[過去ログ] お姫様でエロなスレ3 (499レス)
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(3): 2006/05/29(月) 02:13:36 ID:1vZ7YuZF(1/3)調 AAS
やんごとないお姫様をテーマにした総合スレです。
エロな小説(オリジナルでもパロでも)投下の他、姫に関する萌え話などでマターリ楽しみましょう。

<前スレ>
お姫様でエロなスレ2
2chスレ:eroparo
373: 2006/07/24(月) 22:22:57 ID:5D+IU7PD(2/2)調 AAS
いや、僕っ娘自体は萌えなんだ。
ただ、僕っ娘なら元気っ娘属性と合わせたいんだ。
374: 2006/07/25(火) 00:25:31 ID:M2en2ROU(1)調 AAS
>>369
いや、幸せそうな>>359を見て思いついて何も考えず書いただけなんだ、ごめんね。
375: 359 2006/07/25(火) 02:38:59 ID:H8/ccSr9(1)調 AAS
>>368どの。
ヤンデレラは、少し人と違った感性を持っている。
一般なら是としないことも、彼女ならではの理由で受け入れてしまうことがあるかもしれない。
私がどんなに苦しんでも、ね…。

だがそれでもあの時…私が彼女を選び、彼女が私に頷いた事実は変わらない。
それを私は誇りに思うよ。

あぁでも、もう一つ言わせてもらうなら…

何があろうと俺はヤンデレラを離しはしない!
俺の女に手を出すな!!」

とりあえず359王的にはこんな感じと思われますw
376
(1): 2006/07/25(火) 22:02:18 ID:m/4UL0es(1)調 AAS
>>300
ベアトリス良かったです。その後の二人を読みたいです。
あとコリーヌと盗賊のその後も是非是非…
377: 2006/07/25(火) 23:08:07 ID:1JjByYah(1)調 AAS
>>376
自分もコリーヌ好きだった。
無事に婚約したマチルダも見たいな。
378: 2006/07/26(水) 01:17:28 ID:9Fv5zkVC(1/2)調 AAS
マチルドのその後が知りたいw
379: 2006/07/26(水) 01:44:48 ID:3NMvP0YG(1)調 AAS
姉妹の中ではマチルダが一番好きだ
380: 2006/07/26(水) 01:57:24 ID:FvbOlwCR(1)調 AAS
すみません。マチルダじゃなくてマチルドでしたね。作者さますみません。
381: 2006/07/26(水) 07:56:49 ID:JU3m3X5Z(1)調 AAS
まだ見ぬリュシー姫にもwktk
382: 2006/07/26(水) 10:08:55 ID:9Fv5zkVC(2/2)調 AAS
しつこいかもしれんけどアグレイアの続き読みたいです
って俺も勝手だけど、みんなも希望言いすぎだぞw
作者さんが大変ジャマイカ
383: 2006/07/26(水) 15:10:26 ID:rO/z/rLO(1)調 AAS
だって大好きなんだもんw
384: 2006/07/28(金) 00:46:28 ID:5Zb6TsYD(1)調 AAS
んー、エロい
385: 2006/07/28(金) 05:55:00 ID:UQdKudhi(1)調 AAS
きれいなお姫さまのエロはいいよね
386: 2006/07/28(金) 08:53:17 ID:DH1Lomee(1)調 AAS
前スレの捕虜になっちゃった女騎士の続きが読みたいなー。
387: 2006/07/31(月) 10:16:46 ID:yBlfXdeh(1)調 AAS
保守あげ
388: 姫と従者1/3 ◆YxrCMAImAU 2006/08/01(火) 19:11:06 ID:TRVJOF9/(1/3)調 AAS
神が再降臨されるまでの場つなぎということで、保守がてら一本投入します。

アルフレッドは、ゆるい着衣の隙間から手を入れ、形の良い乳房ををつかみ出すと
無我夢中で貪った。
掌に吸い付くようなきめの細かい肌と甘い香りがアルの感覚を麻痺させる。
小さな桃色の突起はアルの愛撫に反応してそそり立った。
ロウィーナの口から吐息が漏れる。
「姫、そのような声を出されては」アルの言葉と行動は一致していない。
大切なご馳走を口にするようにアルの舌がロウィーナの乳首をもて遊ぶと、
吐息は甘い声に変わった。「ああ、アル」アルの手はロウィーナの下半身をまさぐり始める。
アルは長いスカートを捲り上げ下着の上からじらすように太ももを撫でた。
更に布を通してもわかる柔らかい盛り上がりの中心に指を這わすと、
ロウィーナが切ない声をあげる。
「姫、ここがようございますか」アルの指が執拗に同じ箇所を攻める。
アルは指を通して伝わる柔らかい感触と、瞳を潤ませ快感に身をゆだねるロウィーナの表情を
存分に楽しんだ。
「いかがです。お返事なさいませ」「いや」「嫌ならやめましょう」アルは指を離した。
「だめ」ロウィーナが思わず声をあげる。
「お嫌なのでしょう」わざとそう言って反応を見る。
恥らう様子がたまらなくそそることを知っているのかロウィーナは誘うように身をよじった。
「お任せください、もっとよくして差し上げます」アルは、ロウィーナの下着に手を掛け、手際よく脱がせた。
「アル」「わたくしの言うとおりに」アルはロウィーナの膝に手を掛けた。
「もっと足を開いて。そうです。ああ、よく見えます」「アル恥ずかしいわ」
「綺麗ですよ、姫。こうして見ているだけでも感じているのではありませんか。ほら」
アルは、指で粘り気のある液体を掬い取るとロウィーナの唇に擦り付けた。
「舐めて御覧なさい」ロウィーナは言われるままに唇を舐め、物足りないかのように
アルの指にむしゃぶりついた。
「いやらしい姫だ。でもまだおあずけですからね」
アルは指を離すとロウィーナの股間に頭を沈めた。
しかしすぐに触ろうと馳せずゆっくりと眺めた。「綺麗な色だ。中はどうだろう」
指で広げて中を覗く。「卑猥にひくひくしていますよ」「いや」
「おねだりして御覧なさい。どうして欲しいのです」「言えません」
「素直じゃありませんね。こうでしょう?」アルはゆっくりと舌を這わせた。
ロウィーナは思わず声をあげる。執拗に執拗にアルは同じ箇所を攻め、
ぷっくりと顔を現した肉芽を見つけると吸い付いた。
絶叫をあげてロウィーナがのけぞる。
389: 姫と従者2/3 ◆YxrCMAImAU 2006/08/01(火) 19:12:34 ID:TRVJOF9/(2/3)調 AAS
「刺激が強すぎましたか。でも良かったでしょう?」
湧き出る泉を舐め取り今度はひだの奥へ侵入を開始した。
舌に沿わせて指も使い、徐々に入り口を開放してゆく。
ひくつく粘膜は愛液でたっぷりと濡れた指をすんなりとくわえ込んだ。
ロウィーナは叫びとも吐息ともつかない声をあげた。
中でかき回すとそれに合わせてロウィーナの体が反応して指を締め上げる。
「まだですよ」いったん引き抜くと指を二本に増やして再び挿入した。
そして今度は指を前後に動かし始め、同時に親指で肉芽を刺激すると、
あっという間にロウィーナは絶頂に達した。「本当にはしたない姫だ」
指を抜くと、ようやく自分のズボンと下着を脱いだ。
「姫はこれがお好きでしょう」
命令されるまでもなく自分から股間にそそり立つものに喰らいつき、舌を這わせ始めた。
「お上手です。どこで教わりましたか」「いや」
「あの男でしょう。言わなければあげませんよ」
ロウィーナはこっくりと頷いた。「ごほうびをどこにほしいのですか」
「ここ」ロウィーナは自ら足を開いた。「どこです」
「ここよ」ロウィーナは自分の秘所を指で押し広げた。「ここに入れて」
「いい子だ」ロウィーナはアルを待ちきれないように指を添えて受け入れた。
ゆっくりと腰を動かし始めると喘ぎ声が一段と高くなる。
だんだん速度を上げて、急に抜いた。「いや、どうして」
「後ろを向いて手をついて。お尻を高く上げて。そうです。全部見えますよ。
お尻の穴までひくひくしている。さあどこに入れるのでしたっけ」
「ここ、早く」「姫の癖に売女みたいだ」「いじわるしないでお願い早く」
アルが挿入するとロウィーナは腰を動かし始めた。「いやらしい。腰を使って。お仕置きだ」
アルが肉芽をつまみ上げると、絶叫があがりロウィーナの腰が砕けた。
その腰を抱えあげアルは言った。「今度はこっちを試してみよう」
「そこはだめ」「嘘おっしゃい。もう指が入ってますよ」「うそ」
「しかも三本もね。準備はもういいだろう」「いやあ」
「逃げるな。お前は本当はこれが好きなくせに」「いやあ、いたい。やめて」
ロウィーナは絶叫を上げた。「力を抜け。そうだ。じゃあ動かすぞ」「いたい」
「そうかな。ほらだんだん引く引くしてきた」「あああ」「いいんだろう。こっちも、ほら」
アルは膣に入れた指をかき回した。
めくるめく快感の波に押し流され、絶叫とともにロウィーナは気を失った。
390
(2): 姫と従者3/3 ◆YxrCMAImAU 2006/08/01(火) 19:15:43 ID:TRVJOF9/(3/3)調 AAS
自分は果てることのないまま、アルはロウィーナの身体を清め、着衣を整えた。
最後の瞬間にロウィーナが叫んだのはあの男の名前だった。
所詮、自分はあの男の身代りでしかないのだ。
それでも、求められればまた同じ事をするだろう。
このような変則的な形であっても、姫の望みどおり奉仕するのが従者として務めだと
無理やり自分に言い聞かせた。
アルは、行為の間一度も口づけをかわさなかったことを思い出した。
だが、目を閉じたままの姫を唇を奪うことはどうしてもできなかった。


お目汚し失礼しました。

先日から、やきもち焼きのイヴァンがどんな意地悪をされたのか気になって眠れません。
作者さま。首を長く長くして待っております。
391: 2006/08/02(水) 00:50:46 ID:6dV5Uo89(1)調 AAS
>>390
場つなぎなんてコトナイコレ
GJ!!!
392: 2006/08/02(水) 01:14:01 ID:EgIIU6ka(1)調 AAS
GJ。
あの男の存在が気になる。
393: 2006/08/03(木) 23:53:43 ID:+1xhFomf(1)調 AAS
>>390
スゴイyo゚+.(・∀・)゚+.゚
続き、というかそれ以前のお話が気になります
また書いてください!!!
394: 逃亡中 ◆YxrCMAImAU 2006/08/05(土) 21:38:14 ID:xZvMkilc(1)調 AAS
短い駄文で保守。エロは微妙。

街道から外れた細い林道を、一頭の馬が速足で進んでいく。馬上には二人の人間の姿があった。
片手でロウィーナ姫を抱きかかえ、もう片方の手で手綱を握っているのはアルフレッドだ。
「止めて!」アルが急にが手綱を引いたので、驚いた馬は大きくいななき仁王立ちになって乗り手を振り落とそうとした。
その瞬間、姫の口から悲鳴とも吐息とも聞こえる声が漏れた。
ようやく馬を落ち着かせると、アルはロウィーナ姫に訊ねた。「どうかされましたか」
「疲れたわ。それに喉が渇いた」ロウィーナは不機嫌な顔を隠そうともしない。
「もうしばらくご辛抱ください。日が暮れる前にこの森を出なければ――」
「私に命令しないで!」
どうしてこの男は私をこんなにいらいらさせるのだろう。ロウィーナは唇を噛んだ。
「申し訳ありません。この先に川があります。そこで一休みされてはいかがでしょう」
「川まであとどのくらい?」「ほんの数分です」「いいわ。降ろして」
これ以上馬に揺られていたら、これ以上触れられていたら、私はまた自分を抑えられなく
なってしまうかもしれない。
そうしたらまた昨夜のように――。
下半身の疼きが限界に達して身もだえしそうな身体をロウィーナは必死に抑えた。「姫!?」
「もう馬に乗るのは嫌!疲れたと言ったでしょう。何度言わせるの。はやく降ろして川に案内して」激しい剣幕でロウィーナは怒鳴った。
姫の身体が震えていることに気付いたアルは、黙って命令に従った。
「足元にお気をつけ下さい」アルは慣れない山道にふらつくロウィーナに差し伸べようとした。
「触らないで!」
ロウィーナはを払いのけた手が不浄なものであるかのようにおぞましげに見た。「一人で歩けるわ」
395: 逃亡中 ◆YxrCMAImAU 2006/08/06(日) 11:34:13 ID:Ydd4KUTj(1)調 AAS
続きで保守

なりふり構わず、ロウィーナは川に入っていった。
冷たい流れに腰まで浸かって、掬い取った水で火照った頬を冷やした。
よかった、間に合った。ほっとして顔を上げると、アルの姿が目の前にあった。「あぶのうございます」
ロウィーナは、アルを睨むと黙って川を上がった。
「そのままでは風邪を召されます。乾くまでこれを」毛布を手渡すと、アルは薪になりそうな枝を拾いに行った。
ロウィーナは濡れて身体に張り付く布をすべて脱ぎ捨て、毛布に身を包んだ。
戻ってきたアルは火をおこすと、ロウィーナの服をかき集め、絞って近くの枝に干した。
そして、馬に水を飲ませると、ようやく自分も飲んだ。
何とか言えばいいのに。この男のすることなすことがいちいち癇に障る。
「馬も少し休ませる必要があります。今日はこの付近で野営できる場所を探しましょう」
アルの顎髭から水滴が滴り落ち、開いたシャツの合間を伝う。汗で光った熱い胸板――。ロウィーナに昨夜の記憶がありありと蘇った。
なぜ、アルは何も言わないのだろう。あんなことがあったというのに。
昨日、一日中馬に揺られたロウィーナは、たまらず自分を慰めてしまった。
それを見咎められたのだ。しかも、アルは平然とこんなことを言ってのけた。
「よろしければ私がお手伝いしましょう」
そして私はあろう事か、その申し出を喜んで受けたのだった。
「姫?」アルはロウィーナを見つめた。この目だ。人を哀れむようなこの醒めた目が
私をこんな惨めな気持ちにさせる。
「もう馬に乗らなくていいのね」「はい」「それならいいわ」
「ですが明日はまた――」
「もう嫌よ。後何日かかるかわからないけど、私はここから歩いていくわ」
「それでは追手に掴まってしまいます」「それならそれでいいわ」
「姫、またあのような生活に戻りたいのですか?日のあたらない部屋に一日中閉じ込められ、
話す相手もおらず、一生孤独に耐える生活。姫はそれをお望みですか?」
「私は孤独じゃなかったわ」
「あなたもいつまでも若くはない。リチャードはそのうちあなたに飽きる。そうなれば
あなたの部屋を訪ねるものは誰もいなくなる。それでも孤独ではないと言えますか」
「お前に何がわかるの。偉そうに説教しないで」
「無事に国境を越えれば叔父上の庇護を受けることができます。それまでどうか我慢してください」
我慢?あれを我慢しろと言うの?
一番敏感な部分を絶えず刺激され気を失うほどの快感を感じながら逝くことは許されず、
まるで永遠に続く愛撫と拷問を同時に受けているかのようなあの悩ましい感覚をどう我慢しろと。
その感覚を思い出しただけでもこうしてからだは火照り、身体の芯が痺れたようになるというのに。
ああ、さっき綺麗にしたばかりなのに。つい伸びてしまいそうになる指を噛み、毛布を汚さないよう
ロウィーナはもぞもぞと腰を動かした。
「姫――?」「何でもないわ」「しかし」「そんな目で私を見ないで」
「もしも必要ならば――」
「勘違いしないで。昨日あんなことがあったからといって、私と対等になったと思ったら大間違いよ。お前のような卑しい男に誰が――」
「姫、私は卑しい男です。けれど、これ以上姫が苦しむ姿を見ていたくないのです」
「それ以上近寄らないで」
「どうかこの哀れな男の穢れた身体をご存分にお使いください。どうか姫のいっときの慰み物に」
アルは姫の手を取り、股間に導いた。
「これは、ロウィーナ姫、あなた様のものです」


396: 2006/08/06(日) 14:25:00 ID:IFFDLieI(1)調 AAS
リチャードのくだりをkwsk
397: 2006/08/06(日) 19:56:53 ID:Cx2javby(1)調 AAS
えええ!いい所で終っちゃったよー
398: 2006/08/06(日) 23:04:54 ID:AMdyPwRo(1/3)調 AAS
 ふたりで

