[過去ログ] スレタイ 箱入り無数目を語る部屋4 (1002レス)
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381: 2022/10/31(月)14:55 ID:V6kL7bYX(11/47) AAS
ここでは、i=99∈I を採用する。よって、A の 99∈I における断面 A_99 は A_99∈F_{Nw} を満たす。
f は可測空間 (Y, E_w) から可測空間 ([0,1]^N, F_{Nw}) への可測写像だったから、
f^{-1}(A_99)∈E_w が成り立つ。

A_99 = { s∈[0,1]^N|(s,99)∈A } = { s∈[0,1]^N|d(g(s)^{99})≦max{d(g(s)^{j})|0≦j≦98} }

であるから、

f^{-1}(A_99) = { (y^{0},y^{1},…,y^{99})∈Y|d(y^{99})≦max{d(y^{j})|0≦j≦98} }

である。よって、これが E_w の元ということになる。以下では、
省2
382
(3): 2022/10/31(月)14:58 ID:V6kL7bYX(12/47) AAS
確率空間 ([0,1]^N,F_N,μ_N) を n 個用意して積を取った空間が (Y_n,E_n,α_n) なのだったが、
積空間の基本的性質により、(Y_{n−1},E_{n−1},α_{n−1}) と ([0,1]^N,F_N,μ_N) の積空間は
(Y_n,E_n,α_n) になる。(Y,E,α)=(Y_100,E_100,α_100) だったから、
(Y_99,E_99,α_99) と ([0,1]^N,F_N,μ_N) の積空間が (Y,E,α) ということになる。

B∈E_w だったから、>>375の補題により、α_99.a.e.z=(z^{0},z^{1},…,z^{98})∈Y_99 に対して、
B の z での断面 B_z は B_z∈F_{Nw} を満たす。すなわち、あるゼロ集合 M∈E_99 が存在して、
任意の z∈Y_99−M に対して、B の z での断面 B_z は B_z∈F_{Nw} を満たす。

そこで、z∈Y_99−M を1つ取って固定する。z=(z^{0},z^{1},…,z^{98})と表せる。
この z^{0},z^{1},…,z^{98} に対して、k=max{d(z^{j})|0≦j≦98} と置く。すると、

B_z = { y^{99}∈[0,1]^N|(z,y^{99})∈B }
省5
383: 2022/10/31(月)15:09 ID:V6kL7bYX(13/47) AAS
補足。>>376では

> n個の確率空間 ([0,1]^N,F_N,μ_N) の積空間を (Y_n, E_n, α_n) と書くことにする。

という、若干 意味が取りづらい表現をしてしまったが、>>382で書いているように、

・ 確率空間 ([0,1]^N,F_N,μ_N) を n 個用意して積を取った空間を (Y_n,E_n,α_n) と書く

という意味のつもりである。たとえば、Y_n を明示的に書くと
省2
384
(3): 2022/10/31(月)15:09 ID:Rh3Q9O/g(1) AAS
>>382
>d:[0,1]^N → N は決定番号の写像であり、(d≦k) は非可測なので矛盾する。
 え、その証明はしないの?
385
(2): 2022/10/31(月)16:13 ID:V6kL7bYX(14/47) AAS
>>384
そこはさすがに前提知識(それほど簡単に示せるわけでもないが)。

まあ、スレ主が要求してきたら書く。
スレ主自身が (d≦k) の非可測性について合意していたら、書く必要がない。
386
(2): 2022/10/31(月)20:54 ID:vpuiD3x9(2/8) AAS
>>384-385
>>d:[0,1]^N → N は決定番号の写像であり、(d≦k) は非可測なので矛盾する。
> え、その証明はしないの?
>まあ、スレ主が要求してきたら書く。
>スレ主自身が (d≦k) の非可測性について合意していたら、書く必要がない。

