[過去ログ] 罪を犯した少女の小説 (487レス)
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46: 琥珀2nd-光、探せなくても 6/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:14:12 ID:+ohHA4wL(6/12)調 AAS
「昔のことは忘れて、お友達からはじめれないかなって」
 駄目だ、本気で理解できない、なにもかも。
「昔のこと忘れてって、そんなことできるのあんた」
「できるよ」
 こともなげにカガミは答えた。
「でも、私、あんたに酷いこと一杯したでしょ。蹴ったり殴ったり、酷いこといったり」
 カガミはにやりと笑うと、私の言葉を遮っていった。
「えっちなことしたり、ね」
「――ッ!」
 絶句する私を見てカガミが笑みを深める。
 カガミは立ち上がると私の隣の椅子に座り、まるで抱きつくようにもたれかかってきた。
「忘れることはできるけど、でもね、今はまだ忘れてないよ。瑛子にされたこと、紺にされ
たこと、椎にされたこと、それにミヤビちゃんにされたこと。全部全部憶えてるよ」
「な、なら、無理でしょ。友達になるなんて」
「ふふ、そうだね」
 カガミは笑いながら私の手をとった。
 私は抵抗することすらできず、カガミのされるがままになってしまっていた。
 掴まれた手はカガミのスカートの中に導かれ、そしてカガミの陰部にあてがわれたのが」
分かった。
「イジメられてたのなんて、半年くらいの期間でしかなかったけどね。でも、それでも、そ
の間されたことのせいで、ほら」
 カガミは私の指を自らの陰部の中に押し込んだ。
「こんな簡単に入っちゃうようになった」
「や……」
 指先にカガミの温かさを感じる、きゅうきゅうと締め付けてくるその穴の感触。引き抜け、
逃げろと私の本能がいっているが、なぜかできなかった。
 逃げないといけないのはわかっていた。カガミの言動は、行動は、なにもかもがおかしか
った――いや、私たちがおかしくしてしまったんだ。そんなヤツに関わっていたらろくなこ
とがない。
 分かっている。
 分かっているはずなのに、私は抵抗すらできなかった。
 あの頃のように暴力で突き飛ばし、酷い言葉でカガミを傷つけ、この場から立ち去ったほ
うがいい。
 分かっている。
 分かっているのに、何故か私はあの頃のカガミのように、与えられる嗜虐的な行為に身を
任せることしかできなかった。
「ミヤビちゃんの触っていい? いいよね」
 カガミはそういうと、私の返事など聞かずスカートの中に手を入れた。
 カガミの手は最初下着の上から私の陰部を撫でまわし、愛でるように緩やかに、自然な動
きでパンツをずらすと直接触れた。
「ふふ、まだ生えてきてないんだ」
 笑い声。
 私は今にも泣きそうな顔でうつむいていることしかできない。
「あの頃から気になってたんだ、ミヤビちゃん陰毛はえてないよね。剃ってるのかとおもっ
たけど、こんなパイパンにはしないだろうし。ふふふ、子供みたいにつるつるだね」
「やだ、そんなこといわないで……」
 誰か、誰かこの控え室に来てくれないだろうか。そうすればこの頭のおかしい変態女も行
為をやめるはずだ。
 私の期待とは裏腹に誰かが来る気配は一向になかった。
 カガミの指は割れ目をゆっくりと何度もなぞるように擦り続けている。
47: 琥珀2nd-光、探せなくても 7/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:14:40 ID:+ohHA4wL(7/12)調 AAS
「ほら、全然指はいらないでしょ。っていうか、ほんと全然開いてくれないなあ」
 カガミは苦笑すると「ああ、もしかして」と呟いた。
「ミヤビちゃんてまだ処女なの?」
「――ッ!」
 その言葉に顔がどんどんと紅潮していくのがわかった。
 視界の隅に見えるカガミの口端が、愉悦に満ちた笑みをこぼすのがみえて、私は思わず目
を閉じてしまった。
 もう、なにもかも見ていたくなかった。
「そうなんだ」
 カガミの嬉しそうな声が聞こえた。
「だったら優しくしてあげるね。うん、ほら指いれるよ」
 その言葉の直後、私は股間に今まで感じたことのない感覚を憶えた。
 自分の中に何かがはいってきている感覚、背筋を寒気にも似た電流がほとばしった。
「ひ……ぃやぁ……」
「大丈夫だよ、私なんて最初は、ふふ、憶えてる? ミヤビちゃんたちわたしのマンコにさ、
モップの柄入れたよね。あれすっごい痛かったんだよ」
 そんなことしただろうか。
 記憶にない、ただ私たちは確かにカガミの身体をオモチャのように扱っていた。
「ミヤビちゃんも、そうされたい?」
「いやっ!」
 即座に応えた。
 あんな、自分たちがしたことだというのに、カガミが受けた仕打ちを受けなければならな
くなったら、私は気が狂ってしまう。
「だよね、じゃあやさしくしてあげる」
 そういってカガミは私の頬にキスをした。
 カガミの指は私の膣を内側から撫で続けていた。
 このままカガミに犯されてしまうんだろうか、そう思った時だった。
「悪いけど、ミヤビはあんたには関わりたくないそうだよ」
 斎場の方から椎がやってきてそういった。
「椎……」
 カガミは小さい声で相手の名前を呼ぶと、私から離れた。
「邪魔しないでよ、いいところだったのに」
「いいから喋ってないで消えろ」
 椎はいつになく厳しい言葉でそういうと、カガミの近くまできてその胸倉を掴み、強引に
立たせた。
「うざいんだよ。いつまでも私とミヤビの前、うろうろすんな」
 そういうとかつてのようにカガミのお腹に蹴りをいれた。
「ぐっ……けほっ、くっ、変わらないのね。あなたは」
「喋るなっていったろ」
 再度カガミのお腹に蹴りをいれた。
 カガミは椎の手を強引に振りほどくと、
「ミヤビちゃん、また会おうね」
 そういって逃げるように立ち去っていった。
 カガミの姿が見えなくなってはじめて、私は頬に熱いものを感じた。
 最初それがなにか分からなかったが、指で触ってみると、それはどうやら涙のようだった。
「ミヤビ? 大丈夫? あいつになにされたの?」
 椎が私の身体を庇うように抱いてくれた。
 私はそれにすがるように抱きつき、声を押し殺して泣いてしまった。
 私に泣く資格なんてないのかもしれない、私が今までカガミにしてきたことを考えれば、
これは報いだといえるのかもしれない。
 なのに、涙が止まらなかった。
48: 琥珀2nd-光、探せなくても 8/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:15:12 ID:+ohHA4wL(8/12)調 AAS
 怖かった。
 された行為のせいではなく、私がおかしくしてしまった少女のあの変わりようが怖かった。
 イジメられていた時のカガミはいつも怯えていた。
 それ以前のカガミは明るかった。
 今のカガミはそのどちらでもないおかしさが声に、行動に滲んでいた。
 カガミを狂わせてしまったのが自分かと思うと、涙がでた。理由は分からなかった、カガ
ミが可哀想だと思ったのかもしれない、自分たちのかつての行いの恐ろしさに今更恐怖して
しまったのかもしれない。
 ただ、何故か、涙はとまってくれなかった。
 
 
***
 
 
 瑛子の死から1週間が経過していた。
 あの日から、瑛子の葬儀から私は一度も学校に行っていなかった。
 ニュースをみれば瑛子の死について、偉い人がなにか語っていた。どうやら瑛子は高校で
はイジメられる側だったようだ。
 それも私たちがカガミをイジメていた時と違い、クラス全体から酷い目にあわされていた
らしい。
 瑛子のクラスメイトの誰かが、すりガラス越しにテレビ出演して語っていた。
『まあこういったらなんですけど、暇つぶしですよね。からかい半分というか、だって杉山
のヤツなんでかわかんないけど、なにされても抵抗しなかったし。……え? 性的なこと、
ですか? ああ、まあそういうこともしてるヤツもいたんじゃないんですかね。自習のとき
とか裸にされてましたから』
 そこまで聞いて、私はテレビを消した。
 あの気が強い瑛子が抵抗しなかったっていうのは考えられなかった――いや、考えたくな
かった。瑛子が無抵抗になってしまう理由は心当たりがあった。
 瑛子はカガミと同じクラスだった。
 イジメる側とイジメられる側。
 それがどういうことか逆転してしまったんだ。
 そして瑛子はかつて自分がしていた行為を思い出して抵抗できなくなっていたんだ、自分
の罪に気づかされて。
 だけど、イジメに罪はあっても、罰はあるんだろうか?
 イジメている最中に殺してしまったら殺人罪が適用されるだろうし、イジメられていた側
が告発したらなんらかの罰は与えられるのかもしれない。
 だけど、瑛子みたいにそういったことをされていても、黙したまま自殺を選んでしまった
ら、瑛子をイジメていた連中の罪は、罰は、責任はどうなってしまうんだろう。
 消えてしまうんだろうか?
 なくなってしまうんだろうか?
 被害者が死んでしまったら、その罪はどこにいくのだろう。
 でも、私の場合、被害者であるカガミは生きている。
 彼女がかつて私にされたことを告白したら、私はどんな報いを受けるのだろう。
 いや、もしかしたらカガミはもう考えているのかもしれない、私に対して与える報いを。
残酷なまでに/酷薄なまでに/無邪気なまでにカガミのことを弄んだ私への罰を、カガミは
既に考えているのかもしれない。
 もしタイムマシンがあったとしたら、あの暗黒のようだった中学時代に帰りたい。帰って、
そしてカガミへのイジメをやめさせたい。
 私は、本当は、あんなことしたくなかった。そう、瑛子たちからはぶられるのが怖かった
から。こんなこと辞めようといって、そのせいで自分がイジメられる側にまわったらやだっ
たからやっていただけで。そう、私は、あんなこと……。
49: 琥珀2nd-光、探せなくても 9/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:15:40 ID:+ohHA4wL(9/12)調 AAS
「……さいてい」
 自分の思考に呆れてしまった。
 こうなってまで、今更あの頃の自分を弁護しようとするなんて。くだらない、ほんと、最
低だ。
 なんで自分はこうなんだろう。
 もっと自分の意思が強ければ、今とは違った今があったかもしれないのに。
 なんで自分はこうなんだろう。
 終わってしまってから後悔する、手遅れになってから悔やんでしまう。もう瑛子は死んで
しまった、生き返ることなんてありえないのに。
 なんで自分はこうなんだろう。
 今更後悔するくらいなら/やらなければよかったと思うくらいなら/やらなかったと思う
くらいなら。
 繰り返す。繰り返す。くるくると堂々巡りを繰り返す。
 後悔している自分/ああすればよかったという自分/冷静に過去を評価する――でも、今
更だ、手遅れだ、どうしようもない、もう瑛子は死んだんだ。
 瑛子は死んだ。
 もう戻ってこない。
 イジメられていた瑛子は死を選んだ。
「ああ、そうか……」
 あの頃、カガミが死んでいた可能性だってあったんだ。
 私たちにイジメられるのが苦痛で、自殺を選んでいた可能性だってあったんだ。
 それに私たちの行為のせいで死んでいた可能性だってあるんだ。
 ワールドカップがやっていた、熱中していた私たちはサッカーの練習だといって、カガミ
を裸にしてボール代わりにした。
 フリーキックの練習としてカガミの股に何発も蹴りを叩き込んだ。
 蹴るたびに悲鳴をあげるカガミが面白かった、うざかった、だからパンツとか靴下を詰め
込んでガムテープで封をした。
「……ひどい」
 公園の男子トイレに裸のカガミをM字開脚で縛りつけ、その体中に「1回100円」とか
「犯してください」とか「人間便所」とか書いて放置した。
 5時間暮らして見に行ったら、本当に犯されたみたいで男の精液にまみれてて笑ってしま
った。解いてやったら、尻の穴から100円玉を何個も排泄した瞬間爆笑した。
「……」
 これだけじゃない。
 もっといろんなことをした、もっと酷いこともした。
「そりゃおかしくなるよ、だって、だって、そんなことされたらおかしくなるよ。当然だ、
おかしくしたんだ、私たちが……」
 思考の海はただただ広く、後悔という暗黒で埋め尽くされていた。私はその中にどんどん
と埋没していき深度を増していっていた。
 その時だった。
 携帯電話の着信音が鳴った。
 またクラスの誰かが不登校になった私を心配してかけてくれたのだろう、そう思って開い
てみると、そこには――。
「紺」
 瑛子が死んだ日に少し話しただけで、それ以来連絡をとっていなかった紺からの電話だっ
た。
 私は慌てて着信ボタンを押していた。
「紺、どうしたの?」
 すると荒れた息遣いが電話の向こうから聞こえてきた。
『あ、ミヤビ、よかった出てくれて』
50: 琥珀2nd-光、探せなくても 10/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:16:03 ID:+ohHA4wL(10/12)調 AAS
「え、うん」
『それでさ困ってることあるんだけど、助けて欲しいんだ』
「うん、うんうん。なに」
『今ね、ちょっと追われてて』
「追われてる? 誰に」
『よく分かんないけどカガミの仲間っぽい』
「どういうこと?」
 カガミの仲間って、クラスメイトのことだろうか。
『あたしもよく知んないんだけど、アイツ今やばい連中とつるんでるみたいでさ。ほんと、
おかしいよアイツら。地下鉄乗ってたら囲まれてさ、その場で犯されそうになった。周りの
人に助けてもらわなかったらやばかったわ』
「そんな……」
『だからさ、めーわくだろうけど。ちょっと匿って欲しいんだ、こんなことお願いできるの。
あの頃つるんでたアンタくらいしかいないし。お願い』
「それはいいけど、うちまで来れる?」
 紺が私の家にまで来たことは一度もなかった。
 紺はしばらく考えると、
『じゃあ、中学の近くにあった公園あるっしょ、あそこのトイレに隠れてるから。そこまで
来てくれる?』
「うん、分かった。いま直ぐ行くね」
 そういうと紺は安心したのか。
「あんがと」
 ぶっきらぼうに礼を言った。
 電話を切ると私は直ぐに行動に移っていた。
 
 
***
 
 
 家から指定された場所までは10分とかからないのだが、寝巻きから着替えたせいで、指
定された場所についたのは電話があってから15分ほど経過していた。
 私は紺が待っているトイレまで行って、なにか嫌な予感がした。
 いや、予感などではなく、聞こえたのだ、声が――。
「……紺?」
 その声はトイレから10メートルも離れていてもはっきりと聞こえた。
 それは男たちががやがやと何かをいう声であり、それらの中に混ざって聞き覚えのある少
女の叫び声が聞こえた。
 それは声というにはあまりにも意味を成していなくて、まるで獣の慟哭のようですらあっ
た。
『逃げろ』と本能が言っていた。
 冷静に考えても逃げるべきだと分かっていた。
 だけれど、私は確かめたかった――紺がどんな目にあわされているか、を。
 私はゆっくりとゆっくりとトイレに近寄っていくと、女子トイレの中に幾人もの男たちが
いるのが見えた。
 男たちは衣服はきていたが、その下半身、陰茎だけは外に出していた。男の性器、その醜
悪さに嫌悪感を感じた。
 男たちは口々に「早くしろよ」「気持ちいい」「よがりすぎだろコイツ」とか言っていた。
 私は中で何が行われているか、もう理解できたというのに、その場から離れず、逃げずに。
それどころか自分から声をかけた。
「なに、してるんですか?」
51: 琥珀2nd-光、探せなくても 11/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:16:40 ID:+ohHA4wL(11/12)調 AAS
 すると、男たちの視線が私に集まった。
「なにって……へへっ」
 男の1人が笑って答えた。
「みせてやりゃいいよ」
 別な誰かがいった。
「そうだ、見せて。まぜてあげようぜ」
 また別な誰かがいった。
「だってよ、ほらはいれ」
 最初の男に手を引かれトイレの中に引き込まれた。
 その中に紺はいて、私の予想したとおりの状態になっていた。
 紺は衣服を着ておらず、あちこちに擦り傷や打撲ができていた。顔も殴られたのか頬が青
黒く変色していた。
 紺は2人の男に挟まれていた。
 前の穴、後ろの穴、両方が塞がれていた。
 紺の足は地面についておらず、挟まれた状態で、何度も何度も突き上げられていた。
 その顔は涙だろうか精液だろうか、よく分からないが酷く濡れていたし。紺の口はだらし
なく開けられていて、嗚咽と一緒に涎がだらだらとたれていた。目は焦点を失っているよう
だった。
 私は、紺を見た瞬間「汚いな」って冷静に思ってしまった。
 友達だというのに、私は、
「へへへ、いい状態だろ。一発でこれだからな」
 振り返ると、男の手に注射器が握られていた。
 改めて紺の腕をみると、注射を射したあとなのだろう傷ができていて、そこから血がこぼ
れていた。
 男たちは私の身体をまさぐり始めた。
 だが私の目は紺に注目したまま、動かなかった。
 挟んでいた2人が果てたのか、両方の穴から白濁した液体が溢れた。
 2人は陰茎を抜くと、紺は床に落下した「ぐぎゃっ」と紺は変な声をだした。
「ニンシンしねーよーにしねーとなー」
 先ほどまで突いていた男はそういうと、ブーツの踵で紺の下腹部を思い切り踏みつけた。
 そのたび紺は蛙のような悲鳴をあげ、陰部から精液が溢れた。
 白目をむき床の上で痙攣する紺の姿に、私は私もこうされるのかと妙に冷静な気分でそう
思った。
 だが――
52
(1): 琥珀2nd-光、探せなくても 12/12 ◆L5HDQw/jy. 2010/12/05(日) 23:17:48 ID:+ohHA4wL(12/12)調 AAS
「ちょっとストップ、その子には手を出したら駄目よ」
 男たちの輪の外から少女の声がした。
 その声には聞き覚えがあった。
「……カガミ」
 すると男たちはいっせいに私から手を引いていった。
 カガミは私に近づいてくると、乱れた着衣を直しながら私にいった。
「よかったミヤビちゃん家にいないから探したんだよ」
「カガミ、これ……紺が……」
 カガミは天使のような笑みで答えた。
「ああ、このビッチのこと? こいつお金もらって体売ってるでしょ、なんでかと思ったら
母親の入院費払うためなんだってね。かわいそー。だから、一気にそれ払えるように、この
人たちに売ってあげたの」
 すると男の1人が笑った。
「売ったつわれても、俺たちもあんたにかわれてるだけなんだがな」
「まあいいじゃない、あなたたちにも、惨めな家庭にもお金はいるんだし」
 そういうと下卑た笑いが起きた。
 何故笑うんだろう、そんなにおかしいことなんだろうか。
 カガミは直し終わったのか満足げに頷くと、私から手を離し、紺のそばに寄った。
「かわいそうなかわいそうな紺、本当にかわいそうよね。お母さんの身体のために、自分の
身体売ってるんだから、健気でかわいそう」
 そういってカガミは紺の下腹部を踏みつけた。
「だからがんばって稼がないとね。がんばって、がんばって、お金稼がないと。ふふふ、あ
んた貧乏なんだから。がんばって体売らないと死んじゃうもんね。ほんと――」
 カガミの顔には狂気にも似た笑顔が浮かんでいた。
「かわいそう」
 カガミは紺の顔を蹴りつけると、満足したように息をはいた。
 そして私のほうを振り返ると、
「さあ、いこっかミヤビちゃん」
「いくって、どこに?」
 カガミは笑って言った。
「わたしとミヤビちゃん、2人だけの場所」
 
