[過去ログ] 【朝ドラ】梅ちゃん先生でエロパロ2 (513レス)
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440: 406 2012/10/16(火) 19:10:33.00 ID:vSWlWERz(1/16)調 AAS
>>438>>439
こんなチンタラした話に期待までしていただき本当にありがたいです!
ただ特にこの後の展開は正座して読むような内容では決してありません
願わくば気持ちよく「ズコー」っと脱力し、その後苦笑していただきたい
その辺りどうぞよろしくお願いします…
441: SP抱擁後山倉弥生22/34 2012/10/16(火) 19:10:34.00 ID:vSWlWERz(2/16)調 AAS
その時――
廊下から微かにカツーンカツーンという、革靴の音が聞こえてきた。

『…こっ、こんな大事な時にっっ!!…松岡君、恨むよぉぉおぉ…』
それでもさすがに、この行為をこのまま続けるわけにもいかない。
意識もおぼろげな弥生のブラウスのボタンを、山倉は懸命にとめようとする。

弥生の唇がゆらり…と山倉の唇に近づき、心ならずも山倉はそれをよけた。
弥生はなおも唇を寄せようとする。
一方、革靴の音はどんどんと近づいてきていた。

あまりの甘い拷問に、山倉は半分パニックに陥りながら、
「弥生さんっ、まずい、まずいから…」と懸命に弥生の誘惑をかわしつつ、
弥生の衣類を元通りにしようと必死に試みる。
絡みつく腕を引き剥がしながら、膝に乗せているこの体勢がまずいのか、と
弥生を膝から降ろそうとしたところで…。

「え?」
トロリとしたモノが、山倉の脚に触れた。
弥生の体内から溢れ出たそれは、山倉の太ももを伝い、糸を引きながら床に落ちる。
解っているのかいないのか、弥生がさらに腰をすり寄せてくる。
山倉のそそり立つものに、粘液を滴らせた弥生の性器がぴちゃりと音をたてて押し付けられた。

その瞬間、山倉の背筋にビリリッと電流が走った。
さらにその甘く潤った器官を、自分の張り詰めた性器に擦り付けるような動きをされ、山倉の最後の理性が吹き飛ぶ。

『…二人のこんな大切な時間を、松岡君なんかに邪魔されてたまるものかっっ!!!!
 この行為をやめずに彼を追い払うには……もう、こうなりゃ恥も外聞もないっ。 
 弥生さん、僕達は一蓮托生だ……いいね??』
442: SP抱擁後山倉弥生23/34 2012/10/16(火) 19:10:35.00 ID:vSWlWERz(3/16)調 AAS
山倉は見てはいけないモノを見でもするかのように、眩しげに目をパチパチしばたかせながら、
弥生のスカートを大きくまくし上げて二人の体が接する場所を覗き込んだ。
そして、弥生のなめらかな尻を片手で持ち上げると、自分の角度ももう一方の手で調整しながら、その狙いを定める。
クチュ、と山倉の先端がめり込むと、弥生がハッとしたように目を見開いた。

山倉はゆっくりと弥生の秘めた場所に自分を埋め込んでいく。
以前とは違い、充分な潤いに満ちたその器官に、すんなりと山倉の先端部分が挿入された。
やがて、まだ広がりきっていない弥生の内部に先端の膨らみを全て呑み込ませるのが難しくなると、
一度後退し、山倉は慣らすようにゆっくりと再び弥生の中へと進行した。
ふくらんだ先っぽを全て呑み込ませると、急に弥生体全体が震え、弥生が抵抗するように床に足を踏ん張り、身をよじった。

「弥生さん…痛いのかい?」
弥生は首を振りながら、山倉の腹に手を置き、体を離そうとする。
卑猥な形の先端部分が弥生の体から顔を出すと、それが完全に抜けきらないうちに弥生は動きを止めた。
その状態のまま、弥生は何度も緩く首を振る。
痛いのか、気持ちがいいのか、その両方なのか…もしかしたら、弥生自身にもわかっていないのかもしれない。
しかしそんな二人の格闘をよそに、松岡の足音はすぐ近くまで迫ってきていた。

「やっ、弥生さん!!」
片手で弥生の体を支えながら、もう一方の手で山倉は弥生の顎をとらえ、その目を覗き込む。
「…弥生さんは僕を好きだよね?僕を信じてくれるね??」
ジッと弥生を見つめると、かすかにだが、弥生がうなずくのが解った。