 歴史だけは誇れるほどあるものの、祖国《オロシャ》はとても小さな国だ。
 外交。
 政略。
 献上。
 貢物。
 慰み者。
 一番しっくりとくるのは、果たしてどれだろう。
 やはり最後のか?
 しかし、まぁ、どんな風に表現したところで、 新興の国《ゼノビア》、わたしはこの国に売り飛ばされたのだ。
「くぅッ………んンッ……」
 だけどそれについて、べつに父や母を、特に恨んではいない。
 処世術としては当然だろう。
 それにあんな平和だけど退屈な国に、いつまでもいたいとは思わない。
 うん。
 平和も退屈も、そりゃ貴重だけれどね。
 とにかくそれはそれとして、国の利益とわたしの望みが、期せずも一致したのである。
「…………」
 いや、本当はいろいろ、そりゃ期したけど。
 誰にでも買われてやるほど安くない。
「リュ、キ、んッ…はッ……リュキ……んンッ…………」
 切れ切れの苦しそうな声で、腕の中の少年が、わたしの名前を、許しを求めるように呼んだ。
「うん? どうしたんだい、アレク?」
 広く人気のない邸内の石段。
 親が我が子にそうするように、小さな身体を足の間に座らせている。
 第七王子のアレク。
 もう確か十四歳になったはずだ。
 去年までは、学問の国でもあるオロシャに、八歳から五年間留学していた。
 ――ちなみに彼の教師は、このわたし、リュキアンである。
 自分で言うのも非常になんではあるけれど、才色兼備で近隣中に、そこそこだが名前は知られていたりする。
 幼い身で異国にやって来た彼、アレクの面倒を、手取り足取りみてやったもんさ。
399: 2006/08/06(日) 23:06:18 ID:AMdyPwRo(2/3)調 AAS
「んッ……くんッ…ふぅ………あうッ!!」
 アレクは物心もつかない幼い時分に、母親を不慮の事故で亡くしている。
 父親は売り出しの国だから忙しい。
 他の兄弟は姉や弟や妹含め腹違い。
 四つしか違わないけれど、その当時から、妙な落ち着きがあると言われていたわたしに、母なり姉なりの姿を重ねたのかもしれない。
 おそらくアレクは、愛に餓えてたんだろう。
 最初こそは警戒されたが、それはそれは良く懐いていた。
 国に帰ってからすぐに、こうして、わたしを自分の元に呼び寄せるほどに。
「ぅあッ……は……あン……んぅッ!!」
 見様見真似だったけれど、別れの日にしてやったサービスが、事の外利いたのかもしれない。
「うぁッ……は……んふぁ…………やはぁッ!!」
 今もあの日と変わらない感度の良さで、大きく仰け反って白い喉を晒している。
 肩に乗る心地よい重み。
 さらさらとした金色の髪が、ぴくんぴくん、とするたびに、わたしの耳朶に優しく触れてくすぐったい。
「…………」
 眉根を八の字にしている横顔。
 相も変わらずで可愛く、苛めがいのある奴だった。
 眺めているだけでぞくぞくしてくる。
「……こらこら。将来はこの国の、王様になろうという男子が、そんな情けない、女子みたいな声を上げていてどうする?」
 秘めていた野心。
 この世界で唯一人信じる少年に、何気なくさり気なく、言ったつもりだった。
「えっ!?」
 けれどさすがにわたしも、緊張していたのかもしれない。
 だらしなく身悶えしていたアレクも、ハッとなると、眼を見開いて、至近距離でわたしを見つめる。
「お、王、……さ……ま…………」
「そうだよアレク。きみにはとりあえず、この国の頂点になってもらう」
「な、なってもらう…………って」
「きっとなれるよ、きみなら。……わたしがしてみせる。わたしが…………必ずしてみせる、よ」
 声が上ずってるのが、今度は自分でもわかった。
 それはそうだろう。
 たとえ首が刎ねられても文句は言えない。
「で、でも、ぼく、継承、権、……な、七番目なんだよ? 王様には、……なれな――」
 その言葉にちょっと嬉しくなった。
 こんなときでも、わたしの願いを叶えようとしてる。
 アレクの瞳。
 わたしの瞳。
 互いが互いの瞳に映る姿に、魂の裏側を覗くように、睨みあうみたいにじっと、長い沈黙と共に奥の奥まで見詰め合う。
400: 2006/08/06(日) 23:07:38 ID:AMdyPwRo(3/3)調 AAS
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
 そしてわたしは破るように言った。

「消えてもらえばいいじゃない、きみより上位の六人にさ」

「んンッ!?」
 唇に唇を重ねる。
 同時に握っていた手を激しく上下に擦った。
 突然のことに身体を堅くしたアレクの、閉じ損ねた歯列の間に、舌先を押し割るように潜り込ませる。
 愛しい。
 狂ったみたいに踊るわたしの舌を、アレクの健気に追い求めるのが何とも愛しかった。
「んっ……んぅッ…ああっ……うあ……んッ……ふぁ…………」
 だけど加速された手の動きは、あっという間に、アレクの敏感で脆すぎる身体を、引き返し不能の地点にまで追い詰める。
「あッ、ああッ!?………………んぅッ………くぅッ……んあッ!!」
 唇を離すとアレクは、舌ったらずな叫びを上げるながら、煮え滾った蒼い欲望の塊を迸らせた。
 びゅッ・びゅぐぅんッ!!
 綺麗な軌跡を描きながら、白い尾を引いて、階段にぶちまけられる。
 何度も何度も飽きずに、アレクは欲望を吐き出していた。
「あ?……リ、リュキ……アン……あの、……、ご、ごめん…………なさい」
 わたしの手が白く汚されてる。
 それを見て申し訳なそうに謝るアレクに、わたしは心底愉しくて、にちゃにちゃと、わざと音をさせながら動かして微笑む。
「一緒に来てくれるよね、アレク」
 やばい。
 言いながらわたしは、首を振られたらと考えただけで、不覚にも泣きそうになってしまった。
「う、うん。ぼ、ぼく、リュキアンと一緒にいく」
 こくこくとアレクが何度も頷く。
 この日わたしは、何度も何度も泣かせたこの子に、初めてぼろぼろに泣かされた。

 十年後―― アレクは燎原の炎帝と呼ばれ、大陸中にその勇名・悪名を轟かす事になる。

                                               終わり
401: 2006/08/07(月) 03:47:11 ID:sez2jDrm(1)調 AAS
中世ファンタジースレのほうがよかったんじゃね?
402: 2006/08/07(月) 08:32:34 ID:yhV605f/(1)調 AAS
リュキアンがお姫様なのでは?
403: 2006/08/08(火) 16:21:38 ID:Rm38gPnQ(1/11)調 AAS
>>71-74 >>107-112の続きを投下します。

ずいぶん間があいてしまったので、一応あらすじ解説を。

隣国の王子との政略結婚を控えたオルエッタ姫の寝室の窓辺に
リベルトという美しい金髪の衛兵が忍んで来ました。
恋心を燃え上がらせ、愛を誓い合った二人は、駆け落ちの約束を……

そして駆け落ち当日の話でございます。
404: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:22:38 ID:Rm38gPnQ(2/11)調 AAS
翌日。

オルエッタのその日の行事は、自分を磨き上げることだった。
持参物や婚礼衣装などの支度は既に完了しているため、
3日前といえどもあわただしい雰囲気にはならない。
オルエッタは何人もの侍女の手で風呂に入れられて肌を磨かれ髪を洗われ、
身体のすみずみ、髪の一本一本にまで高価な香油を擦り込まれた。
昨夜の痕跡が見つかりやしないかと彼女はひやひやしたが、
幸いにもリベルトは彼女を壊れ物のように大切に扱っていたようで、
繊細な肌は純白に輝くのみであった。

輝くように美しさを増した王女を、侍女たちは口々に褒めそやし、
彼女を娶るアルフォンソはいかに幸福であるかを力説した。
オルエッタは王子の名が耳に入るたびに罪悪感で胸が締め付けられ、
ついにはその大きな瞳から一筋の涙をこぼしたが、誰もそれを気にしてはいなかった。
侍女たちは父母やこの国との別れが辛いのだろうと得心し、
アルフォンソの良い噂を何倍にも拡大して彼女に語って聞かせたのだった。



そして夜。
オルエッタは落ち着かぬままリベルトを待った。
彼女は昨夜と同じ寝巻きを身にまとっていた。
リベルトに動きやすい格好でいるようにと言われたので、これを選んだのだ。
それが城の外の人々の目にどれだけ奇異に映るかなどということは、
世間知らずの彼女には知る由もなかった。

オルエッタは意味もなく室内を歩き回り、荷物の入った袋を何度も確認した。
余計なものは一切持たぬように、と言われているのでその袋には聖書と十字架、
父母から授かったこまごまとした物だけを入れてある。
それが彼女にとって最も大切なものだった。
確認するたびに涙がこぼれてしまう。
オルエッタは急いで袋を閉じ、床に跪いて親不孝を懺悔した。
405: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:23:10 ID:Rm38gPnQ(3/11)調 AAS
どのくらい時間がたったろう。
天窓が外から叩かれる小さな音を耳にして、彼女は急いで立ち上がった。
ガラスのむこうにあの金色の髪が輝いている。
オルエッタは袋を抱え、衣装棚によじのぼろうとした。

しかし、慣れぬ荷物を抱え、気のはやった彼女は足をすべらせてしまった。
袋はどこかへ吹っ飛び、オルエッタは盛大に尻餅をついてしまう。
「大丈夫ですか?! オルエッタ姫!」
天窓が外から開き、リベルトがすべり込んでくる。
今宵は天窓の掛け金をおろしていなかったのだ。
彼は昨夜と同じようにふわりと床の上に舞い降り、オルエッタを助け起こした。

「ああ……リベルト……!!」
オルエッタは青年にしがみついた。
その姿をどれほど待ちわびたことか。
リベルトは今宵は衛兵の甲冑ではなく、平服を身にまとっている。
軟らかい布を通して互いの肌の感触が伝わってきた。

ふたりはどちらからともなく自然に唇を重ねた。
口腔内で舌が絡み合う。
オルエッタはたどたどしいながらも精一杯その舌を絡み付けた。
濃密な時間が過ぎ、ふたりはうっとりとしたまま唇を離した。
オルエッタは立ち上がろうとしたが、リベルトはそれをゆるさなかった。
彼は王女の寝巻きの袷を開き、腕を差し込んでその肌をまさぐった。
昼間に侍女たちが磨き上げた甲斐あって、
オルエッタの肌は昨夜以上にしっとりと滑らかに彼の掌に吸いついており、
天の花園へ彼をいざなうかのようにかぐわしい香気が全身から立ち上っている。
リベルトは炎に魅入られた夏虫のように我を忘れてオルエッタの身体を求めた。

オルエッタは舶来物の厚い絨毯の上に押し倒された。
あれよあれよという間にその肌から寝巻きが奪い去られる。
「待って、リベルト!どうしてしまったの?!」
驚きのあまり抵抗する王女に、リベルトは昨夜のようににっこりと微笑みかけた。
「大丈夫です。私にお任せください」
その言葉と、まっすぐに見つめてくる青みがかった灰色の透きとおる瞳は、
彼女にとってもはや魔法も同然だった。
「本当に……?でも私、こんなところは嫌よ」
リベルトは頷いてオルエッタを抱き上げ、ベッドへと運んでいった。
――大丈夫よね。あなたにすべて任せていればいいのよね――
オルエッタは全身から力を抜き、彼にすべてをゆだねていた。
406: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:23:44 ID:Rm38gPnQ(4/11)調 AAS
リベルトは王女の全身を撫でさすり、夢中になって唇を這わせた。
引きちぎらんばかりに急いで自分の衣服を脱ぎ捨て、
全身で絡み付いて王女の肌を堪能する。
二晩目だというのに新しい女を抱くかのような新鮮さがある。
みずみずしく透きとおる肌は昨夜以上の感動を彼にもたらしていた。

オルエッタはただただ甘く切ない吐息を紡いだ。
一心に求められることが嬉しく、自らの興奮も高まっていく。
与えられる愛撫が恥ずかしくも愛おしく――

「待って!そんなところ……駄目よ!!」
気付いた時にはリベルトの頭が彼女の内股にもぐりこんでいた。
香油の高貴な香りに、少女独特の甘くさわやかな体香が混ざり、
恋多き貴婦人たちの愛用する媚香もかくやというほどの扇情的な馨りがたちのぼっている。
リベルトは憑かれたようにそこを求めた。

オルエッタは下腹部に手を伸ばし、必死で秘部を隠そうとした。
しかし小さな白い手はいともたやすく青年の手に引き剥がされてしまう。
「恥ずかしがらないで。オルエッタ。私にお任せを」
リベルトは得意の台詞を口にした。
いつのまにやら呼び捨てにされていることにオルエッタが気を取られているうちに、
髪と同色の薄い茂みがかきわけられ、ふっくりとした双丘が押し広げられる。

「ああっ!駄目!まって…ああ…あぁぁ……」
珊瑚朱に輝く唇を突いて、切ない喘ぎ声が次々とこぼれた。
頬に血がのぼり、真っ赤になっていることが鏡を見なくても分かる。
小さな肉芽が唇に吸い付かれ、舐り上げられて口中で玩ばれた。
舌が花弁の奥深くに沈められ、滴る蜜を舐めあげた。
生まれて初めて与えられた途方もない快楽に、わけもわからない衝動が身体の奥から沸いてくる。
奏でられる淫靡な水音も、どこかぼんやりと耳に伝わってきていた。
407: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:24:38 ID:Rm38gPnQ(5/11)調 AAS
さざ波のようにここちよく揺さぶられる快感に
オルエッタがようやく慣れようとしたとき、それは不意に中断されてしまった。
「あ……」
喘ぎではなく落胆のため息が口をついて出てしまい、
なんとはしたないことかとオルエッタはあらためて顔を赤らめた。

しかし、そんなことを悠長に思い煩う余裕は与えられなかった。
ぼうっとしている間にオルエッタの小さな身体がひっくり返されてしまった。
「えっ?!何をするの……?待って!!」
細腰を掴まれてずるずると引きずられ、彼女は思わず抗議の声をあげた。
「リ、リベルト!だめ!……ああっ!!」
白く丸い小ぶりの尻に硬いものがあてがわれたかと思うと、
それは間髪を入れずずぶずぶと彼女の体内に侵入してきた。

「いやぁっ!痛いわ!やめて!!」
しとどにあふれていた蜜に助けられ、リベルトは一気に最奥まで貫いた。
いくら濡れているといっても、昨日今日の話だ。
王女の身体はまだ男に慣れておらず、昨夜の傷口が開いて同様の痛みが彼女を苦しめていた。

「ち、力を抜いて……大丈夫です。はあ、はあっ……私に任せて」
しかし、興奮しきった声は魔法の響きを帯びてはいなかった。
オルエッタはその言葉に従おうとしたが、痛みは去らず、我慢できずに何度も呻いた。
それを嬌声と勘違いし、リベルトはさらに興奮を高めて欲望のおもむくままに腰を叩きつける。
昨夜と同じことのはずなのに、どうして今宵はこうも苦しく感じられるのか。
獣の体勢を取らされる羞恥と誇らしさのかけらもない容赦ない痛みに耐えられず、
オルエッタの瞳から幾粒も涙がこぼれ落ちた。

しかし、王女の涙はリベルトからは伺いようもなかった。
「ああ、オルエッタ。私のオルエッタ!」
彼は何度もその名を呼び、支配欲を充たした喜びに酔っていた。
未成熟な肉襞は昨夜と変わらず彼のものをきつく締め上げており、
腰の動きが早まるにつれてさらなる快楽をもたらして彼を限界へと導いていった。
「ああ!愛しております……」
その言葉が虚しく響いたことも知らず、
リベルトはオルエッタの背に覆いかぶさると、勢いよく精を解き放った――
408: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:25:12 ID:Rm38gPnQ(6/11)調 AAS
行為を終えると、リベルトは満足したように眠りに落ちてしまった。
「起きて……ねえ、起きて頂戴!リベルト」
オルエッタは小声で何度も呼びかけてリベルトを小さく揺さぶったが、
彼はうるさそうに何やらむにゃむにゃと寝言をつぶやくと、その手を払いのけてしまった。
「どうすればいいの……」
不安のあまり、オルエッタの大きな瞳からは涙がとめどなく溢れ出した。



ベッドに朝日が差し込み、オルエッタはあわててはね起きた。
いつの間にか眠ってしまっていたのだ。
「リベルト!朝よ!」
彼女は隣に眠るリベルトを再び揺すったが、あいかわらず彼は眠りこけていた。
だるそうに寝返りをうつと、下腹部に手を伸ばしてぼりぼりと掻きむしる。

