[過去ログ] 宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど (1002レス)
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699
(1): 2020/01/04(土)16:04 ID:Db80dmuB0(1) AAS
いつの間にか第二部が
続きが気になっていたので楽しみです
700: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/04(土)23:08 ID:iGYzd05Y0(1) AAS
>>698
グリプス戦役もそうですが、月って何かとイベント起きやすいので、こういう時描写が楽です笑

そうですその人です!笑
試作機というよりは一般機向けに開発したものからデザインを流用して、後から作ったワンオフがシャア元カノのものになったイメージでしょうか?
ティターンズに参加した時点でシロッコは成り上がり上等だったと思うので、あの位の時期なら一般兵の乗る機体を設計しなかったとは思えないんですよね。その辺の下りも後々…

>>699
ありがとうございます!
また更新するので引き続きよろしくお願いします!
701: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:07 ID:Q4XtGfBY0(1/34) AAS
お待たせしました!
公私ともにちょっと忙しかったもので…。
纏まった話数が準備出来たので投下します!
702: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:08 ID:Q4XtGfBY0(2/34) AAS
「中尉!大尉…!!こいつ等ぁ…!!」
 スクワイヤ少尉は怒りを剥き出しにして吠えた。
『くっ…!冷静になれ少尉!』
 複数被弾しながらも大尉は持ち堪えている様だ。しかしこのままでは押し込まれる。フジ中尉も応答がなく、月面に座礁したままだ。

 まずは中尉をやったガルバルディの息の根を止めねばならない。機体を捻る様にして方向転換すると、そのまま突っ込んだ。
 敵が迎撃しようと射撃してくるも、狼狽えて撃つ弾など大した事はない。身を翻してそれらを避けていく。
 躱しながらこちらからもライフルで応戦するが、どうにも照準が振れて定まらず少尉は眉をひそめた。機体の急激な機動にライフルが振り回されている様だ。
「ちぃ!」
 射撃を諦めた少尉はガルバルディβにサーベルで正面から斬りかかる。すると、メインカメラを失った筈のガルバルディαが横から突きかかってきた。
 寸でのところで後退して躱し、逆に蹴り飛ばす。弾かれたαの傍へとβも下がった。
省5
703: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:09 ID:Q4XtGfBY0(3/34) AAS
『少尉!落ち着けと言っているだろう!』
「落ち着いてられますか!」
『それでも落ち着くんだ。周りを見ろ』
 傍に大尉の百式が降りてきた。機体のあちこちに弾痕が残っている。
 対して、例の謎の機体はこちらを見下ろしたまま動かない。その後ろで、ガルバルディ達がバーニアを吹かし肩を貸し合う様にして下がっていった。
「また逃げる!」
 こちらが追う素振りをみせたその時、ガルバルディと入れ替わる様に敵のGM2小隊が現れた。この部隊の到着を待っていたのか。流石に劣勢である。
『中尉の安否も気になる…彼の機体を回収して後退する』
「でも、このままじゃ」
『…少尉は中尉を連れて基地へ走れ。私がその間敵を食い止める。…こっちも積んだばかりの隠し玉があるんでな。まだテストもしちゃいないが』
省7
704: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:09 ID:Q4XtGfBY0(4/34) AAS
『…スクワイヤ少尉か…?』
 退却する道の中腹あたりでフジ中尉が目を覚ました。
「…!今は無理しないで」
『どうなっているんだ…状況は…?』
「敵が増援を呼んでまずい感じです。大尉が食い止めてるうちに後退しないと…でも…」
『…そうか。…私の事はいい…ここまでくればひとりでも大丈夫だ…。少尉は大尉の後退を掩護してくれ』
 そういって、中尉は機体を自分で起こした。
「ほんとに大丈夫なんですか!?」
『ああ。これまでも嘘はつかずに付き合ってきたつもりだがな』
 確かに毒づく元気はあるとはいえ、さっき意識を取り戻したばかりだ。
省4
705: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:10 ID:Q4XtGfBY0(5/34) AAS
 ガンダムの機動性を以てすれば、この距離を戻る位は大して時間もかからない。すぐに先程の地点の機影が見えてくる。スクワイヤ少尉は、見えてきた光景に息を呑んだ。
 先程のGM2の小隊…10機とはいかないまでもそれなりの数が居たはずだった。それが、2,3機しか残っていない。その討ち果たした残骸の真ん中で暴れ回っているのは、紛れもなく大尉である。得物が変わるだけでこうも変わるものなのか…。
 大尉の百式改は、バイザーの奥で光る赤い光の尾を引きながら敵に向かっていく。その動きは、まるで狩りでもするかの様な威圧感を放ち、俊敏かつスムーズである。明らかに敵が気後れしているのがわかった。
 敵のサーベルが届くよりも随分早く、ナギナタの間合いは敵を捉える。大尉は殆ど無抵抗に近い状態の機体を次々と切り刻んでいった。