「大丈夫、痛くないから。……ほら、入って…、く」
弥生の腰を少し強引に引き寄せ、先ほど呑み込ませたところまで、もう一度ゆっくりと自分を埋め込んでいく。
そして、さらに奥深くを、山倉は丁寧に探っていった。
唇を噛もうとする弥生に、なだめるように口づけし、いやらしく腰を揺すりながら結合を深める。

「…んんっ」
かなり深くまで浸入されて、たまらずに弥生が喘ぐ。
弥生を追い詰めるように、少し速度を上げ、山倉は柔らかい襞の間を突き進む。

「あっ、ん…んっ」
弥生のあげるその声には、辛さだけではなく、甘さも漂っていると山倉には思えた。
初めてに違いない弥生でも、体の奥底で感じたり出来るものだろうか…?
医者であっても経験が豊富とは言えない身の山倉には、女体の反応は未知数な要素が多すぎる。

しかし、山倉は祈るように、慎重に己を突き入れ、引き出し、再び己を埋め込む作業を繰り返す。
そして、細かく振動を与えるように腰を震わせると、
「あっ、あぁあ、ん!」
と弥生がひと際大きな声をあげた。

弥生の状態に嬉しさも感じつつ、『…しかし』と山倉は思う。
松岡にあえてこの状況を“正しく”伝えるためには、こんな音量では足りないはずだ。

「もっと…もっと気持ちよくなるんだ、弥生さんっ!」
山倉は、弥生が発する快感を示すサインに全神経を集中させ、
弥生の体全体に快楽を埋め込むべく、自分の体全てを使って弥生をとことんまで高めようと集中した。
443: SP抱擁後山倉弥生24/34 2012/10/16(火) 19:10:36.00 ID:vSWlWERz(4/16)調 AAS
気を抜くとまぶたがくっ付きそうな睡魔に襲われながら、松岡は懸命に歩を進める。
山倉君と…弥生さんはちゃんと、話せたんだろうか…?
何度も足をふらつかせながら、松岡は病棟を回りきり、もと居た医局の前に戻ってきた。

…と、なにやら部屋の様子がおかしい。
あれは…弥生さんの声?
女性の悲鳴にも近い声が、切れ切れに聞こえてくる。

ま、まさか、山倉君が弥生さんに……暴力を!?
眠気も吹き飛び、松岡が思わず駆け出しかけたその時、

「…あっ、あんっんっ…あ、やぁっ」
「は?」
「やっ、ああっ、ん、あ…ぁ、あ、あぁっん」

それは…明らかに、女性がある特定の行為の中だけで発する…。

「…やっ、弥生さんっ」
切羽詰ったような山倉の声。
そしてその荒い息遣いに合わせるように、歴史のある建物の床がギシギシと軋みをたてる。
「え、えぇっと…これは…」

「あ、だ、め、ぁんっ、おくっ…あっ、んっ、や、や、ま倉さ、ん…お、奥っ、が」
「こっ、ここ?」
「やぁあっっん、だ、めっ」

うわぁあああああぁあああああ!!!!!!!!

血相を変えて踵を返し、その場を走り去ろうとする松岡の後ろから、息を弾ませる二人とは違う声が廊下に響く。
「あら?松岡先生、まだお帰りになられてなかったんですか?」
すぐそばの部屋での乱痴気騒ぎが聞こえていないかのような、神田の涼やかな声が辺りに反響する。

「なんです?山倉先生達はこんな真夜中に取っ組み合いのケンカですか?
 私が止めてきましょう」
「だめだぁぁああああ!!!!!」
「は?」
尋常ではないテンションの松岡の制止に、まるで事態の解っていない神田が首を傾げる。
444: SP抱擁後山倉弥生25/34 2012/10/16(火) 19:10:37.00 ID:vSWlWERz(5/16)調 AAS
「どどどどどうして神田さんがここにっ」
そう言いながら瞬間移動のように神田の元に滑り込んできた松岡が、神田の腕を引っぱる。
「いっ、行こうっ!」
「いえ、私は山倉先生に用事がありまして…」
「な、なんだってっ!?」
松岡の声が荒くなる。