 
つづく
 
 
 
***
 
次の投稿で終わりになります
53
(1): 2010/12/06(月) 05:52:52 ID:TmUhnTDi(1)調 AAS
マヂで怖くてチンコ起たない俺がいる…
54
(1): 2010/12/06(月) 20:29:16 ID:Am0Fwxze(1)調 AAS
俺は結構好きだぞw
55
(1): 2010/12/08(水) 21:17:01 ID:T38ShXVm(1)調 AAS
なんちゅうもんを見せてくれたんや…(AA略
鬼畜百合とか俺得すぎるわ
56
(1): 2010/12/11(土) 16:08:33 ID:SRL+5f51(1)調 AAS
チンコは立たないし怖いのに読みふけってしまった
57: 琥珀3rd-Proof 0/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:51:11 ID:cCwAZIMX(1/22)調 AAS
>>52からの続きとなります。
改めて注意書き。
百合、暴力的な描写あり、血の描写あり
後半、クランチ文体で書いた部分が多く、若干読みにくいかもしれません。
 
ということで全20レスです。投下します
58: 琥珀3rd-Proof 1/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:51:40 ID:cCwAZIMX(2/22)調 AAS
 ――まさか、あんなにも簡単に壊れてしまうものだと思っていなかった。
 その日、教室では断髪式が執り行われていた。――行われていたなんて白々しい、行って
いた、だ。わたしが計画し、実行に移した。
 そうわたしが主催で行われた杉山瑛子の断髪式は、今現在つつがなく進行していた。
 制服を脱がされた瑛子は、並べられた机の上に仰向けで寝かされて縛り付けられている。
 本当なら一切の抵抗もなく進行したかったのだが、髪を切るといったら瑛子は狂ったかの
ように抵抗を始めたのだ。だから仕方なく縛り上げた。
 鍵がかけられた教室の中、クラスメイト34名が粛々と瑛子の髪にハサミをいれていく様
子は、なかなかに壮観だった。
 腰ほどまで髪を伸ばしてあった髪も、既にボブカット程度の短さになっている。
 最初の内は半狂乱になって泣き喚いて、みんなを愉しませてくれた瑛子だというのに。今
ではぐったりとしてめそめそと涙をこぼすばかりでつまらなかった。
 女子たちは飽きてしまったらしくそれぞれで輪を作ってひそひそと話している。
 男子たちはわたしの許可が下りたのをいいことに、瑛子の使い古されたマンコに突っ込ん
で喜んでいる。
 わたしはそんな様子を眺めた後、主賓である瑛子に声をかけた。
「瑛子、生きてる?」
 わたしの声に瑛子の目が意思を取り戻し、はっきりと焦点を結ぶと、わたしのことを睨み
つけた。
 そして掠れ掠れの気色悪い声でいった。
「……ゆる、ざない……カガミ……おまえ、死ね……」
「はいはい、聞き飽きたよそんな言葉はさ」
 許さない。
 なんていわれても、わたしは許しを請おうなんて思ってないのだけれど。瑛子にはわたし
がかつてのままの姿で見えているんだろうか。臆病で弱弱しくどうにもされるがままだった
わたしに。
 それに大体これは復讐であって、別にわたしから始めたことじゃない。
 わたしはすっかり短くなった瑛子の髪を弄りながら、話を続けた。
「瑛子、髪の毛大事だったんだよね。うん、大事なもの傷つけられたら嫌だよね、分かるよ
その気持ち。だってわたしも大事なものいっぱいいっぱい傷つけられたし、奪われたもの。
もうわたしに残ってるものなんてないんじゃないかって思うくらいにさ、そこまでやられた
んだよ、やったんだよ、瑛子たちは。酷いと思わない?」
 わたしが瑛子に行っているイジメはクラス全体で行っているものだったが、瑛子たち四人
にやられたことに比べたらまだまだ甘く感じられた。
 というか、瑛子たちみたく人の性器にモップ突っ込んだり/公園のトイレに縛り付けて放
置したり/地下鉄の車内でおしっこしろとか要求したり/身体を売ったり/足縛った状態で
プールに放り込んだり/口の中に虫を放り込んでガムテープで封をしたり/尿を飲ませたり
――正直、ああいったことを思いつける瑛子たちは、頭が狂っていたとしか思えない。ああ、
そういえば瑛子のうんこを直で食べさせられたこともあった。
 あれと同じことを瑛子にやったら、瑛子はどうなるんだろう、とても興味深かった。
 でもわたしはあんなことはしたくなかった。
 できれば、できることならば瑛子たちには正気を保ち続けて欲しかった。ずっとずっと冷
静でまともな思考を、判断力を失わないで欲しかった。
 だってそうじゃなかったら、こういった仕打ちを受けたときに泣いてくれない、叫んでく
れない、抵抗してくれない。
 だからわたしは瑛子を狂わせない。
 狂わせないまま犯していく、瑛子の肉体を/精神を/瑛子の全てを/杉山瑛子という存在
全てを犯し/侵し/冒し/陵辱し尽してやることに決めていた。
「瑛子、安心していいよ。今日はもうこれ以上ひどいことしないから、今日はもう男子たち
が飽きるまで肉便器になってるだけでいいからね。よかったね瑛子、うんことかおしっこ大
好きな瑛子だったら嬉しいよね、便器になれたこと。今度わたしのうんこ食べさせてあげる
から、待っててね」
59: 琥珀3rd-Proof 1/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:52:01 ID:cCwAZIMX(3/22)調 AAS
 わたしがそういっても瑛子はもうなにも答えてくれなかった。
 つまらない。
 わたしが見たいのは狂ったように泣き喚いて、わたしに許しを乞う姿だっていうのに、こ
んなのつまらない。
 これはまだ瑛子には余裕があるということだろうか、こんな反抗的な態度。だとしたらもっ
と酷い仕打ちを、気が狂うんじゃないかと思えるような仕打ちを、瑛子に与えてもいいんじ
ゃないだろうか?
 ――だけれど、試すことはできなかった。
 瑛子は断髪式が行われたその日、わたしたちが帰った後、瑛子は学校の屋上から飛び降り
て死んでしまった。
 つまらない。
 死んだときいてわたしは直ぐに学校へ向かったが、瑛子の死体はどこにもなく、警察官や
マスコミがうろうろしているだけで、校舎に入ることすらできなかった。
 葬儀にいけば瑛子の死体がみれるんじゃないかと思っていったが、棺の中が空だと聞いて
がっかりした。
 一応塩を持参していたのだが、瑛子の死体に投げつけて。
『中学時代、あんたにイジメられてたけど、死んでくれてせいせいしたわ!』
 と決め台詞を言おうと思っていたのに、ほんとつまらない。
 しかし、葬儀に参列した意味はあった。
 ミヤビちゃん。
 彼女と再会できたことは僥倖だった。
 本当は紺と椎を殺してから、再会しようと思っていたのだけれど、偶然とはいえ会ってし
まった。
 ミヤビちゃんはあの頃と変わっていなかった。
 いつも何かに怯えていて、強い力に従属してしまう無垢な子羊。
 それが確認できただけでよかった、それにミヤビちゃんの膣のきつさは毎夜毎夜思い出し
てしまうほどに鮮烈で初々しく好意を抱いてしまえるほどだった。
 早くミヤビちゃんが欲しかった。
 ミヤビちゃんと2人だけの世界に逃げ込みたかった。
 だけれど、まだやることがある――邪魔者の排除。
 紺と椎の2人を瑛子と同じ場所に送り込んでからじゃないと、安心して眠ることはできな
かった。
 紺を殺す計画は容易く建てることができた。
 女に飢えていて暴力を振るうことに餓えている男たちを雇い、彼らにレイプさせ、殺して
もらう。
 そういった暴力装置ともいうべき男たちの存在は、幼い頃から父のそばをよくうろうろし
ていたから知っていた。
 父のことをただの会社の社長だと思っていたが、その会社がなんらかの会社のダミー企業
で、実体がなく。当然、父は社長でもなんでもなく、ただ名義を貸しているだけの暴力団の
構成員だと知った時、驚きはしたが利用はできると思った。
 父の部下たちには暴力でしか物事の解決手段を知らず、常に暴力を振るいたがっているも
のたちと交流があるものがいた。
 そこから依頼をし、紺を侵し尽くした上で殺してもらうことにした。
 男たちは刑務所に入ることを勲章だと思い、厭わないような男たちだった。
 そうして紺を殺す手段と計画が出来上がったところで、ひとつの懸念があった。
 ミヤビちゃんのことだ。
 彼女は弱い、ひどく弱い。弱いからこそ、瑛子の死について警察に口添えしにいってしま
うんじゃないだろうか、そうなってはわたしの行動範囲が狭まってしまう。
 手を打たなければと思い、計画を前倒ししてミヤビちゃんを拉致することにした――のだ
が、ミヤビちゃんは家にも学校にもおらず、どこを探したものかと困ってしまった。
60: 琥珀3rd-Proof 3/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:52:36 ID:cCwAZIMX(4/22)調 AAS
 椎の家かと思ったがそこにもおらず、もしやどこかへと逃げてしまったんじゃないだろう
かとも思ったが、意外な場所で発見することができた。
 
 
「ちょっとストップ、その子には手を出したら駄目よ」
 紺をレイプする男たちの輪の中にミヤビちゃんはいた。
「……カガミ」
 か細い声でわたしの名前を呼んだ。
 わたしは男たちを掻き分け、ミヤビちゃんの傍までいくと乱れた着衣を直してあげた。
「よかったミヤビちゃん家にいないから探したんだよ」
「カガミ、これ……紺が……」
 震えるような声、なんて弱弱しく儚いんだろう。今この場でミヤビちゃんのことを侵した
かったが、男たちの前でミヤビちゃんの柔肌を晒したくなかったから堪えた。
「ああ、このビッチのこと? こいつお金もらって体売ってるでしょ、なんでかと思ったら
母親の入院費払うためなんだってね。かわいそー。だから、一気にそれ払えるように、この
人たちに売ってあげたの」
 すると男の1人が笑った。
「売ったつわれても、俺たちもあんたにかわれてるだけなんだがな」
「まあいいじゃない、あなたたちにも、惨めな家庭にもお金はいるんだし」
 そういうと下卑た笑いが起きた。
 衣服を整え終わると、わたしは紺に別れの挨拶をすることにした。
 もう、これで生きている紺とあうことはない。
「かわいそうなかわいそうな紺、本当にかわいそうよね。お母さんの身体のために、自分の
身体売ってるんだから、健気でかわいそう」
 そういって紺の下腹部を踏みつけてあげた。
「だからがんばって稼がないとね。がんばって、がんばって、お金稼がないと。ふふふ、あ
んた貧乏なんだから。がんばって体売らないと死んじゃうもんね。ほんとかわいそう」
 紺の顔を蹴りつけると、紺は豚のように鳴いた。
 それが可笑しくて可笑しくて、もっといっぱい蹴りたかったけど我慢した。
「さあ、いこっかミヤビちゃん」
「いくって、どこに?」
 不思議そうに聞き返すミヤビちゃんに、わたしは応えた。
「わたしとミヤビちゃん、2人だけの場所」
 
