湯船に浸かってから何か言いたげにしていた。
ねこ娘がおばばのアパートを離れ、一人暮らしをしていたのも知らず、例え、おばばやこなきであっても、自分より先にココへ着ていたという事実に嫉妬していた。
僕だって…手伝ってあげるのに―――
子供っぽい、そんなやきもちを伝えられず、ちらりとねこ娘のほうを見やる。
白い頬が紅色に染まっている。湯気でしっとりした髪が肌に付いた様子が色っぽい。
鬼太郎の視線には気づいていないねこ娘は、出るか出まいか、ずっと悩んでいたが、湯あたり始めて身体が限界だ。
「…あたし、先出るね。」
「待って…」
背を向け立ち上がったねこ娘を、鬼太郎は腕ごと…抱きしめて、身体を拘束する。
「…きゃ、あ・危ないよ、鬼太郎。」
「今日…泊めてくれない?」
30: 2018/09/07(金) 00:49:13.42 ID:9z6GwvU2(5/12)調 AAS
ドクン……心臓が跳ね上がり、鼓動が早くなる。
「え…えっと…」
「僕は…何時でもねこ娘の一番で居たいんだ。駄目かなぁ?」
「で・でも…おやじさんがー」
「”いい”って言ってくれるまで離さない…それに―――父さんは、将棋に熱が入ってるから。」
―――多分朝になっても気が付かないよ…と
トン…鬼太郎の額が肩の辺りに当る。多分…”いい”と言わなければ本当に手を離してはくれないだろう。
でも、ねこ娘には、すぐに答えられない訳も有った。
もしもーあの”発作”が起きたのならば…鬼太郎にだけは知られたくは無いのに。
それさえなければ、鬼太郎と一緒に居たいのはねこ娘も同じで、迷うことなく返事ができた。
「ウン…いいよ。…大丈夫―――」
最後の言葉は自分に言い聞かせる為のもの。大丈夫…何も起こらないから、きっと大丈夫。
あの”発作”も毎日起こるわけでもないし、今日ぐらいは大丈夫だろう…そう思って返事をした。
”発作”は、初めて鬼太郎と一夜を共に過ごした数日後から、月に約1〜2度…起きるようになっていたが、ねこ娘は何故発作が起きるようになったのか、その原因も理由も何一つわかっていなかった。
鬼太郎の腕が緩むと、ねこ娘は洗いかけの自分の服を拾い、そそくさと湯船を後にする。
「…鬼太郎のタオル…そこに用意しておくから。」
後ろは振り向かず一言だけ残して、戸を閉ると、大きく一呼吸付く。
「あー恥かしかった…」
胸に手を当てる。
…まだ心臓がドキドキして落ち着かないよ…鬼太郎ったら突然あんな事言うんだもん…
頬が熱い…両手でつかんだタオルに顔を埋め、ぎゅっと握る。
ねこ娘は自分の両肩を抱き、先ほど抱きしめられて、肌に残った鬼太郎の感触が消えてしまうまでそうしていた。
―――どうしようもないぐらい、鬼太郎が好きなんだな…あたしは
身体をタオルで拭きながら、ねこ娘はふと鏡を覗き込んだ。
「―――!!」
鏡が映し出した己の姿に顔面蒼白になる。今日に限って…何で…?
「ヤダッ…どうして…?」
後ずさりし、背中に壁があたると、ねこ娘は鏡の前から逃げ出した。
31: 2018/09/07(金) 00:52:24.84 ID:9z6GwvU2(6/12)調 AAS
髪が…髪の毛が伸びている…発作が、発作が始った。
パタパタパタ…扉の向こうで聞こえる足音。
「ねこ娘?」
仕切られた空間の向こう側の、普通ではない様子に、鬼太郎は慌てて湯船から出る。そこにはねこ娘が使っていたであろうタオルが、投げ捨てられていた。
鬼太郎は急いで身体を拭き、浴衣を羽織ると、ねこ娘の後を追う。
ギシ…ギシ…鬼太郎の体重で廊下がきしむ。近づいてくる足音を聞きつけて、ねこ娘が叫んだ。
「来ないで!」
先ほどの部屋に行くと、布団が盛り上がっている。ねこ娘が中に包まっているのだろうが、様子がおかしい。
「…ねこ娘、どうしたの?」
「ゴメン…鬼太郎、今日は…今日は帰って…お願い…だから」
喉の奥からやっと搾り出しているような、悲鳴に近い細い声。
「さっきは”いい”って…」
「…ゴメン…ね…どうしても駄目になっちゃったの…だから…」
鬼太郎はねこ娘の傍に寄り身をかがめ、そっと布団の上から身体に触れると、布団ごとビクリとした反応がある。
「具合でも悪いの?」
「ダメッ…お願いだから…鬼太郎には見られたくないの…帰ってぇ…」
”僕には”?僕には見られたくない?!
