見せれるわけない (95レス)
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抽出解除 必死チェッカー(簡易版) レス栞 あぼーん

84: 2010/07/10(土)17:14 ID:rAWchNSo(1/10) AAS
唇の中に捩じ込まれた指に歯をたてることは躊躇われた。
オーストリアの愛する音楽がそこから生まれるものだと知っているからこそ痛め付けることはスペインには出来なかった。

「んんっ」
「お利口さんですね」

甘く囁くような口調と裏腹にオーストリアの瞳は笑みは一切ない。
口内を指でかき回されてスペインは蒸せながら瞳を上げる。

「苦しそうですね」
「当たり前…や、ろ」
「もっと大きなものを口に入れていたのではないですか?」

くちゃっという音と共にスペインの口内から指が糸を引きながら出ていく。
省44
85: 2010/07/10(土)17:16 ID:rAWchNSo(2/10) AAS
あくまでも落ち着いたオーストリアの声にスペインは大きく首をふる。

「では簡単なことです。正直にお答えなさい。ここを誰かに弄られましたか?」

先端をグリグリと擦られてスペインは息を飲む。
理性と快楽とそして恐怖が目の前にある。

「…い、弄られ…ました」
「何人に?」
「覚えてへん」

涙を湛えたエメラルドグリーンの瞳にオーストリアは引き出しから一番細い編み針を出し、スペインの腹に置く。
金属の冷たさにスペインは身じろぎするが中に入れられるという現実に引き戻されて瞬きする。
省23
86: 2010/07/10(土)17:17 ID:rAWchNSo(3/10) AAS
「んっ」
「…どうや?うまいやろ?」
「知りません」
「ちょっとは誉めてくれてもええやろ」

拗ねたように眉を下げながらスペインは未だに固いそれにオーストリアの指に導く。

「嫌なこと全部忘れたいんやけど」
「…貴方が望むなら」

記憶が退行したスペインにとってはオーストリアにとって初めての行為でもオーストリアは何度目かの夜だった。
熱を帯びた場所をなんやかんや言いくるめながら紐はほどかずに後ろを解しながら聞きたかったことをオーストリアは一つ一つ尋ねていく。

「あっやっ、昨日までは…ただの海賊やって…陸に上がらんから女に飢えとるから…って思っとった」
省24
87: 2010/07/10(土)17:19 ID:rAWchNSo(4/10) AAS
この絶妙なバランスに誰か一人でも異分子が入ったら、瞬く間に壊れてしまうのだろう。
まるでこれでは薄い氷の上に溶けていくのもヒビが入っているのも知りながら立ち続ける愚か者のようだ。
誰もがそれを知っていながら子供のような無邪気な好奇心とそれでもそこにある暖かな時間ゆえになにも言えないでいる。
三角関係というほど明快ではなく、だが誰か一人いなくなれば終わる関係な気もする。
これはなんなのだろう?

「でさあ、聞いてくれよ。日本、イギリスと来たら、なんて言ったと思う?『やっぱりまだまだガキだな』って言って鼻で笑ったんだぞ。ヒーローに向かって、あり得ないだろ?」

クチャクチャと音を立ててハンバーガーを次々と口にいれて大声で叫ぶアメリカに日本はこれが子供でなくてなんだと言えば?と尋ねたくなったがもちろん慎ましくをもっとうにする日本だ。そんなことはおくびにも出さない。

「アメリカさんはヒーローとして頑張っていらっしゃると思います」
「そ、そうなんだぞ。やっぱり日本は誰よりよくわかってるなあ」

満面の笑みで笑ってアメリカは日本に大好きだよと告げる。
省18
88: 2010/07/10(土)17:20 ID:rAWchNSo(5/10) AAS
苦笑いしながら材料を見に行く日本の後ろ姿を見つめてアメリカは寝転がる。
ここは心地よい空間だ。
大事にしてもらえるし好きな言葉も労りも貰える。
小さくて慎ましく自己主張の激しくない日本は誰より理想の恋人だった。
基本的に女性と付き合うにしても優しい年上っぽい彼女か、精神年齢高めの子が好きなアメリカとしては日本は外すことないぐらいに完璧だった。
何より日本から皮肉や嫌みを言われたことは一度もない。
アメリカを傷つけるようなことを日本はけしてしないとどうしてかアメリカは信じていた。

「どっかの誰かさんとは大違いだよ」
「…どうされました?」
「ううん。何かあったかい?」
省19
89: 2010/07/10(土)17:22 ID:rAWchNSo(6/10) AAS
そしてわたしがここにいることを…。

「えーっと…それはどうしたのかな?」
「こんにちは私は日本と申します」
「知ってるよ。だって俺の恋人じゃないか」
「ちげえよ。俺のだ!」
「何言ってんだ。お兄さんの」
「われのおとうとーーーーーーーーっ」
「…にーに」
イギリスの手の中から逃れて中国に抱きつこうとする日本をイギリスは高い高いするように持ち上げる。
「また例の変態行為をはたらいたあるね」
省37
90: 2010/07/10(土)17:23 ID:rAWchNSo(7/10) AAS
「あの…貴方はどなたなのでしょうか?」
始めてみる金色の髪、蒼の双眸、高い鼻、高い身長。
見たことのない容姿に日本は怯えながら顔を上げる。
「あっお兄さんはフランス。君の恋人さ」
「恋人?」
小さな日本は中国に言わせれば人間にして「10歳前後」といったところか、古来から平均して日本はたいてい12〜14で成人を迎えるそうだからまだ子供扱いして大丈夫だろう。
「恋人とは許婚のようなものでしょうか?」
「そうそう。それそれ」
許婚ってフィアンセだよなと言葉を思い出してフランスは満足そうに微笑む。
「はう」
省46
91: 2010/07/10(土)17:24 ID:rAWchNSo(8/10) AAS
「可愛くて可愛くてしょうがないっていうこと」
「はぁ」
感慨もなくつぶやく日本は今とあまり変わっていない。
「ちゃんといえた日本にご褒美だ」
「…ご褒美」
目を輝かせた子供にそっと近づいて口付ける。
「んんっ…んっ」
「どう?」
「…息ができません」
「口を開いて」
省42
92: 2010/07/10(土)17:25 ID:rAWchNSo(9/10) AAS
「それにしても子供にも欲情するなんてあなたどんだけありあまってるんですか。その情熱をもっと他に使ってください」
「えっそれはおまえに、だからだよ」
「ちっとも嬉しくないです」

そう。あなたがここにいてわたしがここにいて。
どれだけ時間がかかってもきっとめぐり合うから。
今のわたしを見てください。

「なあ。でも可愛かったよ」
「生意気だったと中国さんには散々言われましたけどね」
「いいな。俺もにーにって呼んでほしかったな」
「…あのですね」
省9
93: 2010/07/10(土)17:27 ID:rAWchNSo(10/10) AAS
「私のことが好きですか?」
しっとりと濡れた瞳が見上げる先にあるのは戸惑う青年の姿。
戸惑うより前に完全に固まっているといったほうがいいだろう。
「…ルートさん?」
「あっああ」
ようやく動き出した青年の腕に手を絡めて菊は甘えるように自身の頬に擦り付ける。
口を半開きにしたままにまた固まる青年。
体躯が立派なためか余計に滑稽に見えるが相手の菊はそのままつながった指にそっと唇を押し当てた。
「きっ…菊?」
裏返る声に青年はますます身体を固くする。
省16
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