 
***
 
 
 ――私に与えられたのは白い部屋と白い服と白いベッド。
 家具はほとんどなく、四方を白い壁に囲われた部屋のなかにあるのは、私と粗末なつくり
のベッドだけだった。
 時計はなく窓もない、どこからも音が聞こえてこないせいで時間が進んでいるのかどうか
分からなくなってくる・
 心臓に手をあて、その鼓動を聞いて確認してみる。
 規則正しく一定のリズムを刻む、まるでカウントダウンのような私の音。
 その音で私は私がまだ生きているのだということが分かる、だけれどそうして自分の音を
聞いていると、それはそれで頭が狂ってしまいそうだと思った。
 一日のうちこの部屋から出られるのは一度だけ、お風呂でカガミに身体を洗われる時だけ
で、それ以外の時間はずっとずっとこの部屋に閉じ込められたまま。
 トイレがしたくなったらカガミを呼んで、おまるを持ってきてもらってそこでさせられる。
排泄した後の汚れた部分はカガミが丁寧に拭く。
61: 琥珀3rd-Proof 4/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:53:03 ID:cCwAZIMX(5/22)調 AAS
 おかしくなりそうだった。
 基本的にカガミは一日中いてくれるのだが、時折どこかへでかけ、険しい顔をして帰って
くる。
 だがカガミは私をみると笑顔をみせる。
 カガミは私といる間、私と触れ合っていることを望む。肩を寄せ合って座ったり、手を繋
いでいたり、膝枕を要求してきたり、ただ触れていることを望む。監禁されはじめてから今
日まで、いかがわしい行為をされたことはなかった。
 それに紺のように複数の男たちに囲ませ蹂躙させるようなこともなかった。
 カガミにとって私はなんなんだろう、この行為の意味はなんなんだろう。聞いてみたくは
あったが、聞いてしまったら一生この白い部屋から抜け出すことができなくなりそうで、恐
ろしくて聞けなかった。
 閉じ込められた最初のうちは、絶望と恐怖だけがあったが。こうして幾重も無為な日々を
繰り返していくうちに、私の心は少しずつ鈍化していっているような気がする。
 まず時間の感覚が失われ、次に外への興味が薄くなっていき、そしてあれほど恐ろしく憎
く思っていたはずのカガミへの感情が変わってきていた。
 今ではこうしておとなしくしていたら、いつかはカガミが私のことを許してくれて、ここ
から出してくれるんじゃないか、そう思えた。
 その日もカガミはやさしかった。
 どこかへと外出していたカガミは、トレーに2人分の食事を載せてもってきた。
「ただいま」
 笑顔でいうカガミ。
「おかえりなさい」
 私も笑顔で応える。
 この真っ白い空間での日々はとても静かで落ち着いていて優しいものだ。
 怖いことは起きないし/痛い思いをしなくてすむ/誰かを憎むことも/誰かから嫌われる
こともない/なにもないへや。
 今日のごはんは温かいシチューと切り分けられたフランスパンだった。
「お口あーんして」
 カガミの言葉に、私は素直に従う。
 カガミは木製のスプーンでシチューをすくい、ふーふーと息で冷ましてから、私に食べさ
せてくれた。
 ぬるくなったシチューが私の舌に乗り、その濃厚な味を口いっぱいに広げていく。私は少
しの間その味を堪能してから、嚥下した。
 するとカガミがくすくすと笑った。
 どうしたんだろう?
「やだ、ミヤビちゃんたら、こぼしちゃって」
 そういってカガミは身を乗り出してくると、舌先で私の口はしについたシチューを舐め取
った。
「……ごめん」
 なんとなく謝ってしまう。
 カガミは「気にしないで」と笑みをみせた。
 そうしてゆっくりと食事は進み、食べ終わる頃にはシチューは冷めてしまっていたが、そ
れでも2人で食べる食事は楽しかった。
 食事のあと食器を片付けてきたカガミは、私のためにドレスを買ってきたといった。
 そのドレスはこの部屋のように純白で、なににも汚されておらず、まるでウエディングド
レスのようだ。
「着てみて」
 カガミの要求に、私は
「着せて」
 と短く要求した。
62: 琥珀3rd-Proof 5/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:53:27 ID:cCwAZIMX(6/22)調 AAS
 するとカガミは困ったように頬をかき、しかし、決意したように頷くと「わかった」とい
った。
 カガミはまず私の衣服を脱がしはじめた。
 この部屋に入ったときに与えられたこの純白のワンピースは、とても着心地がよかった。
 下着も、今まで私が着けていたようなものとは比べられないような質感のもので、窮屈さ
も履き心地の悪さも感じない。
 カガミは下着姿になった私の身体をみて、すこし息を吐いた。
「どうしたの?」
「え」
 カガミは照れたように笑い。
「いや、その、いつみてもミヤビちゃんはスタイルいいなあって思って」
 そうだろうか?
 この部屋にはいって幾分か体重と筋肉が落ちたのは間違いないだろうが。
 カガミは更に言葉を続けた。
「わたしはさ、ガリガリで貧相だけど。ミヤビちゃんの身体ってほんと女の子って感じで、
みててうらやましくて」
 それへ私は、
「でも、この身体ももうあなたのモノでしょ、カガミ」
 淡々と応えた。
 それは喩えでも冗談でも嫌味でもなく、紛れもなく事実だった。もう既に私の身体はカガ
ミの所有物でしかない。
 しかしカガミはその答えをどう受け取ったのか、嬉しそうに顔を紅潮させた。
「な、なにいってるの。そんな、いきなり、恥ずかしいこといわないで」
 言いながらもカガミの表情や声は不快そうではなく、楽しそうだった。だから私はなにも
いわず、ただ微笑んだ。
 カガミはその後は黙々と私の身体にそのドレスをまとわせていくことに執心し、10分ほ
どだろうか――時間の感覚がわからない――悪戦苦闘しながらも着せてくれた。
 それはまさしくウエディングドレスのようだった。
 白く穢れのない生地、幾多のフリルで飾り付けられたドレス。
 カガミはしばらく私の姿を惚けたように眺めていた。
 私はふと思いついたことを口走った。
「結婚式しようか」
「え、結婚式?」
「うん、私とカガミの、2人の結婚式」
 自分でいって馬鹿みたいだと思ったけれど、カガミの食いつきはよかった。
「そんな、わたしもミヤビちゃんも女の子だよ。女の子同士なのに」
「別にそんなこといいじゃない」
「でも、でも、だってどっちが花嫁でどっちが花婿になるんだろ、とか」
 そこまで考えてなかった。
 普通に考えたらウエディングドレスを着ている私のほうが花嫁なんだろうが。
「2人とも花嫁。ってことでいいんじゃないかな」
 そういって笑ってみせた。
 カガミは一瞬だけ驚いたような表情をしたが、直ぐに相好を崩し、笑って頷いた。その目
元には涙が溜まっているようにみえた。
 その涙を見ていたら、自然と私の目からも涙がこぼれていた。
「あ、あれ……変だな……」
 手の甲でぐしぐしと涙を拭いた。
 カガミが不安そうにこちらを見ていたから、私は涙をこぼしながらも笑顔でカガミに向か
っていった。
「嬉しかったから……ごめん」
63: 琥珀3rd-Proof 6/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:53:54 ID:cCwAZIMX(7/22)調 AAS
「謝らなくていいよ。でも、そんな喜んでくれるなんて、わたしも嬉しい」
 そういってカガミが抱きついてきた。
 私の目からは更に涙が溢れ出していく、止める方法が分からなかった。
 ――思った。
 私はいつになったらこの部屋から出れるんだろう。果たして出られる日は来るんだろうか。
もしかしたらそんな日は一生来ないんじゃないだろうか。
 この、カガミが作り上げたこの白く何もない部屋の中に、居続けなければならないんだろ
う……?
 この作り物の空間の中で、作り物の笑顔を浮かべて、偽りの言葉を並べて、いつまでカガ
ミの人形で居続けないといけないんだろう?
 そう思うと、涙が溢れ。一向に止まらなかった。
 
 
***
 
 
 その日は瑛子が風邪で休み、昼休みが終わる頃には紺は学校から姿を消していた。
 私と椎は瑛子から送られてきた1通のメールに、どうすべきか少し困ってしまっていた。
『アタシがいなくても ちゃんとカガミのことヨロシク』
「これって、私たち2人でカガミになんかしろってことよね?」
 メールの文章を見ながらいい、椎のほうをみた。
 椎は唇を尖らせ、「んー」と唸ってから、苦笑した。
「めんどくさいなぁ、もう」
「だよね」
 私と椎はあまりカガミをイジメることに乗り気ではなかった。
 瑛子や紺はそれぞれ元からカガミに対して思うところがあったようだが、私はただ瑛子た
ちに巻き込まれただけでしかない。
 そういえば椎はどうなんだろう?
 瑛子はカガミの整った容姿や、真っ直ぐな黒髪を羨んでいて。それを当然のように享受し
ていて、鼻にかける様子もないのが、逆に気に食わないのだといっていた。
 紺はカガミの家が裕福であることと、紺の家が貧しいことの差を妬んでいた。身体を売っ
て金を稼いでも、それ以上の金を親から小遣いとして与えられているのがむかつくと言って
いた。
 だが、椎には彼女たちのような理由がないように思えた。
「ん、私がカガミイジメに加わってる理由?」
 私の質問に椎は不思議そうに首を傾げた。
「どうしたの突然」
「いや、なんとなく気になってさ」
 椎は「ふうん」と気のない返事をすると、唇に指をあて少し唸ってから答えた。
「私がどれだけ勉強してもカガミに勝てないことがむかつく――まあ、瑛子たちと同じよう
なものよ。私が欲しいものを彼女は当然のような顔をして享受している。『なんで?』って
思っちゃうのよね、私が手に入れるためにこんなに努力しているのに、彼女はなんの努力も
せず手に入れることができるんだろーってさ」
「へー」
 少し意外だった。
 普段から苛立った様子を隠そうともしない瑛子たちと違って、温厚で落ち着いているよう
にみえる椎がそんな感情を抱えているだなんて。
 私がそんなことを考えていると。
「それをいうなら、貴女はどうなの」
「え」
64: 琥珀3rd-Proof 7/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:54:27 ID:cCwAZIMX(8/22)調 AAS
「ミヤビのほうこそカガミイジメに加わる理由なくない?」
「それは……」
 私は本当のことを話すべきか悩み、とりあえず当たり障りのないことをいった。
「カガミのやつ、椎の分だけおみやげ買ってこなかったとか、むかつくじゃん。まあ、そう
いう」
「へえ」
 椎は口端を吊り上げて笑った。
 そうするとまるで獲物を見つけた肉食獣かのような獰猛さが、温厚な椎の横顔に宿るから
不思議だった。
「ミヤビってそんな友達思いだったんだ」
「え、あ、うん。そうだよ」
 自分から切り出した質問だというのに、椎の反応に居心地の悪さを感じてしまう。
 前から思っていたけど、椎は私たちに何かを隠しているような気がする。それはおそらく
ただの気のせいなんだろうけど、でもそう思ってしまう。
 椎は机を挟んだ向こう側から私の目を真っ直ぐに見続けたかと思うと、ふっと口端に笑み
を浮かべた。
「じゃあ、今日も元気にカガミのことイジメますか」
「え」
「ん、いやなの?」
「いやってわけじゃないけど……」
 そんな明るい調子でいうような事柄なのだろうか。
 椎はとても楽しそうに笑いながら言った。
「だってミヤビは友達思いなんでしょ? だったら、おみやげもらえなくて可哀想な私のた
めに、一緒にカガミのことイジメようよ」
 そういうのは友達思いというんだろうか?
 そもそも私にとって、私たちにとって、椎たちにとって、カガミは友達だったんじゃない
のか?
 だが私は一切なにも言葉にせず。
 椎の言葉に頷いてしまった。
 
 
「……うっ」
 まぶたを開くと、白い天井がみえた。
 その白さが眩しくて視線をそらすと、カガミの顔が横にあって驚いてしまった。
 だが直ぐに、ここに来てから毎晩カガミと寝ていることを思い出し、身体から緊張を解い
た。
 しかし、
「また、か……」
 カガミに捕らえられてからというもの、私は毎晩のように夢をみるようになった。
 それがもし幸福な夢だったとしたら、私はどれだけ救われただろうか。それが眠りの中だ
けの虚構の救いだったとしても、今の私には十分すぎる救いとなってくれただろう。
 ――だが、実際には、私がみる夢はかつてカガミをイジメていた頃の記憶。
 カガミに与えた暴力や罵詈雑言の数々が、私の夢の中で再生される。
 その行為の酷薄さに目を背けたくなっても、そうすることができなかった。まるで私の無
意識が、カガミをイジメていたことを悔いるように求めているかのようだった。
 もし本当にそうなのだとしたら、もうこんな夢みせないでほしい。
 私は後悔している。
 私は懺悔している。
 私はかつての自らの行為が酷いものだったと理解しているし、謝罪や償いはいくらだって
するつもりでいる。
65: 2010/12/11(土) 19:56:44 ID:3G/SLQLg(1)調 AAS
さるさけ
66: 琥珀3rd-Proof 8/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:56:54 ID:cCwAZIMX(9/22)調 AAS
 だから、だから、もうこんな夢みせないで欲しい――。
「……どうしたのミヤビちゃん」
 不意に声をかけられて気がついた。
 寝ていたはずのカガミが、いつ起きたのか目を開き、不安そうな表情で私のことをみてい
た。
 私は穏やかな、そうこの部屋に相応しい、不快なことも/苦しいことも/悲しいことも/
嫌なことも/辛いことも――そうした全ての感情から隔絶されたこの部屋に相応しい虚無の
笑みを浮かべ。
「なんでもないよ」
 そうやさしくいった。その声が掠れていたことに、自分で驚いてしまった。
「ほんと、なんでもないから」
 繰り返しそういった。
「うそ」
 カガミは私の言葉に被せるようにいった。
「うそだよ」
「うそじゃない、なんでもない、なんでもないの」
「……だってミヤビちゃん、泣いてる」
「え?」
 カガミの細い指先が伸びてきて、私の目じりに触れた。
 触れられたことで、私の目じりに涙が溜まっていたことに気がついた。
「なんで、泣いてるの?」
 カガミはとても優しい声音でそういってくれているが、私にはその声が地獄の閻魔による
断罪の声に聞こえる。
 カガミはやさしい子で、悪い子ではなかった。
 それなのに私はカガミの精神がおかしくなってしまうほどに追い詰めてしまった。
 それなのに私は瑛子たちと一緒にカガミをイジメてしまった。
 それなのにそれなのに私はカガミのことを忘れてしまおうと考えていた。
「私……わたし……最低だ」
「……ミヤビちゃん?」
 私は後悔してる。
 かつての自分の行為を、止められる立場にいたはずなのに止めずに加担してしまった罪を、
後悔している。
 でも、それはもう手遅れなんだ。
 どれだけ後悔しても、もう取り戻せない、時間は戻らない。戻ってくれない。
 今更――カガミをイジメていた事実は消せない/自殺した瑛子は甦らない/強姦された紺
の傷跡は消せない――そういえば、紺はどうしたんだろう? 私がカガミに連れられあの場
を離れたあと、紺はどうなってしまったんだろう?
 嫌な予感/確信ともいえるものが私の脳裏に過ぎった。
 それは一度考えてしまうと、それが事実のように感じられて、脳裏にコゲつき離れなかっ
た。
 私はカガミに聞いた。
 聞いて、事実を知ってしまえば、妄想せずに済む。
「ねえ、カガミ。紺はあのあとどうなったの?」
 その言葉にカガミは分かりやすいくらいに反応を示した。
 顔から表情が消えうせ、目つきは鋭く私の思考を読み取ようにみえる。
「え、……突然どうしたの?」
「紺、あの男たちに酷いことされてたよね、あの後どうなったのかなって。紺、……生きて
るよね?」
 私の問いに、カガミが答えるまで僅かに間が開いた。
 カガミは笑って応えた。
67: 琥珀3rd-Proof 9/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:57:18 ID:cCwAZIMX(10/22)調 AAS
「当然だよ、生きてるよ」
「……そう、よかった」
 私はそういうと目蓋を閉ざした。
 ――見ていられなかった。
 今の生活を、今の私を壊したくがないために、あからさまな嘘をついたカガミの顔はみて
いられなかった。
 カガミは笑ってみせたけど、その頬は強張っていたし、瞳は落ち着きなく揺れ動いてしま
っていた。
 そんな表情をみせられてしまったら、それ以上追求することはできなかった。これ以上、
カガミのことを追い詰めたくなかった。
 カガミを傷つけ壊した私がカガミにできる唯一の贖罪が、カガミと共にいることだという
ことを今ようやく納得できた。
 私を籠の中に閉じ込め、人形のようにしておく行為が、カガミにとってどんな意味がある
のかは分からないが。
 それに最後まで付き合う義務がある――。
「ミヤビちゃん、寝ちゃったの?」
 私は無言でカガミに手を伸ばし、その細い身体を引き寄せ、抱きしめた。
「え、えぇと、え、どうしたの?」
 驚くカガミ。
 私はできるだけやさしい、彼女にとって救いになるような、そんな笑顔を浮かべられるよ
う精一杯やさしく微笑むと。間近にあるカガミの瞳を真っ直ぐに見つめた。
「ひとりだと……独りだと寂しいでしょ、だから……ずっと一緒だよ、カガミ」
 そういってカガミの言葉を待たず、その口唇を塞いだ。
 カガミとはこれまで何度も何度も唇を重ねたことがあった。そうするとイジメられている
というのに、カガミは少し嬉しそうな表情を浮かべるのだ。
 今考えてみると、私はそうやって彼女が喜ぶ行為をして、少しでも自分の罪が軽くなるよ
うに、カガミの精神的な負担が軽減されるようにしていたのかもしれない。
 カガミの舌は私の口の中に入ろうとして、でも、そうすることが怖いというように宙ぶら
りんな場所で震えていた。
 だから私は彼女の舌に自らの舌を重ね、絡め、そして私の中へと招き入れた。
 カガミの口からは以前のような尿の臭いはしなかった。
 気づくとカガミの腕も私を引き寄せるようにして、抱きついていた。
 私は思った。
 このままひとつになってしまえたらどれほど楽か。
 カガミのことを抱きしめた。強く強く抱きしめた。
 カガミの身体は細すぎて、こうして力をかけ続けていると壊れてしまうんじゃないかと思
ってしまう。
 だが強く抱きしめるほど。
 力を強くかけるほど、触れ合った胸から聞こえるカガミの鼓動が高鳴っていくのが、カガ
ミの唇の激しさが、どんどんと増していくのが分かる。
「カガミ」
 私は一旦唇を離して、その名を呼んだ。
 それへカガミは即応した。
「ミヤビちゃん、好き、だよ」
 その言葉に私は泣きそうになってしまった。いや、涙はこぼれているのかもしれないが、
分からない。身体中の神経が痺れてしまったかのように、その感覚がほとんどなく、あるの
はただカガミと触れ合っているという感触。カガミの感触しかわからなくなってしまってい
た。
「私で……いいの……?」
 私はこれまで幾度も幾度もカガミに対して酷いことをしてきた、非道な仕打ちをカガミに
してきた。
68: 琥珀3rd-Proof 10/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:57:47 ID:cCwAZIMX(11/22)調 AAS
 本来なら私は処罰されるべき存在だ。
 すべからく殺されてしかるべし存在なんだ。。
 私はいつカガミに殺されてもおかしくない存在のはずなんだ。
 それなのに、カガミは――、
「うん。ううん、ミヤビちゃんだからいいの。わたしは、わたし、ミヤビちゃんのことが好
きなの」
 そういって私の頬を舐めた。
「でも、私カガミにひどいこといっぱいしたよ」
 カガミの体を最初に見たとき、スタイルがいいと思ったのを憶えてる。肉つきはあまりよ
くないかもしれないけど、スレンダーでスタイルいいなあって思った。けれど、私たちがカ
ガミを追込んでいくうちにカガミの肉体はやせ細っていき、気づけば骨と皮のような状態に
なってしまっていた。
 そこまでの仕打ちをしたのが私たちなんだ、いや、それが私のした行為なんだ。
「イジメられてる時、ミヤビちゃんは、ミヤビちゃんだけは優しくしてくれた。わたしのこ
とちゃんと人間として扱ってくれた。ミヤビちゃんがいてくれなかったら、わたし、きっと
死んでたよ」
「そんなの――そんな、そんなの、ただの欺瞞だったの! 私、カガミが壊れていくのみて、
それで、そういうことしてる自分が怖くなって。だから、少しでも自分の罪が軽くなるよう
にって思ったの。ただそれだけなんだよ、カガミ……」
「そうかもしれない……でも」
 カガミは笑った。
「わたしはミヤビちゃんのことが好き」
 その笑顔にはなにもなかった。
 策謀も虚栄も欺瞞も、なにひとつとしてなかった――あったのはただひとつ――、
「こんな私でも、好きでいてくれる……?」
「うん」
 私への純粋な好意。
 ただそれだけしかなかった。
 ただそれだけしか、もうカガミには残されていないんだ。
 そう思うと私は涙がこぼれた。
 カガミはもっと色んなものを持っていた。クラス中の男子から好かれる美貌/スタイルの
いい身体/学校でもトップクラスの頭脳/沢山の友達/明るく誰にでも分け隔てなく接する
ことができる性格――そんな色々なものをもっていたはずなのに、今のカガミにあるのはた
だ――私を好きだという感情だけ。
「……カガミ」
 私は再び彼女の名前を呼び、唇を重ねた。
 唇を重ねながら私は誓った。
 この少女が私を必要としている限り/カガミが私への好意以外の何かをみつけるまで、私
はカガミの傍にい続けよう、カガミが望む限り傍にい続けてあげよう。
 それが私にできる、たったひとつの――贖罪。
 