「山倉先生は好きな男に肩を揉まれるべきだとおっしゃったのに、
 私が揉んでいただこうとすると、自分にはその権利がない、とおっしゃいました。
 一応その理由をあれこれ話してくださいましたが…しかし、私には山倉先生にはその権利が有ると思うのです。
 なぜなら、その権利を与えるのは、その行為を受ける私自身であって…」
くどくどと自論を繰り広げようとする神田に、松岡が形相を変えて声を被せる。

「そんなに肩を揉まれたいなら、僕がいくらでも揉むっ!
 恋愛感情と肩もみの気持ちよさの相関関係が知りたいなら、後で資料でも何でも探してやるっっ!
 だから今は僕の指示を聞くんだ。神田さん、君は一刻も早くここを立ち去れっっ!!!」
「…しかし、その指示の根拠が私には…」
「医学界には厳格な年功序列があることを忘れるな!!先輩の言うことには素直に従うんだっ」
松岡が凄みをきかせて神田の肩をぐぐぐと握り込む。
さすがの神田も、その迫力に押されて、珍しくも素直にコクコクとうなずいた。

「やっ、あ、あ、あ、あ、あっ、んーっっっ!!!」

「急げ!!!」

ひと際大きく響き渡る弥生の嬌声を背に受け止めながら、二人は脱兎のごとくその場を逃げ出したのだった。
445: SP抱擁後山倉弥生26/34 2012/10/16(火) 19:10:38.00 ID:vSWlWERz(6/16)調 AAS
二人分の走り去る足音を聞きながら、山倉はようやく腰を突き上げる速度を緩めた。
弥生はと見れば、初めての性交にもかかわらず、あまりにも激しく追い立てられて、
ピクッピクッと床につけた足を痙攣させながら、下腹部を支配する鈍い痛みと、それ以上の快感に、
まぶたを閉じつつ、山倉にダラリと上半身を任せている。

「…むっ、無茶してゴメンっ。もう、大丈夫だから…」
避妊もせずに始めてしまった行為に、射精だけはと我慢してきたが、それももう限界に近い。
山倉は、ゆっくりと弥生の体を持ち上げ、その体から抜け出ようとした。……が。
「えっ?」
「…んんんっ」
弥生の体がさらに上からしなだれかかってきて、またもやその内部に己を深く突き入れてしまう。
弥生の最上級の切ないため息が山倉の耳元に注がれる。
「だ、だめだ、弥生さん、もう、もたないっ、か、ら」
しかし、山倉を使って更なる快感を得ようとでもするように、弥生はさらに腰をくねらせた。

「だっ、だめっ…だっ…」
「……だ、い…じょ、ぉぶ、」
弥生のその言葉に、思わず山倉は相手の顔を凝視してしまう。
「ちゃん…と、…けい、算した、か、ら」
「…え?い、いつ、そんなの…」
「い、ま」
息を上げ、うわずる声で切れ切れに弥生が答える。
山倉とて医者の端くれ。女性の月経の周期によって安全な日が割り出せることは知っていた、が…。

「でっ、でもあの方法は、確実性がもう一つで…」
…いつもならこんなセリフを吐くのは、山倉ではなく弥生のはずなのだが…。
「……ん…ちょ、だ…いっ」
弥生がぎこちなくも懸命に体を上下に揺すって、途切れてしまった快感を取り戻そうとする。
もどかしそうに腰を揺らめかせる度に、ぷっくりと膨らんだ乳房が山倉の目の前でぷるぷると揺れる。
そんな光景を目の前に突きつけられて、山倉の我慢が続くはずもなかった。

山倉は素早く弥生の腰に腕を回す。
そして、ぐっぐっぐっと大きく腰を上下に揺すって、再び弥生を突き上げ始めた。
弥生も懸命に山倉にしがみつきながら、山倉自身をもっと奥深くまで呑み込もうとする。
二人は呼吸を合わせ、共に高みを目指していく―

「で、る…っ」

山倉の呟きに、本能的に恐くなったのか、かすかに弥生が腰を浮かせた。
しかし、山倉の力強い腕がそれを許さない。
細い腰をしっかりと自分の身に引き寄せると、まるで弥生を孕ませる目的でもあるかのように、
放出の度に大きく腰を回して、内部にぬめる自分の分身の先をこすりつける。

愛する男の体液を体の内に浴びせかけられながら、弥生は例えようもない幸福感を味わっていた。
ほどなく、内部の細やかな収縮が始まる。二人は、お互いの体を強く抱きしめ合いながら、その絶頂の時を分け合った。
446: SP抱擁後山倉弥生27/34 2012/10/16(火) 19:10:39.00 ID:vSWlWERz(7/16)調 AAS
は、は、は、とまだ息も絶え絶えの二人の耳に、かすかにだがまたしても足音が聞こえた。
―松岡と神田が、病院で許されるはずもない破廉恥極まる行為を止めるべく、戻ってきたのだろうか?

