[過去ログ] スレタイ 箱入り無数目を語る部屋4 (1002レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
390: 2022/10/31(月)22:20 ID:V6kL7bYX(17/47) AAS
では、(d≦k) が非可測であることを証明する。・・・のだが、今までは「箱の中身がサイコロ」のような
離散的な場合しかやったことがなかったので、想定外の事態が起きた。
箱の中身がサイコロの場合、任意の k≧0 に対して (d≦k) は非可測であることが示せるのだが、
「箱の中身が0以上1以下の実数」という今回のケースでは、

(☆)「有限個の k を除いて (d≦k) は非可測」

までしか言えなかった。しかも、完全代表系 T の取り方によっては、
残りの有限個の k で (d≦k) がゼロ集合(よって可測集合)になる場合が
実際に起こることが判明した。

よって、Aの非可測性の証明も、(☆)を用いた証明として修正が必要になる。それはもちろん後回しで、
まずは、(☆)の証明から始める。
省1
391: 2022/10/31(月)22:25 ID:V6kL7bYX(18/47) AAS
まずは、(有限)測度から生成される内測度について触れておく。

定義:(X,F,ν)は有限測度空間とする。A⊂X に対して、

ν_*(A):= sup{ ν(B)|A⊃B∈F }

として ν_*:pow(X) → [0,+∞) を定義する。この ν_* のことを、νから生成される内測度と呼ぶ。
A∈F のときは、ν_*(A)=ν(A) が成り立つことに注意せよ。
また、任意の A⊂X に対して 0≦ν_*(A)≦ν(X) (<+∞) が成り立つことに注意せよ。
ちなみに、このν_* は、「内測度」と名付けられているだけあって、
実際に内測度の性質を満たす。すなわち、次が成り立つ。

・ν_*(φ)=0.
・ A,B⊂X が互いに素ならば、ν_*(A∪B)≧ν_*(A)+ν_*(B).
省2
392
(4): 2022/10/31(月)22:32 ID:V6kL7bYX(19/47) AAS
以下の定理は、証明は全て省略する。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。νから生成される外測度 ν^* と内測度 ν_*について、
ν_*(X−A)=ν(X)−ν^*(A) (∀A⊂X) が成り立つ。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。その完備化を(X,F_w,ν_w)と置く。
このとき、A⊂X に対して、A∈F_w が成り立つことと ν^*(A)=ν_*(A) が成り立つことは同値である。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。その完備化を(X,F_w,ν_w)と置く。
よって、νから生成される外測度 ν^* と、ν_w から生成される外測度 ν_w^* の2種類を得るが、
実は ν^*(A)=ν_w^*(A) (∀A⊂X) である。すなわち、ν^* = ν_w^* である。
同じく、νから生成される内測度 ν_* と、ν_w から生成される内測度 ν_{w*} の2種類を得るが、
やはり ν_* = ν_{w*} である。
省6
393
(1): 2022/10/31(月)22:34 ID:V6kL7bYX(20/47) AAS
定理:(X_i,F_i,ν_i) (i=1,2) は有限測度空間とする。
(X,F,ν) はその積空間とする。(X,F_w,ν_w) はその完備化とする。

(1) M∈F は ν(M) = 0 を満たすとする。このとき、次が成り立つ。

ν_1.a.e.x_1∈X_1, ν_2.a.e.x_2∈X_2 s.t. ¬((x_1,x_2)∈M).

(2) M∈F_w は ν_w(M) = 0 を満たすとする。このとき、次が成り立つ。

ν_1.a.e.x_1∈X_1, ν_2.a.e.x_2∈X_2 s.t. ¬((x_1,x_2)∈M).
省1
394: 2022/10/31(月)22:35 ID:V6kL7bYX(21/47) AAS
さて、任意の x,y ∈ [0,1) に対して、

x [+] y := x+y (x+y<1), x+y−1 (x+y≧1)

として二項演算 [+] を定義する。
このとき、( [0,1), [+], 0) は 0 を単位元とするアーベル群になることが分かる。
このアーベル群は、R 上での通常の足し算を「 mod 1 」で考えたものと同じ構造である。
次に、s,t ∈[0,1)^N に対して、s [+] t ∈ [0,1)^N を

