[過去ログ] 純粋・応用数学・数学隣接分野(含むガロア理論)20 (1002レス)
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339(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)11:16 ID:kvRHpDhK(1/10) AAS
メモ
山口 昌哉さんの本だったと思うが、簡単な拡散の偏微分方程式を解く必要があって、書店で探したところ 山口先生の演習本だったと思うが
そのものズバリの解法が載っていて、早速購入して 使わせて貰った
山口 昌哉先生は、山口一家だったんだ (^^
俣野 博先生の名前を見つけて、俣野仲次郎氏の拡散研究 ”俣野界面”を思い出した
(参考)
外部リンク:ja.wikipedia.org
山口 昌哉(やまぐち まさや、1925年2月3日 - 1998年12月24日)は、日本の数学者(非線形数学)。京都大学名誉教授。社会・経済システム学会初代会長。
溝畑茂とは京大在学中からの親友。弟子は多く、まとめて山口組と通称されることがある。西田孝明、西浦廉政、俣野博、宍倉光広、磯祐介らがいる。
(山口組(やまぐちぐみ)は、兵庫県神戸市に本部を置く暴力団で、日本最大規模の特定抗争指定暴力団 外部リンク:ja.wikipedia.org)
外部リンク:ja.wikipedia.org
俣野 博(またの ひろし、1952年7月28日 - )は、日本の数学者。東京大学名誉教授[1]。専門は非線形解析と非線形偏微分方程式[2]。
略歴
洛星高等学校を経て、1971年4月 京都大学理学部に進学[3]。1975年4月同大学の大学院理学研究科数理解析専攻修士課程、1977年4月 同博士課程進学、1979年3月 同退学、同年4月から東京大学理学部助手。1982年3月博士号取得[4] (論文主査は、山口昌哉)
外部リンク[htm]:myoji-yurai.net
名字由来net
俣野 【読み】またの 【全国順位】 3,846位 【全国人数】 およそ3,100人
由来解説
?現神奈川県である相模国高座郡俣野村が起源(ルーツ)である、桓武天皇の子孫で平の姓を賜った家系である平氏(桓武平氏)鎌倉氏流がある。
?現大阪府東部である河内。
?現和歌山県と三重県南部である紀伊。
?現福岡県南部である筑後。
?現東京都、埼玉県広域、神奈川県北部である武蔵。
などにみられる。
「野」は自然のままの広い地を表す。
外部リンク:ja.wikipedia.org
俣野界面(またのかいめん)とは、俣野仲次郎が提唱した固体力学の概念である。通常の拡散方程式と新たな変数を使って立てた常微分方程式の両辺を積分することによって導くことができる。この概念を用いることにより、拡散係数の算出が容易になった[1]。由来が数学的であることから、俣野面と呼ぶべきと考える人もいる[2]。
具体的には、2つの固体AとBが接合されている場合に、AからBに拡散した原子の数とBからAに拡散した原子の数が等しくなるようにAとBの境界を定めたとき、その境界面が俣野界面となる。距離を横軸、原子の濃度を縦軸にとった際の曲線と、縦軸と平行な線分の間の領域の面積が最も大きくなるような距離の界面と考えることもできる。2つの固体の流束に差がある場合、俣野界面は最初に接合した際の境界面(カーケンドール界面)とは異なる面となり、そのずれは2つの固体の拡散係数の違いが大きいほど大きくなる[3][1]。
つづく
340(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)11:17 ID:kvRHpDhK(2/10) AAS
つづき
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
俣野仲次郎の拡散研究
J-Stage
小岩昌宏 著 · 1999 · 被引用数: 2 — 固体の相互拡散データの解析法 としての 「俣野の方法」,. そ こ)定 義 される"Matano Interface"に その名を残す俣野仲次郎一その知られざる生涯と拡散以外の分野) ...
俣野の学位論文 「銅固熔体内拡散 ノX線 二依ル研究」
俣野は,1935年(昭和10年)8月 に表記の論文により理学博士の学位を受けている.
京都大学附属図書館に保管してある学位論文は,準貴重図書扱いであり,貸出しは不可,コ ピーは著作権者の許可があれば一とのこと)あったが,とにかく閲覧を申し込んだ.