そのいぎたない姿を目にして、オルエッタは呆然とした。
朝日のなかでよく見れば、額は広いし頬はあばたの痕だらけだ。
鼻筋は通っているが鼻尻は妙に広がっている。
あんなに綺麗に輝いていた金髪も、所々痛んでぱさぱさに乾いていた。
吸い込まれそうだった魅力的な瞳は、
目やにのこびりついた瞼の奥に隠れて今は見ることができない。
――ほんとうにこれが昨夜のリベルトなのかしら――
オルエッタはため息をついてベッドから降りた。
部屋じゅうの窓を開け放す。
早朝のすがすがしい空気が流れ込み、けだるげな交情の気配を運び去っていった。

オルエッタは寝巻きを脱ぎ、タオルを水にひたして身体を清めた。
ドレスの下に着用する裾の長い長袖の下着に着替える。そこから先は侍女たちの仕事だ。
鏡に映る自分の顔を見て、思わずため息をつく。
腫れ上がった瞼と泣きはらした真っ赤な瞳は、とんでもない醜女のようにオルエッタの目に映った。
409: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:25:52 ID:Rm38gPnQ(7/11)調 AAS
支度の整ったオルエッタは、ふたたびリベルトを起こしにかかった。
早くしなければ侍女が自分を迎えに来てしまう。
「リベルト、起きて!起きなさい!!」
必死の形相で男をゆする。
ついにリベルトの瞼が開いた。
「……ふゎあぁぁ、……おや、オルエッタ姫……」
彼が大あくびとともに寝ぼけ眼をこすった瞬間、寝室の扉がノックされた。

「おはようございます。姫さま。洗顔の水をお持ちいたしました」
オルエッタは息を飲んだ。教育係であり、侍女頭もつとめるアガタの声だ。
「待って!アガタ!」
必死にさけぶ。
「いかがなさいましたか?姫さま」
アガタの声が怪訝そうな響きに変わる。
「わ、私、泣きすぎてひどい顔になってしまったの。こんな顔誰にも見せられやしないわ!」
「何をおっしゃいますか。本日は朝から王族や貴族の方々のご祝辞をいただく予定なのですよ」
「ええ、少し待ってくれたらすぐに参るわ。だから、開けないで!」

言いながらオルエッタはリベルトをつきとばし、ベッドから蹴り落とした。
幸いにも石造りの上に厚い絨毯の敷かれた床は、鈍い音をかすかにひびかせただけだった。
腰をさすりながら起き上がろうとするリベルトを睨み付けて制し、
唇の前に指を立てて黙って隠れているようにと促す。
「姫さま!いつまで子供のつもりでいらっしゃるのですか。
あなたは明日には嫁がれるのですよ。よろしいですか?開けますよ」
410: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:26:47 ID:Rm38gPnQ(8/11)調 AAS
オルエッタがリベルトの衣類を拾い上げ、ベッドの向こうに投げ込んで扉の正面に立ったのと、
神経質そうな中年女性が顔を覗かせたのはほぼ同時だった。
アガタはうさんくさそうな表情でオルエッタの肩越しに室内を見回した。
ベッドの寝具が乱れているくらいで、特に変わった様子はない。

「ごめんなさい……アガタ……」
かわいい女主人が上目遣いに彼女を見上げていた。
「オルエッタさま、私の目にはいつもとお変わりなく見えますよ。少しお目が赤いだけではありませんか」
「いいえ……ひどい顔だわ」
アガタは小さくため息をついた。
「分かりました。ここに井戸から汲んだばかりの冷たい水をご用意しておりますから、
少しお冷やしになってください。お召し替えの侍女たちには今しばらく待つように言っておきます」
「ありがとう。落ち着いたらすぐに行くわ。大好きよ。アガタ」
アガタは苦笑した。この甘えん坊の姫君にはいつもかなわない。
「そうそう、その寝具をきちんと整えておいてくださいましね。
あなたももう大人なのですから、身の回りのことくらいはご自分でなさらないといけません」
得意のお説教を口から紡ぐと、彼女は水差しを王女に手渡して静かに扉を閉めた。

アガタの足音が遠ざかるのを聞き、オルエッタは大きく安堵のため息をついた。
冷水を陶器の盥にあけてタオルをひたしなおすと、それを瞼に押し当てた。
ベッドのむこうでリベルトがのっそりと起き上がっている。
「オルエッタ…姫さま……」
なんともきまりの悪そうな顔で彼は頭を掻いた。
「いいこと、リベルト。私の支度が終わったら侍女たちがこの部屋を整えに来るわ。
それまでにはこの部屋を出ておいてね。決して見つかっては駄目よ」
オルエッタは片手で見苦しくない程度にベッドの上を整えると、くるりと踵を返した。
その背中にむけてリベルトの片手があがったが、もちろん彼女には見えなかった。
オルエッタはそのまま次の間へと出て行ってしまった。


411: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:27:46 ID:Rm38gPnQ(9/11)調 AAS
リベルトは見つかることなく逃げおおせたらしく、結局何の騒ぎも起こらなかった。
オルエッタは予定通り――彼女にとっては予定に反してなのだが――つつがなく
その日の行事を終えることができた。

そしてまた夜。
天窓のガラスはふたたび外から叩かれた。
リベルトだ。
しかし、それに応えるものは何一つなかった。
オルエッタは天窓の掛け金をおろし、
ベッドの天蓋をぴっちりと閉じてその中に一人とじこもっていた。

「オルエッタ姫、お開けください。リベルトです。」
オルエッタは枕を抱きしめ、息を殺して身を固くした。
「オルエッタさま!お開けください!今宵こそ本当にお迎えに上がりました!」
声も音も少し大きくなる。がたがたと窓枠を揺する音も聞こえた。
オルエッタは応えなかった。枕に顔をうずめ、両手で耳を塞ぐ。
窓を開けてしまえば、意思の弱い自分はきっと流されてしまう。
――ごめんなさい、リベルト。本当にごめんなさい――
涙がとめどなくあふれ、すぐに枕に吸い取られた。彼女は心の中で何度も謝った。



そのまた翌朝。

晴天にめぐまれた都の街路は大勢の民衆で埋め尽くされていた。
婚礼の華やかな行列と、嫁いでしまう美しい王女を一目でも見たいと
都じゅうの、さらには周辺の町や村の住民までもがすべてそこに集っていた。
家々の屋根にまで人が鈴なりになっている。

やがて、高らかにラッパの音が鳴り響いた。
楽隊を先頭に、婚礼の行列が進んでくる。
国境まで王女を送り届け、隣国の王子の一行に引き渡すための行列だ。

きらびやかな白銀の甲冑を身にまとった近衛兵の整然とした隊列に護られ、
王家の人々を乗せた屋根のない馬車が何台も進む。
先頭の馬車は国王夫妻。
堂々とした体躯を誇る壮年の国王と、年を召しても美しく輝くその后が
穏やかな笑みを浮かべて手を振っている。
その後ろにオルエッタの兄姉を含む、近しい王族たちの乗った馬車が続く。
412: 王女の秘密(後編) 2006/08/08(火) 16:28:52 ID:Rm38gPnQ(10/11)調 AAS
そして、その次こそが人々の待ち望むオルエッタ姫の乗る馬車だ。
白く塗られた優美な馬車は、数々の浮き彫りと銀箔で彩られ、
花嫁にふさわしい華麗さと清らかさを演出していた。
嫁いでゆく姫は、純白のドレスを身に纏い、
群集の歓呼の声に応えて愛らしい笑顔を精一杯ふりまいていた。
高く結い上げられた赤褐色の髪は日の光を浴びて金の冠に負けじと輝き、
大きな緑の瞳の輝きの前には、身につけられた宝石の類もくすんで見えるほどだ。
民衆は美しい王女との別れを惜しみ、何度もその名を叫び、激しくその手を振り続けた。

王女の晴れ姿を、アガタは深い感慨をもって後続の馬車から眺めていた。
彼女はオルエッタについて隣国の宮廷にあがることになっており、別れの寂しさとは無縁だ。
それだけに王女の成長を素直に誇らしく感じられる。
昨日までは何かとめそめそと弱音を口にして周囲の者を煩わせていたが、
今朝、彼女らの前に姿をあらわした王女は瞳に強い決意を秘めていた。
この国との別れの儀式も滞りなく勤め上げ、今はこうして堂々と民衆の声に応えている。
――姫さまは芯の強い立派な大人に成長あそばされたのだ。
これも私の教育が良かったからに違いないわ。心からお遣えした甲斐があったというもの――
アガタはハンカチでそっとうれし涙を拭い、王女の後姿を眺め続けた。

誰も彼もが浮かれる中、近衛隊長のファン・ミゲルは、
苦虫を噛み潰したような顔で自慢の髭を震わせていた。
部下の一人が無断で欠勤したため、隊士の華やかな行列に穴があいているのだ。
興奮しきった民衆の目には留まっていないようだが、久々の晴れ舞台にけちがついた。
祭祀を取りしきる文官には、後日ねちねちと厭味を言われるに違いない。
よく小さな失敗をしでかす男だが、今まではその陽気さに免じて許してやってきた。
しかし今回こそはそうはいかない。
――あの若造、かならずや降格にしてくれる!――
ファン・ミゲルは心の中で金髪の部下を激しく罵った。



婚儀はとどこおりなく行われ、オルエッタは晴れて隣国の王子アルフォンソの后となった。
彼女の愛らしさはアルフォンソだけでなく、その家族、宮廷人、さらに民衆までをも虜にした。
その容姿だけでなく、配慮の行き届いた思慮深い行動が彼らの心を捉えたのだった。

オルエッタとアルフォンソは何人もの子をもうけ、幸せな家庭を築いた。
王妃となってからも、彼女は夫を支え、子供たちを立派に育て上げ、
皆から愛されて幸せな人生を送った。

オルエッタのその聡明さが、彼女の胸の奥に眠る
ほろ苦くもかすかに甘い経験によるものだということを知る者は他にいない――

                             *おしまい*
413
(4): 2006/08/08(火) 16:31:44 ID:Rm38gPnQ(11/11)調 AAS
以上です。

八方丸くはおさまってないけど不幸になった人はいないので許してくださいな。
414: 2006/08/08(火) 17:22:46 ID:goeY+yPv(1)調 AAS
いや、良い感じにまとまってて良いと思った。
なんかどっかの国で1人位はこんな体験をした王妃が本当に居そうな気がするw
415: 2006/08/08(火) 17:51:31 ID:Q5CXQpLx(1)調 AAS
>>413
GっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっJ!!!!!!!!
416: 2006/08/08(火) 19:20:52 ID:za8N4aQR(1)調 AAS
>>413
面白かったです
しかしリベルトの奴、とんでもないヘタレ野朗でしたなw

まあともかくお姫様が幸せ?になってくれて良かったです
417: 2006/08/08(火) 23:03:03 ID:5kjc3H8W(1)調 AAS
正直言うと、1回目・2回目の投稿の時にこれでオルエッタがリベルトと
末永く幸せに暮らしましたとさ!だったらつまらん話と思ってたんだよね。

しかし、リベルトの底が浅い身の程知らずの奴という設定が生きて
こんな皮肉な結果となったとは!2人の浅はかさが前フリだったとは!
文章も端整だし良作ですな、楽しませてもらったよ…ありがとう。
418: 2006/08/09(水) 15:15:01 ID:OMjaSrRY(1)調 AAS
>>413
GJ!!
今までの姫スレになかった展開で面白かった。
また何か書いてください。
419: 2006/08/10(木) 05:04:49 ID:PbkynVWO(1)調 AAS
>>413
面白かった!GJ!!

しかしオルエッタとアルフォンソの初夜は大丈夫だったのだろうか、と邪推してしまう…

リベルトのモノが小さいから問題なかったとかか!?( ゚д゚ )
420: 2006/08/10(木) 06:22:49 ID:dlbxxpxm(1)調 AAS
必ずしも出血するものではないんだから、
本人が黙ってたらばれんと思うけどなあ。
421: 2006/08/10(木) 06:27:56 ID:C1TmODEF(1)調 AAS
相手がそういうの気にする性質だったら
聞かれてごまかす演技力はいると思われ
422: 2006/08/10(木) 08:35:04 ID:bQ60wMcP(1)調 AAS
自分の経験だと最初数回は痛かったから
普通に痛そうにしてればバレないと思う。
423: 2006/08/10(木) 14:21:01 ID:uO1y9BcP(1)調 AAS
エロパロスレで処女出血なんぞ今更…現実に当てはめてもな。
自分の経験を語られてもナンカナー
424: 兄1/2 ◆YxrCMAImAU 2006/08/11(金) 20:32:05 ID:hcn5mtwG(1/3)調 AAS
城の庭園は、一年で一番よい季節を迎えていた。
そろそろ保守。

庭の一角には東屋が設けられていて、そこから広い庭園が一望できる。
芝生は鮮やかな緑色に輝き、各所に配置された花壇には、色とりどりの草花が、
今を見ごろと咲き誇っている。その中心には噴水があった。
設計者のもくろみが効を奏し、庭全体が一つの幾何学的文様となって、見るものの目を楽しませる。
東屋のベンチに腰掛け、少女は本を読んでいた。
金色の髪を左右ひと房ずつとって、水色のリボンで束ねた少女は、
片方のリボンが解けそうになっていることにも気付かず、熱心に活字を追っていたが
近くでさえずっていた小鳥たちが、いっせいに飛び立つ音に驚いて目を上げた。
そして、こちらに近づいてくる背の高い男の姿を見つけると、瞳を輝かせて立ち上がった。
「エリス!おにいさまだわ!」
少女は並んで座っていた女性に声をかけると駆け出した。
「おにいさま!いつお帰りになったの?」息を切らしながら少女が言う。
「さっきだよ。しばらく見ないうちにずいぶん大きくなったね」
年の離れた兄は少しかがんで妹を抱えあげた。
「ちゃんといい子にしていたかい?」
少女が大きくうなづくと、金色の巻き毛も一緒に揺れる。
「おにいさま、もうどこにも行かないで」
「ああ」兄は妹に笑顔を向けた。
「どこにもいかない。もう赤ちゃんじゃないんだから、人前で泣いたらみっともないぞ」
「だって」少女は、兄の首にぎゅっとしがみついた、「だって、さびしかったんだもの」
一年前、周囲が急に慌しくなったかと思うと、理由も告げず、短い別れの挨拶だけを残して、
大好きな兄は突然外国に旅立ってしまった。
少女にとって兄のいない一年は、想像を越えたあまりにも長い時間だった。
その一年がようやく過ぎ、兄が戻ってきたのだ。
兄は妹の頭を優しく撫でた。
その拍子に、兄の指に絡まった細いリボンは、ほどけて地面に落ちた。
兄は、妹を降ろし、リボンを結びなおして言った。
「お前にお土産があるんだ。後で私の部屋においで」
425: 逃亡中 ◆YxrCMAImAU 2006/08/11(金) 20:33:19 ID:hcn5mtwG(2/3)調 AAS
部屋に入ってきた可愛い侵入者に、長いすで、だらしなく横たわっていた男は急いで身を起こした。
「お兄さまおひとり?誰もいないの?」妹はきょろきょろと部屋を見回した。侍従達の姿がどこにもない。
「ああ、ちょっと考え事をしたくて――」
しかし、少女はもう別の事に興味を移していた。「おにいさま、おみやげは?」
「相変わらず現金な奴だ」兄は立ち上がって笑うと、金箔で美しく装丁された本を取り出した。
「これだ。外国の珍しい話がたくさん載っている。お前の好きな魔法使いの話もあるぞ」
魔法と聞いて少女は瞳を輝かせた。
「ありがとう、おにいさま」妹は兄の首にすがりついて頬にキスした。
「おいで、ここに来て昔みたいに私に読んで聞かせてくれ」兄は長いすに座ると妹を膝に乗せた。
妹は表紙を開き、ゆっくりと読み始めた。
「むかしあるところに、竜にとらわれたおひめさまがいました。ねえ、おにいさま」
少女は振り返った。
「なんだい」「竜ってみたことある?」「いや、兄さんは見たことない」
「ほんとにいるのかしら」「きっといるよ、本にもそう書いてあるだろ。たぶんどこか遠い外国にいるんだ」
兄は妹の柔らかな髪を撫でた。兄の大きな手で撫でられると少女はいつも安心するのだった。
「竜は、日が暮れるとやってきて、朝日がのぼるまえにどこかへ行ってしまうのでした。
おひめさまは、竜がどこへいくのか知りたくなりました。そこで、いち――」
「いっけいをあんじた」
「いっけいをあんじたおひめさまは、竜が眠っているすきに、こっそり竜の足に
とりもちをつけることにしました。何も知らない竜は――」
本に夢中になっている間に、ひざを撫でていると思っていた兄の手が、思わぬ場所に
移動していることに気付いた妹は、読むのをやめて兄の顔を見あげた。
「続けて」兄は何事もなかったかののようにやさしく微笑んだ。
兄を信頼しきっていた少女は何の疑問も抱かなかった。
「何も知らない竜は、そのまま――」
下着の上からさわさわと指が動き、くすぐったいような感覚が続く。
少女の意識はついつい本から遠のいてしまう。
「どうした、続けなさい」
「そのまま、飛び立っていきました。翌日、戻ってきた竜が――」
「いい子だ、続けて」
「戻ってきた竜が……、眠るのを待って……、おひめさまは……、おひめさまは――」
突然、兄は妹を膝から降ろし、浴室へと駆け込んだ。
一人残された少女は、本を取り落としたのにも気付かず、両手でどきどきとする心臓の鼓動を抑えた。
しばらくすると兄は戻ってきて言った。「ロウィーナ、続きはまた今度だ。もう部屋に戻りなさい」