(s [+] t)_i = s_i [+] t_i (i≧0)

として定義する。( [0,1)^N, [+], o ) は o=(0,0,0,…) を単位元とするアーベル群である。
省2
395: 2022/10/31(月)22:35 ID:V6kL7bYX(22/47) AAS
任意の c ∈ A [+] B に対して、唯一のペア (a,b) が存在して c = a [+] b と表せるとき、
A [+] B は直和であると呼ぶ。同じことだが、

∀a_1,a_2∈A, ∀b_1,b_2∈B s.t. a_1 [+] b_1 = a_2 [+] b_2 ⇒ [ a_1=a_2 かつ b_1=b_2 ]

が成り立つとき、A [+] B は直和であると呼ぶ。

次に、任意の A⊂[0,1)^N と任意の s∈[0,1)^N に対して、A [+] s := { t [+] s|t∈A } と定義する。
A [+] s ⊂ [0,1)^N が成り立つことに注意せよ。
396
(2): 2022/10/31(月)22:38 ID:V6kL7bYX(23/47) AAS
次に、s=(s_0,s_1,s_2,…)∈[0,1]^N と k≧0 に対して、s^[k]:=(s_k,s_{k+1},s_{k+2},…)
と定義する(左シフト)。(s^[k])^[l] = s^[k+l] (k,l≧0)が成り立つことに注意せよ。
また、A⊂[0,1]^N と k≧0 に対して、

A^[k]:= { s^[k]|s∈A }

と定義する。A,B⊂[0,1)^N と k≧0 に対して (A [+] B)^[k] = A^[k] [+] B^[k] が成り立つ。
また、A,B⊂[0,1]^N と k≧0 に対して(A∩B)^[k] = A^[k]∩B^[k] が成り立つ。
また、A⊂B ならば、k≧0 に対して A^[k] ⊂ B^[k] が成り立つ。

また、k≧0 に対して ( [0,1)^N )^[k] = [0,1)^N かつ ( [0,1]^N )^[k] = [0,1]^N が成り立つ。
397: 2022/10/31(月)22:39 ID:V6kL7bYX(24/47) AAS
次に、k≧1 として、u=(u_0,u_1,…,u_{k-1})∈[0,1]^k と v=(v_0,v_1,…)∈[0,1]^N に対して、

uv:= (u_0,u_1,…,u_{k-1},v_0,v_1,…) ∈ [0,1]^N

として uv を定義する(uとvの連結)。さらに、A⊂[0,1]^k と B⊂[0,1]^N に対して

AB:={uv|u∈A, v∈B }

と定義する。以下では、A=[0,1)^k が使われることが多い。この場合、
省3
398: 2022/10/31(月)22:40 ID:V6kL7bYX(25/47) AAS
定理:μ_N( [0,1)^N ) = 1 である。証明は省略する。

定理:A⊂[0,1)^N なる任意の A∈F_N と、任意の s∈[0,1)^N に対して、A [+] s ∈ F_N であり、
しかも μ_N(A [+] s)=μ_N(A) である。また、任意の A⊂[0,1)^n と任意の s∈[0,1)^N に対して、
μ_N^*(A [+] s)=μ_N^*(A), μ_{N*}(A [+] s)=μ_{N*}(A) が成り立つ。証明は省略する。

定理:任意の A∈F_N と任意の k≧1 に対して、[0,1)^kA ∈ F_N かつ μ_N([0,1)^kA)=μ_N(A) である。
さらに、[0,1]^kA ∈ F_N かつ μ_N([0,1]^kA)=μ_N(A) も成り立つ。証明は省略する。
399
(2): 2022/10/31(月)22:46 ID:V6kL7bYX(26/47) AAS
定理:任意の A∈F_N と任意の k≧0 に対して、A^[k]∈F_N であり、
しかも μ_N(A^[k]) ≦ μ_N(A^[k+1]) (k≧0)である。

