[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
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(3): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)21:51 ID:apiWSBWV(27/33) AAS
>>446 追加

情報幾何の生い立ち 甘利 俊一
外部リンク:www.jstage.jst.go.jp
応用数理 2001
フォーラム
応用数理の遊歩道(26)
情報幾何の生い立ち
甘利 俊一
1 情報幾何の始まるまで
私にとっては,情報幾何は大学院修士課程の2
年のときに始まる.大学院に入ったころは,独学
でSchoutenの微分幾何の本(Ricci Calculus),
van der Waerden の Modern Algebra,それに
LefschetzのAlgebraic Topologyを読んでいた.
分からなくなると先輩の伊理正夫氏にしつこく聞
いたものである.しかし,講義の単位もある程度
は取らないといけない.こうして出席したのが,
統計学輪講であった.ここで,若き竹内啓氏が,
折しも出版されたKullbackのInformation and
Statisticsの紹介を始めた.そこでは二つの確率
分布の間にかの有名なKLダイバージェンスとい
う擬距離が提案されている.ところで,二つの分
布が近いときには,これはFisherの情報行列を
用いた2次形式で表せる.これはリーマン計量で
はないかと言ったのが森口繁一教授であった.
これは実はRaoのアイディアである.Raoは,
統計学の基礎として,リーマン空間の重要性に気
が付いた.その論文は,CulcattaJournalof
Mathematicsに1945年に発表された.後に
Cramer?Rao の定理と呼ばれる統計学の基本定
理もこの同じ論文に書かれている.
私は,この輪講のレポートとして,正規分布の
なす2次元の空間を取り上げ,リーマン計量(Fi?
sher 情報行列)を計算してみた.また,測地線や
曲率を計算した.程よい演習問題である.ところ
が,これが負の定曲率空間,すなわちボヤイとロ
バチェフスキーの考えた非ユークリッド空間にな
るのを知って,いたく感激した.このきれいな構
造の背後にあるものはなんだろう.また,確率分
布族の曲率は,統計学にとってどのような役割を
担っているのだろうか.
それ以後,私は多くの人にこの話をした.これ
が刺激となって吉沢正氏や滝山竜三氏の仕事が生
まれた,しかし自分では満足な仕事は何もできな
かった.

つづく
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(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)21:54 ID:apiWSBWV(28/33) AAS
>>447
つづき

2 情報幾何を目指して
ところが,1977年ごろであったろうか,岸本
一男氏が私のところにやってきて,先生の言って
いる曲率云々の話が,統計学の論文にあります,
というのである.これがEfronの統計曲率の論
文であった.これは難解な論文で,読むのにたい
へん苦労した.たとえば,スコア法などという術
語が現れるが,統計を知らない私には何のことか
わからない.しかし,この論文が本筋をついてい
ること,さらにその付録にあるDawidの討論な
どが参考になり,本格的に情報幾何の建設を目指
してみようという気になった,

とりあえず,Efronの話
を一般的な幾何学の枠組みで基礎付けること,そ
れには通常のリーマン空聞では駄目で,二つの接
続(もっと一般にアルファ接続)という新しい概念
が必要であること,さらにこれが微妙に双対的な関
係を有していることに気がついた.この話を統計の
人に聞いてもらおうと,東大の奥野忠一教授の研
究室で輪講をさせてもらった。そこに現れたのが
竹内啓氏である.こういう本格的な話は,私でな
いとその真贋を鑑定できない,大体微分幾何は役
にたたないことになっている,とのたまうのである.
君子は豹変するという.氏の判定は,これはよ
い,早速数学会で発表しなさい,というものであ
った.こうして,数学会で発表し,つづいて統計
的推定の高次の漸近理論を,公文雅之君の協力を
得て,微分幾何の枠組みで作っていったのであっ
た.このころ,竹内啓氏が統計学の大御所Sir
Coxを日本に招待した.日本の統計を世界に知
らしめる良い機会であるというのである.私も
Coxの前で話すことになった.Coxは不思議そ
うな顔をして,黙って私の講演を聞いていた.
ところが,それから少ししてCoxから手紙が
舞い込んだ.お前の話は,統計のこれからの新し
い発展方向を示しているのかもしれない.その意
義を世界的に検討する必要があるので,
一流の研究者を招いて,ロンドンで統計の微分幾何と題す
るワークショップを開きたい.お前は必ずくるよ
うにとのことである.金のまったくない私は困っ
たのであるが,このときは文部省が理解して旅費
を出してくれた
(引用終り)
以上
449: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)21:59 ID:apiWSBWV(29/33) AAS
>>447 補足

>大学院に入ったころは,独学
>でSchoutenの微分幾何の本(Ricci Calculus),
>van der Waerden の Modern Algebra,それに
>LefschetzのAlgebraic Topologyを読んでいた.

>私は,この輪講のレポートとして,正規分布の
>なす2次元の空間を取り上げ,リーマン計量(Fi?
>sher 情報行列)を計算してみた.また,測地線や
>曲率を計算した.程よい演習問題である.ところ
>が,これが負の定曲率空間,すなわちボヤイとロ
>バチェフスキーの考えた非ユークリッド空間にな
>るのを知って,いたく感激した.

情報幾何なんじゃらほい
だったけど
リーマン計量と関係していたのか?(^^

「独学
でSchoutenの微分幾何の本(Ricci Calculus),
van der Waerden の Modern Algebra,それに
LefschetzのAlgebraic Topologyを読んでいた.」
が役にたっているよね
絶対に(^^;
451
(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)22:13 ID:apiWSBWV(31/33) AAS
>>446
甘利 俊一
学歴
- 1963年 東京大学 応用物理学
- 1958年 東京大学 工学部 応用物理

(>>447)
私にとっては,情報幾何は大学院修士課程の2
年のときに始まる.大学院に入ったころは,独学
でSchoutenの微分幾何の本(Ricci Calculus),
van der Waerden の Modern Algebra,それに
LefschetzのAlgebraic Topologyを読んでいた.
分からなくなると先輩の伊理正夫氏にしつこく聞
いたものである.しかし,講義の単位もある程度
は取らないといけない.こうして出席したのが,
統計学輪講であった.ここで,若き竹内啓氏が,
折しも出版されたKullbackのInformation and
Statisticsの紹介を始めた.そこでは二つの確率
分布の間にかの有名なKLダイバージェンスとい
う擬距離が提案されている.ところで,二つの分
布が近いときには,これはFisherの情報行列を
用いた2次形式で表せる.これはリーマン計量で
はないかと言ったのが森口繁一教授であった.
(引用終り)

工学から見て、数学は、物理や化学と同列なのよ
まあ、教養ですよ

おサルは数学科らしいけど
リーマン幾何や
負の定曲率空間の研究が、修論テーマらしいな

だが、当時の甘利俊一先生
(東京大学 工学部 応用物理の独学)
の方が、レベルが上だったろうかねー
van der Waerden の Modern Algebra
LefschetzのAlgebraic Topology
Schoutenの微分幾何の本(Ricci Calculus)
別に数学科の独占でもあるまい
甘利先生
修士課程の2年というから、1960年ころだろうな
いま、2019年だよね
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