「学位論文」そのものは,青色の表紙がついた論文別刷3種 をホッチキスで止めたものが主論文, 7種を紐で綴じたものが参考論文で合わせて厚さ約1cmといったところ.これが紐で結んで一束にしてあり,略
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
J-STAGEトップ/まてりあ/38 巻 (1999) 6 号
俣野仲次郎─相互拡散の“Matano Interface”に不朽の名を残す研究者の軌跡
小岩 昌宏
2.「俣野尋ねて三十年」
幸田成康先生(東北大学名誉教授,故人)から
「工学部に俣野氏の令兄がおられて
『弟が金属の方で有名になっているようで』と話しておられた」と伺ったことである.
私の年来の共同研究者である大阪大学教授中嶋英雄氏よりもたらされた情報である.俣野仲次郎氏の本籍は「京都府宇治郡山科町字上野10番地Jであることがわかったけれど,戸籍謄本をとったりすることは親族以外には,たとえ学術上の理由からでも難しく,血縁者を探すのは簡単ではないとのことであった.
つづく
341(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)11:17 ID:kvRHpDhK(3/10) AAS
つづき
いま一つは松尾宗次氏(日鉄技術情報センター)からの「兄は俣野麻太郎という名前で,京都大学卒,北大工学部(電気工学)に勤務.京大で1942年に工学博士(論文題目は「同期機の研究J) を取得Jとの知らせである.何かの折の私との会話を覚えていて, Ir日本博士録』第一巻(日本図書センタ一発行)から拾い上げて知らせてくれた.麻太郎氏について京大電気工学科事務室に聞いてみたが,最近発行された同窓会名簿には,故人との記載があるのみとのことであった.しかし,同窓会(洛友会)事務局には記録が残っているかもしれないとのことで問い合わせたところ,
大正14年卒業,北海道大学名誉教授,昭和62年4月23日逝去Jであり,ご遺族は札幌に在住であることが判明した.ためらいを覚えながら,思いきって電話をすると,同氏の夫人ワカさんが健在であり,
「よくも探し当てて連絡してくださいました.主人は“仲次郎は偉い者だ"といつも申しておりました」と,当方の心配を吹き飛ばすような暖かし、応答を頂いた.仲次郎氏に関する情報,資料の提供をお願いしたところ,写真や仲次郎氏の肉筆の手紙のコピー,令夫人睦子さんからの仲次郎氏死去の直前の様子を伝える手紙などを探し出してお送りいただいた.なお,仲次郎氏につながる俣野姓の方は,現在ではワカさんお一人のみとのことであった.
3. 俣野仲次郎の経歴
1905 (M38)年10月四日生まれ
1947 (S22) 年 2月25日死去 (41歳)
仲次郎は,父 俣野半兵衛(為次郎),母そとの第三子(兄麻太郎,姉とみゑ,妹正子)として,京都市下京区松原通西洞院西天神前町で生まれた.家は代々商家で,父は度量衡器製作所を営み,九代目半兵衛を襲名していた.
九州大学在任中の俣野について知っている人はいないかと根本賓教授に調べていただし、たところ,栖原書郎名誉教授がご存じであるとのことで,以下の様なお話をうかがうことができた.
結核で,多分昭和21年暮れ前には大学病院に入院された.突然亡くなられたとの知らせに驚き駆けつけお手伝いした
(引用終り)
以上
342(1): 05/18(日)12:40 ID:kvRHpDhK(4/10) AAS
ほいよ
外部リンク:toyokeizai.net
東洋経済
日本人の「数学オンチ」大人になって感じる深刻さ
佐藤優氏×宮本さおり氏が語る「数学の本質」
佐藤 優 : 作家・元外務省主任分析官 / 宮本 さおり : フリーランス記者
2022/05/26
学力を測るテストでは世界でもトップクラスの日本。ところが、子どもたちに話を聞くと、数学に苦手意識を持つ子が多い。なぜそうなるのか。日頃から数学の重要性を学生たちに説いている佐藤優氏に、教育分野で取材を続けるジャーナリストの宮本さおり氏が聞いた。
数学嫌いを生む負のスパイラル
宮本:先日、ある中高一貫校の先生に、昔に比べて入学者の数学力が落ちているという話を聞きました。この学校は入試難易度もそれなりにある学校なのですが、全体的に数学の得点率が下がっていると。ここ数年は少し回復してきたものの、例えば、図形が書けない子や、四則演算の定着が弱い子、学年によっては小学校で習う小数点の計算から授業でやり直したこともあったとか。算数・数学力の低下は大学生でも見られることでしょうか?