1)ID:Rh3Q9O/g氏が、要求しているんだから、証明を示せよ
 よって、私スレ主は証明を要求する!w
2)まあ、あんまし読む気は無いが、証明よろしくね
 ID:Rh3Q9O/g氏が、証明を突いてくれることを期待している
3)正直、
省5
387
(5): 2022/10/31(月)21:54 ID:pHXtLONI(1) AAS
>>261

>>278にレスがないので、
あなたには http://www.ma.huji.ac.il/hart/puzzle/choice.pdf Theorem 1 の証明の中の間違っている文を挙げることができない
ということでよろしいか?
388
(1): 2022/10/31(月)22:11 ID:V6kL7bYX(15/47) AAS
>>386
>3)正直、
> ”d:[0,1]^N → N は決定番号の写像であり、(d≦k) は非可測なので”
> に使われている記号を、追っていないから、この文の意味が取れない

d:[0,1]^N → N は前スレでも散々定義した決定番号の写像。
2chスレ:math

また、(d≦k)は

(d≦k):= { s∈[0,1]^N|d(s)≦k }

として定義される集合。
389
(1): 2022/10/31(月)22:17 ID:V6kL7bYX(16/47) AAS
>2)まあ、あんまし読む気は無いが、証明よろしくね
> ID:Rh3Q9O/g氏が、証明を突いてくれることを期待している

これも釘を刺しておくが、(d≦k)の非可測性に関する証明は、予想したより遥かに分量が大きくなった。
おそらく、スレ主は読まない。

別に読まなくても構わんが、その場合はスレ主は>>371-372を受け入れなければならない。
ただし、その時点でスレ主の詰みが確定する。
よって、スレ主が>371-372を受け入れない場合、スレ主は下記の(長い)証明を読まなければならない。

証明も読まず、>371-372も受け入れないという態度を取った場合、
スレ主は議論を放棄したことになるので、その時点でスレ主の詰みが確定する。

・・・と、予め釘を刺しておく。
省2
390: 2022/10/31(月)22:20 ID:V6kL7bYX(17/47) AAS
では、(d≦k) が非可測であることを証明する。・・・のだが、今までは「箱の中身がサイコロ」のような
離散的な場合しかやったことがなかったので、想定外の事態が起きた。
箱の中身がサイコロの場合、任意の k≧0 に対して (d≦k) は非可測であることが示せるのだが、
「箱の中身が0以上1以下の実数」という今回のケースでは、

(☆)「有限個の k を除いて (d≦k) は非可測」

までしか言えなかった。しかも、完全代表系 T の取り方によっては、
残りの有限個の k で (d≦k) がゼロ集合(よって可測集合)になる場合が
実際に起こることが判明した。

よって、Aの非可測性の証明も、(☆)を用いた証明として修正が必要になる。それはもちろん後回しで、
まずは、(☆)の証明から始める。
省1
391: 2022/10/31(月)22:25 ID:V6kL7bYX(18/47) AAS
まずは、(有限)測度から生成される内測度について触れておく。

定義:(X,F,ν)は有限測度空間とする。A⊂X に対して、

ν_*(A):= sup{ ν(B)|A⊃B∈F }

として ν_*:pow(X) → [0,+∞) を定義する。この ν_* のことを、νから生成される内測度と呼ぶ。
A∈F のときは、ν_*(A)=ν(A) が成り立つことに注意せよ。
また、任意の A⊂X に対して 0≦ν_*(A)≦ν(X) (<+∞) が成り立つことに注意せよ。
ちなみに、このν_* は、「内測度」と名付けられているだけあって、
実際に内測度の性質を満たす。すなわち、次が成り立つ。

・ν_*(φ)=0.
・ A,B⊂X が互いに素ならば、ν_*(A∪B)≧ν_*(A)+ν_*(B).
省2
392
(4): 2022/10/31(月)22:32 ID:V6kL7bYX(19/47) AAS
以下の定理は、証明は全て省略する。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。νから生成される外測度 ν^* と内測度 ν_*について、
ν_*(X−A)=ν(X)−ν^*(A) (∀A⊂X) が成り立つ。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。その完備化を(X,F_w,ν_w)と置く。
このとき、A⊂X に対して、A∈F_w が成り立つことと ν^*(A)=ν_*(A) が成り立つことは同値である。