 
 
 
  
 ――しかし、私たちの生活は長く続かなかった。
 
 
 
 
69: 琥珀3rd-Proof 11/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:58:51 ID:cCwAZIMX(12/22)調 AAS
***
 
 
 カガミとの生活が始まって1カ月。
 私は白い部屋の中、カガミ以外の誰とも会わず、ただただ静かなこの空間の中で穏やかに
暮らしていた。
 最初の内は、こんななにもない場所に放り込まれて絶望してしまったが。カガミと共に在
ろうと決めた今となっては、私とカガミしかないこのシンプルな空間は、私の思考を単純化
してくれた。麻痺していったといってもいいかもしれない。
 なにもないこと、なにもしていなくても、退屈だと感じなくなった。
 ――そんなある日のことだった。
 朝からカガミがでかけていて、私は白い部屋の中ひとりぼっちにされていた。
 うつらうつらと薄い睡眠とまどろむような目覚めを繰り返しながら、カガミの帰りを待っ
ていると、勢いよく扉が開かれた。
 私はその音で起床すると、扉のほうへ顔を向け、微笑み――言葉を失った。
「……え?」
 現れたのはカガミではなかった。
 突然の侵入者は私の顔をみると口元に笑みを浮かべ、
「ミヤビ!」
 私の名を呼んだ。
 それへ私も彼女の名前を呼んで応えようとしたのだが、直ぐに名前が思い出せず、それに
カガミ以外の人間と会うのは久しぶりだったから驚いてしまって。まともに頭が働かなかっ
た。
「よかった、無事で……」
「え、と。その、どうやってここに?」
 少女の言葉に私はなんとかそれだけ応えると、侵入者は自信に満ちた笑みで答えた。
「調べた」
 こともなげにいってのける侵入者。
 私はそれでようやく思い出した。
「……椎」
「ん? なあに、ミヤビ」
 名前を呼ばれて嬉しそうに笑う椎は、私の手を掴むと。
「さて、あんまりぐずぐずしているとタイミング失っちゃいそうだし、とっとと逃げちゃお
っか、ミヤビ」
 そういった。
 ――にげる?
 椎はなにをいっているんだろう?
「にげる?」
「そう、ほら、早く逃げよ」
 椎はいい、強い力で私の手を引いたが。私はその場から動かなかった。
「逃げるって、なにいってるの? 逃げないよ」
 逃げれない。いや、逃げたらいけない。
 私は望んでここにいる。自分の罪を償うために、カガミに贖罪するためにここにいるんだ
から。カガミの赦しがなくここから離れることはできない。
 それに、私がいなくなったらきっとカガミは悲しむ。
 だってカガミにはもう私しか残っていない。
 だから私がカガミの手の届く場所から離れたら、きっとカガミは傷つき、絶望し、もしか
したら自ら死んでしまうかもしれない。
70: 琥珀3rd-Proof 12/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:59:28 ID:cCwAZIMX(13/22)調 AAS
 そう考えるとこの場から離れることはできなかった。
 それに――私にももうカガミしか残っていない。
「……なにいって、ミヤビ。どうしたの、こんな、こんなところで監禁されておかしくなっ
ちゃったの。しっかりしてよ」
「ううん、監禁じゃない。私は望んでここにいいるの」
「うそだ」
 信じられないというように、何度も何度も首を振る椎。
 私はその椎の様子が憐れでしょうがなかった。
「椎もさ、一緒にカガミに謝ろう、謝って一緒に償おう」
 そういって椎の身体を抱きしめた。
 そうすると、段々と椎の身体から無駄な力が抜けていくのが分かった。
「謝るって、なにを、アイツに謝ることなんて」
「だってカガミがおかしくなったのは、カガミをおかしくしちゃったのはわたしたちなんだ
よ。だからね、謝ろう。ごめんて謝ろうよ、椎」
「いやだ……ッ」
 椎は私の身体を強く抱き返してくると、引き絞るような声でいった。
「アイツは私からミヤビを奪った。しかも、こんな所に閉じ込めて、ほんと……むかつく」
 椎の言葉からは怒りしか感じなかった。
 でも私はなんとか説得しようとしたのだが、ふと、気がついた。
「カガミに謝るなんてできるわけない。だって、だって、アイツが瑛子のこと自殺に追込ん
だんだし、紺が殺されたのだってどうせアイツが噛んでるんでしょ。それに、それに……ミ
ヤビを、ミヤビのことを独り占めにしようとしたのが、なにより赦せない」
「……椎」
「だって、だって……アイツ知ってるはずなんだ、分かってたはずなのに……私がミヤビの
こと好きだって。なのに、独り占めにしようとするなんて、赦せない」
「そう」
 激昂し叫ぶ椎、その言葉に答えたのは――私ではなかった。
「それは、ごめんなさい」
「え――」
 椎の背後にカガミが立っていた。
 カガミは椎が喋っている途中からいたが、私はそのことを口にはしなかった。だってカガ
ミが口元に手をあて、喋るなというように口を動かしたから。
 カガミは椎の背後に立っている。
 椎の目が大きく見開かれ、顔が硬直していた。
 カガミは椎の肩を掴むと、強引に私から引き剥がした。
 その勢いで椎は床に投げ出されると、真っ白い床に赤い染みを作り始めた。
「え?」
 理解できなかった。
 椎の身体から拡がっていく真っ赤な液体、それがなんなのか。
「うそ……なにこっ――ゲホッ、ゲホッ」
 椎が咳をすると、口からもその液体は飛び散った。
 私は椎になにをしたのかカガミに聞こうと、カガミのほうをみて絶句した。
「ふ……」
 カガミの顔は酷く強張っていた。
 目じりは吊り上り、床に倒れ赤い液体を撒き散らす椎を凝視し。口元に笑みににた表情を
浮かべていたが、それを笑みと呼ぶには抵抗があった。
「ははっ、ははははははははは」
 カガミはいきなり笑い出すと、なにを思ったのか椎のお腹を踏みつけた。
「椎、椎! 余計なことしようとするからこうなるんだ、何もしなければ死なずにすんだか
もしれないのに」
71: 琥珀3rd-Proof 13/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 19:59:56 ID:cCwAZIMX(14/22)調 AAS
 そう言いながら椎の身体を踏みつけ、蹴り飛ばすカガミの姿に、私は恐怖を覚えた。
「だ、だいたいっ。気持ち悪いんだよ、女なのに女が好きなんて! ひ、ひひっ。それに、
わたしのミヤビちゃんに手を出そうとしたのも、ほんときもいんだよ」
 椎の身体から溢れる赤。
 その赤はまるで炎のようだった。
 椎の炎が、虚無だった白い部屋を燃やしていく。
「……殺してやる」
 だがそれ以上に強い炎が、炎のように怒り、燃え盛るカガミはその椎の身体にまたがると、
その手に握った包丁を振り下ろした。
「……か、カガミ?」
 私は旧友を痛めつけるカガミを止めようと思ったが、声をかけることはできても、その狂
気に満ちた姿に触れることはできなかった。
 こんなカガミ、知らなかった。
 カガミはやさしくて穏やかでやさしい子のはずなのに。
 これじゃあまるで変わらない、罪を犯した私となにも変わらない。
 椎の見開かれた両目は白目を剥き、既に悲鳴を上げることも、抵抗することもできないで
いる。
 そんな椎を、カガミは何度も何度も刺し続けた。
 カガミが燃えている、燃えていく、椎から噴出する赤で、カガミの姿が赤に染まっていく。
 純白で、他に何もなかった部屋が、私とカガミの世界が燃えていく。
 私は気づくと、その場に座り込み、泣いていた。泣くことしかできなかった。
 