佐藤:私の見てきた中にも、数学に苦手意識の強い学生が少なからずいました。文系の学生だけでなく、理系でも学習に抜け落ちのある生徒がいます。たとえば平面幾何をわかっていないとか、そういうことは起きていますね。
宮本:共通テストの数学で図形は選択問題となっているため、数学を受験科目に選んだ学生でも、図形が苦手な場合は避けることもできますよね。そして、入試で数学を使ったけれど、平面幾何はわからないということが起きているのでしょうね。
ここ1年、いろいろな学校の数学の先生に取材をしてきたのですが、例えば、中学に上がったときに三角形といった基本的な図が書けない子が増えたという話も耳にしました。小学校でプログラミングや英語など、新しい教科が加わり、勉強しなければいけないことが増えている中、限られた時間数の中で学習指導要領に沿った学びを進めるためには、どうしても、時間が足らないところが出ていると。時間などの制約で削られているのが、まさに図を書く練習などではないかと話す方もいました。
佐藤:図形ができないということは、ただ図が書けないということだけではなくて、公理系に対する理解が弱くなると思います。
外部リンク:toyokeizai.net
生きていくために勉強が役立つと感じられるか
宮本:学ぶこと自体を好きになるには、今学んでいることが、生きていくために役立つと感じられるかも1つのポイントになるように思います。今の小学生の算数の教科書を見ると、社会と算数のつながりが意識的に入れられていると感じます。とても工夫されています。
佐藤:自分のやっている勉強が役に立つとわかると、学ぶことはそれほど苦ではなくなり、力も定着します。生活のあらゆるところに数学的要素が潜んでいることを知れば、数学が面白くなるのです。桜美林大学の芳沢光雄教授は、消費者金融でお金を借りたらどうなるかなど、暮らしと数学を結びつけてわかりやすく教えてくれる本をたくさん出されています。生活に密接に結びついた具体的なところで数学を打ち出しているから、理解がしやすいのです。
346(3): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)14:52 ID:kvRHpDhK(5/10) AAS
>>320 追加
外部リンク:nazology.kusuguru.co.jp
ナゾロジー
数学嫌いこそ読んでほしい! フィールズ賞を受賞した4人の数学者のインタビュー
2022.07.07 川勝康弘 海沼 賢
「受賞の知らせが迷惑メールの欄に届いていた」ユーゴ・デュミニル-コパン氏
最初に紹介するのは「相転移の確率論」における長年の問題を解決した「コミュ力ギガ盛り系数学者」のユーゴ・デュミニル-コパン氏です
質問者:どんな経緯で数学者になったのですか?
デュミニル-コパン氏:はじめは天文学に興味があり、数学者が実在する仕事とは考えられませんでした
しかし高校から大学にかけて、次第に数学が好きになり、数学の教師になることを目指すようになりました
「(数学の)研究」の面白さを実感したのは大学院に入ってからで、そこから数学者に向けて一直線でした
質問者:学生時代には、どんな数学の分野が好きでしたか?
デュミニル-コパン氏:学生時代には好きな数学の分野はありませんでした。他の数学者が恋に落ちてしまうような分野を私は素通りしてきたのです
しかし確率論だけは違いました。確率論は私が好きな全てを兼ね備えていたのです
特に物理現象を統計的に解釈する統計物理学との出会いは素晴らしいものでした
(※氏がフィールズ賞を受賞したのは確率論の分野での功績がみとめられたからです)
質問者:研究する対象はどのように選んでいるのですか?