”鬼太郎には見られたくない”と言われて、先ほどの嫉妬の炎がふつふつと燃え上がる。
「だったら?僕以外の誰になら見られてもいいって―――。」
少々怒り口調で、無理やり布団を剥がす。
中に居る少女が自分に向けた瞳は、確かにねこ娘のものであるはずなのに…
「―――そんな馬鹿な!倒したはずだ…」
今日、ねこ娘に出会ってから一度だって辺りに妖気は感じなかった。
穏やかな夜…妖怪アンテナだって反応してなかったのに
目の前の少女は、無言のまま…瞳に大粒の雫をため、今も尚変貌をしつづけている。
既に髪は肩まで伸び、先ほどまでの幼い肢体は徐々に艶やかな女性のものへと変わりつつあった。
32: 2018/09/07(金) 00:55:43.25 ID:9z6GwvU2(7/12)調 AAS
「どうして…?どうして見ちゃうのよぉ…来ないでって…帰ってって…ちゃんと言ったじゃない…こんな風になるところなんて…見られたくなかったのにぃ…」
「馬鹿!こんな事になってるのに、どうして今まで一言も言わなかったんだ!一人に…一人にして帰れるわけ無いだろ!」
鬼太郎のあまりの剣幕に、ねこ娘は目を見開きビクンとなる。
「ご…ゴメン…でも、心配だったんだ…」
「…」
「くそ…ラクサシャはまだ生きてるのか?!一体何時から…なんだってこんな事に…」
鬼太郎は、怯えるねこ娘の肩を掴み、彼女の身体を引き寄せた。
心臓にナイフを突き立てられたようなショックだった。いったい何時から彼女はこの恐怖に一人耐えていたのだろう?…そう思うと、身を引き裂かれるようで、やりきれない。
その間にもねこ娘の身体は、鬼太郎の腕の中で成長しつづけていた。ラクサシャに操られていたときの記憶は、ねこ娘に残っていなくて―――幸いだと思っていたのに
「わ…解んないの…誰にも…何もされてないのに…突然髪が伸びて…、いつも恐くて…恐くて…でも、朝になると元に戻ってるから…が・我慢して―――。」
「…ねこ娘」
怯えて泣きじゃくるねこ娘を前に、鬼太郎はそれ以上言葉を紡ぎだす事が出来ずにいた。否、かけるべき言葉が見つからなかった。
ラクサシャの時とは違う、姿は変わっていても中身はねこ娘のままなのに―――だったら何故こんなことに?