定理:(X,F,ν)は有限測度空間とする。その完備化を(X,F_w,ν_w)と置く。
よって、νから生成される外測度 ν^* と、ν_w から生成される外測度 ν_w^* の2種類を得るが、
実は ν^*(A)=ν_w^*(A) (∀A⊂X) である。すなわち、ν^* = ν_w^* である。
同じく、νから生成される内測度 ν_* と、ν_w から生成される内測度 ν_{w*} の2種類を得るが、
やはり ν_* = ν_{w*} である。
省6
393
(1): 2022/10/31(月)22:34 ID:V6kL7bYX(20/47) AAS
定理:(X_i,F_i,ν_i) (i=1,2) は有限測度空間とする。
(X,F,ν) はその積空間とする。(X,F_w,ν_w) はその完備化とする。

(1) M∈F は ν(M) = 0 を満たすとする。このとき、次が成り立つ。

ν_1.a.e.x_1∈X_1, ν_2.a.e.x_2∈X_2 s.t. ¬((x_1,x_2)∈M).

(2) M∈F_w は ν_w(M) = 0 を満たすとする。このとき、次が成り立つ。

ν_1.a.e.x_1∈X_1, ν_2.a.e.x_2∈X_2 s.t. ¬((x_1,x_2)∈M).
省1
394: 2022/10/31(月)22:35 ID:V6kL7bYX(21/47) AAS
さて、任意の x,y ∈ [0,1) に対して、

x [+] y := x+y (x+y<1), x+y−1 (x+y≧1)

として二項演算 [+] を定義する。
このとき、( [0,1), [+], 0) は 0 を単位元とするアーベル群になることが分かる。
このアーベル群は、R 上での通常の足し算を「 mod 1 」で考えたものと同じ構造である。
次に、s,t ∈[0,1)^N に対して、s [+] t ∈ [0,1)^N を

(s [+] t)_i = s_i [+] t_i (i≧0)

として定義する。( [0,1)^N, [+], o ) は o=(0,0,0,…) を単位元とするアーベル群である。
省2
395: 2022/10/31(月)22:35 ID:V6kL7bYX(22/47) AAS
任意の c ∈ A [+] B に対して、唯一のペア (a,b) が存在して c = a [+] b と表せるとき、
A [+] B は直和であると呼ぶ。同じことだが、

∀a_1,a_2∈A, ∀b_1,b_2∈B s.t. a_1 [+] b_1 = a_2 [+] b_2 ⇒ [ a_1=a_2 かつ b_1=b_2 ]

が成り立つとき、A [+] B は直和であると呼ぶ。

次に、任意の A⊂[0,1)^N と任意の s∈[0,1)^N に対して、A [+] s := { t [+] s|t∈A } と定義する。
A [+] s ⊂ [0,1)^N が成り立つことに注意せよ。
396
(2): 2022/10/31(月)22:38 ID:V6kL7bYX(23/47) AAS
次に、s=(s_0,s_1,s_2,…)∈[0,1]^N と k≧0 に対して、s^[k]:=(s_k,s_{k+1},s_{k+2},…)
と定義する(左シフト)。(s^[k])^[l] = s^[k+l] (k,l≧0)が成り立つことに注意せよ。
また、A⊂[0,1]^N と k≧0 に対して、

A^[k]:= { s^[k]|s∈A }

と定義する。A,B⊂[0,1)^N と k≧0 に対して (A [+] B)^[k] = A^[k] [+] B^[k] が成り立つ。
また、A,B⊂[0,1]^N と k≧0 に対して(A∩B)^[k] = A^[k]∩B^[k] が成り立つ。
また、A⊂B ならば、k≧0 に対して A^[k] ⊂ B^[k] が成り立つ。