デュミニル-コパン氏:証明しようとする結果と過程に美しさがあること、そして解決の過程が段階的に分解ができることが重要だと思っています
美しさを感じることは創造性を発揮するために必須であり、段階を経ることは長期的な目標を達成するのに必須だからです
また私にとってアイディアというものは「集団で出てくるもの」であり、最も必要な瞬間には出てきてくれません
段階を踏んで組織的に進めることは、アイディアを生かすためにも重要となります
ただ現実問題として、常に段階的なアプローチが上手くいくわけではありません
興奮のあまり、あらゆる考えが湧き出て、原稿が何ページも積み重なり、そして共同研究者とのコミュニケーションも非常に激しくなる瞬間があります
この瞬間は非常に疲れますが、私は科学者というのは、この瞬間のために存在すると考えています
つづく
347(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)14:53 ID:kvRHpDhK(6/10) AAS
つづき
質問者:「ひらめき」が降りてきた瞬間はありますか?
デュミニル-コパン氏:はい、今でも鮮明に覚えています。その日はごく普通の日でした
友人であり長年の共同研究者であるタシオン氏と雑談をしていると、突然、当時私が取り組んでいたものとは全く別分野の式証明が頭に浮かんだのです
このときの証明は後に、現在統計物理学の教科書に記載されるほど有名になりました
この話で注目すべきは、無目的ですが知的な言葉のラリーが、まったく新しい発見につながったということです
それ以来、私は味をしめてしまい、無目的な議論を積極的に行うようになりました
幸い、無目的な議論はその後何度も、新しい「ひらめき」をもたらしてくれました
私にとって研究とはグループ体験です。
仲間と一緒に仕事をすることで得られる知的な体験が、私がこれまで手掛けてきた研究成果の大部分を占めています
質問者:教授として数学を教えることはインスピレーションにつながりますか?
デュミニル-コパン氏:学生との交流や授業の準備に必要な内省(顧みること)、そしてそこからうまれるアイディアは、数学者にとって必須です
以前、(学生とかかわらない)純粋な研究機関に勤めていたとき、教えることがあまりにも恋しくなったことがあります
私が思うに、数学者にとって教えることは呼吸のように必須なことだと思っています
研究から離れる機会は、自分の心に酸素を供給する機会でもあるからです
質問者:数学の面白さを理解してもらうにはどうしたらいいでしょうか?
デュミニル-コパン氏:子供のころ、国語が嫌いだった人でも大人になって文学にハマる人がいます
勉強としての国語と楽しむための文学や読書とが違うことに、多くの人々が気付いているからです
しかし残念なことに、数学では同じようにいきません
子供のころに数学が嫌いになった人々のほとんどが、大人になっても数学が嫌いなままです
この問題の原因は、数学が実用的なツールとして考えられている点にあります
これは大きな間違いです
文学の美しさや楽しさが多くの人々によって共有されているように、数学の美しさや楽しさも多くの人々が触れられるようにすべきです。
そのためには、大人たちは子供に「数学が便利だよ」と言って学ぶように説得するのではなく「数学は楽しいよ」と言って自発的に学べるように誘導すべきです
(引用終り)
以上
348(2): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)15:02 ID:kvRHpDhK(7/10) AAS
>>346 追加
外部リンク:ja.wikipedia.org
ユーゴー・デュミニル=コパン(Hugo Duminil-Copin, 1985年8月26日 - )は、確率論を専門とするフランスの数学者。2022年にフィールズ賞を受賞した。
経歴
デュミニル=コパンは、中学校の体育教師の父と、元ダンサーで現在小学校教師の母の息子として生まれ、幼少期はパリ郊外で多くのスポーツをしながら育ち、ハンドボールへの情熱を追求するため初めは体育会系の高校に進学しようと考えていた[1]。最終的に、デュミニル=コパンは、数学と科学に特化した学校に進学することにし[1]、パリのリセ・ルイ=ル=グランに入学、その後高等師範学校 (パリ)、パリ第11大学へと進んだ。数学の証明の厳密さに満足感を覚え、物理学ではなく数学に集中することに決めたが、統計力学上の問題を扱うために数理物理学で用いられるパーコレーション理論(英語版)に関心を徐々に持ち始めた[1]。2008年、デュミニル=コパンはスタニスラフ・スミルノフの下で博士論文を執筆するためジェノヴァ大学へ移った。二人はパーコレーション理論と格子内の頂点と辺を用いて流体の流れとそれに伴う相転移をモデル化した。二人は六方格子(英語版)において可能な自己回避ウォーク(英語版)の数を調べ、組み合わせ論をパーコレーション理論に応用した。この成果は2012年のAnnals of Mathematicsに掲載され、同年デュミニル=コパンは27歳で博士号を取得した[1]。