証明:A∈F_N に対して A^[k]∈F_N が成り立つことの証明は省略する。
次に、A∈F_N を任意に取る。μ_N(A^[k]) ≦ μ_N(A^[k+1]) (k≧0)を示したい。
一般に (A^[k])^[l]=A^[k+l] なので、μ_N(A) ≦ μ_N(A^[1]) が示せれば十分である。
まず、A ⊂ [0,1]A^[1] が成り立つ。また、A, [0,1]A^[1]∈F_N である。よって、
μ_N(A) ≦ μ_N([0,1]A^[1]) であり、そして μ_N([0,1]A^[1])=μ_N(A^[1]) である。
よって、μ_N(A) ≦ μ_N(A^[1]) である。
400
(1): 2022/10/31(月)22:47 ID:V6kL7bYX(27/47) AAS
定理:任意の A⊂[0,1)^N に対して、μ_N^*([0,1)A)=μ_N^*(A) かつ
μ_{N*}([0,1)A)=μ_{N*}(A) である。

証明:A⊂[0,1)^N を任意に取る。μ_N^*([0,1)A)=μ_N^*(A) を示す。
A⊂B∈F_N なる B を任意に取れば、[0,1)A ⊂ [0,1)B∈F_N なので、
μ_N^*([0,1)A) ≦ μ_N^*([0,1)B)=μ_N([0,1)B)=μ_N(B) である。
A⊂B∈F_N なる B は任意だったから、そのような B の inf を取れば、
μ_N^*([0,1)A)≦μ_N^*(A) となる。次に、[0,1)A ⊂ B ∈ F_N なる B を任意にとる。
任意の x∈[0,1) に対して、[0,1)A 及び B の x での断面を考えれば、
([0,1)A)_x ⊂ B_x である。([0,1)A)_x = A なので、A ⊂ B_x である。両辺の μ_N^*() を考えれば、

μ_N^*(A) ≦ μ_N^*(B_x)=μ_N(B_x) =∫_{ [0,1]^N } 1_{B_x}(y) dμ_N(y)
省2
401
(2): 2022/10/31(月)22:51 ID:vpuiD3x9(3/8) AAS
>>387
>あなたには http://www.ma.huji.ac.il/hart/puzzle/choice.pdf Theorem 1 の証明の中の間違っている文を挙げることができない
>ということでよろしいか?

不同意
1)決定番号は、非正則分布を成す
2)非正則分布は、コルモゴロフの確率公理 特に「全事象を1とする」が満たせない
3)非正則分布による確率計算は、コルモゴロフの確率公理に反するため認められない
以上
402
(2): 2022/10/31(月)22:52 ID:V6kL7bYX(28/47) AAS
今の段階で、μ_N^*(A) ≦∫_{ [0,1]^N } 1_B(x,y) dμ_N(y) が x∈[0,1) に対して言えている。
両辺を通常の1次元ルベーグ測度空間 ([0,1],F_1,μ_1) において x∈[0,1) で積分する。
すると、左辺は μ_N^*(A) のままであり、右辺はフビニの定理が使えて、

μ_N^*(A) ≦∫_{ [0,1) } ∫_{ [0,1]^N } 1_B(x,y) dμ_N(y) dμ_1(x)

= ∫_{ [0,1] } ∫_{ [0,1]^N } 1_B(x,y) dμ_N(y) dμ_1(x)

=∫_{ [0,1]×[0,1]^N } 1_B(x,y) d(μ_1×μ_N)(x,y)