426: ◆YxrCMAImAU 2006/08/11(金) 20:35:44 ID:hcn5mtwG(3/3)調 AAS
↑兄2/2です。
タイトルまちがえた。申し訳ない。
427: 2006/08/14(月) 12:35:08 ID:6KaWPbNg(1)調 AAS
イヴァン好き・・・・・ウットリ
428: 妹1/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/14(月) 20:21:03 ID:LSO3oY+P(1/5)調 AAS
前回いろいろ間違えてすいません。1行目と2・3行目逆でした。訂正してお詫びします。

翌日、ロウィーナは兄の部屋を訪ねた。
昨日と同じように、たった一人で部屋にいた兄は自ら妹を招き入れた
「サラがおにいさまがお呼びですっていったの」
侍女に言われて来たのだと、ロウィーナはためらいがちに言った。
「せっかくのお土産を忘れていっただろう。要らないの?」兄は片手で本を掲げた。
「ごめんなさい、おにいさま」
昨日ロウィーナは、部屋を出たとたんに本を忘れたことに気付いた。
しかし一度閉まった扉をなぜか開いてはいけない気がして、そのまま自分の部屋に戻ったのだった。
あの時、ちゃんと受け取っていればよかった。
せっかくの心遣いを無駄にして兄をがっかりさせてしまったと考えたロウィーナは必死に弁解した。
「お土産はとってもうれしかったの。でも、わたし、うっかりして。ほんとよ、ほんとにうれしかったんだから」
「もういいよ。怒ってないから」「ほんと?」「ああ」兄がにっこり笑ったのでロウィーナは安心した。
「さあ、昨日の話の続きを聞かせてくれ」兄はロウィーナの手を引き、昨日と同じように抱きかかえた。
「どこまで読んだかな」「竜が眠ったところまでよ」「じゃあ、その続きを読んで」
ロウィーナは本を開いて読み始めた。
「戻ってきた竜が眠るのを待って、おひめさまは竜の足をたしかめました。
すると、そこには――、あっ!」
昨日と違って兄の手がいきなりスカートの中に侵入してきたので、ロウィーナは思わず声をあげた。
「どうした」「だって……」ロウィーナはなんと言っていいかわからなかった。
そんなところを触るのは、はしたないことだと教わったのに。やめてくれと言っていいものだろうか。
「お前が、大好きなんだ。だからこうしていたいんだ。嫌か?」
ロウィーナは、これ以上大好きな兄を失望させたくなかった。「いやじゃ……、ないわ」
兄の指はゆっくりと、だが休みなく動いている。
ロウィーナはもぞもぞと身体を動かした。「でもちょっとくすぐったい」
「じっとして、ほら、本がずり落ちそうになっている」
ロウィーナは慌てて本を抑えた。
その隙に、兄の指は下着の中に侵入して乾いた粘膜をこすった。
摩擦の痛みにロウィーナが思わず悲鳴をあげる。
「ああ、ごめん。やっぱりまだ無理だったか。ちょっと待っていなさい」
「実はもう一つお土産があるんだ」兄は小さな壜を取り出した。
「それはなあに?」ロウィーナの目は、怪しく光る紫色の小壜にくぎ付けになった。
「魔法の薬だ」秘密めかして兄は言った。「なんの魔法?」「知りたい?」
ロウィーナは期待に胸を膨らませてうなずいた。
429: 妹2/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/14(月) 20:22:13 ID:LSO3oY+P(2/5)調 AAS
「じゃあ、僕の言うとおりにするんだよ。まず、椅子の上に立って」
ロウィーナは言われた通り椅子の上に立って、兄が壜の蓋をあけるのをまんじりともせずに見入った。
「次は下着を脱いで」「え?」さすがにロウィーナも躊躇した。「脱がなくちゃだめなの?」
「どうしても必要なんだ。薬の魔法を試してみたくないのかい?」
魔法と言う言葉の誘惑に負け、ロウィーナは下着を脱いだ。「これでいい、おにいさま?」
「よしよし、じゃあ、足を開いてしゃがむんだ。もっとスカートの裾を持ち上げなさい」
「いやだ、こんなかっこう」猥雑な姿勢を取らされたロウィーナは顔を赤くして言った。
「しっ、静かにしないとと魔法の効果が薄れてしまう」兄は、神妙な面持ちで言った。
「目をつぶって」「いつまでこうしてればいいの?」
「いいというまでだ。絶対に目を開けるなよ。目を開けたら呪われるぞ」
妹がぎゅっと目をつぶるのを確認すると、兄は壜を傾け、どろりとした液体を掌にたらした。
「やん!」冷たい感触が股間に触れてロウィーナは思わず声をあげる。
「こら、静かにしないか。今が一番大事なところなんだぞ」
兄は溝に沿って丹念に薬を塗っていく。慣れないぬるっとした感触にロウィーナは唇をかんで耐えた。
「まだ目を開けるな。絶対に開けるなよ」
目の前に幼い妹のあられもない姿がある。
一国の王女ともあろう者が言われるままに足を開き、惜しげもなく陰部を曝しているのだ。
未成熟なそこは、兄の塗った薬のせいで、ぬらぬらと隠微な光を放っていた。
兄はその光景を堪能しつつ、これから彼女の身に起こるであろうことを想像して、自分の肉棒をしごいた。
「おにいさま?」兄の荒い息遣いが聞こえてきて不安になったロウィーナが言った。「どうかしたの?」
「だめだ、しゃべるな。呪われたいのか」
目の前で実の兄が何をしているか知ったら、ロウィーナはどんな顔をするだろうか。
兄の息はだんだん大きくなった。
やがて、不安な気持ちで待つロウィーナの耳に、遠ざかっていく足音とばたんというドアの音が響いた。
長い静寂をロウィーナは耐えた。しかし、いつまでたっても兄は何も言ってくれない。
「おにいさま?」返事がない。ロウィーナはこらえきれずに薄目を開けた。兄の姿はどこにもなかった。
魔法が失敗したのかもしれない。もしかしたら、私のせいで、おにいさまの身に何かが――。
「おにいさま、どこ?」ロウィーナは泣いて兄の姿を求めた。
すぐに浴室から兄は姿を見せた。
「ロウィーナ!あれほど言ったのに!」
「ごめんなさい、ごめんなさい」ロウィーナは兄にすがって泣きじゃくった。
「いつから目を開けてたんだ!」「さっき。よんでもお返事がないから、わたし、そしたら、おにいさまがいなくて」
「わかった。泣かなくていいから」兄はほっとしたように言うと、ロウィーナを抱き上げた。
「どうしよう、呪われてしまったわ」ロウィーナは泣き止まない。「どうしよう」
「泣かないで、ロウィーナ。兄さんがついているから大丈夫だよ」
430: 妹3/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/14(月) 20:23:26 ID:LSO3oY+P(3/5)調 AAS
兄になだめられようやく落ち着いてきたかのようにみえたロウィーナは、
肩で大きく息をし、色っぽいため息をついた。
「どうしたんだい」「お薬をぬったところがあついの」ロウィーナは潤んだ瞳で言った。
「わたし呪われて死んでしまうのかしら」
「見せてごらん」ロウィーナは素直にスカートをめくった。
「これじゃ良く見えないな。椅子に座って」
兄はロウィーナの膝を立てると、頭をうずめてじっくり観察した。
「大変だ!」「どうしたの!?」
「やっぱりお前は呪われてる」「どうしよう」
「心配しないで、兄さんがおまじないをしてやる」
ぷっくりとした割れ目を開いて、指先をもぐりこませる。
「まだ痛い?」ロウィーナは首を振った。
兄の指がゆるゆると動くと不思議な感覚が身を包む。
「なんだかへんなきぶん」ロウィーナはとろんとした目で兄を見た。
「きっと魔法のせいだ。いい子だ。兄さんはおまじないを続けるから、お前は続きを読みなさい」
431: 妹4/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/14(月) 20:24:11 ID:LSO3oY+P(4/5)調 AAS
ロウィーナは本のことをすっかり忘れていた。
「でも」「兄さんはお話の続きが聞きたいんだ。それにこの魔法は少し時間がかかる」
「どのくらい?」「話を読み終える頃には魔法の効果が現れる。お前はきっと驚くぞ」
兄に催促され、彼女はぼうっとした頭で懸命に活字を拾った。
「するとそこには――」「お前は本当に兄さん思いのいい子だ」丹念に指を這わす。
「するとそこには、絹の布がついていました。おひめさまはその布を竜に……、
み、みつからないように」徐々にロウィーナの息が上がってきた。
「大切に……、しまうと……」途切れた文章の合間に切なげな吐息が混じる。
「お前はなんて可愛いんだ」小さな突起を執拗になで上げると、それにあわせるかのように
ロウィーナの息が漏れる。
指先に薬以外の感触を得て、兄の指は小刻みに動いた。
「じ、自分の髪の毛を……一本抜いて……抜いて……」ロウィーナの体がぴくりと硬直した。
「いや」そして逃げ場を求めるように身をよじった。
「いやあ!ああん!あああんん!」
最後に大声をあげてロウィーナは兄にしがみついた。抱きとめた体はがくがくと震えている。
兄は驚愕で目を見開いたままのロウィーナの額に口付けた。
「よしよし、いい子だ」兄は妹の頭を撫でた。「いい子だ」
言葉も出せずに、ロウィーナはぐったりと身を預けた。その髪を兄は撫で続ける。
「どうだ、すごい魔法だっただろう?このことは誰にも言ってはいけない。わかったね。もししゃべったら兄さんは死んでしまうからね」
「おにいさま!」穏やかならぬ事態にロウィーナは焦った。「死ぬってほんとう?」
「大丈夫だよ。お前が何も言わなければいいんだ。兄さんが好きかい?」
「好きよ。大好き。おにいさま、死んじゃいや」
「お前が言わない限り死なないよ。兄さんのことが好きなら誰にも内緒にするんだよ」
「わたし、ぜったいだれにも言わない。約束する。神様に誓うわ。だから死なないで、おねがい」
「いい子だ。ロウィーナ」


432
(1): 妹(おまけ) ◆YxrCMAImAU 2006/08/14(月) 20:35:16 ID:LSO3oY+P(5/5)調 AAS
帰り際に兄は言った。
「おまじないの続きがあるから、明日も来なさい。本も忘れないように、いいね」



一週間ほど書き込めません。
当分続くので、細切れじらしプレイが嫌いな人はあぼん推奨。
433: 2006/08/15(火) 21:05:38 ID:DX9g5NnU(1)調 AAS
圧縮間近でage
434: 2006/08/16(水) 00:03:42 ID:0o49NWQx(1)調 AAS
>>432
超GJ!!!!!
すげ萌えるお!!!
435
(1): 2006/08/17(木) 22:42:01 ID:ehE33DGl(1)調 AAS
エロパロ板、存続決定したみたい
436: 2006/08/21(月) 01:06:57 ID:hmzF1cyE(1)調 AAS
うp見えないヨー
…他に保管庫ってありますか?
437: 2006/08/22(火) 17:50:22 ID:H3Ob+W+b(1)調 AAS
>>435
つーか閉鎖しかけてたのかよw
438: 兄妹1/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/22(火) 20:51:29 ID:qpeYZbJ2(1/4)調 AAS
前日と違って、兄はロウィーナを長いすではなくベッドの上に座らせた。
「ロウィーナ、兄さんがついている。何も怖くないからね」
兄は妹の髪を撫でて安心させると、まず靴を脱がせた。
そして背中のボタンを外し始めた。「おにいさま?」
「今日は服を脱ぐんだ。全部脱ぐんだよ。さ、手を上げて」
ドレスを脱がし、下着もすべて剥ぎ取ると、兄はロウィーナの額にキスをした。
ロウィーナの肩に、乳首に、臍に、可愛いお尻にも――。
そして立ち上がって言った。「本を読んで」
「どこから」「最初からだ」
言われた通りロウィーナは本を読み始めた。「むかしむかしあるところに――」
「いいぞ、そのまま続けて」
兄が薬壜を持って戻ってくると、ロウィーナは身体を固くした。
「どうした?」ロウィーナはうつむいた。「怖いの?」「うん」
いきなりの快感はロウィーナには刺激が強すぎたかもしれない。
「じゃあ、今日はやめよう。おまじないをするから。続きを読みなさい」
「竜にとらわれたおひめさまがいました。」
兄はロウィーナの背後に回ると、後ろから両手を伸ばして小さな胸のふくらみを確かめた。
しばらく感触を楽しんだ後、妹に見つからないよう小壜の薬を手にとり、乳首に塗った。
「竜は、日が暮れると……あん!」冷たい刺激にロウィーナが声をあげる。
「こら、ちゃんと読まないか」「だって、くすぐったいんだもの」「我慢しなさい」
兄はゆっくりと円を描くように乳首の周りをなぞった。
「竜はどうしたんだ。はやく続きを聞かせなさい」
唇はうなじを這って、耳の後ろで引き返す。
「竜は、日が暮れるとやってきて、朝日がのぼるまえにどこかへ行ってしまうのでした――」
執拗に執拗に兄は同じ場所を攻めた。
小さな乳首は兄の指先で固くなってさらに小さく縮み、先端をぴんと尖らせた。
寝室の壁には大きな姿見がついている。
乳首をつままれ全裸の妹の頬が紅潮して行く様を、兄はじっくりと観察した。
「――おひめさまの……、金色の髪の毛は……、なくなって……、代わりに、いやん」
ロウィーナは身をよじった。
兄はその背中に唇を這わせた。ロウィーナが背をそらす。
「くすぐったいわ、お兄さま」
「いい子だから、我慢しなさい。本当は、気持ちがいいんだろう?」
ロウィーナはうなずいた。「もっと気持ちよくなりたいか?」ロウィーナはまたうなずいた。
「ようし、素直でいい子だ。おいで」「これからなにをするの」
「おまじないの続きだよ。さあ。そこにあお向けに寝て。本を読むんだ。膝をまげてごらん」
「こう?」「いい子だ、ロウィーナ。もっと足を開いて」「こう?」
「そうだ、ロウィーナ、すごく綺麗だよ。いい子だから本を読んで」
「おひめさまの、金色の――」昨日とは違う湿っていて暖かい感触が伝わってきた。
触れるか触れないかの柔らかい感触。
「金色の髪の毛の――」
きのうはこわかったけど、きょうはなんだかきもちいい。ずっとこのままでいたい――。
いつの間にかロウィーナは本を読むのをやめ目を閉じていた。
きもちよくてこのまま眠ってしまいそう。だめよ、ご本を読まなくちゃ。
おにいさまにおきかせしなきゃ。でも、でも――。
「……はぁん」
自分で出した声に驚いてロウィーナは目を開けた。
439: 兄妹2/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/22(火) 20:52:29 ID:qpeYZbJ2(2/4)調 AAS
瞼を開いたその瞬間、兄が股間に舌を這わせている姿が目に入って、ロウィーナは動転した。
「おにいさま!そんなところにお口をつけたらだめ」
「どうして?」「だって、そこは」
「ここはなに」「おしっこするところだもの」ロウィーナは真っ赤になった。
「こら、女の子がおしっこなんて言っちゃいけない」
兄は妹の両足を肩にかけ腰を持ち上げた。
「ごめんなさい、おにいさま。もういわない。ゆるして」
薄いひだを指で押し開く。
「いや、いや、おにいさま、やめて」不安定な姿勢に怯えてロウィーナが暴れたので、
兄は突起の中を思いっきり吸った。
「うわああああああああ」絶叫を上げて、ロウィーナはのけぞり、足をばたつかせた。
「お前がおとなしくしないからだぞ」
そう言うと今度は優しく優しくいたわるように舐めた。
「痛かった?」
はあはあと荒い息をしながら、ロウィーナは首を振った。長い睫にたまっていた涙の粒がこぼれ落ちる。
「兄さんのことが嫌いになった?」
しばしの休息を与えられたかと思うと、敏感になった部分に熱い息がかかって、
ロウィーナは返事のかわりに切ない声を洩らす。
「嫌いなの?」悲しげな兄の声に、ロウィーナはあわてて首を振った。
「……す……き……」絶え絶えの息でようやく口にする。
「これは?嫌い?」
「すき……」「ロウィーナはここを触られるのが好き?」「うん……」
「怒らないから、本当のことを言っていいんだよ。いやなら、やめるから」
「すき。わたし、おにいさまのすることなら、ぜんぶすき。
おにいさまが、すきなの。だから、やめないで、おにいさま。
おにいさま、わたし、すごくきもちがいいの、ほんとよ。
でも、なんだか、へんなきぶんなの。
じっとしていられなくなるの。へんな声がでちゃうの。
わたし、こわい。
わたし、どうしたらいいの。わたし、わたし――」
ロウィーナは、今までためていた感情を一気に吐き出した。
「おにいさまのいうとおりにするから、ロウィーナをきらいにならないで。
おねがい、いい子でいるから、やめないで、
おにいさま。もっとして」
「ああ、ロウィーナ、そんな可愛いことを言うと、兄さんはもう我慢できなくなるよ」
兄はロウィーナの手を張り詰めた股間に導いた。
「ほら、わかるか」
小さな手で触れられただけで爆発しそうな快感が走る。
「キスして」
布越しでも伝わる唇の熱い感触があまりにも心地よく、兄は目を閉じて必死にやり過さなければならなかった。
「ロウィーナ、もういい。続きをしよう」
440: 兄妹3/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/22(火) 20:53:16 ID:qpeYZbJ2(3/4)調 AAS
兄は小壜を取り出し、唾液でべとべとになったロウィーナの陰部にほんの少しだけ媚薬をすり込んだ。
そして、固く閉じた穴に、つま先をほんの少しだけもぐりこませた。
王女はきつく締め付けて、侵入を拒む。
まだだ、ここはその日まで大事に取っておかねば。今日はここまでだ。
兄は、その日を思い描き満足して指を抜いた。
「こわくないからね」そういうと、兄はゆっくりと、時間をかけ、指で快楽を与えつづけた。
そして、この大事な瞬間をひとつとして見逃すまいと、目を凝らしてロウィーナの反応を観察した。
激しい息遣いの合間に、子猫のような短く甘い声をあげていたロウィーナが、急に驚いたように目をみひらく。
昨日と違って兄は手を止めなかった。動けないようにしっかりとロウィーナを押さえつける。
繰り返し襲う、恐ろしい快感から逃れようと、声をあげ、必死にもがいていたロウィーナは、
兄の顔にひと筋の液体を浴びせると、急におとなしくなった。
神々しいまでに淫らな王女の洗礼を、兄は歓喜の表情をうかべて、顔全体で受けとめた。
全身が打ち震えるほどの興奮で満たされる。
兄はぐったりとしたロウィーナをそっと横たえた。
ぼんやりと天井に目を向ける妹の姿を見下ろしながら、兄は自慰を始めた。
すぐに限界が来て、兄は妹の体の上に大量の精液を放った。
清らかな全身を邪悪な肉欲の濁流に汚され、失禁したまま、恍惚として横たわる王女は、
この世の誰よりも気高く美しく見える。
「ロウィーナ、愛している。私の可愛い妹」
私だけの宝物。無垢で淫乱な、私の愛しい姫。
ロウィーナの頬にかかった粘り気のある液体を指ですくい兄は言った。
「ロウィーナ、お口を開けてごらん。そうだ、いい子だ」
儀式のように、兄の指が舌に触れる。
まるで永遠に消えることない印を刻み付けるかのように。
苦い刺激が伝わってロウィーナは顔をしかめた。
兄は妹の額にキスした。「ロウィーナ、兄さんが好きかい?」
「すき」ロウィーナはかすれた声をあげた。「世界でいちばん、おにいさまがすき」
「兄さんもお前が大好きだ。可愛いロウィーナ。
大きくなったら、お前は兄さんのお嫁さんになるんだよ」
「ほんと?」
「本当だ。兄さんが王様でロウィーナがお妃様だ」
兄は、いまだ震えのとまらない未来の花嫁の唇に、誓いの口づけをした。
「二人だけの秘密の約束だ」
441: 兄妹4/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/22(火) 20:54:05 ID:qpeYZbJ2(4/4)調 AAS
ロウィーナを浴室に運び、湯船につけると、皇太子は大声で叫んだ。
「アル!」
どこからともなく男が現れた。
アルと呼ばれた男は皇太子が顎で指示すると、心得た様子でベッドのシーツをはがし始めた。
皇太子が汚れた衣服を脱ぎ捨てると、アルは、それも拾い集めた。
「ほかに御用は、殿下」「ない。もうしばらく誰も近づけるな」
アルは一礼すると、来たときと同じように、どことなく姿を消した。