ポスドク後の2013年、デュミニル=コパンはジェノヴァ大学の助教になり、2014年正教授となった[2]。2016年にはフランス高等化学研究所(IHES)の終身教授になった[3]。2019年より、欧州アカデミー(英語版)の会員である[4]。
デュミニル=コパンの業績は統計物理学の数理分野に集中している。デュミニル=コパンは確率論に由来する発想を用いてネットワーク上の様々なモデルの臨界挙動を研究している[2]。相転移が起こる臨界点を特定すること、臨界点で何が起こるか、そして臨界点の直上直下の系の挙動に、業績は集中している[1]。
強磁性材料における相転移を研究するために使われるイジング模型を解明するために、格子の一部においてある辺の状態が他の辺の状態に影響するような依存性パーコレーション模型について、デュミニル=コパンは研究している。
つづく
349(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)15:02 ID:kvRHpDhK(8/10) AAS
つづき
2011年にはヴァンサン・ベファラ(フランス語版)と共同で、多数の2次元依存性パーコレーション模型に対する臨界点を決定する公式を与えた[1]。
2019年、ヴァンサン・タシオン(Vincent Tassion)とアラン・レウフィ(Aran Raoufi)と共同で、系が臨界点の直下と直上である場合の格子における連結成分のサイズに関する結果を公表した。3人は、臨界点の下では格子の連結成分に頂点が2つある確率は分離距離とともに指数関数的に減衰し、臨界点の上でも類似の結果が成立し、また臨界点の上ではサイズが無限になる連結成分が存在することを示した。
デュミニル=コパンと共同研究者は、「鋭敏性(sharpness)」と名付けたこの特性を、解析学と計算機科学を用いて証明した[1]。
デュミニル=コパンはまた、臨界点自体での相転移の性質、そして様々な状況下で相転移は連続的か非連続的か、についてもポッツ模型(英語版)の場合を中心に、より深く明らかにした[1]。
デュミニル=コパンは2次元の依存性パーコレーション模型における共形不変性(英語版)について研究している。
デュミニル=コパンはこの対称性の存在を証明することで、模型についての多大な情報が導かれるだろうと述べた[1]。
2020年、デュミニル=コパンと共同研究者は、多くの物理系における相の間の境界で回転不変性が存在することを証明した[5][6]。
デュミニル=コパンはイジング模型に関する業績に対して、2017年のブレイクスルー賞のNew Horizons in Mathematics Prizeを受賞した[7]。
2022年、デュミニル=コパンは「統計物理学、特に3次元および4次元の相転移の確率的理論における長年の問題を解決した業績」に対して、フィールズ賞を受賞した[8][9]。
ウェンデリン・ウェルナーはパーコレーション理論の分野の一般化はデュミニル=コパンの功績だと讃え、「全てがより簡単になり、合理化された。結果はより強力になった。…これらの物理現象の理解はまるまる置き換わった。」と述べた[1]。
ウェルナーは、パーコレーション理論における「主要な未解決問題のほとんど半分はデュミニル=コパンが解いてしまった」と述べた[1]。
デュミニル=コパンの趣味はスポーツで、研究中にインスピレーションを与えてくれると述べている[1]。結婚しており、娘が一人いる[10]。
(引用終り)
以上
350(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)15:22 ID:kvRHpDhK(9/10) AAS
>>348 追加
外部リンク:www.math.sci.hokudai.ac.jp
Akira Sakai(坂井 哲)北大
II. Research papers
2. Akira Sakai. Hugo Duminil-Copin氏の業績. 数学 (Sugaku) 76 (2024):48–60.
外部リンク[pdf]:www.math.sci.hokudai.ac.jp
Hugo Duminil-Copin氏の業績∗
仲間との徹底的な議論を楽しむ博識家 坂井哲2023 年2月17日
1 はじめに
2022 年フィールズ賞受賞者の一人は,嬉しいことに,またもや確率論・統計力学の分野から選出された.しかも,そのトピックは,複雑に絡み合う多体系の協力現象が顕在化する「相転移・臨界現象」である.