『はぁ…はぁ…ん?…中尉はどうした?』
 全ての敵を斬り伏せた大尉が、少尉に気付いた。
「意識が戻って、自力で帰還できると。私は大尉の掩護をするよう指示を受けました」
『そうか、無事なら良かった。こっちもどうにか雑魚は片付けたが、例のテスト機達を追うのは叶わなかった…』
 そういって大尉の百式は宇宙を見上げた。もう敵のMSは1機も見当たらない。敵艦はMS隊の回収のみで離脱した様だ。
「結局私は連中に勝てませんでした…」
省4
706: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:11 ID:Q4XtGfBY0(6/34) AAS
「脅威は去った…てなところか」
 戦況の一部始終をアイリッシュ級のブリッジから見ていたグレッチ艦長は、敵の反応が消えたレーダーを見ながらどかっと椅子に座った。
 先程ひとり帰投したフジ中尉が医務室へと運ばれたばかりだ。暫くしてワーウィック大尉達も戻るだろう。
 辛くも防衛は叶ったが、早々に新型が中破。残りの連中の機体も調整の必要がある。ドックは好きに使っていいと言われているが、それ以前にこの椅子に座る自分にも実感の沸かないままだった。

 グレッチ艦長は一年戦争時、ルナツー艦隊所属のサラミスで副官を務めていた。当時の上官とはあまり馬が合わず、お世辞にも良い環境とは言えなかったものだ。
 ソロモン攻略戦で敵の巨大MAの流れ弾に当たった際、脱出の是非で完全に対立。軍法会議上等で従うクルーを連れて脱出したその時、母艦はメガ粒子砲の直撃を受けて轟沈した。
 その後友軍に回収されたのだが、ア・バオア・クーを攻める本隊には合流せずそのまま改名したコンペイトウに駐軍。本来合流予定だった艦隊は、続く攻略戦でソーラレイによって宇宙の藻屑になったと聞く。
 そうして幸か不幸かのらりくらりと生き延びた戦後、空席を詰めるようにして昇格していったのだった。デラーズ紛争の頃には月に勤務し、それから長い間哨戒任務ばかりしてきた。