「…お願い…もう大丈夫だから…帰って?」
「そんなこと…!!」
「…まだなの…もうこれ以上見られたくないの…だから…」
「”まだ”って…いったい」
胸はたわわに実り、身体は滑らかな曲線を描き下腹部には薄紫色の茂み…女性になりきったねこ娘の肢体が長い髪の間から見え隠れする。
湯上りのせいか、肌はほんのり桜色に染まり、とても…とても美麗だ。
なのに、ねこ娘は再び布団にもぐりこんだ。かぶっている布団が小刻みに震えている。
「…あぁ…いやぁ…鬼太郎…お願い…一人にし…てえぇ…ッ」
「ねこ娘?」
そんな状態で、どうして一人に出来ようか?彼女を唯一人にして、ここから帰る事など自分の心が許せない。
最初は苦しくて喘いでいるのかと思った。
しかし、聞くほどに声の艶は増して…
「ンンッ……は…ぁ…ああ…っ…ぅうう……」
小刻みに震えていた布団は、やがて痙攣を起こしているように動きはじめる。
とうとう鬼太郎は、心配のあまり我慢できず、布団をめくった…その下には、身体を丸めたねこ娘が、何かを必死に耐えている様子だった。
「しっかりしろ!ねこ娘。僕を…僕を見るんだ!!」
両手首を掴み、仰向けに身体を寝かせる。こんな…こんな状態だと言うのに、うっすらと紅を帯びた肌に絡まる髪…身体を攀じる仕草…その華美な様子に見とれてしまう。
「……綺麗…だ…」
そんな想いがつい言葉になって漏れてしまった。
鬼太郎の口からこぼれた言葉に、ねこ娘は一瞬目を見開き、また瞑る。
33: 2018/09/07(金) 00:59:23.77 ID:9z6GwvU2(8/12)調 AAS
「…ヤ…ダぁ…何…言ってるの…よぉ…」
両腕を抑えられている為、上半身の動きは封じられている。それでも僅かに身を攀じり、足を擦り合わせている。
仰向けに寝かされてるのに、形よく張った乳房の先端は尖り、よくよく見れば内股は濡れているのではないだろうか?
ねこ娘は、自分の身体がどのような状態になっているのか解っていないから怯えていたのだ…が、この状態はどう見ても…
ゴクリ…鬼太郎は唾を飲み込んだ。そして、恐る恐る乳房に手を伸ばし、掌全体で包むように、親指の腹で蕾に触れた。
幼い鬼太郎の掌に収まりきらずに溢れる豊かな胸は、元の姿の時とはまた違う柔らかさと弾力を併せ持っている。
その吸い付くような肌のきめ細かさに思わずため息が漏れてしまう。
「ひぃ…ッ…」
ねこ娘の背筋が反る。身体は明らかに悦びの反応を示す。ほんの少しの愛撫…その、一滴の水が水面に起こす波紋のように伝わっていく様が、指先に返って来る。
震えるねこ娘の唇に、鬼太郎は自分の唇をやんわりと重ねた。
「…鬼太郎…助け…て…あたし…どうなっちゃったの…?」
言葉もたどたどしく、ねこ娘は鬼太郎の背に手を回しぎゅっと抱きついてくる。
多分…これは自分が原因で目覚めてしまったのかもしれないと、まだ”何か?”を知識で知るよりも先に、妖力封じの首輪まで使い半ば犯すようにして華を開かせたのが…
おそらくラクサシャの一件で、無意識下で開花した大人への憧れと女への目覚め。本来ならまだ目覚めるべきではなかった奥底に眠る”それ”を、この前の行為が完全に覚醒させてしまったに違いない。
その目覚めてしまった部分にねこ娘自身が理解できておらず、このような事態になってしまったのだろう。
鬼太郎は愛しい人に対する配慮の無さを詫び、抱き寄せた。
「…ゴメン…ねこ娘に対する”好き”が足りなかったみたいだ。」
ねこ娘の…白魚のような手を取り、細い指先に唇で触れ、自分の頬に押し当て、頬擦りをする。繰り返し繰り返し…何度も…何度も
「…鬼太郎?」
ねこ娘が自分の意思で鬼太郎の頬を撫でる。視線が交わると鬼太郎とねこ娘は、再び唇を重ね合わせた。ただ…ただ触れているだけの永い口付…