「せっ、先生っ!患者さんの容態が急変しましたっっ」

まだ距離のある廊下から、切羽詰った声が届く。
その声は、違う階で夜勤に詰めている看護婦のものだった。
二人は瞬間的に結合をとき、慌てて身なりを整えだす。
焦りのあまり、チャックを上げきれない状態で、山倉はドアをかすかに開けると、声を張り上げた。

「病室は!?」
「こっ、この病棟2階の、一番奥です!」
「すぐ向かうっ」

脚に残った二人の体液でしっとりと湿っていくズボンを白衣で隠し切った山倉は、
愛する人の体を気遣い、しばらくここで待機するように声をかけようと振り向いた。
そのお相手である弥生は、震える手で懸命にブラウスのボタンをとめようとしている。

「…大丈夫かい?」
手伝おうと山倉は手を伸ばすが、
「だっ、大丈夫よ!」
弥生が硬い声でそれを拒む。
しかし、全身が小刻みに震えているので、何度挑戦してもボタンは一つもとまらない…。

「弥生さんは、ここで待っててくれたらいいから。ちょっと行って来るよ」
「私だって医者よっ、行くわ!」
責任感の強い弥生らしい答えではあったが、手の震えは大きくなるばかり。
そこには、さきほどの快感に酔う甘やかな姿はもう無く、強がりを言い強情ばかり張る、いつもの弥生の姿だけがあった。

山倉の脳裏に、今まで見てきた彼女の様々な姿が走馬灯のようによみがえってきた。
決して女性であることに甘えず、男性と肩を並べて一生懸命にここまで歩んできた彼女を自分は知っている。
確かに弱みを人に見せないのは弥生の美点だが、その分男社会である医療界で、ずいぶん無理もしてきただろう。
今まで彼女の表面的な態度に振り回されて、自分一人で悩んでみたりもしてみたが、この人とこれからも共に生きていくなら…。
447: SP抱擁後山倉弥生28/34 2012/10/16(火) 19:10:40.00 ID:vSWlWERz(8/16)調 AAS
山倉は、すぅっと大きく息を吸い込むと、
「弥生さんっ!」
突然大きな声で呼びかけた。

「僕のことが好きかい!?」
にらむような目で尋ねられ、弥生は勢いに押され素直にコクンとうなずく。
「“今日のこと”はもう無かったことに出来ないよ?それでいいんだね!?」
先ほどまで二人でむさぼり合っていた行為を思い出して、思わず弥生は頬を赤らめた。
そして、今度は覚悟をしたように、しっかりと山倉の目を見つめ、うなずく。

「なら…」
山倉は弥生の元にずいずいと歩み寄ると、胸元のボタンを丁寧にとめ始める。
「…もう少し甘えてくれないと」
山倉の声に、もう厳しさはない。
綺麗にボタンのとまったブラウスをスカートの中に器用に入れ込んで、上から白衣のボタンをとめると、
「さ、行こう!」
山倉が弥生に手を差し出した。
弥生はその手を思わず見つめる。

「大丈夫、手を握るのは人が居ない間だけだよ」
山倉は弥生に顔を寄せると、二人きりの時以上に人前では照れ屋になる弥生を安心させようと、そっと囁いた。
弥生は目の前の山倉をじっと見つめると、大きく首を振る。
やはり外で手をつなぐのは恥ずかしいのかと引っ込めかけた山倉の手を、今度は弥生の手がしっかりと包み込んだ。
「早く、行かなきゃ!」
そう言って山倉の手を引き、弥生の方が先に外に飛び出す。