 エゥーゴに参加したのも成り行きで、定まってきた環境を派閥の内紛でいちいち変えたくなかっただけだ。
 これまで色んな場所を転々としてきて、ようやく月に慣れてきたところなのだ。自分の周りが乗った船に同乗したに過ぎない。
省5
707: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:12 ID:Q4XtGfBY0(7/34) AAS
 整備ドックでは、帰還した防衛隊に加えてガンダムや百式改も並んでいた。どの機体もそれなりに整備が必要と見える。
 遠目にそれらを眺めていると、その中に敵のものと思われる中破したガルバルディらしき重MSも混じっていた。鹵獲に成功したのだろう。
「艦長!只今戻りました」
 丁度ドックの出入口に向かってきていたのはワーウィック大尉とスクワイヤ少尉だった。
「無事で何より」
「いえ…敵にしてやられました…。未確認の機体を引き摺りだすまでは良かったんですが、私も気が逸ってしまいました」
 口惜しそうな大尉の傍で、同じく少尉も機嫌の悪そうな顔をしている。
「中尉はどうです?」
 その少尉が口を開いた。
「ああ。頭を打ってる様だが、今回は頭が堅いのが幸いしたみたいだな!一応検査は受けさせるが、大した事はないだろうよ」
省1
708: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:12 ID:Q4XtGfBY0(8/34) AAS
「そういえば、防衛隊が捕虜を1人連れて帰ったとか」
 ドックを振り返りながら大尉が言う。
「大尉の手柄かと思ったが違うのか」
「私はそこまで上手くはやれませんでしたよ。敵を引きつけるのが精一杯で」
 謙虚な男だ。彼が小隊1つ叩きのめすところは、中尉のネモが中継したレーダーから確認していた。
 何故これ程の男が着任したのか不思議だったが、新造艦が回されてきた今となってはその前触れだったのだとわかる。
「大尉の働きぶりも観ていたよ。どうやったらあんな芸当が出来るんで?」
「まだまだですよ。強いて言うなら…殺した分だけ殺されかけてきましたから」
 ことも無げにそういうが、歴戦の勇士というやつなのだと思う。
「今頃捕虜はロングホーン大佐にこってり絞られてるだろうな」
省7
709: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:13 ID:Q4XtGfBY0(9/34) AAS
「捕虜とは言っても手荒い真似は出来ん。同じ地球連邦の軍人であることに変わりはないしな」
 ロングホーン大佐は、入室するなりその味気ない個室に入れられた男を見た。随分と鍛えているであろうその筋肉は、支給した服の上からでもよくわかる。
 とはいえ、特に暴れるでもなく大人しいものだった。念の為、大佐の後ろには2人の士官が控えている。

「ラム・ソニック大尉と言ったか。ティターンズの作戦…半分はうまくいったぞ。フォンブラウン市が敵の手に落ちたというのは事実のようだ。
 しかし…このアンマン市を落とすには戦力が足りなかったな。所詮君らは陽動部隊か?」
 ソニック大尉は何を言うでもなく押し黙ったままだ。拘束はしていないが、身動ぎひとつみせないまま簡易ベッドに腰掛けている。
「…黙っていても一向に構わんが、話すことで救える命もあると思うがね。計画の中身が判れば、要らぬ交戦は避けられる」
 大佐は彼の目の前に椅子を引いて腰掛け、正面から向き合った。大佐より一回り大きな体躯だ。
「君自身も交渉カードの1枚だ。アレキサンドリア級はこの宙域に留まったままだからな…まだ何かやる気なら、こちらも手を打たざるをえんだろう」
710: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:14 ID:Q4XtGfBY0(10/34) AAS
「…大佐殿、何故我々は戦わねばならないと思われますか?」
 ようやくソニック大尉が口を開いた。
「ふむ…。そうだな、君らの思想と行いが危険だからだ。ジオンの敗戦理由はその危険な選民思想と大量虐殺だと私は思うのだが、君らティターンズも同じことをやっている」
「そのジオン残党を狩るのが我々の任であります。それに虐殺などありえない。あなた達エゥーゴは彼らを庇うでしょうが」
「君らの知らない事も我々は知っているのかもしれん。エゥーゴに転向した元ティターンズ兵にも、多くを知らない者が居たようだしな。…地球至上主義とジオンの選民思想に大した違いはないぞ。
 実際、今回のアンマン市強襲にしても市民の生活を脅かさないやり方は幾らでもあった筈だ。そういう部分を省いてしまう性急なところもそっくりだな」
「我々は義に背いた事はしていません…!」
「その義ってのがね…間違っているのだよ…」
 大佐はわざとらしく溜め息をついた。それを見て大尉も口を噤む。恐らくこの会話は平行線だ。話し合いで解決するのなら、我々軍隊なぞそもそも必要で無いのだ。
711: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:16 ID:Q4XtGfBY0(11/34) AAS
「…作戦について話すつもりはないのか」
「私は…この鍛え抜いた身体以外、真に語る術を持たんのです。口先では同じ問答の繰り返ししか出来ません」
 その目は真っ直ぐだった。悪い男ではない。だが、それだけで全てが許される訳でもない。
「そこまで言うのなら、良いだろう」
 大佐は椅子から立ち上がると、彼の横っ面を思い切り殴った。それでもソニック大尉は座ったままの姿勢を崩さない。口を切ったのか、唇に血が滲む。士官が慌てて大佐を止めに入る。
「止めるな。…ソニック大尉、君も殴られるばかりでいいのか?やり返してもいいんだぞ?」
「そこまでおっしゃるのなら、良いでしょう」
 そっくりそのまま返す様にして、彼はゆっくりと立ち上がった。