「鬼太郎…いつも迷惑かけてばかりで…ゴメンね。」
「…何を言って…」
「だって、鬼太郎は忙しいのに…あたし迷惑かけちゃいけないって…なのに…またこんな風に…なっちゃって…ほ・本当は、凄く…凄く恐くて…鬼太郎に助けて欲しかった…こうして傍に居て欲しかったの…。我侭かなぁ…あたし…我侭…だよねぇ…?」
自分よりも約30センチは背丈の小さいであろう鬼太郎に、ひしとしがみ付き、瞳からは大粒の真珠のような雫を溢れさせた。
滴は鬼太郎の浴衣に吸い取られ、生地を色濃く染める。
姿形は大人になっても、中身は元のねこ娘のまま…小さいねこ娘の…
震える身体を抱きしめ、とめどなく溢れる涙を唇でぬぐう
「我侭なんかじゃないさ、だって、ねこ娘は僕の大事な人だもの…僕の一番なんだから…」
「〜鬼太郎…ヒィ…ン…」
そのやさしい言葉に顔をくしゃくしゃに涙する。
もっと、もっと甘えても…頼ってもいいの?…言葉にならない思いを心の中で唱える。
「…せっかく、大人のねこ娘に変身しているのに…綺麗な顔が台無しだよ?」
鬼太郎はこつんと額をねこ娘に合わせる。互いの目と目があうと、口元には自然と笑みがこぼれ、首に、肩に…自分の腕を回し相手の身体に絡める。
唇に軽く触れ、次には深く、貪欲に相手の唇を求めた。口端からは互いの混じった唾液が伝い、淫猥な水音を立てている。
ようやく唇を離したかと思えば、どちらのものともつかぬ透明な糸が、ツゥーと互いの口に橋をかけ……中心辺りから細くなり切れた。
34: 2018/09/07(金) 01:01:58.89 ID:9z6GwvU2(9/12)調 AAS
「ふふふ…なんか…鬼太郎があたしよりずっと小さいのって、なんか変だね…」
クスクス笑うねこ娘。
”自分より小さい”と言われ、少々ムっときた鬼太郎は、ねこ娘の手首を掴み、押し倒した。
「きゃっ…」
「でも、力は僕の方が上…だけどね?」
腕の下に組み敷かれ、大きな瞳に射すくめられる。やっぱ…鬼太郎は男の子なんだな…そう感じさせられると自然と胸が高鳴り、頬が高揚してしまう。
まっすぐな瞳に吸い込まれそうで、直視を続けられずに、フイと顔をそらした。いつものやさしい鬼太郎の表情と違う、男の子の表情に惹かれて…少し怯えた。
鬼太郎は、腕を掴んでいた手を掌をあわせるように滑らせ、手を握った。また、ねこ娘も答えるように指を絡める。
「あ…」
首筋に…胸元に…紅い花びらの跡を一つずつ散らせていく。やさしく慈しむように自分が愛した痕を、一つ一つ白い肌に刻む。
敏感な肌は素直にねこ娘に悦びを伝え、唇から甘露が漏れる。
胸に実るたわわな果実に手を伸ばし、肌との不思議な一体感を手に感じながら掌全体で揉みしだき口に含むと、僅かにねこ娘の背骨が反る。
ココにも痕を付けるように、強めに吸い付き、舌先で先端を押しつぶすように転がすと、全身を痙攣させ…歓喜の音が奏でられ、それを聞くたびに胸の底がジンジンと熱く昂ぶる。
そのまま、舌と唇で身体を愛撫し、少しずつ下に移動する。鬼太郎の頭が自分の腹部にくると、次にどうなるのかなんとなく悟ったねこ娘は、ほんの少し身体を開いた。
開かれた身体は恥じらいの為か、鬼太郎の身体が納まる程、余裕は無かったが、ソレが彼女の精一杯だった。
真直ぐに自分を受け入れようとしてくれるねこ娘の健気さに、鬼太郎は愛しさを感じずには居られない。
僕の可愛い人…
薄紫色の茂みに触れ、付け根を両手で押し開け、蜜を滴らせていた花を愛でる。其処はまだ開ききっていなかった時とは違い、完全に花開いている。
その色香に誘われ、鬼太郎は舌を挿れた。
「―――っ!」
ずっと刺激を待ちつづけていたところに舌を挿れられると、ねこ娘の白い喉が反り、悲鳴のような声が漏れた。