 
 カガミが椎を殺し続ける行為を止める頃には、私の涙も枯れていた。
 カガミは真っ赤になった部屋と、真っ赤に染まった自分の姿をみて、頭を振った。
 その姿は狂気に満ちていて怖いもののはずなのに、どこか滑稽で、どうしようもなく哀れ
だった。
 私はカガミになんて声をかけようか考えたが、なにも思い浮かばなかった。するとカガミ
のほうから、私へ向かって声をかけてきた。
「ミヤビちゃん」
「ん、なあに?」
 私はできるだけ平静を保って応えたつもりだったが、その声は裏返っていたし、顔は笑顔
を浮かべようとしてひきつってしまっていた。
 カガミは窮めて自然な笑顔を浮かべ。
「椎の、椎ちゃんのこと、殺しちゃった」
「……うん」
「わたし、人殺しになっちゃった」
 その言葉に、私の中でわだかまっていた感情が『瑛子を自殺に追込んだくせに』という言
葉を吐き捨てたが。私は違うことをいった。
「そうだね。でも、しょうがないよ。だって、椎はカガミのこと傷つけたんだし。だからし
ょうがないよ」
 カガミは一瞬驚いたような表情をみせたが、短く頷くと。
「そうだよね」
 小さい声で呟いた。
「みんなあいつらが悪いんだ。みんな、みんな、あいつらのせいなんだ」
 いいながらカガミは近づいてくると、私のことを抱きしめた。その身体は震えていて、憐
れでちっぽけで、つい先ほどまで狂気に満ちた姿で人を殺していた少女と同一人物だとは思
えないほどだった。
 しかし――その『あいつら』の中に『私』が含まれているのを、カガミは理解しているん
だろうか?
72: 琥珀3rd-Proof 14/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:00:20 ID:cCwAZIMX(15/22)調 AAS
 聞いてみたかったが、怖くて聞くことができなかった。
「ミヤビちゃん……」
 カガミはそうとだけいうと、まだ血に濡れていない床に私を押し倒すと、赤く濡れた指先
で私の衣服を脱がし始めた。
 突然の行為に驚いたが、抵抗できなかった。カガミの手にはまだ包丁が握られている。
「ミヤビちゃん、これで、わたしたち2人きりだね」
 なにを言っているんだろう。
 元からこの部屋の中には私とカガミしかいなかったのに。
 カガミは私の裸身をみて満足げに微笑むと、
「あの頃の、あの忌まわしい記憶を持っているのはわたしとミヤビちゃんだけ、2人だけの
記憶、2人だけの秘密……ふふ」
 いいながらカガミは私の乳房に顔を埋めた。
「ああ、そういう……そうだね、もう2人きりだ」
 中学生時代、私が仲がよかった相手はもうカガミしかのこっていない。
 瑛子は自殺に追込まれ。
 紺はどうやらあの強姦の果てに殺され。
 椎は今さっきカガミの手で殺された。
 生き残っているのは私とカガミの2人だけ……いや、違う。あの頃、カガミをイジメてい
た人間で生き残っているのは、もう私しかいない、そういうことだ。
「……寂しい?」
 カガミがそう聞いてきた。
 私は僅かに考え、答えた。
「別に、だってあいつらとは反り合わなくなってたし、だから寂しくはない、かな。死んだ
のが悲しいけど」
「そっか」
 カガミはそういうと包丁を握っていないほうの手で、私の乳房を掴むと、ゆっくりと手を
動かしもみ始めた。
 椎の血で私の乳房が赤くなっていく。
 そうされると椎に穢されていってるようで、少し不快だった。
「今になって思うんだ」
 私はカガミの髪を1房掴むと、それを指で弄びながらいった。
「私にとって、本当に友達だっていえるのは、カガミだけだったんだと思う」
「――え」
 驚いたようにカガミが行為をやめ、こちらを見た。
 私は薄く笑い。
「カガミ、今だからいえるけどね。カガミをイジメようって言い出したの、本当は私なんだ。
椎がね、おみやげもらえなかったって言ったら。瑛子たちがカガミのこと空気読めないとか
むかつくとかいって、だから私『だったらイジメちゃおう』って」
「…………」
 カガミの両目が見開かれ、私をみていた。
 その瞳はまるで虚無を見つめているかのように、感情が消えうせていた。
「……それ、ほんと?」
 ようやく搾り出された声は掠れていた。
 私はカガミの腰に手を回すと、その華奢な肢体を抱きしめた。
「うん、私が言い出したことなの」
 カガミの顔からどんどん色が失せていく、それほど衝撃的な事実だったんだろう。
 だってそれはそうだろう、カガミにとって私は『イジメている連中の中で唯一やさしくし
てくれる相手』で『おそらく渋々イジメに付き合っていただけ』だったんだろうから。
 だけれど、本当は違う。
「……なん、なんで」
73: 琥珀3rd-Proof 15/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:00:44 ID:cCwAZIMX(16/22)調 AAS
「なんで?」
「なんで、そんなこと……ウソでしょ、ウソだよね……ッ!」
 私は首を左右に振った。
「ウソじゃないよ、カガミ。私が提案したの、カガミをイジメること」
「でたらめいうな!!」
 カガミは私の頬を殴りつけると、私の腕を振りほどいて飛びのいた。
 口の中が切れたようだった。
 私は身体を起こすと、ゆっくりと立ち上がった。
「……痛いよ、カガミ。でも、カガミはもっと酷いことされたもんね。ごめんね」
 そういいながら、肌にまとわりついていた下着を脱いで、素裸になると両手を大きく広げ
てみせた。
「だから、いいよ、私のこと殺しても」
「……殺す? わたしがミヤビちゃんのこと、ころす……?」
 カガミは理解できないというように、何度も何度も頭を振り、包丁を手から落とすと両手
で顔を覆ってさらに頭を振った。
「そんなの……いやだ」
「ならそれでもいいよ、私はもうカガミのモノだから。だからさ、憶えておいて欲しいんだ、
カガミには私をころす理由がある。私がカガミをいじめようっていったってこと」
「……いやだ」
 カガミは駆け寄ってくると、そのまま全身で私にぶつかってきた。
 私は抵抗せず、しかしカガミの身体を抱きしめると、そのまま床に倒れた。
「わたし、イジメるって、なんで、そんなの。そんなの、うそだよ、ミヤビちゃんがそんな
こというわけないもん」
 カガミの瞳からぼろぼろと涙がこぼれていた。
 カガミは酷く脆い、こんな言葉だけで崩れてしまうほど、弱い少女だったんだ。それを私
が、私の醜い嫉妬が壊してしまった。
「あの当時、みんな、カガミに対して、わだかまってた想いがあったんだ」
「……わだか――ぐすっ、おもい……?」
「うん。瑛子はね、自分がどれだけがんばっても、カガミくらい綺麗になれないっていって
たし。紺は自分が身体売ってまでお金稼いでるのに、カガミはなにもせず金もってるからず
るいっていってた。それに椎は勉強が――ううん」
 特に努力しているふうでもないカガミが、試験で常に自分より上にいることに納得がいっ
ていない。
 そういってたけど、おそらく違う。
「椎は、カガミが私と仲がよかったこと。私がカガミとばかり喋って、椎とあんまり喋らな
かったから。だから、カガミのこと憎んだんだと思う。だってあの子、私のこと好きだった
から」
 確信はない。
 でも今思えばそうとしか思えなかった。
 そもそもそうでなければ、こんなところまで助けにきてくれるはずがない。
「それって」
 カガミが震える声でいった。
「……わたしが、わるかったの?」
「ううん」
 私は首を横に振った。
「私のせい。私がそういうみんなの想いを吐き出すきっかけを与えたから、だから私が悪かっ
たんだ」
 カガミは「ぐすっ、ぐすっ」と鼻をすすりながらいった。
「ねえ、教えて」
「うん」
74: 琥珀3rd-Proof 16/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:01:08 ID:cCwAZIMX(17/22)調 AAS
「ミヤビちゃんは、わたしのどこがゆるせなかったの?」
「それはね」
 私は瑛子たちには、カガミのことはただむかつくとしかいってなかった、それだけでも瑛
子たちは納得してくれた。
 でももう今更そんな欺瞞はしないし。
 カガミに対してウソはつきたくなかった。
「友達がいっぱいるカガミがうらやましかったの」
「……え?」
 そう、思い返せばそれが理由だった。
「クラスのみんなから慕われて、いつも中心にいたカガミがうらやましくてしょうがなかっ
たの、だって、私、友達いなかったから」
 カガミは黙って私の話を聞いてくれていた。
 だから洗いざらい全て話す気になれた。
「私ね、昔から友達作るのが苦手で。だから中学のときも孤立してて、カガミが話しかけて
くれるまで、そういうこともなかった。だから、話しかけられたときすっごい嬉しくて、嬉
しくて。カガミが私のこと『友達』っていってくれたとき、本当に嬉しかったの。それにカ
ガミと一緒にいたら、瑛子たちとも仲良くなって、友達が増えていって……失うのが怖くな
ったんだ。だから、瑛子たちから嫌われないように、瑛子たちと一緒になってカガミのこと
いじめたの」
「……友達失いたくなかった、から?」
 頷いた。
 カガミの表情に感情が戻ってきたが、その表情は怒りではないようだった。
「なんで、そんな……そんなことのために、わたしは……」
「友達がいたカガミには分からないよ、友達がいなかった私の気持ちなんて」
 そういうとカガミは黙ってしまった。
 私もいうべき言葉が見つからず、ただ、カガミの肩越しに天井を眺め続けた。
 そうしていると椎の血のにおいに気づいた。
 まるで今まで鼻がつまっていたかのように気づけなかったそのにおい、気づけば鼻腔がそ
のにおいに支配され、酔いそうになってしまう。そのにおいはまるで、死そのものなように
感じられた。
 この部屋に囚われた私は、もう死んでいるも同然だ。
 ただ、重なった肉体、触れ合っている胸から伝わってくる心臓のリズム、一定で刻まれる
その鼓動。それだけが私が、私たちが生きているという証明だった。
 突然、カガミは笑みを浮かべた。
 それは笑みなのだろうが、ひきつっていてとても笑顔とは呼べそうにない悲痛なものだっ
た。
「ミヤビちゃんはさ、友達がほしかったの?」
「うん、欲しかった」
 私は頷いた。
 正直な気持ちだった。
 友達が欲しかった。一度手に入れたら失いたくなかった。
「なら、さ。わたし、ずっと、ミヤビちゃんの友達だから。ずっと離れないで、いつまでも
一緒にいよ……」
 掠れた声でそういうカガミ。
 私は再び頷いた。
「私はいいけど、でも、カガミはいいの? 私のこと、殺さなくて」
「殺せない」
 カガミは直ぐに答えた。
「もう、わたし、ミヤビちゃんしかいないから。だから、ミヤビちゃんのこと殺せない」
「違うよ。それは違う。カガミなら、手に入れることできるよ。カガミなら、がんばればま
た手に入れることできるよ」
75: 琥珀3rd-Proof 17/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:01:40 ID:cCwAZIMX(18/22)調 AAS
 だって、カガミから全てを奪い、壊したのは私なんだ。
 壊されなければ、奪われなければ、カガミは新しい友達を、新しい生活を、新しい人生を
歩んでいくことだってできる。
 こんな忌まわしい記憶から脱却して、新しい記憶を創っていくことができる。
 だから――、
「私に罪を全部被せて、カガミは新しい人生を始めたらいいよ。だから、私のこと殺してい
いんだよ。カガミ」
 しかし、カガミは首を左右に振った。
「無理だよ、そんなの……だって、瑛子も紺も椎もわたしが殺した、わたしが殺したんだ。
瑛子たちひどいことしたって思うよ、だって辛かったもん、何度も自殺しようって思ったも
ん。でも、でも、殺されるほどのことじゃなかったって思うんだ」
「そんなことない、カガミに復讐する理由はある」
「でも……」
 カガミはしばらく沈黙すると、ふいにいった。
「それなら、尚更もう殺せない、ミヤビちゃんのことは殺せない」
「……カガミ」
「ミヤビちゃんはわたしのそばにいて、それがわたしの、ミヤビちゃんに対する復讐だから。
だから、ずっとそばにいて」
 そういうとカガミは私の唇を奪った。
 カガミのキスは以前に比べたら格段にうまくなっていた。
 2人きりのなにもない空間、私たちはこうした遊びをすることが多かった。
「カガミ、っ、ん、……うまくなったね」
 褒めてあげると、カガミは嬉しそうに笑った。
 もうちょっとカガミの上手になったキスを味わっていたかったが、カガミは身体を離すと、
私の股を開いた。
 みると私の身体も、カガミと重なっていた部分は赤く染まっていた。
「いつみても、ミヤビちゃんのここきれい」
 カガミはそういいながら私の陰部に舌を這わせ、ゆっくりと閉じられた部分を開いていく。
 手は使わないし、激しさもない、でもその緩慢な攻め方が心地よかった。身もだえして求
めたくなってしまう。
「そんなこと……はずかしいよ……」
「ふふ……じゃあ、指いれるよ」
「……うん」
 返事をかえすと、カガミの細い指先が私の膣に入ってきて、内部の肉壁をこすりはじめた。
「ん……ふぅ……カガミ、カガミ……あっ……ぅんっ」
「気持ちいい? ミヤビちゃん」
「……うん、いいよ……きもちいいよ……カガミ」
 ふと、思った。
 カガミは男の身体を知ってるけど、私は一度も男とそうしたことはない。こうして女同士
でするのと、男とするのとだと、どちらが気持ちがいいものなんだろう。
 カガミに聞こうかと思ったが、やめた。
 したことがあるといっても、カガミは一方的に犯されていたに過ぎないし、もうあの頃の
ことなんて思い出したくないだろうし。
 私が果てると、カガミは指を抜き、愛液で濡れた指を舐めた。
「じゃ、今度はわたしにして」
「わかった」
 私はそう応えると、カガミを床に組み伏した。
 椎の血が私たちのところにまで届いていた。
 だが、他人の血にまみれることくらい、もう気にならなかった。
76: 琥珀3rd-Proof 18/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:02:23 ID:cCwAZIMX(19/22)調 AAS
 私はカガミの平らな乳房を舌で舐めると、カガミは敏感に反応した。胸に脂肪がほとんど
ないカガミだけれど、その感度はよかった。
 既にカガミの乳首は勃起していたが、それは責めず、あくまでその周囲を愛撫し続ける。
「……っ、くっ」
 カガミはイジメられていたときの癖か、自分の手を噛んであえぎ声を押し殺していた。
 私はカガミの胸に自分の乳房を重ねると、自分の乳房を掴んで、カガミの胸にこすりつけ
た。
 乳首で乳首を刺激すると、カガミはたまらず。
「く……ああっ」
 あられもない声をあげた。
 そうしながらもカガミの股の間に膝を入れ、陰部を膝頭で刺激してやる。少々強引なやり
かただったが、カガミはこうしたされかたのほうが好きだった。
 私は、カガミの手を掴むと口から離し、無防備になった唇に軽くキスしてあげると――、
「ごめんね」
 ――そう、囁いた。
 私はカガミに応える間も与えず、カガミの細い首を掴むと、床に押し付けるようにして締
め上げた。
「ん――――ッ!?」
 紅潮していくカガミの顔。
 じたばたと両手足が暴れる。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね」
 私は呪詛のように繰り返した。
 カガミには悪いが、もう無理だった。
 カガミはこれからも私と生きていくつもりだった/でも/私はもう生きていくつもりはな
かった。
 カガミの細い手足が私のことを叩くが、でも脆弱な女の子の力では引き離すことはできな
いようだ。
「カガミ好きだよ、ごめんね、いつまでも友達でいようね、ごめんね、ごめんね」
 もう、無理だった。
 瑛子が自殺し、紺が陵辱されて死に、椎を目の前で惨殺されて。それで次は私の番かと思
いながら、殺したやつの隣になんていられない。無理だ。
 だいたい、この気が狂ったかのように白いだけの部屋はなんなんだ。こんな所にいたらお
かしくなる/おかしくなってる/おかしくなってしまった。無理だ。
 そもそも、中学時代のイジメをしている段階で無理だった。
 友達だった子を暴行する/その身体を蹴る/その衣服を切り刻む/その肉体を男たちに売
る/その膣に異物を押し込んでいく/妊娠しないようにと下腹部を蹴り上げる/その口に蟲
を詰めていく/何度もする/何度もなんどもくりかえしていく/なんどもなんども、カガミ
の顔から笑顔が消え去っても/カガミが壊れていくのを冷静に俯瞰する/私のせいではない
と思う/私はやりたくなかった、けど、友達がやってるからと言い訳する/無理だ。
 カガミ。
 カガミ、カガミ。なんで耐え続けたんだ、なんで死なずに復讐しようなんて考えたんだ。
そんなに私たちのことが憎かったのか。
 カガミ。
 なんで私だけ生かそうとする/私だけ殺さない/私と一緒に生きていこうなんていう。そ
れが私の罪への罰だとしたら、カガミ、お前は私に狂えと/自分と同じように壊れてしまえ、
そう言いたいのか、カガミ。
77: 琥珀3rd-Proof 19/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:03:11 ID:cCwAZIMX(20/22)調 AAS
 視界が真っ赤に染まっていく=椎の血/カガミが殺した少女の血=私と友達だった少女の
死/カガミは友達を殺した。
 でも、私はカガミを責めれない。
 私はカガミを壊した。
 そして今、殺そうとしてる。
 私はカガミを責めれない。
 殺してくれたらよかったのに――臆病な自己欺瞞の心が叫ぶ/楽な道に逃げようとする想
い泣いてる/自分の行動を正当化しようと喚いてる/cry/私の慟哭が部屋の中に満ちて
いた。
 私はカガミの悲鳴を聞きたくなかった、だから力の限り叫び続けた、カガミの声が聞こえ
ないように、叫んだ。
 だが、ふと私は気がついた。
 カガミはもう抵抗していなかった。
「……え?」
 カガミの顔は苦しげだったが、どこかおだやかで、その口元には笑みがうかんでいた。
 カガミは私がみていることに気がついたのか、唇をゆっくりとうごかし。
 
 す
 
 
  き
 
 
   だ
 
 
    よ
 
 その瞬間、カガミの全身から力が抜けていった。
 私は慌てて手を離したが、カガミはなんの反応も示さず。全身から力が抜けたせいで、汚
物が排泄されだしていた。
 ――ころした。
 椎の返り血で染まった両手を見て、横たわり動かないカガミを見て、私の中で
 
 ぷつんっ
 
 という音がした。
 
 
***
78: 琥珀3rd-Proof 20/20  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:04:20 ID:cCwAZIMX(21/22)調 AAS
 シャワールームは部屋をでて直ぐそこにあった。
 私はタオルを抱えて部屋へもどると、床に横たわるカガミの身体をタオルで拭いた。カガ
ミの身体を汚す血を拭いてあげたかった。
 でも、拭いても拭いてもカガミの身体についた血は拭えなかった。
 しょうがなく諦めて、カガミの身体を担ぐと、ベッドまで運んで寝かせてあげた。
 カガミはとても安らかな顔をしていた。
 私はカガミに抱きついて、その瞬間を待った、でもそれはもう与えられるものではなくなっ
ていた。私が選び、行動しなければならない。
 私はまだ温かいカガミの身体に触れると、その股を開き、尿と糞で汚れる局部を舌で舐め
た。臭いのかもしれないが、においがわからない。
 でも、久々のカガミの尿はおいしかった。
 そう思える自分がおかしくて、わらってしまった。
 私は一人で果てると、カガミの隣に横になった。
「ねえ、カガミ」
 カガミは答えない。
「カガミはさどんなものが好きだったの? 本当はどんなことが好きだったの?」
 カガミは答えてくれない。
「カガミと私友達にだったのかな、友達になれたのかな」
 カガミはもう死んでいる。
「分かってるよ、カガミ。もう遅いって、もう今更なことだって、でも思うんだ」
 私は拾いあげた包丁をしっかりと握りなおした。
「今度、カガミに会えたら。今度こそ、友達になろうって、そう決めた」
 私は震える手を、怯える心を殺し、そして――
「好きだよ」
 突き刺した。
 
 
 
 もう一度カガミと話したい、そう思った。それだけを思った。
 
 
 
   了
79: 13  ◆L5HDQw/jy. 2010/12/11(土) 20:22:28 ID:cCwAZIMX(22/22)調 AAS
以上で終わりです。
>>13のあらすじから展開がかなり変わっていますが、大筋の所は変えないようにしました。
なんか書いた本人としては、この子たちもう少し幸せになれたんじゃないか?少なくともカガミとミヤビ生き残ってもよかったんじゃないか?
とかおもったんですが。
書いてるうちに、ミヤビが「もうやだお。死にたいお。生きてたくないお」っていってる気がしたので、こうなりました。
もう少し補足で書きたいんですが、長々あとがき書くとうざいと思うんでこの辺で
 
最後に
>>53-56
読んでいただきありがとうございました。
2nd分投下した段階では、一切レスがつかず、スレが落ちるのも覚悟のうえでやってましたので
励みになりました。
またどこかで見かけた際には、お暇でしたら読んでいただけると嬉しいです
 
それでは、失礼します。
80: 2010/12/11(土) 23:14:59 ID:U3T31tGb(1)調 AAS

81
(1): 2010/12/11(土) 23:56:20 ID:jnAJ4FNc(1)調 AAS
>>81乙でした!
非常に好みな話です。一切救いが無いのもたまには良いよね!このまま退廃的にダラダラとイチャイチャするのも見てみたい気もするけど!
82: 2010/12/12(日) 00:59:22 ID:Vn8vjPUi(1)調 AAS
美しければそれでいい乙
83: 2010/12/12(日) 01:07:55 ID:VQm4MWAZ(1)調 AAS
途中までの展開は好きだったけど
セックスに死を混ぜるのは嫌いだなぁ。
84: 2010/12/12(日) 10:43:16 ID:Z8zPO1CS(1)調 AAS
抜けないけど面白かった
あんたみたいな作風の人のハッピーエンド物も
書けるなら読んでみたい
85
(1): 2010/12/13(月) 14:22:13 ID:Divgx+Ur(1)調 AAS
殺人未遂で逮捕する
86: 2010/12/14(火) 19:29:35 ID:ncmCoMaA(1)調 AAS
>>85
桂言葉は殺人罪でっせ
87: 2011/01/12(水) 03:09:06 ID:v6rtaxWw(1)調 AAS
少女達よ、今年も苦悩にまみれて下さい
88: 2011/01/22(土) 00:51:35 ID:Bbu+y49y(1)調 AAS
誰か刑罰もの書いてくだせエ
89: 2011/01/23(日) 01:01:02 ID:8DHVCv/O(1)調 AAS
ヤベェ
ヌキもしてねぇのに賢者モード
イイハナシダッタナァ
90: 2011/02/03(木) 21:50:39 ID:pxUJhIRz(1)調 AAS
福田和子が少年院時代にレイプされてたときき驚いた
91: 2011/02/03(木) 22:17:00 ID:JCLH3ki6(1)調 AAS
昨日の特番でやってましたな
92: 2011/02/05(土) 15:39:41 ID:JkzbwBqN(1)調 AAS
あの子供も捕まったのか
93: 2011/02/05(土) 16:18:53 ID:jP014xdi(1/2)調 AAS
書いてみたけどアイデアが尽きた
94
(1): 2011/02/05(土) 16:19:51 ID:jP014xdi(2/2)調 AAS
あの日、私は殺すつもりなどなかった。
ただ軽く聡美の手を払っただけのつもりだったのだ。
だけど聡美は呆気なく階段から足を滑らして……
私と聡美は親友だった。
ちょっとしたふざけあいのはずだったのに。
聡美の脳漿が飛び散る様が忘れられない。
あたしは階段が怖い。高いところが怖い。
だけど何より聡美のご家族に申し訳ない。
なぜなら私は無罪になってしまったから。
大好きな聡美を殺してしまったのに、私は償う術を見失ってしまった。
だから私はたった一人で直接聡美のご家族に謝罪しに行った。
聡美の家族はお父様が一人だけ、お母様は亡くなったのだそうだ。
だから私はお父様のいる玄関の前で、水たまりに顔をつけて土下座したのだ。
お父様は私の頭を踏みつけ、横腹を蹴って罵倒した。
死ぬかと思ったけどそれは私の罪なのだ。
聡美を死なせてしまった苦しみに比べたら何ほどのことでもない。
そのうちお父様は私の襟首を掴んで家の中に連れ込んだ。
向かった先は聡美の部屋だった。
それはまさしく聡美が使ったままの部屋。
カーディガンのかけられた椅子に流行りのアイドルのCD。
まるでちょっと出かけただけのような何気なさがそこにあった。
お父様は私を叩きつけるようにベッドに投げ出した。
あの子の匂いのするかのようなベッドで泣き出そうとした私。
だけどそれは叶わなかった。
お父様が私の服を脱がし始めたのだ。
私は怯えた。まさに親子ほども歳の離れた人から今から犯される。
そう思っても抵抗する気にはなれなかった。
抵抗は贖罪にはならないと思ったから、下着を脱がされても耐えた。
愛娘の部屋でこの人は事を始めようかという違和感はあったが、身体を隠すことすらしなかった。
聡美のお父様は裸になると、私の乳首を捻りあげなからディープキスをしてきた。
ベチャベチャと音を立てながら唾液を飲まれ飲まされ、ギリギリと痛むほど乳首を引っ張られた。
不意に体位を変えられ、私は四つん這いにされて大陰唇を割り開かれ
お父様の節くれだったオチンチンで呆気なく処女を奪われた。
それは痛みでしかなかった。
腰を掴まれ激しく犯され、血は飛び散って意識は千々に乱れた。
終わりは呆気なく訪れた。
お父様は急に腰を止めてオチンチンを一番奥に押しつけた。
ほどなくしてお腹の中にジンワリと何か温かいものが広がる。
膣内射精というものが何であるか、無理やり分からされている気分だった。
95: 2011/02/06(日) 13:22:16 ID:4L4vM1o7(1)調 AAS
>>94
GJです
女の子の心情が切ないです
このスレのテーマだと、刑罰を受けるパターンと、精神的に負い目を持っているが故に、って2パターンあるけど、
この作品は後者の方で、心情描写がエロ分を強化しますね