「実戦の現場から離れて久しくてな」
「言い訳は聞きませんよ。鍛錬こそが全て…ッッッ!」
省6
712: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:17 ID:Q4XtGfBY0(12/34) AAS
 コーナーに追い詰められた大佐だったが、流石に士官達が2人掛かりでソニック大尉を抑えつけた。彼もこれ以上やる気は無くなった様で、大人しく跪いた。
「これは私から仕掛けたのだ。変わらずここに置いといてやれ」
「しかし…!」
 士官が食い下がるのも仕方ないが、何となくこの男のことがわかった気がしていた。とにかく真っ直ぐな拳と、それを裏付ける信念の強さがあった。
「ソニック大尉…。また機会があれば続きを」
「こんな戯れ…俺の力はこんなものではない…!」
 思わず大佐は笑った。むしろ愚直過ぎるようだ。ティターンズにもこういう男がいるのか。
「拳をぶつけた仲だ。悪い様にはせん。しかし敵であるのもまた変わりないからな。利用はさせてもらうぞ」
 そういって大佐は跪く彼をそのままにして退室した。

 退室して小窓から彼を眺めた。士官達に何やら言われつつ、またベッドに腰掛けている。
省4
713: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:17 ID:Q4XtGfBY0(13/34) AAS
 フジ中尉が目を覚ますとそこは病室の様だった。むくりと上体を起こす。辺りを見渡すと、他にも手当てを受けている者達が複数居た。
「あ、起きてる」
 丁度スクワイヤ少尉がやってきたところだった。彼女はこれといって負傷はしていない様子だ。
「今しがたな。揺らすとまだ痛むが、大した事はない」
 そういって頭に手をやると包帯が巻かれていた。それ以外に傷らしい傷はない。
「皆無事か?」
「はい、大尉も。防衛作戦は成功したんですが、まだ敵と睨み合ってる感じで。もうじき全体ミーティングやるみたいです」
 中尉自身は流石に次の出撃は見送ることになりそうだが、敵はどう出てくるのか。フォンブラウン市の状況も気になる。
714: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:18 ID:Q4XtGfBY0(14/34) AAS
「おう、君らは…。スクワイヤ少尉とフジ中尉だな?」
 入室してきたのはロングホーン大佐だった。右腕を庇っている様に見える。2人で敬礼すると、止めろと言わんばかりに手を振った。
「規律などというものは、それだけでは大して当てにならん。大切なのは実務だ。諸君の様に、戦い、敵を倒してくれれば社交辞令などいらん」
「はっ」
 変わらず中尉は姿勢を正していた。
「いいから楽にしろ…。私も手当てを受けに来た」
「どうされたので?」
 少尉も右腕に気付いたらしく見つめている。
「ちょっとした喧嘩よ。なかなか手強い相手だった」
 そういって大佐ははにかんだ。何故本部で指揮を執る彼が負傷しているのか気になった。喧嘩などと真面目に言っているとは思えないが。彼は衛生兵に声を掛けると、その後について去っていった。
省4
715: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:19 ID:Q4XtGfBY0(15/34) AAS
「ところで、少尉は見舞いに来てくれたのか?」
「まあ…そんなところですかね。時間もあったし」
 彼女は、ベッドの傍らに置いてあった丸椅子に腰掛けた。
「…負い目は感じる必要など無いからな。あそこでガンダムが被弾するより、私の機体を盾にしたほうがいいと判断しただけだ」
「私は…そんな簡単には割り切れません」
 少尉の言う通り、フジ中尉も決して自分を駒だと割り切って動いた訳ではなかった。身体が勝手に動いたようなものだ。
 いざこうして口にすると、何かしら後付するかのように理由をつけてしまう癖が付いているのかもしれない。
「何ていうか…敵は連携がちゃんと取れてたなって思って」
 伏し目がちに少尉が言う。
「確かに。対して我々は個人プレーの目立つチームではあるな。何だかんだ言ってもあの時は大尉も焦っていたし、私も敵を抑えられなかった」
省17
716: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:20 ID:Q4XtGfBY0(16/34) AAS
「くそっ…」
 ウィード少佐はブリッジの椅子に片肘を付きながら苛立ちを募らせていた。対照的に、レインメーカー少佐はいつも通りただ静かに傍で立っている。
 その前でパイロットの2人…ドレイク大尉が窓に寄りかかり、オーブ中尉は地べたに座り込んでいる。