廊下で待っていた看護婦が、手を繋ぎ合って走ってきた医師二人を見て、目をパチパチとしばたかせる。
人の姿が見えても、弥生は山倉の手を離そうとはしなかった。
「今日だけだから、ごめん!」
すり抜けざまに山倉が看護婦に謝ると、
「……あら、今日だけでいいの?」
先を行く弥生が、山倉を振り向きもせずに問いかける。
だが、山倉の想像では、今弥生の顔は真っ赤に染まっているはずだ。
「いいんだ…二人きりの時に弥生さんが甘えてくれるなら、僕はそれだけで充分なんだ」
山倉の呟きが聞こえたのだろう、山倉の手の中の弥生の手がピクッと反応を返す。
その会話は、数時間前には考えられなかった、あまりに2人らしい愛に溢れたものだった。
448
(1): SP抱擁後山倉弥生29/34 2012/10/16(火) 19:10:41.00 ID:vSWlWERz(9/16)調 AAS
一つだけ明かりのついた病室の前に着くと、二人はどちらからともなく手を離した。
「…この勤務が終わったら、二人でどこかに行こう」
そう言ってから、「遅くなりました!大丈夫ですか!?」と医者の顔になって、山倉が病室に入っていく。

明日は確か、神田さんとの約束があったんじゃないのかしら?
弥生は山倉も忘れているらしい事実に思い当たるが、
『…まぁ、いいか。その時は、「私のために、神田さんとのコンサートは断って!」って…甘えればいいのよね?』
山倉の言葉に忠実に従うつもりの弥生は、一人うんうんと頷く。

そして弥生は、一度深く息を吸い込むと、「遅くなってスイマセン!!」
いつもの『真面目な澤田先生』に心を戻して、一足先に患者の容態を確認している山倉の元に駆け寄った。

―二人の息の合った応急処置のお陰で、無事患者は危機を脱する。
遅れて駆けつけた看護婦は、的確な処置の後も病室の他の患者達の動揺を懸命に鎮めようとする医師二人を、じっと眺めた。
そして、その真剣な対応に…病院でいちゃつくなどもってのほかだが、今日だけは見逃してやろうと、仏心を出すに至ったのだった――

…もちろん、『山倉先生と澤田先生がどうやら付き合いだしたらしい』という噂が帝都大病院中に広がるのは、時間の問題ではあったが…。

一応『終』

許してもらえるなら番外編へと続く…
451: 406 2012/10/16(火) 19:10:44.00 ID:vSWlWERz(10/16)調 AAS
あのドタバタは自分でもノリノリで書いた部分なので受け入れてもらえてホント嬉しい
番外編は細切れ展開なので、無理を覚悟で落としてみます

内容的にもう風邪をひくおそれはないと思われwどうかしまってくだされww >>449
帝都大メンバー全員の幸せを願って書いた番外編なので満足してもらえるといいな… >>450
452: SP抱擁後山倉弥生30/34(番外編 松岡神田1) 2012/10/16(火) 19:10:45.00 ID:vSWlWERz(11/16)調 AAS
<後日談>

朝の診察が終わり、松岡が医局に戻ってくると、山倉と弥生が二人そろって近づいてきた。
部屋には、他に神田もいて、こちらの様子を気にしてじっと見つめている。
山倉と弥生の二人は、お互いに目配せすると、松岡と神田の目の前で、あろうことかそっと手を握り合った。
朝から昨夜の出来事を懸命に思い出さないように努めてきた松岡は、思わず顔を引きつらせる。

「そっ、そういう訳だから、うん!」
「あの…ご心配をおかけして、ごめんなさい」

しおらしく頭を下げた弥生はともかく、頬の緩み切っている山倉は、わざとあの痴態を見せ付けて、あの場から自分達を遠ざけたのではないか?
松岡はそんな憶測を頭の中で繰り広げるが、この展開では、今更それを責め立てられもしない。

「神田さん、これは返すよ。今日はこれから二人で別のコンサートに行くつもりなんだ…ごめんね」
山倉が一枚のチケットを神田に手渡すと、
「そうですか…なるほど」
神妙な顔で神田は返されたチケットを見やる。

「…ごめんなさい」
神田が山倉のことを気にかけているのを知りながら、
今更こんな形で自分の気持ちを明らかにすることを弥生は申し訳なく思い、再び神田に頭を下げる。
「いえ」
神田は弥生の後ろめたさなど気付かぬように素っ気無く返事を返すと、そばに居る松岡に向き直り、
「では、よろしければ松岡先生、どうぞ」
「え?」
「昨日の『恋愛と肩もみの関係』のお話もお聞かせいただきたいですし」
「あ、ああ…」
よく解らない話の流れに、松岡は思わずチケットを受け取ってしまっていた。