ほんの少し、腰が浮き上がると、鬼太郎はそばにあった枕を腰の下に置き、浮かせたままの状態にさせる。
「…ゃあ…そんなに…見ないで…」
クチクチと、鬼太郎の舌が動くたびに淫猥な水音が耳に届き、痺れるような快感に耐え切れない。
両手で鬼太郎の頭を抑え、開かれた両足は折れた膝からつま先まで緩やかな孤を描いている。ほんの少し固く膨らんだ雌蘂に尖らせた舌先で刺激を与え、太ももの内側にも紅い花びらの痕を残す。
頭を左右に振り、どんなに涙を流してもこれは歓喜の涙。先ほどまで流していた涙とは全く別の―――
鬼太郎が上半身を起こすと、扇状に広がった髪の中心に、息を荒げている少女の姿。
呼吸をするたびに、胸は揺れ、汗で潤った肌はほんのり色付いて…誰も見たことの無いその表情が、姿が艶やかで…
永遠に独り占めしたい…自分の中に取り込んで、誰にも触れさせたくない―――そんな狂気じみた独占欲を内に秘めさせる。
滾る自分の雄蘂を、ゆっくり彼女の蜜壺に沈めていく、ソレが唯一、今のねこ娘を救う方法であり、鬼太郎の最大の望みでもあった。
鬼太郎にそうしてもらう事を待ち望んでいた彼女の花は、抵抗することなく緩やかに受け入れ、包み込み、奥へ奥へと誘う。
気持いい―――根元まで埋め込んだだけなのに達してしまいそうなほど、熱く滑りを帯びていた。
35: 2018/09/07(金) 01:06:20.25 ID:9z6GwvU2(10/12)調 AAS
「鬼太郎―――」
ねこ娘の細い腕が首に絡まってくる。
身体の、ほんの一部分を結合させているに過ぎないのに、其処から全身に快感が染み渡り、言葉では表しようの無い悦楽が五感を支配する。
いっその事このまま溺れて、二度と戻れぬ世界へ…と、全て捨てて、全て忘れて二人きり…堕ちてしまうのもいい
そんな事を思いながら鬼太郎はゆっくりと動き始めた。微熱で蕩けてしまいそうだ…身も…心も―――
ほんの少し…微塵の気の緩みすら許されない。例え僅かな隙でも、瞬く間に飲まれてしまいそうなこの身体。
勿体無さ過ぎて、時間をかけて、もっと…もっとじっくりと…満ちたい…満たしたい。己の限界ギリギリまで、意識を保ったまま…
唯一繋がっている処から伝わる極上の至福を、全身でゆるりと味わう。
「…ねこ娘」
鬼太郎に名前を呼ばれると背筋がゾクゾクするような快感が、電気のように身体を走り抜ける。
内壁を抉られ、天を突き上げるほどに好く、その度に口からは淫らな声が漏れてしまい、幸せでありながらも恥かしい。
それが更に鬼太郎の欲情をそそっているとも知らずに、気恥ずかしさを悟られまいと髪を乱す。
乱れた長い髪は身体と心が充分に満たされている証。
ねこ娘が浴衣から肌蹴た鬼太郎の鎖骨辺りに吸い付いたその時。またもや突き上げられて、肌に歯を立ててしまった。
瑞々しい肌に刻まれた、小さな歯型には、薄らと血が滲む
しかし、抉り抉られて…快楽の虜に、只の牡と牝になっている二人には、些細な事…それは行為の一部にしか過ぎない。
その間も鬼太郎はねこ娘の中を往復している。
ギリギリまで抜いて、逃さぬように締め付け纏わり、奥深くまで誘い、天高く突き上げる。ただ…ただその繰り返し
動くたびに揺れる白い乳房、交わる互いの声…飛び散る汗
傍から見れば、幼い少年が自分より背丈の高い女性を犯すこの奇妙な光景も、2人には関係なかった。
互いの顔しか見えない…声しか…聞こえない。あとは天まで昇りつめ、意識を夢白色の世界に開放するだけ。
鬼太郎とねこ娘はきつく抱き合い、まどろみの中で互いを確かめるように名前を呼び合う。
「あぁ…キ・タロ……鬼太郎…スキ…大好き…ッ…」
「はぁう…っ」