「睨み合いね…」
 ドレイク大尉が窓の外の月を眺めながら言う。戦域は離脱したものの、すぐに動き出せる位置で待機している。どちらが先に動くかはまだ読めない。
「そうは言ったって、こっちはもう殆ど出せる機体も無いじゃない。ラムだってどうなったか…」
 落ち込んだ様子のオーブ中尉が、体操座りで顔を膝に埋めながらこぼした。ソニック大尉は皆を逃がす間もひたすら単騎で持ち堪えていたが、ウィード少佐がニュンペーで支援を試みた際にはもう時既に遅かった。
 その上助け出そうにも、中尉の言う通りまともに稼働出来る機体は最早ニュンペーくらいなものだった。第2陣で入れ替わる様に到着したGM2に至っては全滅である。
「ラムの救出と作戦をうまく絡められないかしら?何かしら交渉取引して…」
 ドレイク大尉の言う対応が出来れば勿論良いのだが、ウィード少佐はなかなかそれを思いつけずにいた。
省2
717: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:21 ID:Q4XtGfBY0(17/34) AAS
「でも、ラムが簡単に口を割るとも思えないよね。あれで義理堅いやつだから」
 オーブ中尉が立ち上がりながら言う。
「あいつが喋らなければ、それだけ情報の類の希少性は増すわね。相対的にラムを拘束する価値も下がっていく。いい塩梅で痛みの少ない情報を差し出せないかしら?」
 ドレイク大尉は窓を眺めるのをやめて、こちらに向き直った。
「んー…そうね…」
 引き続き頭を捻り続けるが、答えは出そうもない。些末な情報が今後命取りになりはしないだろうか。ここでソニック大尉を救えても、後々全滅しては元も子もない。
「お嬢さん方。ここは私が交渉致しましょうか?」
 ゆっくりとそういったのはレインメーカー少佐だった。

「おお!困った時のじいさま!」
 オーブ中尉が目を輝かせて言う。
省10
718: ◆tyrQWQQxgU 2020/01/15(水)13:22 ID:Q4XtGfBY0(18/34) AAS
「流石じいさまですわね」
 ドレイク大尉も乗り気の様である。
「しかし、ラムが口を割っていたら…?」
 薄々わかりながらも、ウィード少佐は聞かずにはいられなかった。
「勿論その時は交渉決裂。それどころか我々も嘘がバレますから…下手すればそのまま追撃が来て全滅でしょうな。情報も連中に渡ることになります」
 こともない風に笑いながらレインメーカー少佐が言った。
「ラムは大丈夫だよ!絶対何も言うわけない!」
 オーブ中尉が詰め寄る。
「まあ…何か漏らしてれば敵に動きがあるでしょうしね。それもないなら今のところは大丈夫でしょう」
 ドレイク大尉も口添えした。やるなら今しかない様だ。
省4
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