「じゃ、お先に…」
山倉と弥生が部屋を出て行こうとする。
外に出る瞬間、弥生はパッと握っていた手を離したが、そういう照れ屋の弥生の姿も好ましいようで、
山倉がやに下がった顔で弥生の頭をポンポンと撫でるのが見えた。

松岡の全身から、力が抜けていく。
あの二人をくっ付けるために必死で策を練った自分が、滑稽に思えて仕方がなかった…。
453: SP抱擁後山倉弥生30/34(番外編 松岡神田2) 2012/10/16(火) 19:10:46.00 ID:vSWlWERz(12/16)調 AAS
「松岡先生」
突然神田に呼びかけられ、松岡が振り向くと、
「私はずっと山倉先生は興味深いと思ってきたのですが…」
「…あ、ああ」
あの積極的な姿を見れば、鈍い松岡にも神田が山倉に興味を持っていたことは解る。

「実は、私は男性から、頭ごなしに怒鳴られた経験がありませんでした」
急に話題が変わって松岡は戸惑うが、昨日の自分の神田への対応を思い出し、
「あ、あれは少し事情があってだな…」
「松岡先生も、大変興味深いです」
「は?」
「今日のコンサート、よろしくお願いします」
深々と頭を下げる神田に、
「あ、いや、こちらこそ」
松岡もつられて礼を返す。

「山倉先生と澤田先生ですが、やはり松岡先生の判断は正しかったですね…」
その後も、神田は相変わらずマイペースに言葉を続ける。
「え?」
「最近お二人の仲が思わしくないのは私も感じていましたが、派手なケンカをした方がキチンと仲直りができるのですね」
自分を尊敬の眼差しで見続ける神田の視線に、松岡は居心地が悪くなる。

仲直り…確かに二人はあの行為で仲直りをしたのだろうが…。
あああああ!!思い出したくもないっ!!!
しばらく、人の恋愛なんぞに首はつっこまないぞ!!!!
決意した松岡は、神田に向き直ると、

「神田さん!君が『恋愛と肩揉みの関係』を考えるのはまだ早い。
 考察を深めるなら、別のテーマにしたまえ」
「はぁ……例えば?」
「そうだな、まぁ今の君なら、『ドーナツの穴の存在意義』あたりから始めるといいんじゃないだろうか」
「ドーナツの穴…?」

松岡の言葉に神田は首を傾げる。
『ドーナツの穴の存在意義』以上に、『自分にとっての松岡の存在意義』が気になり始めてしまった神田を残し、
松岡は昼食も取らずに、午後の回診へと一人トボトボ旅立っていくのだった。
454: SP抱擁後山倉弥生32/34(番外編 信郎梅子1) 2012/10/16(火) 19:10:47.00 ID:vSWlWERz(13/16)調 AAS
<おまけ>

「嫉妬心?」
「そう、弥生さんも嫉妬すれば、山倉さんに積極的にならずにはいられないと思って」
子供達を寝かしつけた後で、信郎は妻を自分の布団に招き入れていた。
幼い頃と変わらないキラキラした眼で、梅子は信郎に今日の出来事の報告をしていた。

「へぇ…」
信夫が思案顔になる。
「あれ?ノブはそう思わない?」
「嫉妬は…結構辛いからな」
そう言うと、信郎は遠い眼差しになる。

「松岡さんが酔って家に来たことがあっただろ?
 もう梅子とは何でもないって解ってるのに、やっぱり気になったな」
信郎はその時の自分を思い出して苦い笑みを浮かべる。
「でも、弥生さんには幸せになってほしいし、嫉妬でうまく行くんならいいのかもしれないな」
「うん…」
「俺なんかにはすごく素直なのにな…山倉さんには素直になれないのか…」
「…待って、ノブに素直ってどういうこと?」
梅子はうずめていた夫の胸からぱっと顔をあげ、詰め寄った。