ちょっとお父様、DQNすぎますがw
このパターンなら、男役は妹(友人)を溺愛していた兄、とかでもいいかなと妄想が膨らみました
96: 2011/02/13(日) 11:19:18 ID:9aJsh7iO(1)調 AAS
看守「親からの手紙が欲しければ分かっているな」
看守「ここで脱がなかったら反抗したということにして刑期を伸ばしてやろう」
97: 2011/02/25(金) 03:45:36 ID:05LMvZwk(1)調 AAS
ほしゅ
98: 2011/03/13(日) 18:55:35.70 ID:Ho+SHbNQ(1)調 AAS
保守
99: 2011/03/14(月) 18:30:44.63 ID:ZwJGea1q(1)調 AAS
振袖大火の時、牢奉行石出帯刀は炎近づく牢獄から死刑囚を含めて一時釈放し、帰ってきたものには減刑をしたらしい。
どんどん焼けの際、六角獄舎の囚人は炎近づく中、皆処刑されたらしい
100: 2011/03/14(月) 21:10:50.33 ID:qA4B8GUp(1)調 AAS
少年院の女の子たちを並べてガンガンに犯し
少子化に歯止めをかけるという法律
101: 2011/03/19(土) 21:29:09.04 ID:duC3ldMm(1)調 AAS
六ヶ月の懲役とする
102: 2011/05/03(火) 13:46:08.14 ID:C1yg8uE3(1)調 AAS
罪人ハーレム
103
(1): 2011/05/10(火) 21:09:13.06 ID:RI4gakKc(1)調 AAS
なんじゃそりゃ
104: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 2011/06/07(火) 20:17:29.76 ID:Si9wWYXf(1)調 AAS
てs
105: 名無しさん@自治スレで設定変更議論中 2011/06/17(金) 23:29:02.60 ID:Xx+kqbLt(1)調 AAS
>>103
女子少年院の看守か?
106: 2011/07/08(金) 21:39:02.67 ID:gRLKmcsG(1)調 AAS
何人の少女犯罪者が牢獄でオバサンになっていくのか
107: 2011/07/10(日) 06:59:47.15 ID:VTlmGYzx(1/3)調 AAS
何人の少女犯罪者が牢獄で肉便器になっていくのか、のほうが萌えるな
108: 2011/07/10(日) 07:00:08.19 ID:VTlmGYzx(2/3)調 AAS
a
109: 2011/07/10(日) 07:00:52.38 ID:VTlmGYzx(3/3)調 AAS
ミス
110: 2011/09/05(月) 00:09:27.96 ID:bDiQbf6N(1)調 AAS
ヤンデレ女が幼馴染に彼女が出来たとしり襲って逮捕
111: 2011/09/27(火) 18:08:10.70 ID:01WuiGnV(1)調 AAS
こういうシチュ好き
112: 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 [clamp] 2011/10/05(水) 03:50:07.14 ID:1e9fyiW/(1)調 AAS
珍しいシチュだ
113: 2011/10/29(土) 02:11:45.68 ID:n1lqtfKu(1)調 AAS
誰も書いてない
フェチ板に似たようなんあるが何か違う
サーカス作品スレで初音島刑務所っぽいのあったかな
114: 忍法帖【Lv=5,xxxP】 2011/10/29(土) 12:33:28.35 ID:KMildy/U(1)調 AAS
test
115: 2011/11/12(土) 19:47:31.53 ID:tDzv3X5S(1)調 AAS
スクールデイズのあれは少年院?精神病院?
116: 2011/11/17(木) 04:31:03.66 ID:yXIgoAp6(1)調 AAS
親友の彼氏に恋をしてしまった少女
ダメだと思えば思うほど、気持ちが抑えられらなくなってゆく
ある日、暴走した彼女は、教室で彼のリコーダーを手に取る
誰もいない教室で、リコーダーをスカートの中に挿し入れ、オナにーしてしまう
だが、そこに親友が現れ…
親友の白い目に晒され、少女はあわてて取り繕おうとする
彼のリコーダーでするつもりだったわけではないと
席を間違えていたのだと
だが、そんな言い訳など、通用するはずもなく…
117: 2011/11/30(水) 00:09:27.07 ID:R8sqryZu(1)調 AAS
少女刑務所
118: 2011/12/01(木) 01:46:19.80 ID:mHLB277l(1)調 AAS
関連スレ

【純愛】イジメっ子とイジメられっ子【凌辱】
2chスレ:eroparo
119: 2012/02/16(木) 01:26:28.91 ID:+/eueXYL(1)調 AAS
保守
120: 2012/03/27(火) 20:20:42.43 ID:nKRyaIFt(1)調 AAS
保守
121: 2012/03/28(水) 01:51:03.13 ID:BtnP5HF6(1)調 AAS
ho
122: [な] 2012/03/31(土) 15:08:51.79 ID:UKyiTWOP(1/3)調 AAS
カガミ 逝ってる
123: [な] 2012/03/31(土) 15:09:08.52 ID:UKyiTWOP(2/3)調 AAS
カガミ 逝ってる
124: [あ] 2012/03/31(土) 15:10:00.43 ID:UKyiTWOP(3/3)調 AAS
カガミ頭おかしい
125: 2012/07/15(日) 17:21:12.64 ID:PhRN8tMr(1)調 AAS

126: 2012/08/23(木) 11:10:02.98 ID:sewoia1p(1)調 AAS
 
127: 2012/09/10(月) 23:13:30.26 ID:32mokE0F(1)調 AAS
罪犯
128: 2012/10/16(火) 16:21:50.59 ID:82mQ5MQt(1)調 AAS
罪女
129: 2013/01/12(土) 15:10:00.30 ID:o1otA7yb(1)調 AAS
年明け保守!
130: 2013/02/03(日) 02:34:58.63 ID:Tpfpa/w+(1)調 AAS
ほす
131: 2013/02/19(火) 18:27:22.11 ID:8DNTlh+K(1)調 AAS
684か
そろそろやばそう
132: 2013/02/20(水) 14:48:05.05 ID:JQ3lThJ7(1)調 AAS
そしたら上げようぜ
133: 2013/03/13(水) 12:14:30.97 ID:ezMX3Ca7(1)調 AAS
好きになった男やショタや男の娘を逆レイプして捕まった女が監獄内でそれを許せない女囚人達から集団レズレイプで無理矢理イかされる

誰か
134
(8): 2013/04/02(火) 15:22:54.32 ID:FftkSoVC(1/2)調 AAS
「私やっていません」
なぜこんなことになったのか。自分でもわからない。
ただ同じクラスの友人に誘われて参加したパーティが実はドラックパーティだった。
この煙が違法だとわかり急いで帰ろうとしたらそこに警察がやってきて緊急逮捕。
その結果、手錠をかけられ今腰縄を付けられようとしている。
初めて掛けられる手錠は重く感じられ何の遠慮もなく腰に締め付けられる、
縄の感触の屈辱感に体が震えるばかり。
「さていこうか」
男の警官が一言声をかけて私の縄を待ち、歩くと自然と引っ張られる
その姿はまるで犬の縄を引っ張る主人とペットの関係のようであまりの屈辱に声も出ない。
やっとの思いで外に出ると野次馬が集まって私を見ている。
ケータイで写真をする人。面白がってなにか声を掛けてくる人。
真面目な子と言われ外に行く時もなるべく校則を守り制服を切るように心がけていた。
その結果が制服のまま手錠を掛けられ腰縄姿で引き回しのように歩かされる女子学生の姿だった
135: 2013/04/02(火) 15:26:54.63 ID:FftkSoVC(2/2)調 AAS
パトカーに載せられ警察署に着く。まさか初めて入る警察署がこんな形でなるとは。
肩を落とし前もろくに見ないまま紐に引っ張られ気がつくと小さな部屋に連れて行かれた。
そこには婦人警官らしき人が3人。今まで紐を持っていた男から婦人警官に紐が渡される
「こんな純情そうな女の子が麻薬セックスパーティだって。ひどい世の中だね」
婦人警官が呆れたように話す。
「私そんな事やっていません」
あんまりな言い草に思わず反論してしまう。
「弁護は取調室でゆっくりやりな。私が聞くことではないよ」
正論過ぎるコメントにぐうも出ない。
「それより逮捕された以上身体検査を受けてもらうよ。この部屋はそういうところだ」
どこか意地悪な顔をしながら中年の婦人警官は言う。
「え。それはどういうことですか」
思わず手で胸を隠す動作を取ろうとするが縄が邪魔で上手く出来ない
「なに言ってるんだい。逮捕されたら危険物を持ち込ませないように裸にして身体資料を作る規則なんだよ」
相変わらず意地悪な顔をし話す中年の警官。
「そんな…」
予想もしていない展開に顔色が真っ青になる。
あんなパーティに参加しなければ今頃家で明日の予習でもやっていたはず。
僅かな不注意のせいで人前で全裸を晒さないといけない状態に落ちていた

-----------
うーん。速攻で書いたせいもありけどあまりピンとこないな。このスレ難しいよ
136: 2013/04/03(水) 11:13:32.29 ID:Uy5OGvkh(1)調 AAS
「まずはそこで身長体重を測って」
若くて新人と思われる女子警察官は身長計と体重計のある方向を指差す。
手錠と縄が外され無言のまま身長計のところに歩いて立つ。
「160センチね。次に体重計のところに行って」
なんだろうか。
学校でもよくやるただ計測だというのに人に見られながら自分一人だけ計測されるその姿は、
まるで豚肉にする前に大きさを図るブタと何ら変わらない気がした。
「45キロ。結構理想的な体重ですね〜」
この若い警官はまだ被疑者の対応に慣れていないかスーパーの店員みたいな優しい口調で言ってるが、
クラスメートにすら教えない個人のプライバシー情報を強制的に調べられて大きな声で言われる扱いに苛つく。
もう少し配慮があってもいいのではないか。
「次は写真」
部屋の一角に強いスポットライトを当てられてそこに立たされる。
前、横、後ろ、全身と次々と撮られる。シャッター音がするたびに、
一市民から女囚に落とされていく感じが伝わり涙しそうになるが、
必死に涙を止め、しっかりした目つきでカメラのレンズを見る。
私は悪いことをなにもしていないはず。
過失があったとしてもそれは罪ではないはず。
後ろめたいことはないんだから堂々としていよう。
もうその意思だけがこの被疑者を精神的に追い詰める計算された手続きに対抗できる手段だった。
137: 2013/04/04(木) 00:08:36.58 ID:zbUP7Spi(1)調 AAS
「次は身体検査ね。では脱いでください」
若い警官は少し照れた顔をしながら命令した。
「貴方は身検やるの初めてだっけ。まだ勉強中なら私がやろうか」と中年警官は言うが、
「いえ、自分がやります。前科なしの未成年。新人が担当出来る被疑者がようやく現れたのでやらせてください」
と、使命感とどことなく感じる好奇心を持った顔つきと口調できっぱり答えた。
その会話を聞き再び強い屈辱感に満ち溢れる。
(私は新人育成のためのモルモットじゃない)と大声で言いたい気持ちを必死に抑えて、
後ろを向き上着に手を掛ける。
「後ろを向いたらダメよ。こちらを向いて脱いで」
相手を見ながら脱ぐことに何の意味があるのよ。と理不尽な命令に戸惑いながらも、
前を向き、命令した若い警官を睨みつけた。
睨んでも全く気にしないのか、
「いいから早く脱いで」
と、どこか楽しそうな声で命令してくる。
自分はこんなに苦しいのに若い警官は楽しそう。
脱げと命令する者。脱ぐことを強制される者。
あまりの立場の違いに心が折れそうになるが必死に堪え上着とシャツを脱いで上半身ブラ一枚になる。
他の警官に目を向けると異常なほどジロジロと見られていた
3人の視線が自分に集中する中でスカートを脱ぐ。
華奢で細身の体を晒し上下白の下着姿になったところで手を止める。
足がふらつく。顔も体も羞恥のために真っ赤に染まっていく。
下着姿を人に見せたことすら初めて。これ以上は無理。
もういいよと言われるのを待つが…
138: 2013/04/05(金) 00:29:00.51 ID:OQSaA+Sp(1)調 AAS
「下着も取って」
案の定、非情な命令を言ってきた。
なぜ有罪にもなっていないただの被疑者を裸にするですか。
持ち込み防止なら下着姿で十分でしょう。と、
次々と疑問が湧くが今は脱ぐ以外の選択肢はない。

羞恥で手が震えながらもやっとの思いでホックを外しブラを取る。
視界に入る自分の平均より小さな胸。
この胸の小ささはコンプレックスで体育の着替えでも極力肌を見せずに隅っこで着替えていた。
もちろん銭湯には行かないし、水着すら学校の授業以外に着ることはなかった。
そこまで気をつけていたのにこんな形で他人に裸を見せることになるなんて…
しかも「下着も取って」と言っている以上、胸を見せるだけでは済みそうにない。
状況は最悪だった
139: 2013/04/06(土) 11:28:12.69 ID:1dfnQ1Rz(1)調 AAS
「それも脱いで」
こちらの気持ちも考えずにあっさりとパンティも脱ぐことを強要される。

無駄は承知で最後の反論を試みる。
「これでいいでしょ。なにも持っていないのはこの姿を見ればわかるでしょう」

相手は呆れたような顔をしながら、
「逮捕されたものは全裸にして所持品のチェックをし身体情報をデータ化する。これは規則なので早く脱ぎなさい」
規則と言われればもう何も言い返せない。この3人は規則に従っているだけだ。
もう諦めて純白のパンティに手をかける。
警官3人に見られながらも何とかパンティも脱ぐ
毛が薄いためにはっきりと谷間が見える陰裂を素早く手で隠して胸も手で隠す。
素早くやったから少なくても股間は見られていないはずと虚しい努力をする

「顔を上げて、しばらく待ちなさい」
顔を上げるとカゴの中に入れた衣服を調べている警官が見えた。
お気に入りの服のポケットになにか入っていないか調べている。
他人に見せるどころか、触れさせることもないはずの、
脱ぎたての下着を裏返したりして調べている。

恥ずかしいから、もう止めてくださいと言えるはずもなく、
ただその作業が終わるのを見守るしか無かった
140: 2013/04/08(月) 09:51:26.07 ID:XfI5gNc9(1)調 AAS