2006年のWendelin Werner,2010年のStanislav Smirnovも同じトピックで受賞1しており,筆者のどストライクゾーンでもある.
ただし,この二人の専門は2次元であり,筆者のそれは高次元(後述のパーコレーションではd>6,強磁性Ising模型やϕ4 d模型ではd>4)である.
その間の次元,とくに3次元の解析は非常に難しく,物理的にも未解決問題が多い領域である.
今回受賞したHugoDuminil-Copinの受賞理由は,
For solving longstanding problems in the probabilistic theory of phase transitions in statistical physics, especially in dimensions three and four
(とくに 3 次元と 4 次元の統計物理に登場する相転移の確率論的研究における長年の問題を解決したことに対して)
であり,たくさんの重要な業績の中でも,とくに
(a) 4次元強磁性Ising模型の臨界点近傍におけるスケーリング極限(やϕ4 4模型の連続極限)は一般化されたガウス系であり,したがって“trivial”であることを証明[5],
(b) 3次元強磁性Ising模型の自発磁化が臨界点直上で消失し,したがって全ての次元d≥2で臨界点におけるGibbs測度は唯一つだけであり,とくに空間の平行移動で不変なものに限られることを証明[4],
が考慮されたのだろう.どちらも長きに亘って専門家を悩ませ続けた問題を解決した論文である.(a) については,我が師が分かり易い解説と思いの丈を[25]で綴っておられるので,本紹介記事では(b)を中心に,筆者の個人的な経験と共に解説を展開したい.
脚注
∗この文章は,数学76, No.1 (2024) に掲載されたものの著者版です.
1 2014 年の受賞者であるMartin Hairer は「正則性構造」の研究で受賞したが,その応用として,特異な確率微分方程式の意味付けに「繰り込み」のアイデアが滲んでいて,場の理論や臨界現象とも関係深い.
つづく
351(1): 現代数学の系譜 雑談 ◆yH25M02vWFhP 05/18(日)15:22 ID:kvRHpDhK(10/10) AAS
つづき
まず第2節では,相転移というトピックについて,直感的にも分かり易い「パーコレーション」で紹介する.
筆者がとくに感銘を受けた「臨界点の一意性」に関する論文[17]とその周辺についての解説である.
つづく第3節では,いよいよIsing模型の相転移について紹介する.Ising模型には様々な表現方法があるのだが,その中の一つに,高温展開を精密化した「ランダムカレント表示」がある.
これを用いることにより,Ising模型の自発磁化などがパーコレーションの「連結関数」のように解釈できることを第3.1節で述べる.
これにより,Ising模型でも「臨界点の一意性」が簡単に証明できることを第3.2節で解説する.
そして最後に,今回の受賞理由の一つとなった「Ising模型の自発磁化の連続性」について,第3.3節で解説する.
略す
4 おわりに
こうしてHugoたちの証明を振り返ると,この長年の未解決問題を解決するための「登山道」に自分が何度も訪れていたことに愕然とする.結構その近くまで来ていたのに,「こっちの道には,さすがに未来はないだろう…」と高を括って,分け入らなかった「茂み」は数か所である.
そこを乗り越えるために,彼らは何か新しいものを生み出したわけではなく,既存の技法・論法を尽くして解決してしまった.
素晴らしいことだとは思いつつも,何だか悔しい….
本紹介記事は,標準的な紹介記事とは趣を異にしてしまったかも知れない.
Hugoや筆者の研究分野は海外では盛んな一方,日本の数学者の間では手薄な感じがしていて,だからこそ一所懸命宣伝しようと頑張り過ぎてしまった感がある.読者の方々にお許しを請う次第である.
外部リンク:researchmap.jp
坂井 哲
サカイ アキラ (Akira Sakai)
基本情報
所属北海道大学 大学院理学研究院 数学部門 教授
学位
博士(理学)(東京工業大学)
(引用終り)
以上
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
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