「ん?医院を手伝ってくれてるだろ?患者が居ずに暇な時とか、外の空気を吸いに出てきたりするから、声はかけるぞ。
 あの人好奇心が強いのかな。工場まで入ってきて機械とか結構熱心に見てるぞ。…どうした、梅子?」
妻が険しく眉を寄せるのを、信郎は不思議そうに眺める。
「…やっぱり、良くなかったかも…」
「あ?」
「嫉妬を利用するなんて、私、酷いことした…」
「なんだよ、急に」
「弥生さんでも…私の知らないところでノブが女の人と何か話してるのは…」
「…気になるってか」
梅子がコクンとうなづく。
455: SP抱擁後山倉弥生33/34(番外編 信郎梅子2) 2012/10/16(火) 19:10:48.00 ID:vSWlWERz(14/16)調 AAS
ふぅ、と信郎が大きく息を吐いた。
「…何やってんのかな、俺達」
信郎がしみじみと呟く。
「子供が2人もいて、ずっと夫婦してんのに」
「…そうね」
少しだけ恥ずかしそうに、視線をさ迷わせる梅子の頬に、信郎は手を当てる。
きょとんと夫を見つめる梅子。

「大丈夫だ、嫉妬して得ることもある。
 俺は、俺と結婚して幸せだって梅子の気持ちを知ることができた。
 きっと弥生さんだって、嫉妬から何かつかめることもあるさ。
 梅子だって、俺への嫉妬と引き換えに、あれがあるんじゃねぇのか?」

信郎が顔を上げ、引き出しの1つを見つめる。
そこにはいつも大事にあの指輪がしまわれていた。
梅子は、あの時の胸の苦しさと共に、信郎に愛されていることを実感した安堵感を思い出す。

「結局、『終わり良ければ、全て良し』、なんだよ」

信郎が安心させるように妻の頭をぽんぽんと撫でる。
そして、包むような優しい加減で、若い頃と未だ変わらず折れそうに華奢な妻の体を、その逞しい腕でそっと抱きしめた。
涙が出そうな幸福感の中で、梅子の胸の一部分がチクチクと痛む。
その時、梅子の胸に浮かんでいたのは……『良し』に終われなかった、昔の恋人の姿だった。
信郎と結婚したことを後悔したことなど一度もないが、
松岡のことを考えるたびに、時々言いようのない切なさがこみ上げる。

せめて…松岡さんにも素敵な人が見つかれば…。

梅子は愛しい人の胸に顔を埋めながら、
山倉や弥生以上に先行きの心配な松岡の幸せを心から願うのだった。
456: SP抱擁後山倉弥生34/34(番外編 松岡神田3?) 2012/10/16(火) 19:10:49.00 ID:vSWlWERz(15/16)調 AAS
<おまけ2>…時系列では(番外編 信郎梅子)と同時期

「くしゅんっ」
神田と共に、とりあえず例の大騒ぎな医局を後にした松岡が意外に可愛らしいくしゃみをした。

「先生、お風邪ですか?」
「いや、この時期に風邪もないだろう。たぶん誰かが僕に対して噂話か、良からぬ事でも考えて…」
「先生、季節によって風邪をひかないという説は正しく有りません。少ない時期があるというだけです。
 訂正してください」
弥生から指摘された、自分と目の前の女性の共通点を少しずつ悟りながら、
「…わかった、今のは失言だった、訂正する」
「『くしゃみは噂話をされたから』というのも、根拠の無い迷信なので、できれば訂…」
「訂正する!」

先ほどの山倉と弥生の病院内でのとんでもない行為で頭がいっぱいだった松岡は、
神田の生真面目さに多少いらだち始める。

『しかし…あの状況をケンカととらえるとは、あまりにも社会経験が少なすぎるのでは…』
松岡は、神田の全く動じた様子の無い横顔を、薄暗い廊下の元でじっと見つめる。
そのあどけない顔つきやスラリとした体型だけならば、医局の連中に騒がれてもいいほどの可憐さなのに、
個性的過ぎる性格が知れるやいなや、彼女をそういう対象としてみる輩(やから)は消え失せたようだ。

『彼女が、あまりに世間のことに疎すぎた昔の自分と同じならば、
医療とは別にも、それなりの教育が必要かもしれないな…』と、松岡は一人考える。
ここでもお節介な姿を見せてしまう、なんとも報われない(…いや逆に、もしかしたら思いがけず報われることがあるかもしれない)、
とことん人の良い松岡敏夫なのだった…。
457: 406 2012/10/16(火) 19:10:50.00 ID:vSWlWERz(16/16)調 AAS
異常に長いパロは以上です
これだけ長い話に付き合ってくださった方、本当にありがとう!
こっちの事情で投下のテンポをドンドン早めちゃって申し訳なかった

梅ちゃん先生の世界がこのまま忘れられていくのは寂しいので松岡神田の公式SPとか…無理だよなぁ…
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