[過去ログ] 純粋・応用数学・数学隣接分野(含むガロア理論)20 (1002レス)
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72(1): 05/01(木)07:24 ID:CF0szZUA(2/7) AAS
つづき
後半部では先ず、中野茂男先生のもとで著者が最初に取り組まれた問題が、弱1完備多様体のコホモロジーの有限次元性予想(中野問題)であり、その解決を述べた論文が「修論」になったこと、この方向の研究をさらに進めて「複素数空間Cn内の領域でC1級の境界を持つものに対し 擬凸性と完備ケーラー性は同値である」(*3)と「完備ケーラー多様体上のL2∂-コホモロジーの消滅定理」が得られたことが述べられている。後者の最初の結果を拡張する研究が、滑らかな境界を持つCn内の有界擬凸領域につき「K(z,z)≧c・δ(z)^(-2)(δ(z)は境界距離関数、cはDにのみ依存する正の定数)が成り立つ」という長年の懸案となっていた予想をその系として導く「大沢-竹腰のL2拡張定理」という見事な成果に繋がったことが語られている
大沢-竹腰のL2拡張定理が得られたあと、ベルグマン核の境界挙動に関し、問題1「K(z,z)がz→∂Dで発散するのはDがどの様な場合か」、問題2「ヘルマンダ―の漸近公式が系となるような仕方でL2拡張理論をさらに精密化することはできないか」の二つが主要な問題として研究されたことが述べられている。1993年までに問題1につき「DがCnの超擬凸領域であれば問題1は肯定される」、問題2につき「n次元スタイン多様体Mの超曲面(の非特異成分)での正則(n-1)形式をノルム評価(ある絶対定数C)付きでM上の正則n形式に拡張できる」という成果が得られたこと、Seipの補間理論で密度概念に接しそれを高次元化してL2拡張理論に取り込むには曲率を使うことが良いと気付き、1993年の秋にシウに招かれたハーバードで意外にすっきりした定式化が見つかり問題2の成果に繋がったこと、などが詳述されている
最後に、L2拡張定理の最良評価(C=2π)が得られるまでの経緯が吹田予想(開リーマン面上の対数容量をベルグマン核で上から評価する最良不等式)の解決と緊密に連携していたことが述べられている。「今にして思えばこの論文を書いているうちに、薄々ながらL2評価の方法で一変数関数論の問題も攻略できることに気づいていたかもしれません。数学はやはり自分で問題を解いているうちに世界が開けていくようです」(p149)と述懐されており、この印象的な発言に評者は感動を覚える。L2最良評価では、グアンとジョウ(Guan-Zhou)による方法とベルントソンとレンペルト(Berndtsson-Lempert)による方法という全く異なる二つの方法から証明でき、「最良型のL2拡張定理とベルグマン核の対数多重劣調和性は同等である」という驚くべき結果が確立されていることが分かり素晴らしい
本書を読まれ興味を持たれる方々にお薦めしたい参考文献をいくつか挙げたいと思う。成書では大沢先生の二冊の著書『現代複素解析への道標』と『多変数複素解析 増補版』およびSteven G. Krantz, "Geometric Analysis of the Bergman Kernel and Metric"(2013)が面白く非常に有用であると思う。論説では優れたものは数多くあるが、ヘルマンダ―の有名な論説 “A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in L2 Spaces"(2003)、平地健吾『強擬凸領域におけるベルグマン核の不変式論』(数学52(4))、Yau, S.-T., “From Riemann and Kodaira to Modern Developments on Complex Manifolds" (2016)、大沢健夫「∂-方程式を解こう」(2004年頃 企画特別講演)「L2上空移行の最近の様相」(数学70(2))の五つを挙げたい。後ろの三つは、とても面白く有用な論説である
つづく
76(1): トイレのうんち 05/01(木)09:34 ID:j5SrOL/s(1) AAS
>>71-74
よせよせ
正則行列がわかんない奴なんて
多変数微積分の陰関数定理・逆関数定理もわかんないし
多変数微積分がわかんない奴なんて一変数複素関数論の主要定理もわかんないし
一変数複素関数論もわかんない奴に
多変数複素関数論がわかるわけないじゃん
大学1年の一変数微積分と線形代数からやり直しなよ
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