一人の女が突然逮捕されて身体検査。
女囚系のお約束(褒め言葉)ですな。
よかよか
141: [AGE] 2013/04/10(水) 00:31:16.56 ID:nLYCweIG(1)調 AAS
つ、続きは
142: 134 2013/04/11(木) 17:04:01.85 ID:6eW57LQr(1/5)調 AAS
感想ありがと。ペースは遅いですけど続けますね
143: 134 2013/04/11(木) 17:06:28.88 ID:6eW57LQr(2/5)調 AAS
「背筋を伸ばして両手を腰に付け、床の足のマークがあるところに足をおいて立ってください。」
いよいよ、この3人に全てを見せないといけない時が来た。
2つある赤い印のところに足を置くと、かなり足を広げて立たなくてはならない。
そして両手を腰につければ隅々まで見られ放題な体制になる。

悔しさのあまりヨタつきながらも印のところに片足ずつ置き足を開く。
ふー、と一つ深呼吸をして覚悟を決め、胸と股間を隠していた手をずらし、背筋も伸ばす。
もう何も隠れていない。
平均より小さいが形の良い胸。ピンク色の乳首
薄い陰毛。足を広げているために丸見えな陰裂。綺麗な太もも。足の爪先
裸体の全てを晒した。
同性とはいえ相手はご立派な制服姿。こちらは全裸。
わざとか偶然か部屋の温度が低くて寒い。
普段は絶対に当たることがない乳首や股に冷たい空気が感じられ、
自分一人だけ全裸なのを否応なしに感じてしまう。
あまりの現実味のない状況に頭が混乱する。

「えっと、えー」
混乱しているには初めて身検を担当する若い警官も同じのようで顔が真っ赤だ。
同性から見ても正視できないほど酷い格好をしているという実感が湧き上がる。
144: 134 2013/04/11(木) 17:08:12.45 ID:6eW57LQr(3/5)調 AAS
「ほら、身体的特徴でしょ」
中年警官が少し苛つきながら若い警官に指示を出す。

「はい」
先輩に言われて冷静さを取り戻したのかテキパキと作業を始める。
顔に視線を感じたら思ったら今度は胸。
右胸、左胸と時間を掛けて見られ次はヘソに、
そして股間に視線が集中した時に、
「あれ?」
と少し怪訝そうな顔をしていたのがなんとも不気味だった。
初めて他人に見せた陰裂。そんな顔をされる云われはないのに…
股間の次は足と体中に視線を舐め回された。
少し考えるような仕草をしたと思ったら突然こちらに歩いてきた
思わず体を隠そうとするが、
145: 134 2013/04/11(木) 17:09:17.32 ID:6eW57LQr(4/5)調 AAS
「動かないで」
の声に再び姿勢を戻す。
息が感じられるほど近くから再び顔、胸、股間と見られた。
今度は後ろに回ったと思ったらしゃがんで下からお尻を見ている。
そんなところを見てなにが面白いのよと思っている時に、

「そこに手のマークが書いてある場所があるからそこに手をおいて。
足は曲げないでそのまま手だけ置くの」
マニュアルでも読むがごとくの淡々とした口調で命令してきた。

手をあのマークの位置に置く?、足を曲げないということは足を立てて広げたまま腰を曲げる??
後ろから見られている状態でそんなことをすればどんな格好になるのか。
想像しただけで寒気を感じるが今はやるしかない。
やけくそな気分で手をマークの位置に置き足を伸ばし、お尻を持ち上げた四つん這いの足開き体制になる。

「うわぁ、スゴ」
足の間から若い警官が驚きながら口を手で抑えているのが見えた。
何がスゴよ。貴方がやれといったのでしょ。なにが見えたというのよ。
反論もできず、ただ後ろからジロジロと見られているのを必死に我慢した
146: 134 2013/04/11(木) 17:27:25.31 ID:6eW57LQr(5/5)調 AAS
実刑をくらって刑務所でレズられたりイジメられたりするところまでやるつもりでしたが
未だに最初の部屋から出ていない…。むう
147: 2013/04/11(木) 19:18:02.40 ID:dhEigZIL(1)調 AAS
ガンバレ、支援!!
148: 2013/04/15(月) 18:23:30.06 ID:BJRs2nrJ(1/5)調 AAS
支援どうも。予定していた話は諦めて一気に区切りまで
149: 134 2013/04/15(月) 18:24:26.62 ID:BJRs2nrJ(2/5)調 AAS
「問題なしね。もう服を着ていいわ。きちんと指示されたことをやって逆らうんじゃないわよ」
若い警官は強い口調で言った。
その姿は先程までの新人らしい雰囲気はなくなり、
まるで中年警官の対応のような上から目線な対応だった。

「はい…わかりました…」
この言葉に怯えながらも何とか返事をする。
裸にして徹底的に調べた人。そして裸にされ徹底的に調べられた人。
この徹底した身体検査は両者の身分差を作るための儀式にすら思えた。

「今日はもう遅いからこのまま留置所で止まってもらうわよ。ほら返事」
服を着ると再び腰縄姿にされその縄を乱暴に引っ張りながら返事を要求してくる。
「はい」
さっきから言われたことに「はい」としか答えていないことに気がつくが、
もうどうでもよくなっていた。今は早くこの人から離れて一人になりたい。ただそれだけだった。
長い廊下を歩くと留置所に着く。
どんよりのよごんだ空気。いかにも檻という雰囲気だった。

「ちわ、一人連れてきたよ」
若い警官が女看守らしき人に話している。
女看守はそれなりに年が行っているが体は大きく怖そうに見えた。
なにやらよくわからないことを2人で喋っていたが聞く気にもなれずに
ただ待っていると若い警官は手を振りながら帰っていった。
150: 134 2013/04/15(月) 18:25:07.95 ID:BJRs2nrJ(3/5)調 AAS
「さて、待たせたな。今日からお前は26番。26番と呼ばれたら大声でハイと応えるように」
女看守はこれまで何百回と説明していたであろう説明してきた。
「ハイ。わかりました…」
番号を聞いた時に自分の中にある何かが壊れた気がした。
また一つ、人であるために必要な要素を奪われたというか理解不能のショックを受ける

「26番は1ブロックの1号と」
看守の独り言を聞いて先ほどのショックの理由を理解した
私はもう物と変わらないんだ。物を置く場所を指定するだけ。
その程度の存在になってしまったんだと。
151: 134 2013/04/15(月) 18:26:28.63 ID:BJRs2nrJ(4/5)調 AAS
監視室から殆ど離れていない廊下を挟んだ独房に入れられた。
扉は鉄格子。上には監視カメラ。奥にはトイレ。もちろん遮蔽物もない。
ここでトイレをすれば廊下から見るだけでもその行為が見えるだろう。
プライバシーゼロの空間に気が滅入る。

私はこれからどうなるんだろう。
悪いのは誘った友人で私は[何も]悪くないのに。なぜこんなことに。
確かにあいつに危ない遊びがないかと聞いたのは私
大麻に興味があるといったのも私
だが、あんな薬物セックスパーティーだとは聞いていない
しかも、そのパーティが警察にマークされていたなんて。
許さない。私をこんなに目に合わせたあのクソを決して許さない
何がなんでもここを出てあのクソをぶっ殺してやる
152: 2013/04/15(月) 18:41:02.13 ID:BJRs2nrJ(5/5)調 AAS
スレ向きの内容からどんどん外れていったところで一旦区切り。長々と失礼しました
153: 2013/04/17(水) 01:09:24.96 ID:VHUUd5eZ(1)調 AAS

いくらなんでもヒロインの性格が悪すぎだろう
154: 忍法帖【Lv=1,xxxP】(-1+0:8) 2013/10/30(水) 20:45:44.79 ID:NGsJnSog(1)調 AAS
こんばんは
155: 2014/03/21(金) 23:39:02.06 ID:rEvtz4+V(1)調 AAS

156: 2014/09/24(水) 00:14:06.55 ID:rardHCe/(1)調 AAS
もっと読みたいです。
157: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:25:18.26 ID:GaeHsCub(1/10)調 AAS
一つ投下させていただきます。

ロリ、レイプ要素ありです。

不定期投下になりますが宜しくお願い致します。

------------------------------------------------------------------------------

その無機質なコンクリートの建物はこの国で一番高い山の麓に海のように
広がっている広大な森の奥深くにひっそりと建っていた。

深い霧の中にひっそりと佇むその建物の一室に少女はいた。

「碧ヶ原教化所へようこそ、岸本環菜くん。私が所長の毒島だ」

「…………」

豪奢な革張りの椅子から立ち上がったでっぷりと太った禿げ頭の初老の男が
目の前に立っている有名ミッションスクールのセーラー服を身に纏った少女の
肩をポンポンと叩きながら笑って見せるが、少女は小刻みに身体を震わせ、
じっとうつむいている。

「返事をしなさい、岸本」

少女の後ろに立っている警官風の制服を着た中年男が声を掛けるが、
少女は体を震わせうつむいたままである。
158: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:28:34.28 ID:GaeHsCub(2/10)調 AAS
「構わん。緊張しているようだ。
 これからじっくりと当院の「ルール」を学べばよい」

「はっ、了解致しました。所長」

「主任教化員 蛇田」という名札を付けた男に向かって禿げ頭の男が
 ニッタリと笑って見せると蛇田は敬礼をしながら意味ありげに小さく
 唇を歪めた。

「さて、岸本環菜くん。キミは鉄パイプで男を殴り重傷を負わせる罪を
 犯してしまった。
 その罪を償い更生するため、この施設にやってきたわけだが……」

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ…それはあの男のヒトがワタシを
 レイプしようとしたから無我夢中で……ケガをさせるつもりはありませんでしたっ…
 け、警察でもそう言ったはずなのにどうしてワタシが罪を犯したことにっ……」

環菜が顔を上げると震える声で訴えた。
 
「夜、学校からの帰宅途中に見知らぬ若い男に人気のない工事現場に
 連れ込まれレイプされそうになり無我夢中で近くにあった鉄パイプで
 男を殴ってしまった――――
 確かにそう供述しているね。警察の調書に書かれている」
 
「そ、そうです…なのにどうしてこんな所に……」

異様な雰囲気の漂う室内を見回し、環菜が首を振った。

「こんな所、とはずいぶんな言い草だな。ここはキミのように罪を犯してしまった
 少女たちを正しい道に教え導く学校なんだよ?」

心外だ、という様に毒島が肩をすくめる。
159: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:32:06.88 ID:GaeHsCub(3/10)調 AAS
「つ、罪って…アレは正当防衛ですっ……」

納得出来ない、というように環菜が言うと毒島が感心したように目を見張った。

「おお、難しい言葉を知ってるね。
 だが、残念だがあれは正当防衛の範囲を超えている―――というのが関係者の判断だ」

「そ、そんな…」

環菜は突然収容された異様な施設の所長という男の言葉に絶句した―――――

-------------------------------------------------------------------

三日前―――

少女の悲鳴に気づいた通行人の通報により警官が駆けつけた時、放心状態で
へたり込んでいる美少女の手には血の付いた鉄パイプが握られており、地面には
頭から鮮血を流している金髪の若い男が転がっていた。

胸当てに十字架をモチーフにした校章が刺繍された白いセーラー服を見て
警官は、その美少女がお嬢様学校として有名なミッションスクールの生徒である事が
すぐにわかった。

近隣の少女たちの憧れの的である上品な制服には点々と赤い血が飛び散り、
うつろな目をして地面にへたり込んでいる美少女の頬にも赤い飛沫が飛び散っていた。

ケガを負っていた男からは供述をとれないものの、その状況を見ればレイプされそうになった
少女が必死に抵抗しているうちに男を鉄パイプで殴打してしまった事は明らかだった。

にも関わらず、その少女が罪を犯した少女たちを収容し「矯正」するこの施設に送り込まれて
しまったのはその若い男の父親が巨大な権力を持つ大物政治家であったからである。

「将来は自分の跡を継ぎ、国の舵取りをする男が女子中学生レイプなどというつまらない事で
 警察に捕まる訳にはいかない。上手く処理してくれ」これが総理からの伝言です」

「は、承知いたしました。万事お任せください。
 こういう時の為に「あの施設」があるのですから……」

一国の舵取りを受け持っている男の秘書に向かって環菜の事件を扱った
所轄の署長が深々と頭を下げた―――――
160: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:33:40.79 ID:GaeHsCub(4/10)調 AAS
こうして何の罪もない14歳の女子中学生は大人たちの策略によって
「あらゆる手段を用いて」少女たちを矯正する――それがどのような手段か
世間の人々は知る由もない―――矯正施設「碧ヶ原教化所」へと送り込まれたのだった。

愛娘を心配する両親との面会すら叶わぬまま、夜も明けぬうちに警察署から
車に乗せられ、自分の住む街から遠く離れたうっそうと生い茂る森の奥深くに
建てられた不気味な建物に連れてこられたのは今から30分ほど前の事であった。

「さて「入学手続き」はこれで終わりだ。制服に着替えなさい」

下卑た笑みを浮かべ毒島が言うと環菜の後ろに立っている蛇田が
綺麗にたたまれた白いTシャツを環菜に突きつけた。

「制服だ。さっさと着替えろ」

「こ、更衣室はどこですか…?」

Tシャツを受け取った環菜が戸惑いの表情を浮かべ蛇田に尋ねる。

「ここで着替えるんだ。早くしろ」

「こ、ここでですかっ…!?」

突き放すように言う蛇田を目を丸くして見つめる環菜。

「……早くしなさい」

毒島がぎろりと環菜を睨み付ける。

「は、はい……」

その迫力に気圧され、環菜はしぶしぶ男たちの前であの夜から着続けている
レイプ魔の血が飛び散っているセーラー服を脱ぎ始めた――――
161: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:36:01.80 ID:GaeHsCub(5/10)調 AAS
「……………」

クリームホワイトのジュニアブラと揃いのセミビキニのショーツだけを
身に纏った環菜が白い肌をピンクに染めて立っている。

「あ、あの…Tシャツしかないんですけど…?し、下に履くものは……?」

真っ白なTシャツを手にして羞恥に頬を染め震えている環菜に向かって
下卑た笑みを浮かべた毒島が言った。

「制服はそのシャツだけだ。それからシャツの他に着ていいのはパンティだけだ。
 シャツの下に何も着てはいかん」

「えっ…パ、パンツだけっ…!?」

「わかったらシャツを着る前にそのブラジャーを取りなさい」

「そ、そんな恰好……」

「規則だ。早くせんか」

戸惑いの表情を浮かべ躊躇している環菜の背後に立っていた蛇田が
冷徹な口調で言うと環菜の肩からほっそりとした肩ヒモを勢いよく引き下ろした。

「きゃあっ…!!」

環菜の悲鳴とともに小さなリボンの飾りのついたブラジャーが引きずり降ろされ、
小振りだがみずみずしさに溢れた膨らみが露わになった。

「いやぁぁっ……」

「隠すんじゃないっ!!」

慌てて胸元を隠そうとする環菜のほっそりとした腕を掴んで蛇田が
「気を付け」のようにぴったりと体につける。

「ちっちゃいがいい形をしてるじゃないか」

小振りだが美しい曲線を描いている二つの膨らみに下卑た視線を注いでいる
毒島がニッタリと笑う。

「ふむ…尻も小さいがきゅっと引き締まっていい形をしているな」

舐めるように環菜の乳房を見つめていた毒島が小さなリボンがフロントに付いた
クリームホワイトのジュニアショーツに包まれたきゅんと引き締まったヒップに
目をやり下卑た笑みを浮かべた。
162: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:39:31.82 ID:GaeHsCub(6/10)調 AAS
「よし、シャツを着ていいぞ」

たっぷりと14歳の美少女のみずみずしい肉体を堪能した毒島がズボンの中で
肉棒を硬くいきり立たせながらニタリと笑った。

「…………」

羞恥に頬を染め、体を震わせじっとうつむいていた環菜が急いでTシャツを羽織る。

(あっ…や、やだっ…コ、コレっ……)

真っ白なTシャツを羽織った環菜はある事に気づき頬を赤らめた。

(いやぁん…ち、乳首が透けちゃってるぅぅ……)

ペラペラの生地を通して色や輪の大きさまではっきりとわかるほど
乳輪が透けていた。

(ナマ乳もいいがこういうのもまた味わい深いのぉ……)

そして乳輪だけでなく緊張と恐怖から図らずも屹立してしまったまだ幼い突起を
ぽちん、と浮き立たせている美少女の胸元を毒島が下卑た笑みを浮かべ見つめている。

(や、やだぁぁ…シャツから浮いちゃってるアレを見られてるぅ……)

男の視線がシャツからくっきりと浮き出している乳首に注がれている事に
気づいた環菜は羞恥に体を震わせうつむいた。

(そ、それにこのシャツ短すぎるわ…お、お尻が見えちゃってる……)

蛇田に怒られないように腕を伸ばしたまま、手首をわずかに動かし
小振りなヒップを三分の一ほどしか隠していないTシャツの裾を必死に引っ張る。

ペラペラのTシャツの裾から顔を覗かせているクリームホワイトのショーツから
はみ出している柔らかそうな尻肉を後ろから眺めていた蛇田は目の前の美少女の
ショーツを強引に引き剥がし後ろから肉棒を突き立てる光景を想像し、ズボンの下で
屹立している肉棒を興奮で震わせていた。

(堪んねぇ…今すぐあのパンティをむしり取って後ろからブチ込みてぇ……)

ヒップの割れ目にわずかに食い込んだショーツからはみ出している美少女の
柔肉を舐めるように見つめている蛇田がごくりと喉を鳴らした。
163: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:42:10.13 ID:GaeHsCub(7/10)調 AAS
「それではキミが暮らす部屋に案内しよう。蛇田頼むぞ」

制服のスラックスの前をむっくりと膨らませ、14歳の美少女のヒップを
食い入るように見つめている部下に目をやり、苦笑しながら毒島が命じた。

「承知いたしました。いくぞ岸本」

ゆっくりとヒップの割れ目に食い込んだジュニアショーツから目を離した蛇田が
環菜に向かって顎をしゃくった。

「…………」

これからどうなってしまうのか不安と恐怖に怯えながら環菜は蛇田に連れられ
所長室と書かれた部屋を出た―――

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「一階は今の所長室の他、オマエたちの教室や職員室、食堂などがある」

(ウチの学校とよく似てる…悪いことをした女のコを教育し直す施設だって
 言ってたけど…学校ってコトなのかな…?)