442: 2006/08/22(火) 21:25:14 ID:Apm6VFBn(1)調 AAS
エロい、エロすぎる。
脚と脚の間がじんじんしました。
GJ!
443: 2006/08/22(火) 21:52:06 ID:kN8ECLXU(1)調 AAS
キタ━━━━━━┌(_Д_┌ )┐━━━━━━ !!!!!

(;*´д`*)ハァハァ
444: 2006/08/22(火) 23:59:48 ID:Rz910+Dx(1)調 AAS
リュキアン・アレク
単発物だったのかなあ。
場面切り出しのエピソードがいろいろありそうで
期待していたり。
445: サラ1/5 ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:26:25 ID:qMVhv7Tr(1/6)調 AAS
「だめよ。こんなところで」
壁際に押し付けられ、逃げ場がないサラは、首を横に向けて抵抗を示した。
嫌だなどと露ほども思っていないことは、サラも相手もわかりすぎるほどわかっている。
なのに、決まりごとのように、毎回サラはその一言を口にしてしまう。
首筋に唇が触れると、それだけでサラはあえいだ。「ああ、アル。待ち遠しかった……」
唇を塞がれ、侵入した舌が口の中をかき回すと、サラの手はアルの性器を求めてさまよった。

皇太子の命令で、アルはサラを口説いた。
ロウィーナの姫の侍女で、身の回りの世話を任されているサラは、
始めのうちこそ、アルをさかりのついた獣のように軽蔑した目で見下していたが、
アルが強引に事を進めるとあっという間に陥落した。
いったん関係を持ってしまうと後は簡単だった。
既に婚期も過ぎ、女ばかりの職場で、隠さざるをえない性欲を持て余していたのか、
サラは急に大胆になった。

「お願い、じらさないで、早く来て」尻を突き出してサラはねだった。
壁に手をつき、スカートをたくし上げ、下着を膝までずり降ろした格好は、
日頃の取り澄ました姿からは想像できない。
良家に生まれ、貞淑に育てられたたはずの女が、片手で自分の尻を掴み、もどかしそうに振り返る。
「欲しいのよ。もう我慢できない」
気位の高い年上の女が、身分も恥じらいも、かなぐり捨てて哀願する。
あまり使い込んでいないサラの陰部は、年齢の割に綺麗な色を保っていた。
そこが赤く充血し、溢れんばかりの粘液を吐き出して、きついメスの匂いを発散させている。
ゆっくりとアルは女に近づいた。
アルが脈打つひだの中に、男根をねじ込むと、サラは背骨をそらせて喜びを表現した。
「……もっと……、もっと突いて……、ああ、そうよ、もっと激しく、もっと……」
もう十分時間は稼いだだろう。
通路を挟んだ向かいの部屋で行われている秘め事の進捗状況を、冷静に思い浮かべながら
アルは腰を打ち付けた。
446: サラ2/5 ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:27:23 ID:qMVhv7Tr(2/6)調 AAS
「アル!」主人の呼ぶ声に、アルの身体が離れると、サラは落胆を隠そうともしなかった。
「アルフレッド!」「ただいま参ります!」大声で返事をするとアルは身支度を整え、主人の部屋へ急いだ。
皇太子はアルが遅れてきたことを責めなかった。
アルは、窓を開けて空気を入れ替え、乱れた寝台を整え、部屋を見回した。
ロウィーナは両手を腿の上で組み、長いすに行儀よく座っている。
その口の端に、拭き残した白い液体がたれているのを見たアルは、ハンカチを取り出し、
ロウィーナの前にひざまずいた。
透き通るような白い肌が上気して、頬に細い血管が浮いているのが見える。
「失礼致します」
アルがハンカチで拭おうとすると、ロウィーナは汚らわしそうにその手を払い、
ぷいと横を向いた。
「ロウィーナ」言い聞かせるように兄が声をかける。
兄の顔を見て、ロウィーナはしぶしぶアルの奉仕を受け入れた。
男なら誰でも知っている独特の匂いが、アルの鼻をかすめる。
「少々お待ちを」アルは立ち上がり、銀の皿を持って戻ってきた。
「お召し上がりください」
アルが差し出したチョコレートの皿をロウィーナはけだるそうに見るだけで手が出ない。
ひとつつまんで、アルはロウィーナの口元に運んだ。
「どうか、お召し上がりください」
「ロウィーナ、食べなさい」
兄の声に従うように、赤い唇がゆっくりと開いて、チョコレートとアルの指を受け入れる。
精液の絡まった舌にチョコレートを乗せた瞬間、柔らかい感触がアルの指に触れた。
アルのすぐ目の前で、放心したように一点を見つめたまま、ロウィーナはチョコレートを噛んだ。
柔らかな頬の肉がゆっくりと動き、喉の中央がなまめかしく上下する。
カカオとオレンジの強い香りが広がるのを待ってアルは立ち上がり、
皿をサイドテーブルの上に置くと、振り返った。「殿下、ほかに御用は」
「あとで飲み物を持たせろ。急がなくていいからな。お前ももう少し休め」
にやりと笑みを浮かべて皇太子は言った。
447: サラ3/5 ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:28:37 ID:qMVhv7Tr(3/6)調 AAS
いつでも呼び出しに応じられるよう、身だしなみを整えたサラは、
背筋を伸ばし、顎を上げ、気位の高そうな表情を浮かべで部屋の中央に立っていた。
しかし、アルの姿を見ると、とたんに女の顔に戻った。
「アル、何だったの」「ああ、大した用事じゃない」「じゃあ」
「今日はもうだめだ。今度にしよう」
アルはもうサラを抱く気になれなかった。
「今度はいつ?」「わからない、殿下次第だ」
サラはアルの胸に頬を摺り寄せた。「それまで我慢できないわ。今夜――」
「いけません。ばれたら、二人とも城には、いられなくなる」
サラの肩に手を置いてキスをするとアルは言った。
「それでもいいの。あなたと一緒にいられるなら」
「無理を言わないで下さい。ここをでてどうやって暮らしていくというのです。
私のような男と――」
「言わないで」サラはアルの言葉を遮った。
「いいえ、あなたは、もっと慎重にならなければ」
サラはため息をついた。
いくらアルが出世したところで生まれの卑しさはどうにもできないのだ。
両親は反対して二人を引き離そうとするだろう。
アルの言葉をサラは悲しく聞き入れた。
448: サラ4/5 ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:29:18 ID:qMVhv7Tr(4/6)調 AAS
サラが皇太子とロウィーナ姫の関係に気付いたときは、とき既に遅かった。
実の兄弟で行われているおぞましい行為は、サラをいったん正気に戻した。
「なんということを!はやく止めさせないと。アル、あなた知っていて何故止めなかったの」
「無論止めた。だが、殿下は、私の言うことなど聞いてはくださらない」
「私のせいだわ。私がちゃんと見張っていればこんなことには」
ロウィーナは頭を抱えた。
「とにかく、誰かに気づかれる前に、終わりにしなければ。
当分ここにも来させないようにしないと」
「もう会えないんですね」
アルは、悲しげに言った。
このときサラは、もうこの人無しでは生きていけないと思うほど、アルを愛してしまっていた。
そして、アルの身体のとりこになっっていた。

「わかっているだろうが、ばれたら、真っ先にお前の責任が問われる。
協力してくれれば、お前とアルのことも目をつぶってやる」
知らないあいだに共犯者に仕立て上げられていたサラは、脅迫とも取れる皇太子の言葉に
黙って従うほかなかった。
サラは、口外しないことと協力することを約束させられた。
自分の身を守るため、そして愛しいアルに会うために、サラはせっせと逢瀬の時間を作った。
449: サラ5/5 ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:30:06 ID:qMVhv7Tr(5/6)調 AAS
だが、それは困難を極めた。ロウィーナ姫には常に数人の侍女が付いている。
彼女達に知られないよう、サラは慎重に事を運ばなければならなかった。
最大の難関ともいえるのがバーンズ夫人の存在だった。
ロウィーナがエリスと呼んで慕っているこの女性は、かつて皇太子の乳母を勤めた人である。
病で職を辞した前任者の変わりとして、ぜひにと国王に請われ、
ロウィーナの乳母兼教育係をつとめることになったのだ。
バーンズ夫人は、普段は物静かで、穏やかな人物なのだが、人一倍勘のさえる女性で、
何度かサラは肝を冷やす思いをしなければならなかった。
「姫様」バーンズ夫人は刺繍の手を止め、本を抱えて椅子に座っていたロウィーナに近寄った。
「お顔が赤いですよ」夫人は、ロウィーナの額に手を当てた。
「お熱はないようですね。お疲れではありませんか?」
「なんともないわ。エリス、わたし、ご本のつづきをよんでもいい?」
夫人は、さっきから、ロウィーナ視線が本の同じ箇所をさまよっているのに気付いていた。
「ええ、いいですよ」笑顔で答えると、夫人はサラを別室に呼び寄せた。
「サラ、姫様に何かあったのですか」
「いいえ、何も」「今日はご様子が変です」
「そうでしょうか、私にはいつもとお変わりのないように見えますが」
「そう?」
夫人の視線は拷問のようだった。はやくこの時間が過ぎ去ってくれとサラは祈った。
「今日は何かあったかしら」
「特に何も。皇太子殿下のお部屋で、ご歓談されたくらいでしょうか」
「そうですか。姫様はお兄様がお好きだから、少し興奮されたのかもしれませんね
あまりお疲れにならないように、あなたも気をつけてあげてくださいね」
そう言うと夫人は元の場所に戻って、刺しかけの刺繍を手に取った。
しかし、針を持つ夫人の手は頻繁に止まった。
夫人の怪訝そうな視線がロウィーナに向けられる度に、サラは心臓が止まる思いをした。

結局ロウィーナは、本を抱えたまま眠ってしまった。
「やはり、お疲れのようでしたね」
ロウィーナが寝言で「おにいさま」とつぶやくのを、バーンズ夫人はほほえましく見守ったが、
サラは背筋が凍りつき、耳をふさぎたくなる衝動にかられて、その場から逃げ出してしまった。
450: ◆YxrCMAImAU 2006/08/26(土) 16:35:46 ID:qMVhv7Tr(6/6)調 AAS


いつも感想を下さる皆様ありがとうございます。皆様のレスがはげみになっております。
いろんな意味で期待を裏切ることになると思いますが、完結だけはするつもりでおります。
よろしくお付き合いください。
451: 2006/08/27(日) 00:05:10 ID:KZGSp7p7(1)調 AAS
単純な近親は個人的に苦手なんで、変化がありそうでwktk。
続きを楽しみに待ってますよー。
452: ◆YxrCMAImAU 2006/08/29(火) 19:34:33 ID:2vYiiK5W(1/5)調 AAS
前回分、致命的な誤植を一箇所訂正します。

× ロウィーナは頭を抱えた。
○ サラは頭を抱えた。
453: アルフレッド1/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/29(火) 19:35:35 ID:2vYiiK5W(2/5)調 AAS
皇太子の部屋には、いろいろな女が訪れた。また、皇太子はさまざまな女の部屋に出入りした。
相手は城の女官だったり、貴族の夫人だったり、あるときは外からこっそり呼び込んだ
娼婦だったりした。飽きっぽい皇太子は頻繁に相手を取り替えた。
情事の手配も後始末もすべてアルの仕事だった。
控えの間で、廊下で、時には同じ部屋の片隅で、置物のように存在感をなくして、
アルは主人の事が終わるのを待った。
たとえ目の前に全裸の女が立ちはだかろうと、決して欲情してはならない。
アルはそう自分に言い聞かせて、淡々と職務を果たした。
しかし、新しい相手がロウィーナ姫だと知った時はさすがアルも動揺した。
ようやくほとぼりもさめて城に戻ってこられたのに、帰ってきたとたんにこれでは。
一年前の騒動を思い出して、アルは頭を抱えた。