=∫_{ [0,1]^N } 1_B(z) d(μ_N)(z)
省4
403
(1): 2022/10/31(月)22:54 ID:NkNyx+A/(3/7) AAS
>>401
>不同意
じゃさっさと挙げろよw
404
(2): 2022/10/31(月)22:55 ID:V6kL7bYX(29/47) AAS
次は内測度の方を示す。A⊂[0,1)^N を任意に取る。μ_{N*}([0,1)A)=μ_{N*}(A) を示したい。
A⊃B∈F_N なる B を任意に取れば、[0,1)A ⊃ [0,1)B∈F_N なので、
μ_{N*}([0,1)A) ≧ μ_{N*}([0,1)B)=μ_N([0,1)B)=μ_N(B) である。
A⊃B∈F_N なる B は任意だったから、そのような B の sup を取れば、
μ_{N*}([0,1)A)≧μ_N^*(A) となる。次に、[0,1)A ⊃ B ∈ F_N なる B を任意に取る。
両辺の ()^[1] を考えて、([0,1)A)^[1] ⊃ B^[1] である。([0,1)A)^[1] = A なので、
A ⊃ B^[1] である。B^[1]∈F_N に注意して、μ_{N*}(A)≧μ_{N*}(B^[1])=μ_N(B^[1]) である。
そして、>>の定理からμ_N(B^[1])≧μ_N(B)である。よって、μ_{N*}(A)≧μ_N(B) となった。
[0,1)A ⊃ B ∈ F_N なる B は任意だったから、そのような B での sup を取れば、
μ_{N*}(A)≧μ_{N*}([0,1)A) である。以上により、μ_{N*}(A)=μ_{N*}([0,1)A) である。
405: 2022/10/31(月)22:56 ID:V6kL7bYX(30/47) AAS
次に、[0,1]^N の 〜 に関する完全代表系を1つ取って T と置く。
よって、決定番号の写像 d:[0,1]^N → N∪{0} が定義できる。
念のため書いておくと、次のようになる。

s∈[0,1]^N を任意に取る。ただ1つの t∈T が存在して s〜t が成り立つので、
∃i_0≧0, ∀i≧i_0 s.t. s_i = t_i が成り立つ。このような i_0≧0 には
最小値が存在する。その値を再び i_0≧0 と置く。この i_0 のことを d(s) と定義する。

こうして、s の決定番号 d(s) が定まり、よって写像 d:[0,1]^N → N∪{0} が決まる。
406: 2022/10/31(月)22:58 ID:V6kL7bYX(31/47) AAS
任意の k≧1 に対して、

(d≦k)∩[0,1)^N = [0,1)^k(T^[k]∩[0,1)^N)

が成り立つことが確かめられる。特に、

μ_N^*((d≦k)∩[0,1)^N) = μ_N^*([0,1)^k(T^[k]∩[0,1)^N)) = μ_N^*(T^[k]∩[0,1)^N),

μ_{N*}((d≦k)∩[0,1)^N) = μ_{N*}([0,1)^k(T^[k]∩[0,1)^N)) = μ_{N*}(T^[k]∩[0,1)^N)
省4
407
(2): 2022/10/31(月)22:59 ID:vpuiD3x9(4/8) AAS
>>388
>d:[0,1]^N → N は前スレでも散々定義した決定番号の写像。


1)もともと時枝では、>>1より
「どんな実数を入れるかはまったく自由,例えばn番目の箱にe^πを入れてもよいし,すべての箱にπを入れてもよい.
 もちろんでたらめだって構わない.そして箱をみな閉じる.」
 だったよね?
2)”どんな実数を入れるかはまったく自由”だから、(-∞、+∞)でしょ!!w
3)e^πとかπって、それらがいつから区間[0,1]に入ることになったんだ?w
 π=3.14・・でしょw
408: 2022/10/31(月)23:01 ID:V6kL7bYX(32/47) AAS
次に、μ_{N*}(T^[k])=0 (k≧0) が成り立つことを示す。まず、

Poly = { s∈[0,1)^N|有限個の i を除いて s_i=0 }

と置く。(Poly, [+], o) は [0,1)^N の部分アーベル群であることに注意せよ。
さらに、Poly^[k] = Poly (k≧0) が成り立つことに注意せよ。

また、(Poly, [+], o) の加法 [+] に関する逆演算を [-] と置くとき、
任意の s,t∈[0,1)^N に対して、

s 〜 t ⇔ s [-] t ∈ Poly
省1
409: 2022/10/31(月)23:01 ID:V6kL7bYX(33/47) AAS
この Poly について、

(T∩[0,1)^N) [+] Poly = [0,1)^N

が成り立つことが言える。さらに、T の性質から、左辺は直和であることが言える。
k≧0 として、両辺の ()^[k] を取ると、

(T∩[0,1)^N)^[k] [+] Poly^[k] = [0,1)^N

が成り立つわけだが、(T∩[0,1)^N)^[k] = T^[k]∩[0,1)^N かつ Poly^[k] = Poly により、
省2
1-
あと 593 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.020s