[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む56 (768レス)
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94(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [sage] 2018/12/17(月) 17:48:08.88 ID:Cv0M5TH4(4/6) AAS
>>85
「Eman物理」のエルミートの説明
Emanさんの説明は、いつも分かりやすいね(^^
http://eman-physics.net/quantum/matrix.html
演算子は行列だ エルミート演算子とは何か。 Eman物理
(抜粋)
エルミート行列の性質
まずこの行列 H のエルミート共役を取ってやるとどうなるかを見よう。
この行列 H はエルミート共役を取っても、取る前と変わらないことが分かる。
H†= H
このような性質を持つ行列を「エルミート行列」と呼ぶことにしよう。あるいは自分自身が自身の随伴行列になっていることから「自己随伴行列」と呼ぶこともある。
この関係からすぐに分かると思うが、対称成分は複素共役になっている。1 行 2 列目が
a+bi
だとしたら、2 行 1 列目の成分は
a?bi
になっているわけだ。だとしたら対角成分は必ず実数でなければならない。理屈は分かるかな?逆にそういう行列があればエルミート行列だと思っていい。ただし、この対角成分の実数はユニタリ変換する前の対角行列の実数と同じになっているわけではない。やってみればすぐに分かることだが、頭の中だけで理解しようとするとそういう勘違いも有り得るので注意しておく。
普通の教科書では「エルミート行列はユニタリ変換をすることで実数の対角行列に変形できる」などと、さも不思議な難しい定理であるかのように説明しているが、もともと実数の対角行列をユニタリ変換したものがエルミート行列なのだから当然のことだ。
エルミート演算子
物理量を表す演算子が行列に相当するということで、物理量を表すにふさわしい行列がどのような性質を持つかを調べてきた。つまりエルミート行列でなければならないのだった。ならば演算子の方にも何かこれに相当する条件があるはずである。それを「エルミート性」と呼ぼう。
この条件を満たす演算子
H
はエルミート性を持つと言えるのである。そのような演算子を「エルミート演算子」と呼んでいる。ある演算子が物理量を表すためにはエルミート演算子の条件を満たしていなければならないのである。
つづく
95: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE [sage] 2018/12/17(月) 17:49:50.71 ID:Cv0M5TH4(5/6) AAS
>>94
つづき
普通の教科書との違い
世の中に出回っている教科書の多くは、ここで最後に出てきた式をいきなり示して、「このような条件を満たす演算子をエルミート演算子と呼ぶ」などと説明を始めており、本来結論とすべき話が一番初めの前提として出て来てしまっている。こんな説明をされたのでは、読者は「なぜこの条件が必要なの?」「この式はどこから出てきたの?」と混乱してしまうだろう。
何らかの具体的な疑問を持てればまだ救われる可能性もあろうが、漠然とした疑問は自分自身で解決のしようがない。漠然とした疑問は「分からない」という気持ちと直結している。
疑問を持てさえすればいいというものでもない。「そもそも始めの条件はどこから来たもので、その物理的意味は?」なんてことを考え始めてしまった場合、方向を誤っている。おそらくいくらかの時間を費やさなければならなくなるだろう。今回の説明はそのような人のための道標になっている。私もこの辺りを彷徨った。
ここでは行列の固有値が実数であるべき事から始めて、エルミート性とは何かを説明したが、もちろん逆にエルミート性から始めて固有値が実数になることを示すことも簡単に出来る。
まぁ、普通の教科書はそういう説明をしており、こちらも知っておいた方がいい。なぜなら行列や波動関数の概念を行き来しなくても証明できるからだ。
それ以外の理由として、授業の単位を取るためにはこの証明を書き下せることが必要だということも挙げられる。どちらにしろ、論理は自由自在に操れた方がいいに決まっている。
(引用終わり)
以上
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