また、k≧0 に対して ( [0,1)^N )^[k] = [0,1)^N かつ ( [0,1]^N )^[k] = [0,1]^N が成り立つ。
397: 2022/10/31(月)22:39 ID:V6kL7bYX(24/47) AAS
次に、k≧1 として、u=(u_0,u_1,…,u_{k-1})∈[0,1]^k と v=(v_0,v_1,…)∈[0,1]^N に対して、

uv:= (u_0,u_1,…,u_{k-1},v_0,v_1,…) ∈ [0,1]^N

として uv を定義する(uとvの連結)。さらに、A⊂[0,1]^k と B⊂[0,1]^N に対して

AB:={uv|u∈A, v∈B }

と定義する。以下では、A=[0,1)^k が使われることが多い。この場合、
省3
398: 2022/10/31(月)22:40 ID:V6kL7bYX(25/47) AAS
定理:μ_N( [0,1)^N ) = 1 である。証明は省略する。

定理:A⊂[0,1)^N なる任意の A∈F_N と、任意の s∈[0,1)^N に対して、A [+] s ∈ F_N であり、
しかも μ_N(A [+] s)=μ_N(A) である。また、任意の A⊂[0,1)^n と任意の s∈[0,1)^N に対して、
μ_N^*(A [+] s)=μ_N^*(A), μ_{N*}(A [+] s)=μ_{N*}(A) が成り立つ。証明は省略する。

定理:任意の A∈F_N と任意の k≧1 に対して、[0,1)^kA ∈ F_N かつ μ_N([0,1)^kA)=μ_N(A) である。
さらに、[0,1]^kA ∈ F_N かつ μ_N([0,1]^kA)=μ_N(A) も成り立つ。証明は省略する。
399
(2): 2022/10/31(月)22:46 ID:V6kL7bYX(26/47) AAS
定理:任意の A∈F_N と任意の k≧0 に対して、A^[k]∈F_N であり、
しかも μ_N(A^[k]) ≦ μ_N(A^[k+1]) (k≧0)である。

証明:A∈F_N に対して A^[k]∈F_N が成り立つことの証明は省略する。
次に、A∈F_N を任意に取る。μ_N(A^[k]) ≦ μ_N(A^[k+1]) (k≧0)を示したい。
一般に (A^[k])^[l]=A^[k+l] なので、μ_N(A) ≦ μ_N(A^[1]) が示せれば十分である。
まず、A ⊂ [0,1]A^[1] が成り立つ。また、A, [0,1]A^[1]∈F_N である。よって、
μ_N(A) ≦ μ_N([0,1]A^[1]) であり、そして μ_N([0,1]A^[1])=μ_N(A^[1]) である。
よって、μ_N(A) ≦ μ_N(A^[1]) である。
400
(1): 2022/10/31(月)22:47 ID:V6kL7bYX(27/47) AAS
定理:任意の A⊂[0,1)^N に対して、μ_N^*([0,1)A)=μ_N^*(A) かつ
μ_{N*}([0,1)A)=μ_{N*}(A) である。

証明:A⊂[0,1)^N を任意に取る。μ_N^*([0,1)A)=μ_N^*(A) を示す。
A⊂B∈F_N なる B を任意に取れば、[0,1)A ⊂ [0,1)B∈F_N なので、
μ_N^*([0,1)A) ≦ μ_N^*([0,1)B)=μ_N([0,1)B)=μ_N(B) である。
A⊂B∈F_N なる B は任意だったから、そのような B の inf を取れば、
μ_N^*([0,1)A)≦μ_N^*(A) となる。次に、[0,1)A ⊂ B ∈ F_N なる B を任意にとる。
任意の x∈[0,1) に対して、[0,1)A 及び B の x での断面を考えれば、
([0,1)A)_x ⊂ B_x である。([0,1)A)_x = A なので、A ⊂ B_x である。両辺の μ_N^*() を考えれば、

μ_N^*(A) ≦ μ_N^*(B_x)=μ_N(B_x) =∫_{ [0,1]^N } 1_{B_x}(y) dμ_N(y)
省2
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