「夜這いをするぞ」「今度のお相手は?」
皇太子から計画を聞いたとき、アルは自分の耳を疑った。
次に皇太子の悪い冗談だと思った。
皇太子は気まぐれにアルをからかっておもしろがることがある。
「ご冗談はおやめください」
だが、皇太子は本気だった。
「冗談なものか。あの女をものにする」
日頃、口答えはおろか、意見すらしたことのないアルが、初めて主人の言葉に逆らった。
「なりません!殿下、それだけはどうかおやめください」
「もう決めた、決行は明日だ」
「相手がどんな方がご存知ないのですか!」
「よく知っている、この前会ったではないか。お前も見ただろう。実にいい女だ。
それに正真正銘の処女だ」
「当たり前です。神聖な巫女殿になんと罰当たりなことを!」
454: アルフレッド2/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/29(火) 19:36:39 ID:2vYiiK5W(3/5)調 AAS
一週間前、一年の吉凶を占う神託の儀式が執り行われ、
皇太子は体調を崩した王の名代として儀式に出席した。
アルは主人に伴って神殿を訪れた。
祭壇の間に入れるのは王族だけだ。アルは部屋の外で儀式が終わるのを待っていた。
その時彼女が現れた。
儀式の道具を捧げ持った数名の供を連れ、祭壇の間に入場する巫女の姿は、アルを圧倒した。
腰まで届きそうな銀色の髪をし、儀式用の袂の長い衣装を身にまとった巫女は、
この世のものとは思えず、直視するのもはばかられて、アルは思わず目を伏せたのだった。
「巫女だろうが、女には変わりない。ああいう女ほど、実は情熱的だったりする。
昼は虫も殺さぬ顔をして、夜になると、床の上で激しく腰を振って男を食い物にする。
案外、処女というのも偽りかもしれんぞ」
「殿下!どうかおやめください。巫女殿を侮辱すれば、どんな災いが振って湧くかわかりません。
殿下はこの国がどうなってもいいのですか!」
「おまえもあんな迷信を信じているのか。あんなのただの古臭い儀式に過ぎん。
神殿の年寄りどもが、王の機嫌をとるために、都合のいいことを言わせているだけだ。
その証拠にもう長い間も占いは吉としか出ない。
器量のいい若い娘を、巫女として祭り上げておけば、ありがたみが増すとでも思っているんだろう」

皇太子はアルの制止を聞き入れるはずもなく、計画は成功してしまった。
思いを遂げた皇太子は、しばらくの間、巫女の寝所に通い詰めたが、すぐに飽きてしまった。
皇太子が別の女に手を出し始めた頃、巫女が神殿を抜け出し行方不明となって、
ようやく事件は発覚した。
巫女の行方はようとして知れず、前代未聞の不祥事に、王室も神官達も、
事実を伏せようとやっきになった。
その後、神殿近くの湖で身元不明の水死体があがり、損傷がひどく性別すらわからない遺体は、
わずかに残った遺留品から、行方不明の巫女と断定された。
遺体は人目につかぬようこっそり埋葬された。
巫女は流行り病で急死したと発表され、悲しみのうちに新しい巫女が選出された。
そんなわけで、皇太子は表向き見聞を広めるための外遊に出ることになったのである。

いつものように皇太子の気まぐれだろうと、ある程度高をくくっていたアルは、見事に裏切られた
皇太子は、ロウィーナ姫との関係を終わらせるつもりはないようだった。
女遊びは相変わらず続いていたが、以前よりもずっと頻度が落ち、
その分皇太子はロウィーナを文字通り溺愛した。
外遊から戻ったとたん放蕩息子がおとなしくなって、国王も皇太子付きの家臣たちも
皇太子は大人になったのだと胸をなでおろしていたが、
アルだけは、秘密を守るために神経をすりへらす、苦しい日々を送っていた。
455: アルフレッド3/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/29(火) 19:38:16 ID:2vYiiK5W(4/5)調 AAS
寝台に横たわるロウィーナは、まだ興奮冷めやらぬ様子で、天井の一点を見つめている
乱れた息をするたびに上下する腹には、白濁した液体が流れ落ちもせずに広がっている。
アルは白い手袋をはめた。

浅く湯をはった浴槽に、そっとロウィーナをおろすと、アルは海綿を手に取った。
サラに頼んで用意させた石鹸は、ほんのりと甘い香りがする。
泡が肩に触れると、ロウィーナはぴくりと反応した。
いつの間にか、これがアルの仕事になっていた。
どうすれば、ロウィーナを刺激せずにすむか、アルはいつも悩むのだった。
息を殺し、これ以上できないというくらい慎重に、アルは手を動かす。
しみひとつない白い肌の上に、次々と新しい泡が生まれて消えていく。
海綿が乳房に差し掛かると、ロウィーナは固く唇を結んで、目を閉じた。
海綿が乳首の上を通過する。
一瞬ロウィーナの息が止まる。
乳首の上で、小さな泡が次々にはじける、そのわずかな感触でさえ、
敏感になったロウィーナを苦しめてしまう
どうすれば――。アルは、最初から答えのない謎を無理に解こうとしていた。
「お立ちになれますか?」
からからに乾いた喉の奥から絞り出した自分の声が、どこか遠い場所から聞こえてくる。
浴槽のふちに手をついて、よろよろとロウィーナは立ち上がった。
滑らかな太ももの表面を湯が滑り落ちる。その下で、膝が今にも折れそうにがくがくと震える。
「こら、しっかり立たないか」
兄がロウィーナの腰を掴んで支える。「アル、早くしろ」
アルの目線の高さに、見てはならないものが晒される。
視線を上げて、アルはロウィーナの腹をなぞった。
丸いへそに溜まったものを、念入りに円を描いて取り除く。
ロウィーナは、唇をかみ締めた。
長引かせてはならない。これ以上、ロウィーナ様を苦しませてはならない。
アルは、残った作業に専念した。
「ロウィーナ、足を上げて」
背後から兄が声をかけるとロウィーナは片足を浴槽のふちに乗せた。
太ももの内側を海綿の泡がなぞり上げる。
行き止まりで、ついにロウィーナは、うめくような声を上げた。
「申し訳ありません!」
「貸せ」
とっさに手を引っ込めたアルから、皇太子は海綿をひったくった。
「こうやるんだ」
「や、おにいさま」急に強くなった刺激に、ロウィーナはもがいた。「いや、いたい」
「ああ、わかった」
手のひらに泡をこすりつけると、海綿を投げ捨て、今度は指でなで始めた。
「だめ、や、や、いや……あ……」
ごくり、と皇太子の喉がなる。
「アル、席をはずせ」
黙礼し、アルは浴室を出た。
456
(3): アルフレッド4/4 ◆YxrCMAImAU 2006/08/29(火) 19:40:39 ID:2vYiiK5W(5/5)調 AAS
なぜ、サラではなく自分なのか、はじめアルにはわからなかった。
殿下は自分を信用しておられるのだと、アルは勝手に解釈していた。
苦行から開放されたアルの耳に、二人の会話が容赦なく飛び込む。
「おにいさま、もうだめっ……、もうさわっちゃいや……」
「ロウィーナ、あいつに触られて感じたのか」
「や……、そんなことないもん……あ、あの人はきらいよ……」
「あいつに見られて、感じたんだろう」
「ちがう、や……、だって、おにいさまが……」
「悪い子だ」
「いや、いたい、やめて。そこはいや。ゆるして、おにいさま、ごめんさない、ゆるして」
「お仕置きだ」
「いや、いいやああああああああああ」
ロウィーナの絶叫から逃れるように、アルは浴室からできるだけ離れられる場所へと移動した。
殿下は、愛するものを傷つけずにはおられない。
清らかなもの見れば、汚さずにはおられない。
いつからこうなってしまったのか。
せめて王妃様が生きておられたらと、アルは疲れた心で考えた。

「ごめん、ロウィーナ」椅子にかけていた兄は、服を着たロウィーナを前にして頭を抱えてうつむいた。
「お前を愛しているのに。大切な妹なのに」
「おにいさま、泣かないで」ロウィーナは兄の首にしがみついた。
「わたし、もっといい子になるから。おふろもがまんする。いたいのも、がまんするから」
「ロウィーナ」
「ロウィーナを嫌いにならないで。おにいさま、わたし、おにいさまがすきなの
ずっとおにいさまといっしょにいたい。おにいさまがいないと、わたし、わたし――」
ロウィーナの目から大粒の涙がこぼれる。
「ロウィーナ、すまない」
「おにいさまはあやまらなくていいの。ロウィーナが悪いの」
「罪深い兄を許してくれ」
つい先ほどの狼藉が嘘のように、おそるおそる、ためらいがちに兄はロウィーナを抱きしめた。
「ロウィーナ、お前だけは私を見捨てないでくれ」


457: 2006/08/29(火) 23:16:30 ID:CDI8M6EL(1)調 AAS
>>456
キタワァ…゚・*:.。キラ .。.:*・゜゚*・キラ゜゚・*:.。..。・゜・(ノД`)・゜・。. .。.:*・゜゚・キララ*:.。. .。.
458: 2006/08/29(火) 23:30:15 ID:PbpkfBX0(1)調 AAS
>>456
素晴らしい!
お姫さま好き、近親相姦好きの私にとって、夢のような作品です!
作者さんガンガレ!
459: 2006/08/30(水) 00:10:15 ID:RoF6Nd60(1)調 AAS
>>456
GJ。
登場人物の様々な思惑が交差して面白い。
完結までの流れを期待してます。
460
(5): 2006/08/30(水) 22:34:41 ID:WA0z8A/W(1)調 AAS
>>146です。
エロOKのHPスペースを確保したので保管作業中です。
特に反対がなければこのスレのまとめサイトとして採用してほしいのですが
いかがでしょうか。

まだ作業中ですが、>146に手を加えてこんな感じにしています。

外部リンク[html]:vs8.f-t-s.com
461
(1): 2006/08/31(木) 00:10:14 ID:F5/qujuo(1)調 AAS
>>460
いい感じ! すっげー読みやすいよ(・∀・)
まとめ超乙GJですた!!!

今すぐじゃないんだけど管理人さん、聞きたいこととかあったら
ここで聞いてもいい? それともビビエスに書いたほうがいい?
462: 2006/08/31(木) 00:20:40 ID:X1GiRdxg(1)調 AAS
>>460
キタ━━━━━━┌(_Д_┌ )┐━━━━━━ !!!!!

超GJ!!!!マジdクス!!!!!!
463: 460 2006/08/31(木) 01:04:24 ID:SxJl/QcR(1)調 AAS
>>461
BBSは定期的にしかチェックしないので
「どうしても今すぐ返事がほしい!」ということはこちらに書いて頂けると助かります。

SS投下や感想の流れを切るとまずいので
それ以外はBBSに書いてくださると良いかと思います。
464: 2006/08/31(木) 03:54:34 ID:X+MQYdzG(1)調 AAS
>>460
GJ!ありがたい!!

今更ながら、姫と従者、妹がリンクしてることに気付いたぜ…
465: 2006/08/31(木) 09:25:38 ID:64Mzx3xC(1)調 AAS
>>460
乙&GJ!
複数スレを扱う管理は大変だろうけどがんばってくれ
466: リボン1/5 ◆YxrCMAImAU 2006/09/01(金) 20:16:39 ID:lQ3w0G+s(1/5)調 AAS
今日の兄は、少し違っていた。
「ロウィーナ、おいで、いいものがあるんだ」
兄は、ロウィーナを呼び寄せ、細長い箱を渡した。「開けてごらん」
箱の中身は、レースのリボンだった。
こみ入った模様の繊細な手工品は、珍しい水色の糸で編まれている。
「お前のために外国から取り寄せた。きっと似合うよ」
「すてき!ありがとう、おにいさま!」
ロウィーナは目を輝かせ、兄の首に飛びついた。
「こらこら、お行儀が悪いぞ」押し倒されるようになった兄は笑いながら言った。
「これはレディのためのリボンだ。おてんば娘にはもったいなくてあげられないよ」
「ごめんなさい。もうしないわ」ロウィーナは、あわてて姿勢を正した。
「それでいい。おいで、結んであげよう」
兄は、ロウィーナの髪にリボンを結んだ。
「おにいさま、どう?似合う?」
ロウィーナはくるりと回って見せた。金色の巻き毛と一緒にリボンが揺れる。
兄は眼を細めた。
「やっぱりお前は水色が一番似合う」
「ご厚情を感謝いたします、殿下」ロウィーナは膝を曲げ、正式なお辞儀をした。
「エリスに教えてもらったの。ほんとはよく意味がわからないんだけど。
おにいさま、これでいい?レディに見える?」首をかしげて兄の返事を待つ。
「最後だけ余計だが、まあいいだろう。兄さんにキスしてくれるかい」
ロウィーナは兄の頬にキスした。「ありがとう、おにいさま」
「今日は天気がいい。一緒に庭を散歩しよう」
「ご本は読まなくていいの?おまじないは?」
「いいんだ」兄は優しく微笑んだ。「今日はいらない」
467: リボン2/5 ◆YxrCMAImAU 2006/09/01(金) 20:17:30 ID:lQ3w0G+s(2/5)調 AAS
満開だった花壇の花々は、そろそろ命の終わりを迎えようとしている。
枯れかかった草花の中に、一輪、咲き遅れたつぼみを見つけると、兄は足を止め、
根元から折った。そして、花びらに口づけると、ロウィーナに捧げた。
「麗しの姫に」
「おにいさまったら、まるでお話の中の騎士みたい」
夢見がちな少女は、うっとりとした目をした。
「ロウィーナは、こういうのが好きだろう?」微笑みながら兄は言った。
「人知も神の采配も及ばない、孤高なこのつぼみこそ、貴女様にふさわしい」
「恐れを知らぬ騎士よ」ロウィーナは続けて言った。「王家の財宝を手折った罪は重いと聞いておらぬのか」
「わが君、代価はこの命にて」兄は、自分の胸に剣をつきたてるまねをした。
ロウィーナは、あわてて兄を止めた。「だめ、しんじゃだめ」
「ああ、せっかくいいところだったのに、どうして邪魔するんだ」
「だって、お話では、二人はこのあとキスするのよ」
「なるほど、王家の財宝とは姫君自身のことか」
「騎士はこう言うの。
『美しい花を前にして、手に取らぬ男がおりますでしょうか』」
「ずいぶん意味深なせりふだなぁ」
「おにいさま言って」
兄が復唱すると、ロウィーナは姫のせりふをしゃべった。
「『戯れならばお気をつけなさいませ。その花には棘があるやもしれませぬ』
次はこうよ。
『棘ならばすでにこの心の臓に』騎士はお姫様の手を取って自分の胸にあてるの」
兄はロウィーナの手を握り、妹のためにかがんだ。「棘ならばすでにこの心の臓に」
ロウィーナは、兄の胸に手を当てたまま黙った。
「どうした」
「おにいさまの心臓がどきどきしてる」
「余計なことは言わなくていい。次はお前の番だぞ」
「もうせりふはないの。騎士がお姫様にキスして終わり」
ロウィーナは兄の顔を見上げた。
「おにいさま、キスして」
468: リボン3/5 ◆YxrCMAImAU 2006/09/01(金) 20:18:22 ID:lQ3w0G+s(3/5)調 AAS
どこまでも澄みきった妹の瞳は、兄の姿だけを映し出した。
握った手が熱い。
兄は、ゆっくりとロウィーナに顔を近づけると、額に口づけた。
「お口にするのよ」ロウィーナは不服そうに言った。
「ロウィーナには、これで十分だ。ほら、花はいらないのかい」
「いる!」ロウィーナは手を伸ばした。
兄は、花を持った腕を上げた。「欲しかったら取ってごらん」
「おにいさま、届かないわ」「ほら、ロウィーナ、もう少しだ、がんばれ」
ぴょんぴょんと飛び上がって必死に花を取ろうとするロウィーナをしばらくからかってから、兄は花を渡した。
「もう、おにいさまのいじわる」息を切らし、少しむくれた妹に兄は笑って言った。
「ごめんごめん、怒った?」
ロウィーナは首を振った。
「ねえ、おにいさま、さっきのはどういう意味?じんちも何とかって」
「ああ、ロウィーナは特別だってことだよ」
「ふうん、おにいさま、詩人さんみたいね」「やれやれ、騎士の次は詩人か」
「できるの?」
「万事、姫の仰せのままに」胸に手をあて兄は深々とお辞儀をした。
「移り気な姫の座興に、一節献上申し上げまする――」

