[過去ログ] 現代数学の系譜 工学物理雑談 古典ガロア理論も読む78 (1002レス)
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413(1): 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)08:57 ID:apiWSBWV(13/33) AAS
検索ついでにヒットしたのでメモとして貼る
外部リンク:www.math.kobe-u.ac.jp
Publications of Department of Mathematics, Kobe University.
外部リンク[html]:www.math.kobe-u.ac.jp
Rokko Lectures in Mathematics 既刊リスト
外部リンク[pdf]:www.math.kobe-u.ac.jp
楕円モジュラー関数j(τ)の
フーリエ係数
九州大学数理学研究院
金子 昌信 2001 年 9 月 3 日
まえがき
この講義録は 1998 年 9 月 14 日から 18 日まで, 神戸大学において「楕円モジュ
ラー関数 j(τ) の Fourier 係数」と題して行った集中講義に基いて作られたも
のである.
j(τ) は愛惜措く能わざる対象である
第1章 j(τ)とその2つの係数公式
普通j(τ) (または J(τ))と書かれる「楕円モジュラー関数」は, モジュラー関数
のなかで最も基本的な関数であるといえるだろう. それは上半平面 H = {τ ∈
C|Im(τ) > 0} 上の正則関数であって, H への SL2(Z) の作用に関して不変,
すなわち
略
q = e^πiτ に関するフーリエ1展開 (q-展開)が
の形を持つ. これらの性質をもつ関数は定数の差を除いて特定できるが, j(τ)
は定数項を 744 として一意に定まる
モジュラー関数というものを
考えるときまず最初に見るべき群は SL2(Z) であろうこと3が, j(τ) を最も基
本的と見做す理由である. そしてその根本たる関数が虚数乗法論における類
体構成やムーンシャイン現象を筆頭として見事な性質を持っている. モジュ
ラー関数としての j(τ)は Dedekind4 の論文5とともに誕生したとすると, ムー
ンシャイン現象の発見はその 100 年後, 以下で述べようとしている係数公式は
約 120 年後の発見であって, 根源的な対象というのはいつまでも古びないとい
うことであろうか.
この講義録では j(τ) のフーリエ係数 cn に焦点をあてて, いくつかの結果を
紹介する. 特に, cn を所謂特異モジュラスと呼ばれる j(τ) の特殊値 (虚数乗法
点での値)により閉じた形 (有限和)に表す数論的公式と, その背後にある理論
について, ある程度詳しく述べることが主たる目標である.
つづく
414: 現代数学の系譜 雑談 古典ガロア理論も読む ◆e.a0E5TtKE 2019/11/03(日)08:59 ID:apiWSBWV(14/33) AAS
>>413
つづき
第2章 j(τ)小史
高木貞治1著の「近世数学史談」に次のような一節がある.
十九世紀数学の最初の飛躍は楕円函数の発見である. 然るにガ
ウスはアーベル, ヤコービに先だつこと三十年にして既に楕円函
数を発見している, 少なくとも発見の端緒を確実に把握している.
又デデキンドに先だつこと五十年にして既に modular 函数を発見
してアーベル, ヤコービを凌駕しているのである. しかもそれは一
例に過ぎない. (5. ガウス文書)
Gauss2が算術幾何平均と楕円積分との間の関係3に導かれて発見, 研究した
(が, 生前は発表しなかった4) モジュラー関数は今の言葉で言うとレベル 2 の
モジュラー関数であり, j(τ)は現れていない. ただ遺稿の中で少なくとも一カ
所, j(τ) にあたる関数の研究を仄めかしているところがある (全集 III 巻 386
ページ). たった 5 行の走り書きのようなもので, 「負の判別式を持つ 2 次形
式と “summatorische Function5”(j(τ) にあたるものであろう) との関係」と
か, 「SL2(Z) で不変な関数 (とは書いてないが実質同等なこと) を考えうる」
などと書いてあって, Gauss はこれをどこまで研究していたのだろうと空想
を誘う.
注3)1 と√2 の算術幾何平均が円周率と “レムニスケート率” の比に等しいことを Gauss は
数値的に見抜き (1.19814023473 . . . を見てこれが π と 2R 10√11?x4 dx
の比に等しいと見当のつく人はそうはいないだろう!),
その背後に “解析の新しい分野” のあることを予感, 間もな
く自らその予感の正しきを証した.
Gauss の遺稿にあった Γ(2) の基本領域の図は, 1866 年
刊行の全集 III 巻 (477, 478 ページ) では, おそらくは編者がその意味を取れず, 誤って写され
ていたが, Fricke が編者に入った 1900 年刊行の VIII 巻 (105 ページ) においてようやく正し
く書き直された.
つづく
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