自分の学校と殆ど同じような作りの廊下を歩きながら環菜は一体ここが
どんな施設なのか考えていた。

先ほどの「所長室」と書かれた部屋も数回ほど見た事のある校長室にそっくりであった。

「二階が生徒の居室。少々狭いが個室だ。悪くないだろ?」

(ここで女のコたちが暮らしてるってコト…?)

蛇田に続いて螺旋状の階段を昇っていた環菜は普通の学校なら教室が
あるであろう場所に生徒たちの居室があるという事に戸惑いの表情を浮かべた。

「あっ、いやんっ…!」

環菜は下から見上げるような視線を感じ、慌ててTシャツの裾を押さえた。

螺旋階段の下から蛇田と同じ制服を着た中年男がTシャツの下から
顔を覗かせている環菜のショーツをじっとりと覗いていた。
164: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:44:40.00 ID:GaeHsCub(8/10)調 AAS
「彼は教化員の九頭だ。巡回中なんだろう」

蛇田が意味ありげに笑う。

(い、一体ワタシどうなっちゃうの…た、助けてママ……)

でっぷりと太った中年男の粘つくような視線をヒップに感じながら環菜は震えた。

「こ、これが生徒の部屋……」

廊下の両側に並ぶ20ほどの部屋を見た環菜は立ちすくんだ。

無理もなかった、ずらりと並んだ小さな窓がついた鉄製のドアはドラマで見る
「刑務所」のそれとそっくりであった。

(ここって学校なんかじゃなくて悪いコトしちゃった女のコを入れる刑務所じゃないの…?)

呆然とする環菜を蛇田が薄笑いを浮かべて見つめている。

「今は授業中だから部屋には誰もおらん。突き当りに大浴場がある。
 トイレは部屋にあるが、風呂はこの大浴場を皆で使う」

しん、と静まり返った廊下の一番奥にあるホテルや旅館のように「大浴場」と
書かれた扉をがらりと開く。

ホテルや旅館のそれと同じようにカゴの並んだ脱衣室があり、その奥に
タイルが敷かれた大きな浴場が見えた。

(う、嘘っ…あれってカメラっ…?お風呂に入ってる所を見られてるってコトっ…?)

脱衣室や浴場の天井に取り付けられたカメラに環菜が気付いた事に蛇田が
下卑た笑みを浮かべた。

「当然だ。オマエ達の様な娘たちは常に監視していく必要があるからな。
 風呂だけじゃなく、所内のあらゆる所にカメラを設置してある」

「お、お部屋にもですか…?」

「当然だ。部屋についているトイレにも小型カメラを付けてある」

「お、おトイレにもっ…!?」

入浴どころかトイレで用を足している姿までこの男たちにカメラで覗かれる事を知って
環菜は絶句した。
165: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:46:45.46 ID:GaeHsCub(9/10)調 AAS
「お…誰もいないと思ったら一人残っていたようだ」

廊下を歩いていた蛇田が部屋の一つの前で足を止めた。

環菜の耳にかすかに人の声が聞こえた。

「ちょうど「補習」をやっているようだ。見学するとしよう」

蛇田が下卑た笑みを浮かべると鉄扉を開けた。

「きゃあっ!!!」

鉄扉の向こうで行われている行為を目にした環菜が悲鳴を上げて顔を手で覆った。

教化員の制服を着た男が吹き出物だらけの尻を剥き出しにして薄汚れた布団の上に
環菜の着ているものと同じTシャツを纏った中学生と思しき少女を後ろから激しく
突き立てていた。

「御手洗、またソイツ犯ってんのか?相当お気に入りなんだな」

40過ぎの男が女子中学生を後ろから突き立てているおぞましい光景を
表情一つ変えずに眺めていた蛇田がニッタリと笑って男に声を掛ける。

「蛇田か。いいトコなんだから邪魔すんなよ」

教化員の制服を着た男が蛇田に向かって下卑た笑みを向ける。

「悪かったな。新入生を案内してたら「補習」をしてる声が聞こえたんでね。
 新入生に見学させようと思ってな」

まだ顔を覆って立ちすくんでいる環菜に目をやりニッタリと笑う。

「そうか、新入生か」

環菜と同じ年恰好の少女を突き立てながら御手洗が環菜に目をやり
意味ありげに唇を歪めた。
166: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/19(土) 11:50:23.40 ID:GaeHsCub(10/10)調 AAS
「なら、見てもらおうか」

御手洗はオフホワイトのショーツを膝まで引き下ろされ小振りなヒップを
剥き出しにされた少女のTシャツをまくり上げ、まだほとんど膨らんでいない
幼い胸元を両手で揉みしだきはじめた。

「ほら、何してるしっかりと見ろ、目をつぶるな」

蛇田が環菜の手を引き剥がすと強引に顔を上げさせる。

「あんっ…!んんっ…はうんっ…!!」

「…………」

自分と同じ年くらいの少女が40過ぎと思われる教官にまだほとんど
膨らんでいない乳房を揉みしだかれ悩ましい声を上げている淫らな光景を
呆然と見つめる環菜。

「ほれ、新入生が見学に来てるぞ。もっといい声で鳴いて見せろ。すず」

御手洗が少女に後ろから声を掛ける。

「―――!」

自分が犯されている姿を別の少女に見られている事に気づいたすずがびくり、と体を震わせ
扉の方を振り返った。

「いやぁぁーっ!!」

瞬きするのも忘れ、凍りついたように自分と同年代の少女の痴態を
見つめていた環菜と目が合った瞬間、14歳の少女が凄まじい悲鳴を上げた。

「うるせえな。そろそろ射精(だ)すぞ。しっかり腰振れや」

御手洗がさらに激しく腰をすずのヒップに叩き付けはじめる。

「あっ、あっ、あっ、あっ、」

吹き出物だらけの汚い尻が叩き付けるのに合わせてショートボブの黒髪を揺らし
すずが悩ましい声を漏らし、みずみずしい肉体を震わせる。

数秒後――――

「あうーんっ!!!」

環菜が呆然と見つめる中、自分の父と同じ年の男の濃厚な白濁液を注ぎ込まれた
すずが切ない声を響かせながらみずみずしい肉体を弓のようにしならせた―――――

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本日の投下はここまでです。読んでいただいた方々有難うございました。
167: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 13:36:21.83 ID:eHrjni6Y(1/10)調 AAS
先日の投下の続きです。
宜しくお願い致します。

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「ここがオマエの部屋だ」

蛇田が廊下の一番端にある部屋の鉄扉の鍵を開け扉を開く。

「…………」

だが、環菜は扉の前に呆然と立ち尽くしたままだった。

「ちっとばかし刺激が強かったか?だがすぐに慣れるさ。
 ここじゃ珍しい光景じゃない」

蛇田はニタリと笑い、環菜を部屋の中に押し込む。

「いいか、授業や食事、風呂以外はこの部屋から出ることは許されない。
 外に出るときは我々が鍵を開けに来る」

「か、鍵を掛けられるんですかっ……?」

「当たり前だ。オマエらは犯罪者なんだからな。自由などない」

蛇田が吐き捨てるように言う。

「は、犯罪者……」

「あとで名簿に載せる写真の撮影と身体検査を行う。
 呼びに来るまで大人しく待っていろ」

呆然とする環菜に向かってニッタリと笑うと蛇田は鉄扉を閉め、
ガチャリと鍵を掛けた。

「ど、どうなっちゃうのワタシ……」

戸惑いと恐怖の入り混じった表情を浮かべて部屋の中を見回す環菜。

冷たいコンクリートに囲まれた四畳半ほどの部屋には作り付けの小さな棚と
小さな洗面台、部屋の隅に板で囲われたスペースがある。
168: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 13:38:04.74 ID:eHrjni6Y(2/10)調 AAS
「……何だろ?」

板囲いの中を覗いた環菜が目を丸くして手で口を押えた。

「こ、ここがおトイレっ……」

板囲いの中に所謂「和式」の便器が据え付けられていた。

今は公衆トイレですらほとんどが洋式である。
14歳の環菜は今までほとんど「和式便器」というものを利用した事がなかった。

だが、使い慣れない和式トイレを使わなければならないことなど
些末な問題であることに環菜は気づいた。

「そ、そういえばおトイレにカメラが付いてるって……」

先ほどの蛇田の言葉を思い出し、慌てて周囲を見回す。

「あ、こ、これカメラだ……」

板囲いの上に小型のCCDカメラが付けられ、便器にしゃがんでいる姿を
前後から撮影するようになっていた。

「こ、これじゃ、お、おしっことかしてる所、みんな写っちゃう……」

排泄している姿をあの男たちに見られてしまう――――唖然とする環菜。

だが、環菜は排泄中の姿を撮影するためのカメラはその二台だけで無く、
古びた和式便器の内側にもカメラが仕掛けられており、しゃがんだ自分たちの
まだ幼い女性器やアナルから液体や固形物が排出されてくる光景が全て撮影、
録画されている事にまだ気づいていなかった――――
169: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 13:41:11.56 ID:eHrjni6Y(3/10)調 AAS
棚に置かれた歯ブラシとカップ、畳まれた布団などを環菜がぼんやりと
眺めていると鍵が開く音がして鉄扉が開いた。

「用意が出来た。来い」

蛇田が現れ、顎をしゃくった。

「は、はい……」

想像もできない異常な状況に何も考えられなくなってしまっている環菜は
蛇田に促されるまま、再び一階に向かった。

「よし、シャツとパンツを脱げ」

「えっ、は、裸になるんですかっ……!?」

「体に刺青やヤクを打った跡がないかも確認するんだ。早くしろ」

一階の奥にあるコンクリートに囲まれた小部屋に環菜を連れてきた蛇田が
ニッタリと笑う。

「ああ…助けてママぁぁ……」

環菜は涙を浮かべ、おずおずとTシャツを脱ぎ、震える指でセミビキニの
ショーツを引き下ろしていく。

「よし、まずその壁に背中を付けて気を付け、だ。絶対に動くんじゃないぞ」

白いペンキで身長が刻まれている壁の前に一糸纏わぬ姿で佇み、羞恥に
みずみずしい体を震わせている環菜に命じると蛇田がカメラのシャッターを
切り始める。

「いやぁぁ…やめてぇぇ…」

小振りな膨らみの先端で小刻みに震えている薄茶色の小さな突起や
その顔立ちからは想像しがたいジャングルのように生い茂った漆黒のヘアに
彩られた幼い女性器に向かってストロボの強烈な光が何度も浴びせられる。

「よし、今度は横を向け」「後ろを向け、尻をこっちに向けろ」

蛇田はその清楚な顔立ちとのギャップが激しい興奮をそそる漆黒のアンダーヘアの
生え具合がよくわかる正面からだけでなく、美しい曲線を描いている小振りな膨らみの形が
よくわかる横から、そして、大人の女のような脂肪がまだついていないきゅん、と
引き締まったヒップを背後から、と様々な角度から何十枚もの写真を撮った。
170: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 13:43:41.40 ID:eHrjni6Y(4/10)調 AAS
「よし、写真は終わりだ」

名簿用だけでなく、自分の「コレクション」の分も密かに撮影した蛇田が
満足そうに笑った。

「ほれ、腕をあげろ」

「ああ…いやぁぁ……」

下卑た笑みを浮かべた蛇田が冷たい布製のメジャーをようやく乳房、と
いえる程度になってきた環菜の幼い膨らみに巻き付ける。

「79…と、アンダーとトップの差が…Cカップか…」

まるでランジェリーショップの女性店員のように14歳の美少女の乳房の
サイズを詳細に測定する45歳の男。

「ウエスト56、ヒップが……」

蛇島は床に膝をつくと小振りだがきゅっ、と引き締まったヒップに
顔をうずめるようにしてメジャーを14歳の少女のみずみずしいヒップに
巻き付けた。

「あっ…いやぁぁん…」

ヒップの割れ目に男の荒い鼻息を感じた環菜がびくん、と体を震わせ
声を漏らした。

「ヒップ80。よし身体測定終わり」

「きゃっ!」

丸いヒップを下卑た笑みを浮かべた蛇田がぺちん、と叩くと
環菜が小さな悲鳴を上げて飛び上がった。
171: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 13:44:50.23 ID:eHrjni6Y(5/10)調 AAS
「最後は性病の検査だ」

「せ、性病…?」

「そうだ。ここに来るメスガキどもは小学生の頃からオトコと
 ヤリまくってたようなのばかりだからな。ちゃんと調べておかないとな」

「そ、そんなワタシまだ……」

思わず言いかけて頬を赤らめ口をつぐむ環菜。

「ほう、まだヴァージンか…じゃ、あの晩はブチ込まれなかったんだな」

「…………」

下卑た笑みを浮かべている蛇田の前でうつむく環菜。

「ま、いい。ヴァージンだろうが検査はやるからな。
 そこに四つん這いになってケツを上げろ」

蛇田が床に敷かれたゴムマットを指さす。

「そ、そんな恰好出来ませんっ……」

「いいかっ!ここではオレたちが王様でオマエたちは奴隷だっ!
 オレたちに逆らう事は許さんっ!」

蛇田が環菜の頬をはたく。

「きゃあっ!」

マットの上に転がる環菜。

「さっさと言うとおりにしろ!今度は拳が飛ぶぞ!」

「や、やめて…言う通りしますから……」

環菜は頬を押さえながら悪魔のような男の命じた通りマットの上に
四つん這いになった。
172: 「環菜〜深き霧に消えた少女 2016/03/23(水) 14:09:41.70 ID:eHrjni6Y(6/10)調 AAS
「可愛い顔してるクセにすげぇ剛毛だな…ケツの方まではみ出てやがる」

四つん這いになって小振りなヒップを高々と持ち上げて突き出している
14歳の美少女のヒップからはみ出ている漆黒の縮れ毛を指で弄っている
蛇田が下劣な笑みを浮かべる。

「見ないでぇ…見ないでぇ…触らないでぇぇ……」

マットに顔を伏せ、泣きじゃくる環菜。

小学校四年生の頃に生え始めたアンダーヘアはみるみるうちに濃くなり
あっと言う間に幼い女性器を覆いつくし、今ではヒップからはみ出す程、
うっそうと生い茂っていた。

それが「1000年に一人の美少女」と周囲で噂されている美少女の密かな悩みであった。

プールの授業や宿泊学習などで他の少女の前で裸になる時は隅のほうに隠れるようにして
そそくさと水着に着替え、タオルで股間を隠して入浴していたのだった。

クラスメイトどころか母親にも言えずにいる秘密の部分を自分の父親のような年齢の
男に弄られ環菜は恐怖と屈辱で震えが止まらなかった。

「ほれ、もっと足を開け」

ほっそりとした太ももに手をかけてぐい、と開く。

「いやぁっ!!」

「くくく…いい眺めだぜ…すぐにでもブチ込みてぇが所長より先に
 挿入れちまうのはさすがにヤバイからな」

蛇田は環奈の足の間から手を差し込むと、まだ幼い女性器をびっしりと
覆いつくしている漆黒のヘアを掻き分け、茂みの奥に隠された肉襞を
ゆっくりと指先でなぞった。

「早くここにブチ込みてぇぜ……」

14歳の美少女の肉襞を指先で弄る蛇田の屹立した肉棒はびくんびくんと
痙攣していた――――
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