ギチ…と内壁に締め上げられ、鬼太郎の声が漏れた。僅かに表情が歪む
―――嬉しい…あたし…鬼太郎も?…
腕の下で鬼太郎の顔をぼんやりと見つめながら、幸せを実感する。
羽織っただけの浴衣は乱れ、汗で潤った互いの肌は、僅かな灯火に照らされ光っている。
吐息に混じり聞こえる喘ぎ声は、自分が発してるのか相手のものなのかもわからない。
意識も、身体も一つになり夢白色の世界へ、唯ひたすら、それだけを目指して…営みを続ける。
緩々と、激しくはないが細胞一つ一つが燃え上がるような熱い契に、やがて鬼太郎の動きが止まり、ねこ娘の中に一気に精を流し込む。
熱液が中に注がれると、ねこ娘は全身を反らし、ソレを総て受け止めた。
全て注がれた後もまだ二人は繋がっったままに…ねこ娘の身体が余韻で全身を痙攣させているのが解る。
僕だけ…僕だけしか見たことの無い、ねこ娘の表情―――
「…きた…ろう…」
力なく名を呼び、手を差し伸べる。鬼太郎はその手を取りしっかり握り締めた。
どちらからとも無く唇を寄せ合い、身を寄せ抱き合う。
幸せの余韻の中、二人は深い眠りに陥った―――
36: 2018/09/07(金) 01:09:44.63 ID:9z6GwvU2(11/12)調 AAS
翌朝、目覚めた鬼太郎は隣に眠るねこ娘の姿を確認した。
いつもの、小さいねこ娘の姿に戻っている。
無邪気な寝顔―――どんな姿をしていても彼女に代わりは無いが、やはりいつもの姿が一番愛しい。
夕べ、ねこ娘につけられた鎖骨の歯形を指でなぞる。何故か嬉しい
…この紅い痕、しばらく残しておこう…僕の身体に
歯形に気を取られている横で、ねこ娘も目を覚ます。
眠気眼をこすりこすり、ボーっと起き上がり、鬼太郎と目が合う。
昨晩の情事が走馬灯の如く頭を駆け巡り、記憶が蘇る。
ボボボ…何も言えずに顔を真っ赤にして、鬼太郎を映した瞳を見開いたまま硬直している。
やがて、もじもじと布団を手繰り寄せ、生まれたままの姿の身体を包み隠す。
「…あの…鬼太郎…?」
顔を赤らめたまま、口元を隠し…視線を合わせられない。
”発作”が有った朝、悲しくて寂しくていつも泣きながら目覚めていた。
目が覚めた時の虚無感…
なのに今日は違う…心が温かくて、こんなに幸せに満ち足りた朝をはじめて迎えた。
鬼太郎が最後まで自分の傍に居てくれたおかげだから…
「ありが…とう…」の、小さな声。
鬼太郎はねこ娘に優しく微笑み返す。
「僕…良く効いたでしょ?」
「…ぅ…ウン・・・」
ねこ娘は耳まで赤く染め上げ、布団に包まってしまう。
「僕もねこ娘に貰ったから…」
指差すのはねこ娘の噛んだ痕
「…!!やだぁ…そんなの残さないで…他の人に見られたら恥ずかしいよ…絶対なんか言われちゃう―――」
「服を着れば大丈夫だよ。」
「鬼太郎だったらソレぐらいの痕…すぐに消せるじゃない…なんでっ…」
「せっかくねこ娘がつけてくれたから、消してしまうのが勿体無くって。」
37: 2018/09/07(金) 01:11:17.72 ID:9z6GwvU2(12/12)調 AAS
「それに…」
「…それに?」
「この痕は、ねこ娘以外の誰にも見せないから…ね?」
鬼太郎はそう言うと、ねこ娘の言葉が出る前に唇を塞いだ。
―――これからは、何時でも僕が傍に居るから―――
唇をいきなり塞がれ、あっけに取られていたねこ娘も、やがて唇の誘いを受け入れ、二人は布団の海に身を沈めた。
また…また今回のような事があっても、ねこ娘は孤独と恐怖に怯えなくてもいい。
これからは”鬼太郎”という、この世に只一つの良薬がいつでも傍に居てくれるのだから…
<終わり>
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