片手を広げ、兄は滔々と吟じた。
「おお、ロウィーナ、汝の前では黄金も価値をなくす。
遠く異国の海に眠る真珠でさえ、ただの石ころにすぎぬ。
緑なす大地は鮮やかさを失い、闇を彩る星々の光芒も翳む。
見よ!天の運行をつかさどる太陽ですら、恥らって雲の陰に隠れているではないか――」

「おひさまなら出ているわ、おにいさま。今日は晴れよ」ロウィーナは空を見上げて、不思議そうな顔をした。
「もののたとえだよ。わかってないなあ」兄は頭をかいた。
「お前のために、即興で作ったんだぞ。もうちょっとありがたがってくれよ」
「こんどのはどういう意味?」
「お前が一番美人だっていうのを回りくどく言ったんだ」
「ほんと!?」
「おお、つれなき美女、その名はロウィーナ」兄は悩ましげに首を振った。
「行き場のないわが魂は、生と死のはざまを永遠にさまようのだ」
「わたしの詩なのね、すてき、おにいさま、ありがとう」
「どういたしまして」兄は妹の輝く笑顔を満足げに受け取った。
469: リボン4/5 ◆YxrCMAImAU 2006/09/01(金) 20:19:05 ID:lQ3w0G+s(4/5)調 AAS
庭をそぞろ歩きながら、確かめるように、ロウィーナはたびたび兄の顔を見上げた。
やっぱり、昔のままの、やさしいおにいさまだわ。
いつもこうだといいのに――。
最近の兄の行動は、ロウィーナの理解を超えていた。
きっと、わたしが呪われてしまったからだわ。
だから、あんなこと――。
今日は、いやな思いをしなくて済むのとわかって、ロウィーナはほっとしていた。
その反面、おまじないがないことが、ほんの少しだけ不満だった。
兄に手渡された花の香りは、風に乗ってどこかへ消えてゆく。
ロウィーナはつぼみを顔に近づけた。
かすかな甘い香りに混じって、つぼみは、ロウィーナの鼻腔に青臭さを残した。
「ロウィーナ、お前はかけがえのない、私の大切な姫だ」唐突に兄は言った。「誰にも渡したくない」
「おにいさま。わたし、ずっと、おにいさまと一緒よ。お約束したでしょう?」
「そうだったね」兄は立ち止まって妹を見おろした。
季節を先取りして庭を通り過ぎる風が、水色のリボンをなびかせる。
小さな妹は、くしゃみをした。
兄は冷えきった妹の手を握って言った。「風が冷たくなってきた。そろそろ戻ろう」

温かい飲み物を手にする妹を、兄は穏やかな視線で見守った。
「それを飲んだら、部屋に戻りなさい。遅くなるとエリスが心配する」
「もっと、ここにいたいわ、おにいさま、だめ?」
「だめだよ、また今度だ」「もうちょっとだけ」
「だめだ、ききわけのない子は、兄さんは嫌いだ」
ロウィーナは、少しでも兄の傍にいようと、必要以上に時間をかけて、ココアを飲み、
最後のひとしずくがなくなると、名残惜しそうにカップを置いた。
「おにいさま、わたし、明日も来ていい?」
「エリスがいいと言ったらね」
「きっと来るわ。おにいさま、リボンとお花と詩をありがとう」
ロウィーナは、兄の頬にキスすると、つぼみを大事そうに抱えて去っていった。
470
(1): リボン5/5 ◆YxrCMAImAU 2006/09/01(金) 20:19:51 ID:lQ3w0G+s(5/5)調 AAS
アルの下げる茶道具を見るともなしに見ながら、兄は今日の出来事をつらつら考えた。
騎士と詩人と道化。
結局どの役も、最後まで演じきれなかった――。
広い部屋にひとり残った兄は、苦い結論に行き着いた。

花瓶に挿した花は、翌朝には、つぼみのまましおれてしまった。
「エリス、おにいさまにいただいたお花が……」ロウィーナは泣きそうな声で言った。
エリスは、その花を分厚い本の間に挟んだ。「こうしておけば大丈夫、ずっととって置けます」
「ほんと?」「押し花というのですよ。ロウィーナ様、だめです、まだ開けてはいけません」
エリスは、こっそり本を開いて覗き込もうとするロウィーナを笑顔でとめた。


471: 2006/09/01(金) 21:42:23 ID:JHM5sC/i(1)調 AAS
超GJ!切ないなあ。
最初はアルが嫌いだったけど、好きになったよ。
472: 2006/09/01(金) 22:09:06 ID:K4e1ypMJ(1)調 AAS
>>470
うおおおおおおおおおおおお

いいよ、コレいいよ
作者タソ超乙華麗〜ノシ
473: 2006/09/02(土) 01:48:14 ID:UVHBcQui(1)調 AAS
回を追うごとにどんどん腕が上がってるねGJ!
いつも楽しみにしてます。
474: 2006/09/04(月) 11:41:34 ID:7lG669YV(1)調 AAS
お兄様の苦悩が切ないわぁ。
475: 愛姫 2006/09/04(月) 21:25:20 ID:2IQcnwTm(1/24)調 AAS
※はじめに※

ちょっとグロあります。

設定的にはファンタジーに属すると思いますが、
適当に考えた世界観なもので、ごめんなさい。

それから、数えたら全五十八話ありました。ほんとにすみません。
よろしければ、おつきあい、よろしくお願いします。
476
(1): 愛姫 2006/09/04(月) 21:27:33 ID:2IQcnwTm(2/24)調 AAS
※※序章※※

 風紋は肉交の快美感にのたうっている女人の肌となって続く砂の海。 
天空には細長く鋭い月が浮んでいて、一羽の白い鳥が暁の蒼を駆ける。
舞い降りる場所に辿り着いた頃に、覇王の陽は徐々に世界に拡散されて、
光りの柱は天上を摩した。

 翼を畳めば、鳥の変化は解かれ、手首を胸元に重ね合わせた少女になる。
濃やかな眩い金糸は緻密な束なり、優雅に波うち、肩胛骨から背の窪地を
撫でて臀までも伸びていった。

 前に垂れた髪も肩から跳ねあがるようにしてやさしく流れ、そっと少女の
ふくらみを隠した。房の膨らみは儚くて、乳首は種のようだった。

 乗る乳暈が僅かに少女のなかのおんなを感じさせてはいたが、脂が削げた
痩せぎすの少女の躰は、まろみがなく幾分筋肉質に見えないこともない。
おんなとしての魅力をまだまだ備えているとは言い難かった。

 両の掌で繊麗な肩を抱きしめ、少女は歔いていた。

 先刻、砂に頸まで埋められている女の頭を抱きしめようとしたが、立ち去れ、
と少女は叱られて、逃げて帰ってきたのだった。
477: 2006/09/04(月) 21:30:04 ID:Fc/I4UuS(1)調 AAS
>>476
>数えたら全五十八話ありました。

自分でサイト作る手間を惜しんでいるようにしか思えない
478: 愛姫 2006/09/04(月) 21:32:16 ID:2IQcnwTm(3/24)調 AAS
「愛姫さま、お帰りなさいませ」
 朝の静謐(せいひつ)に同調する声音が少女の背後からやさしくつつみ、透けた桃色の
薄衣を裸身に纏わせて、恋人のように甘く抱きしめる。

「ただいま、雪姫」
「覇王さまがお待ちしておりますわ」
「わかりました。すぐに参りますとお伝えください」

「なりません。おんなにはそれなりの準備がありますから」
 雪姫が口をひらくと。
「待たしていてはいけないわ」
「でしたら、お出掛けにならなくても」
「なにを言うのですか。わたしは」

「なれば、どうか覇王さまに御奉仕すること。日々勉強を怠らず、磨いてください。
それが、あの方の祈り」
 物腰のやわらかそうな楚々とした女性が少女のうしろから近づいて、
桃色を纏った裸身をおなじように甘く抱きしめ、耳元で愛姫を諭し、雪姫の言葉を月姫が締めた。

「月姫、わかっています。何度いえば、わかるのです」
「ご無礼を申し上げました」
「わたしも言い過ぎました。ゆるして」
479: 愛姫 2006/09/04(月) 21:33:59 ID:2IQcnwTm(4/24)調 AAS
「愛姫さまがわたくしどもに傅くことなどありません」
 耳元に少女を性愛に誘う吐息を月姫が送り込んでくる。

「で、でも」
「傅くのは、覇王さまにだけに」
 愛姫は覇王の待つ閨に行かなければならない、と言おうとしたが煙に
巻かれてしまった。

 もうひとりの女は少女の前に傅いて。
「磨くのです。飽きられてしまっては、死を賜ったとおなじこと。愛姫さまが
覇王さまの寵愛を受けられること。わたくしどものなによりの倖せ」

「愛姫さまは覇王さまに愛されています故」
「おんなを」
 愛姫は姉妹に応えてしまっていた。
「そうです」
 月姫と雪姫の揃った発話が心地よい歌のように愛姫の心の疵を癒してゆく。

「ダメ……そこは……よごれちゃうから」
「ここでだけ、男と女は愛し合うものではありません。星姫さまのように、
覇王さまの心の支えとなってください。そして、なにより愛姫さまは星姫さまより
さずかった、月と雪の玲瓏の宝ですから」
480: 愛姫 2006/09/04(月) 21:35:28 ID:2IQcnwTm(5/24)調 AAS
 女の唇が少女の下腹に圧される。うしろの女は少女の乳房に触れ、乳首を拇で
やさしく擦っていた。
「い、痛いっ……月……姫……」
「わたしたちのように、おおきくなったら、もっとやさしくしてあげます」

「いやあっ。そ、そんなことは、しないで……。ねっ、や、やめて。月、雪……っ、おねがいッ」
「ほぐしてさしあげます。どうかお躰を楽になさって。受けいれなさって」
 少女は躰を捩って、太腿を閉じようとした。

「ああっ、い、いや、いや、いやだぁ。やめてぇ、やめてえっ、お、おねがい、おねえさまッ」
 二匹の妖しい蛇が少女に絡みつて、可憐なつぼみが濡れて咲き出す。ひとりでに
月姫と雪姫を慕う言葉が少女の口から朝露のように洩れていた。

「ああ、可愛らしい。たまんない」
「ゆ、ゆるして」
「好き、好き……」
 月姫と雪姫の烈しい肉情に大理石の冷たい床に崩れ込んで、揉みくちゃにされ、
四肢がもつれ絡み合い、翻弄され、生きたキメラとなっていた。
「やっ、やああぁぁぁ――ッ」
481: 愛姫 2006/09/04(月) 21:37:03 ID:2IQcnwTm(6/24)調 AAS
 王宮の人間は誰もが身元の知れない連中だった。月姫と雪姫はこれからも愛姫を
愛してくれるだろうが、いつも傍に居てくれた、少女の愛姫を案ずる星姫は、
もういないと思うと、悲しみと随喜の涙が甘く交わるのだった。

 覇王には何人もの愛妾がいて、少女もその一人。覇王から少女は愛という名を
与えられていた。覇王から寵愛を受けていた稚い少女は、この娘しかいなく、
愛憎渦巻く王宮に、女の悋気(りんき)を一身に買う結果になった。

 しかし、愛姫の周りは、すべてが敵といったわけではなかった。中には信頼に
値する友と呼べる者も居た。愛姫が友と呼んだのは星、月、雪の名を冠した女。

 愛姫は覇王との褥で玉門ではなく、まだ硬くて青い双臀の肉溝だけを遣われ、
その慰められることを嫌っていた。このことから悩み苦しんで、親しかった星姫に
打ち明ける決心をした。

 星姫とは褐色の肌を持った黒髪の美女だった。その立ち振る舞いは女豹。
瞳の色は血と熱情を思わせる赤。遠征の折には絶えず付き従っていた女将軍だった。

 夜のような艶やかな黒髪に、燃える星のような瞳から覇王からその名をさずかった。
周りから星姫は一目置かれていた。
482: 愛姫 2006/09/04(月) 21:38:55 ID:2IQcnwTm(7/24)調 AAS
 ある時期、戦で捕虜となった姫たちのことを任されていた時期が星姫にはあった。
ただ、戦術にのみ長けているのではないことを覇王は知って、纏め役として
後宮に入らないかと星姫を口説いた。

 命には従うが、私は悔しいといって泣いて、覇王は星姫を宥めるのに苦労した。
輿入れの際に、供に従ったのが、覇王との戦いに敗れ虜囚となって、
星姫が情愛を傾け、面倒を見た月姫と雪姫だった。

 覇王さまには従わずとも、星姫さまには、とまで言ったとか、言わなかったとか。
星姫、月姫、雪姫。三人は肌の色も女としての魅力も違ってはいたが、
三姉妹と呼ばれるほど、三種三様の種族の血を越えた固い絆で結ばれていた。

 近くて遠い女と男の仲。均衡は崩れる。愛姫が閨のことを洩らして、覇王は
愛妾たちから笑いものになり、激怒して、このことを訊き出した星姫を
斬首の刑にするといった。

 斬首は砂漠に全裸にされ頸まで砂に埋められ、さらし者にされる。
期間は定められてはいなかったが、一日と持ったものはいなく、意識が朦朧としたところで、
砂から出され首を跳ねられる。
483: 愛姫 2006/09/04(月) 21:40:33 ID:2IQcnwTm(8/24)調 AAS
 愛妾たちは、この沙汰が下される寸前までは、じぶんたちが今迄にしたことは
正等なことと信じて疑わなかった。

 覇王に哀訴する星姫に、王はわたしを嗤うのはまだよいが、愛姫を貶めることは
赦さないと言い切った。星姫は命乞いをすることをやめ、その命に従った。

 それが、公に伝え聞くあらましで、愛姫はこの覇王の沙汰に激しく反撥をした。
星姫は覇王を貶めるような人柄ではないと知っていたし、愛姫にも常日頃、
母のようにやさしく接していた。

 覇王は人の心はわからないものだ、と愛姫の星姫への嘆願を撥ね除ける。
求め奪い合う心が、この場所には強く渦巻いていると愛姫に語って聞かせたが、
愛姫は納得しなかった。

 星姫を貶めるために、二人の会話を密かに聞いていた者が言いふらした、
という噂も立っていたが、覇王は真偽を確かめずともよいと傷つく愛姫に言った。
星姫はみなのために死を選んだのだと告白して。

 事実、愛妾たちはこのことがあってから竦みあがって、後宮には独特な恐怖が
支配していた。
484: 愛姫 2006/09/04(月) 21:42:35 ID:2IQcnwTm(9/24)調 AAS
 愛姫を愛するあまり、覇王はいっそのこと愛妾すべてを消し去ろうとした
考えを持っていたことを悟って怯えた。それを止め、見せしめになろうとしたのが
星姫だった。覇王も星姫の考えを受け入れたのだった。

 ほんとうにそうなのだろうか。星姫は覇王を愛していた。そのことは誰にも
負けてなどはいないと愛姫はみていた。覇王の愛姫への告白を聞いて、ひょっとして
生きる望みを失って絶望したのではないか。考えをめぐらせても、結局、愛姫には
星姫の心は見えなかった。

 愕然として、うな垂れていた愛姫を覇王は案じ、近づいて慰め、抱きしめようとした。
覇王の胸に飛び込んで、大声で泣く愛姫に、自分に対するやり場のない怒りが、
激情となって湧いて来るのを、つい抑えられなかった。

 突如、掌を突いて覇王の胸から離れ、こぶしを振り上げて叩き、激昂しながら
「星姫といっしょに砂漠に埋めて、わたしを殺せッ」、と覇王にむかって力の限りに喚いていた。
485: 愛姫 2006/09/04(月) 21:44:18 ID:2IQcnwTm(10/24)調 AAS
※T※
 
 王が一人で大きな後宮の扉に立っていた。朱色の鮮やかな色に豪華絢爛な
金細工が眩しい。石棺の蓋を開くような重々しさを感じるが、ドアは簡単に
静かに開いていった。

「お待ちしておりました」
 女が一人で王を待って立っていた。王に傅いて王妃は両膝を突き、
着衣の裾を恭しく割っていた。
「もう、このようにおなりになって」

「うれしいか」
「はい」
「みだらだな、リアノン」
「はい……。もうしわけございません」
「さあ、玉座に行こう」
 王が傅いていた王妃の躰を曳き揚げた。

 この部屋。後宮の入り口ではあったが、閨房ではなく、サロンのような役割を持った。
王がその日の寵姫を選ぶ場所。
486: 愛姫 2006/09/04(月) 21:46:12 ID:2IQcnwTm(11/24)調 AAS
 王は王妃リアノンに正装して待つようにと言った。このような肉交は
初めてのことであって、正式な婚儀のような尊いもののように感じた。

 そのいっぽうで、生きて虜囚の恥辱にあうことを想像し、羞恥に染め上げられる
想いもあった。

 だが、敵兵がここまで辿り着いた時は、この世には存在しないのだから、
と雑念を払っても、この部屋が硝子の檻になってしまっていた。

 敵兵が物欲しそうに向う側から亡者となって、生を体感して烈しく
臀を振り合っている王と妃を恨めしそうに覗いているのを、素肌に熱く
感じてしまうのだった。

 亡者になるのは自分たちなのに、肉情に蕩けるのを夢見て行為に没頭してゆく。
みだらになって、交媾にへとへとになった我らが姿を見るがいいと。

 リアノンは妻であっても、正妃ではなかった。先の王妃だったアーシェラは
八年前、流行り病にかかって没している。
 このことがあって、四年という歳月を経て、ようやくリアノンは後添えに
収まることができたが、民に示すはずの公の婚儀は執り行うことはなかった。
487: 愛姫 2006/09/04(月) 21:48:11 ID:2IQcnwTm(12/24)調 AAS
 一介の占い師風情の女が王に取り入った。悪しき噂が拡がっていた。
事実、リアノンは王を愛するあまり、すべてを欲しいと願ったことが、
いつしか預言を無意識にねじ曲げて伝えてしまって、己をも欺き通していた。

 リアノンが悪魔とまぐわったことに気付いた頃、国の戦況は一変していて、
滅びに向かって転がり出していた。凶兆を吉兆に見せかけた虚飾は、
占い師にとっては死罪。むごたらしい処刑がリアノンを待っていたはずだった。

 王はリアノンの告解を前にして、占い師だった王妃を激怒も責めることもせず、
わたしひとりの心にしまっておこう、と慈悲を示した。

 愛情が国の未来を歪めてしまい、娘たちの生をも奪ってしまう
最悪な事態を招いたのに、哀しむ王の顔だけは女として見たくはない、
気持ちでいっぱいになった。

 だからといって、リアノンだけが娘二人と逃げる。もしくは、王が戦に出たのを待ってから、
冥府に一人逝くこともできないでいた。
 王は侍女たちと逃げるようにリアノンを説得したが聞き入れず、王と共に逝きたい
と哀訴していた。
488: 愛姫 2006/09/04(月) 21:51:18 ID:2IQcnwTm(13/24)調 AAS
 覇王の大軍勢がすでに城を取り囲み、侍女たちでさえ生き延びられるかは
甚だ怪しかった。ただ城に居て討ち死にするよりましだろうと王は考え、
夜陰に乗じての逃亡を促がした。

 侍女皆に守りの小刀を与え、数名の兵士を付けさせた。たとえ操を
奪われるような事態に直面しても、舌を噛み切るようなまねはしてはいけない。
生きる為に剣を取るのはよいが、死を選ぶことならず、と下地し、
城の地下隠し通路から逃がしていた。

 が、王は徹底的に覇王の軍と戦って散華することを捨てた。後宮に籠って、
残りの生を愛するリアノンと共に過すことに捧げる。死後、いかなる謗りを受けようとも。

 二人の娘、妹のマリアンナはリアノンの実子ではあったが、姉のカトリシアは
アーシェラが産んだ娘であった。
 姉妹を分け隔てることなく愛して、カトリシアもリアノンを母と慕い、
たいへんになついていた。

 良き妻であり母だった、と王はリアノンのことを労わり、最期の決意を王妃に
話して聞かせたのだった。用意された玉座の傍のグラスに注がれていた、カシスを薄めたような
飲み物がカンタリスではないことぐらい薄々感づいてはいた。
489: 愛姫 2006/09/04(月) 21:52:47 ID:2IQcnwTm(14/24)調 AAS
 玉座に腰掛けた王の裾をたくしあげ、脛毛の毛深い太腿をあらわにし、
その上にリアノンは掌を置いていた。
王の真摯な態度と、股間の肉棒を交互に眺めながら、王妃は言葉に聞き入った。

「これで、わたくしはあなたと永遠に結ばれるのですね」 
 滑稽であるはずなのに、いままでに体験したことのないみだらが、リアノンの
躰を熱くさせ、濡れ伝った愛液が内腿をひんやりとさせた。

「ああ、そうだ」
 王の股間をみると、萎んでいたペニスがむくむくっと膨らみ出していた。
「ただの女として」
「そうだ、リアノン。誰も祝福はしてくれないがね」

「いいのです、わたくしは。あなたさえ、いっしょにいてくれるのであれば」
 深紅のドレス姿のうしろ。大きく開いた白い背から王妃の頭だけが深く
闇に落ちていった。

 手を遣わないで、チロッ、と舌を出して鈴口のあたりを舐めて、尖端を口に
すぽっと咥え入れた。あふれ出ていた雫を、内頬を窄め啜ってみせた。リアノンの
爪は王の太腿の肉に食い込んでいて。
490: 愛姫 2006/09/04(月) 21:54:48 ID:2IQcnwTm(15/24)調 AAS
「ううっ」
 肘掛けのとばを握っていた王の手がリアノンの肩をガッと掴んだ。
「い、痛くいたしましたでしょうか……」
「あっ……」
 唇を半開きにしたまま、とろんと惚けた瞳で、リアノンは喘ぐ王を仰いでいた。
赫い唇から白い前歯が覗いた。聖にして淫の刻印が王を灼く。

「もうしわけありません」
「い、いや。ちがう、ちがうのだよ」
「そうなのですか」
「うむ」
「よかった」
 透明なとろみがしたたる、てらてらと絖る錆朱の亀頭に、王妃の口から垂れた
煌いた唾液が銀糸を引きながら交わっていた。

「お続けいたしますわ」
「リアノン、よかったのだ」
 甘咬みされた痺れる感覚が、王の背筋を駆け上がっていっていた。
そのことを噛み締めながら、王は言葉を紡いだ。
491: 愛姫 2006/09/04(月) 21:57:39 ID:2IQcnwTm(16/24)調 AAS
「そ、それに……。いまのそなたを見ているだけでも……わたしは」
 リアノンが訊くまでに、息苦しい溜めの間が生じていた。
「なんでござりましょう」

「たまらなくなった。下腹がむずむずとしてしまって。ゆばりを放出してしまうような、
そんな感じだったのだ……よ」
「このまま、わたくしのお顔に、命の証し、あびせてくださいまし」
「ま、まて」

「どうしてですの。もう、ためらうことなど、わたくしたちにはないのに」
「リアノンは娼婦ではないだろう」
 すべてを飲み乾そうと腹を括って、リアノンは王の膝から痙攣するペニスに
手を移動しようとしたのを止められていた。

「わたくしは、いまここで娼婦になりたい。いいえ、なります。あなたを歓ばせたいの」
 王のごつごつとした厚い手と、細くしなやかで、骨に乳白色のスキンを纏った王妃の白い手が
熱く縺れ合っていた。
492: 愛姫 2006/09/04(月) 21:59:49 ID:2IQcnwTm(17/24)調 AAS
「わかった。なら、続けるがいい。それがいい。リアノン、わたしを咥えていてくれ」
「はい、あなた。どうか、お口にいっぱい爆ぜてくださいまし。噛んでもさしあげます」

 唇で挟んだ舌先を遣い、みだらにじらして、ちろ、ちろっ、と王をサラマンダーの
炎で焙って舐めるのだった。

 女神のように清楚だった王妃は、おもむろに、唇をいっぱいにひらき、
でろっ、と真逆の妖女(あやかし)になって出した舌で脈動する肉茎にざらっ、
と擦っていった。

「ああっ」
 赤黒く壊死したような色のペニスは、ゴムの塊のように大きく跳ねあがってしまって、
王妃の美麗な小鼻にぶつかった。

「おおっ」
 ガクガクとおこりぶるいをして、獣の野太い声で呻く王の傘はひらいてしまい、
白濁が勢いよくしぶいていた。
「あ、あっ、あんっ」
 甘えるように、リアノンが王の早すぎた射精を責めていた。
493: 愛姫 2006/09/04(月) 22:01:05 ID:2IQcnwTm(18/24)調 AAS
「うおおっ、おっ、おおっ……!」
 閉ざされた密室の、生には遥かにとどかない男女(おめ)の契りに、いつにない
昂ぶりが王の絶頂を極めてしまって、信じられない力を放っていた。

 王は椅子から腰を浮かせて海老反りになり、熱い白濁で王妃の美貌を
これまでにない烈しい勢いで叩き、射ていた。
 噴射の白濁は湧き水か、はたまた滝のように尚も続いていて、繊麗なリアノンが
纏っていた、豪華絢爛な金糸の刺繍を施した深紅のドレスをも穢していた。

「く、咥えてくれっ、はっ、はやくうッ……。もうっ、たのむからッ」
「はああっ……。す、すごいわっ。ああ、こんなんだったら、挿入てしまえばよかった……」

 すっと筋の通った小鼻は翼を拡げ、荒淫のあとのようなリアノンの顔一面に塗され、
頤から玉になって垂れる様は、皮膚がび爛しているかのようでもあった。
 オフショルダーの胸元にも王のこゆい体液は跳んでいて、喘いだリアノンの
鎖骨の窪みに溜まっていた。
494: 愛姫 2006/09/04(月) 22:02:30 ID:2IQcnwTm(19/24)調 AAS
「す、すまない。い、いま……さっそく、な、なんとかしよう」
 射精しながら快楽を拒否して立ち上がろうとした王をリアノンは止めた。
王のやさしい気持ちが沁みてくるのだった。

 当初、王と妃は下腹にだけ交媾の痕跡を留めるだけの控えめな行為を
するつもりでいたのに、いつしか迸る熱情が壁を突き破っていた。
侍女はすでに城内から逃がしていて、残滓の始末をするのは自分たちだけ。

「あなた、そのようなことは申されないで。わたくしは今が倖せなのです。とっても。
そう、いつにないくらいに、おんなの歓びを極めていて。こ、このまま
死を賜ろうとも、羞ずかしいことなどございません」

 毅然としながらも、それでいて歔いているリアノンに、王の下腹は破瓜に臨む
生娘の下腹のように烈しく波うち、荒々しく息を継いで、傅いた王妃にさらに
両太腿を大きくひらいていった。

 掌を王の太腿の上に置いたまま、拘束を意識した恥戯に及ぶのを王妃は
あきらめるしかなかった。リアノンは王の股間の、精液が虫の体内組織みたく
こびりつく剛毛ごと潰して、灼ける肉茎の根本をあらわにし、左手の指でこしらえた
オーのリングで囲み固定をした。
495: 愛姫 2006/09/04(月) 22:04:39 ID:2IQcnwTm(20/24)調 AAS
「愛している、愛しているっ」
 それでも、王の怒張は烈しく痙攣して、喜悦の涙がリアノンの頬を
濡らすのだった。

 王は屈む王妃の背に胸板を載せ、ドレスのスカートを掴んで手繰り寄せた。
あられもない尻まくりにしてから、還るべきリアノンの灼熱のヴァギナを夢想し、
玉座に躰を沈ませ、腰を迫出していった。

「ああっ、愛しい、愛しい……わ」
 リアノンは右手で火照った頬に圧し付けた。白濁に塗られ、絡むほつれ髪が
水面の藻のように妖しくて、王は喚いていた。

 錆朱の滾りも今宵が見納めかと思うと、リアノンはいたたまれなかった。
すこし力をこめて、ぐりぐりと肌に埋め込むようにペニスを頬に擦っていた。
転がった怒張した肉茎は、リアノンの耳朶にも触れた。そこは、白濁にはまだ
穢されていなく、複雑なかたちを留めていて。

「ああ……リアノン……。つ、つめたくて、気持ちがよいぞ。た、たまらない」

「あなたの逞しいもので、ここも灼くのです。おま×こを擦り切れるくらいに擦って、
こすって、掻き回して、掻きまわし……て。わたくしは、あなたと永遠の生を賜りたく存じます」

「わかった。そうしよう、そうしようぞっ!」
496: 愛姫 2006/09/04(月) 22:10:56 ID:2IQcnwTm(21/24)調 AAS
 絖(ぬめ)る亀頭を王妃は正位置に持ってきて、赫い唇をゆっくりとかぶせ、切れ込みを
そそっと舌先で刷いた。仰け反った王を見て、一気に喉奥まで含んでいった。
 烈しく律動するリアノンの意志に制御できなくなって、王は立ち上がっていた。
後頭部を両手で拘束して、刹那の烈しいストロークを王妃の口腔にぶち込んでいった。
 
 ずりゅっ、と挿入る肉棒を舌と口蓋、頬を駆使して扱くのだけれど、王は王妃
リアノンの恥戯を嘲笑うかのように、頬を突き破れとばかりに小突く。
 舌も口も痺れて、喉奥で締めようとしたが無理だった。リアノンはただの穴になって、
苦悶からエクスタシーを感じたように低く呻く声が王を瞬く間にしぶかせた。

 これが最期なのだからと。愛のオブジェとなるまでの過程。悔いを残さずに
たっぷりと愉しんで、結果を敵将にまざまざとみせつけるだけ。
 痴れ者と呼ばれようとも、命を燃やし尽くして昇天するのだから至高の倖せだった。

「さあ、立つのだ。わたしは、まだまだ終わらん」
 まだ嚥下していな精液が噎せて、げぼっ、と逆流してリアノンの胸元を穢した。

 両肩を窄められ、曳き揚げられたかと思ったら、ドレスの右の乳房をギラギラとした
王にはだけられ、球形の美乳をあふれさせた格好のまま玉座の背もたれに、
強引に胸を押し付けられた。
497: 愛姫 2006/09/04(月) 22:14:43 ID:2IQcnwTm(22/24)調 AAS
 リアノンは玉座の背もたれの黄金の枠にしがみ付いたが、崩れて顔をビロード地に擦って
座部に落ちた。

「どうした。わたしがほしくはないのか」
「も、もっとやさしくして」
「わたしを歓ばせたい。娼婦になりたいといったは、偽りか」

「い、いいえ。そのような……」
「なら、着いて来い」
「どのようにも……」
「片足を座部に突け」
「わっ、わかりました……」

 リアノンは尻捲りされたまま、両手を背もたれの頂上を掴んで顔を引き揚げ
言われた通りに右足だけを座部に載せ、股間から右手をくぐらせ、掻き抱くように
腕にふくらはぎを引っ掛けて、膨れ上がっていた、淫液をだらだらとしたたらせる
秘園をぱっくりと拡げた。まさに、その所作、娼婦だった。
498: 愛姫 2006/09/04(月) 22:19:34 ID:2IQcnwTm(23/24)調 AAS
「く、くださいまし」
 凄艶なおんなの貌をリアノンは王にむけた。

「よい。良い娼婦だ」

「はっ、はやくうううッ!」
「待つがよい」
 白いリアノンの臀部をぺしぺしと叩いた。

「はっ、あ、あ、あっ、はあッ!」
 王は射精したどろどろのペニスをぎゅっと握り、陰嚢から下腹の上下にシャフトの
操作を繰り返し、シュッシュッと扱いた。
 すぐに血汐は装填され天上を突いた偉容を取り戻した。

「ああっ、いやああぁぁぁっ」
 リアノンの貌はぐんっ、と仰け反って、すぐにがくんと頭を落とした。王の律動が
子宮を攪拌して、びりびりと総身に快美感は伝播してくる。

「んっ、ん、んあっ、ああっ」
 肉情まみれの中、王が見下ろすリアノンの蠢く白い背だけが滅びる憐れを語っていた。
499: 愛姫 2006/09/04(月) 22:24:31 ID:2IQcnwTm(24/24)調 AAS
「ああっ、し、しんじゃううわッ」
「ま、まだ、死ぬにははやいッ。冥府などには逝かせんぞ」

「ま、前からッ。前からがいいッ!」
 王は脚を引っ掛けていたリアノンの右腕を抜いて、担いで横臥位にする。
リアノンの華奢な躰は、王の欲情を煽って、乳房を揺らしながら捩れていた。

「どうした。強力せぬのなら爆ぜてしまうぞ」
「は、はい。いたします。いたしますから、置いていかないでぇ」
 両手を背もたれに突いて、躰を廻そうとすると、王は腰を遣いはじめた。

「うっ、ううう」
「ほら、はやくしろ。しないかっ」
「だ、だめぇ……く、くるしい。たっ、たまんない」

 王は圧し掛かって頸にしがみ付くように言った。リアノンは腕を曲げてようやく
相対して、椅子から剥がされていた。肉槍が喉奥から吐きだされたような苦悶が襲って
目の前が暗転した。
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スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ

ぬこの手 ぬこTOP 0.373s*